時間を遡ったシンデレラ達は魔法使いに何を想うのか 作:エスト瓶
最近CPルームに色々なアイドル達がよくやって来る。文香ちゃん、志希ちゃん、美嘉ちゃん、クラリスさん、雪美ちゃんと言ったメンバーの他にも紹介しきれない程のアイドル達が日替わりでやって来る。その全員の目的は私達CPのプロデューサーの彼だった。最初の頃は彼と顔を会わせると怖がったり物陰に隠れてしまう子まで居たけど慣れればシベリアン・ハスキーの様な愛嬌があるので寧ろ可愛く思えてしまう
何と言えば良いのか分からないけど母性を擽られる様な仕草や顔を出す彼が悪いと思うのだ。大人組は勿論、低学年のこずえちゃんでさえ、プロデューサーに対して母性を感じてしまう場面が何度もあった。そんなアイドル達に人気なプロデューサーがここ最近になって何処か疲れた様な表情を浮かべていた。話を聞いてみると最近何故か文香ちゃんやまゆちゃんが彼の後を付いて回るらしい、それもトイレの中にまで来る程に自分にベッタリらしい
「注意はしているのですが………」
彼の注意は本当に些細な注意なのだ。そもそも彼はアイドルに対して強く出れないの知っていて他の子達もそれを良い事に彼に甘えている
「プロデューサーさんは押しが弱いですからね」
「そう……でしょうか?」
「はい、とっても。現にプロデューサーさんは私の事を拒んでないじゃないですか」
プロデューサーの腕に抱き付くと離れるように言ってくるけど、少しの我が儘を通せばこの通りプロデューサーは溜め息を吐きながらも引き剥がす事はしなかった
過去にプロデューサーが担当していた子達と喧嘩別れした事もあったと聞いたがその子達には感謝をしなくてはならない。何故なら彼は自分の元を去っていった子達に後悔し、今度は同じ過ちを繰り返さないと心に誓い、日々私達アイドルの為に頑張ってくれるのだ。そして私達が少し強く言えば彼は何も反論できないのでこう言ったスキンシップもやりたい放題なのだ
「あの、腕を組むのは………」
「プロデューサーさんは私と腕を組むのは嫌なんですか?」
「いえ、そう言った事では無く。アイドルが男性の私と腕を組むのが不味いのです」
「それなら大丈夫です。プロデューサーさんなら誰も何も言いませんから♪」
彼は本当に何処まで言っても甘い人間だ。何の警戒も無く、ただスキンシップと言う名の彼の奪い合いは始まっているのだから、最近は特に文香ちゃんやアーニャちゃんがプロデューサーに対して今まで以上に臭いを擦り付ける事が多くなった
いくら彼女達が彼の体に臭いを擦り付けても無駄、だってプロデューサーさんは私の物なんだから、他の子達には一切渡さないし、渡すつもりもない。あの夏の合宿以来プロデューサーさんの事が頭から離れなくなった。いや、正確に言うのであれば彼と出会ってから私は徐々に彼の事しか考えられなくなっていった
「あ、そう言えばプロデューサーさんに聞きたい事があったんです!」
「あ、はい。何でしょう?」
「プロデューサーさんって今はフリーなんですか?」
「は?」
私の言葉にプロデューサーさんは鳩が豆鉄砲を当てられたような顔をしていますね。そんな顔も凄くチャーミングです!
「い、言っている意味が分からないのですが?」
「もう!プロデューサーさんは鈍感ですね!プロデューサーさんに今は恋人は居ないかと聞いたんですよ!」
ギュッと強く、逃がさない様に力を込め、更にプロデューサーさんに近寄るとほんの少しだけ頬を赤くするプロデューサーさん
「い、居ません」
「そうですか、それは良かったです♪」
その言葉を聞けて私は心の奥から安心した。もし仮に居たとしたら今の自分の気持ちを押さえることが出来なくなりそうだからだ。これでプロデューサーさんを襲って既成事実を作っても大丈夫だと分かった事に私は安堵して足取りが軽くなる
絶対に他の子達には渡さない。例えプロデューサーさんの意思を踏みにじっても私はプロデューサーさんを手に入れて見せる。絶対に
美波が最初から病みモードに突入していましたね。逆行していないアイドル達は最初っから全開で病みを発症しています。それは例え低学年メンバーも例外ではありません