魔法少女リリカルなのはViVid ooo ~欲望を司る魔王女~   作:ハナバーナ

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仕事の忙しさで遅くなってしまいました。それではどうぞ。


カウント12

ルーテシアの家の書斎で、リオとコロナはルーテシアとともに、覇王イングヴァルトに関しての回顧録を呼んでいた。

 

「なんで聖王家や魔王家の王女様がシュトゥラの王子様と仲良かったんだろうね?」

 

「オリヴィエやデサイアはシュトゥラに留学って体裁だったみたい。三家は国交があったから。

 ただ二人とも、継承権が低かったみたいだから、要は人質交換だったんじゃない?」

 

「戦国時代の人質ってあれだよね‥‥裏切ったら処刑しちゃいます的な‥‥。」

 

「そうそれ。ただ、彼らにとってはそんなこと関係なかったみたい。途中からオリヴィエ王女の

 事ばっかり。勿論デサイア王女の事も書いてあるけど。」

 

「なんでデサイア王女の文献は少ないんだろうね? 絵だってないし…‥。」

 

「うーん……。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

同じころ、食器の後片付けを終えたエーリ達三人は、コテージ周辺をぶらぶらしていた。

 

「オリヴィエやデサイアって、どんな人たちだったんでしょうか?」

 

「オリヴィエは太陽のように明るく花のように可憐で、デサイアは雲のように自由で、

 バラのように刺々しいところはありましたが、美しく、それでいて不器用ながらも

 気遣いのできる方でした。お二人とも魔導と武術に強い方で…それでも、乱世の中で

 命を落としてしまいました。」

 

「ゆりかごと運命を共に‥‥ですか?」

 

「はい。」

 

「それってオリヴィエって人の事ですよね? デサイアはどうだったんです?」

 

エーリが首をかしげながら、アインハルトに聞く。アインハルトは少し悲しげな表情で、エーリの方を向く。

 

「私の記憶でもわかりません。オリヴィエと同時期にシュトゥラを去ったことまではわかるの

 ですが‥‥クラウスも、デサイアに対してはそれに関して疑問を抱いていましたから。」

 

「ご、ごめんなさい! 嫌な事、聞いちゃいましたよね‥‥‥。」

 

アインハルトの複雑な表情を見てエーリは焦り、アインハルトに謝るが彼女は首を横に振る。

 

「いえ‥‥それ以上にクラウスは、二人を止められなかったことを悔いていましたし。皮肉な

 話ではありますが、それによって彼は強くなりました。すべてをなげうって武の道に

 打ちこみ、一騎当千の力を手に入れて、それでも望んだものは手に入らないまま彼は短い

 生涯を終えました。」

 

「望んだもの?」

 

「本当の強さです。守るべきものを守れない悲しみをもう繰り返さない強さ。彼が磨いた

 覇王流は弱くなんかないと証明する事。それが私の悲願です。」

 

アインハルトの決意のこもった瞳をみて、二人は呆然とした表情になる。

 

「‥‥すいません、自分の話ばかりで。あの、昔話ですので気にしないでください。」

 

「はい‥‥みんなのところに戻りましょうか。」

 

「(うぅ‥‥ヴィヴィオさんが悲しい顔を。これまでの事で思いやりの深い子だというのは

  分かっていたのに‥‥。)」

 

ヴィヴィオの機嫌を直す為にはどうすればいいかと、アインハルトが内心おろおろしてると、

 

「こらぁヴィヴィオ、湿っぽい表情しないの!」

 

エーリがヴィヴィオの前に立ち、彼女の口角を半ば強引にグイっと上げる。

 

「ふぇ、エーリ?」

 

「今は合宿なんだから堅苦しい表情は抜き! …‥えへへ、ルールーさんの時のお返し♪」

 

そう言ってエーリはアインハルトの方にも近寄り、口角を上げる。

 

「アインハルトさんも。折角の旅行なんですから、楽しめることは楽しみましょう?」

 

「‥‥はい、そうですね。」

 

エーリに言われ、アインハルトの口角は自然と上げる。ヴィヴィオもそれが写ったかのように笑い、アインハルトは安堵する。

 

「お~いお前ら。」

 

「あ、ノーヴェ。」

 

「ブラブラしてんなら向こうの訓練見に行かねーか? スターズが模擬戦始めるってよ。」

 

「勿論いくよ。二人も行きましょう。」

 

ヴィヴィオが先導し、アインハルトとエーリもついてくる。アインハルトはエーリに、軽く耳打ちする。

 

「(エーリさん、先ほどはありがとうございます。)」

 

「(いえいえ、機嫌を直せてよかったです。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練場

 

白いバリアジャケットを纏ったなのはは、模擬戦相手のスバルとティアナに向けて拡散魔法を放つ。

 

「シュート!」

 

ティアナがデバイスである二丁拳銃でなのはの拡散攻撃(クラスター)に向けて連射し相殺。その隙にスバルが殴り掛かるが、それをなのはがシールドを展開して防御。そんな攻防一体の激戦を見ていたアインハルトとエーリは、目を輝かせる。

 

「すごーい! 初めて会ったときとはまるで別人だよ!」

 

「航空武装隊の戦技教導官だからね。うちの自慢のママです。」

 

ヴィヴィオがエッヘンと胸を張る中、アインハルトは飛行しているフェイト、そして隣で飛んでいる巨大な竜にまたがっているエリオとキャロを見て驚愕する。

 

「あれは、アルザスの飛竜…‥!」

 

「キャロさんは竜召喚士、エリオさんは竜騎士です。」

 

「で、フェイトママは空戦魔導士で執務官やってます。」

 

そんな話をしているうちにそんな話をしているうちに模擬戦は終了し、六人はそれぞれウォールアクトや砲撃練習を行いだす。

 

「魔法練習だけじゃなくてフィジカルトレーニングまで…みんなあんなに動くんだ~。」

 

『おめーが言えた口か? エーリ。』

 

「局の魔導士の方は、皆さんここまで鍛えているんでしょうか?」

 

「まあな。ティアナは凶悪犯罪を追う執務官、スバルは救助隊。頻度の差はあれどみんな

 命の現場で働いてるわけだしな。力が足りなきゃ救えねーし自分の命だって守らなきゃ

 ならねー。」

 

「ノーヴェさんも、救助訓練バッチリやってますもんね。」

 

リオに言われ、ノーヴェは照れてしまう。

 

「あの、ノーヴェ。わたしここから離れて、アインハルトさんと練習したいんだけど、いい?」

 

「おう、行ってこい。あたしらから言っておくからよ。」

 

「ありがとう。」

 

ヴィヴィオは礼を言うとアインハルトとともに、その場を離れる。

 

「お前は行かねーのか、エーリ?」

 

「本当は行きたいですけどね。明日の模擬戦で大暴れするのでここは我慢して体力温存です!」

 

『へへ。』

 

何か焦らす様子で目を合わせるエーリとアンク。何かあるのだろうなと思い、ノーヴェは彼女を見る。

 

「あっ、コロナ。内緒にしてたけど例のアレ、もう完成してるんだ。」

 

「本当!?」

 

「アレってもしかして…‥!」

 

「私専用のインテリジェントデバイス!」

 

「コロナ専用のかっこかわいいやつね。」

 

「お嬢が組んだのか!? すげーな。」

 

デバイスを組んだというルーテシアに、ノーヴェはもちろんのことエーリも関心する。

 

「みんな準備できてそうだね、アンク。」

 

『くくく、明日が待ち遠しいぜ。俺様の力を思い知らせられるんだからなぁ。』

 

アンクはエーリ以外に気付かれぬよう、小さく悪い笑みを出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人チームの訓練が終わり日が沈むころ、なのはとフェイトを除く一行は、ルーテシアが設計した天然温泉を満喫していた。

 

「この滝湯も、ルールーさんが造ったんですか?」

 

「ええ、結構オシャレじゃない?」

 

「すごいすごーい!」

 

「お湯もちょっとぬるめで気持ちいい。」

 

子供たちに好評だったようで、ルーテシアも自慢げになる。それからはガリューが持ってきたジュースを飲みながら、みんなでガヤガヤと話していた。エーリもアインハルトと話をしている。

 

「楽しいですね、アインハルトさん。」

 

「はい。エーリさんも私と同じで、合宿には初参加ですよね?」

 

「そうです。それにアインハルトさんと同じで、ノーヴェさん達と知り合ったのも最近ですし、

 今では公園の騒動があってよかったと思ってます。」

 

「うっ‥‥その節はすみません。」

 

「いえいえ、おかげでお互い合宿できるわけですし。こうやって誰かと騒ぐのは新鮮です。」

 

「…‥そういえば、エーリさんも独学でしたね。」

 

「格闘の基礎は教わったんですけどね。そこから自分のスタイルを組み立てたり、勉強したりで

 いつのまにかもう4年生なんだな~って思いました。友達を作るっていいですね♪」

 

「‥‥はい、とても。」

 

そんな話をしていると、何やら別の温泉でギャーギャーと悲鳴じみたものが聞こえてくる。

 

「なんか騒がしいね。」

 

「動物でも出たのかな?」

 

その時、ふとエーリは自分の肌が、触られた感触を覚える。

 

「うきゃっ! もう、ヴィヴィオくすぐったいよ~。」

 

「ふぇ? 触ったのわたしじゃないよぉお!?」

 

ヴィヴィオも触られたのを感じたのか、突然驚いて立ち上がる。どうやら先にティアナたちも同じ目に遭ったようで、安全確認をしてくる。そしてその感触は、アインハルトにも伝わった。

 

「-------------ッ!」

 

咄嗟にアインハルトは素早く力を込めて前方のお湯を切る。すると目の前でお湯がのぼり、それが真っ二つに割れる。

 

「あっ‥‥水切りできた。」

 

「あう~、先越された~。」

 

エーリが悔しがる一方、リオの後方から水着姿の水色髪の女性が、リオの胸を触った。それに反応したのか脱衣室にあるリオのデバイス、ソルが緊急モードに移行。すぐさまリオを大人モードでバリアジャケットを纏わせる。リオは女性の腕をつかんで空中に投げた後、

 

「絶・招・雷・炎・砲!」

 

と叫んでその名の通り雷と炎を纏った蹴りをお見舞いする。女性は吹き飛ばされ、ヴィヴィオ達はリオを心配して駆け寄るのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

セクハラ魔の正体、シスター・セインは、現在正座されられていた。

 

「駄目だよセイン、こういういたずらは。」

 

「セクハラも犯罪なんだからね。」

 

「私が営業妨害で訴えたら捕まるしね。」

 

「こんなのがあたしより年上かと思うと涙出てくるわ。」

 

自業自得とはいえ散々な物言いをされたセインは、泣きながら子供のようにジタバタする。

 

「なんだよ、ちょっとみんなを楽しませようと思ってただけじゃんかよ~! あたしこれでも

 聖王協会のシスターなんだぞ~! あたしだけ差し入れ渡したら帰るとか切なすぎるじゃん

 かよ~! 自慢じゃねーがあたしはお前らより精神年齢大人じゃないんだからな!」

 

「本当に自慢じゃねーよ。」

 

そんなやり取りをエーリ達は興味深そうに見ていた。

 

「ヴィヴィオさん、あの方は?」

 

「セインといって、聖王教会のシスターで修道騎士見習い。たまにお茶目が過ぎるとこも

 あるんですけど、優しいシスターですよ。」

 

「本当に面白いなぁ、ヴィヴィオの周りの人は。」

 

改めてエーリは、あの日アインハルトと決闘してよかったと思うのだった。ちなみにセインは、今夜と翌朝の調理担当をすることで許されたらしい。




オリキャラ募集してるので、興味のある方は活動報告までどうぞ。
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