時間を遡ったシンデレラ達は魔法使いに何を想うのか 作:エスト瓶
「プロデューサーさん、まゆの特製お弁当食べてくれましたか~?」
「はい。佐久間さんのお弁当は何れも美味しく頂かせてもらいました。見た目や栄養価にもきちんと配慮している所も流石の一言です」
「うふ、ありがとうございます♪これもプロデューサーさんに対する愛ゆえですよ~♪」
まゆは嬉しそうに彼に渡したお弁当箱を回収してから彼の隣に座る様に腰を下ろす。まゆがプロデューサーに対してお弁当を渡す行為も既に一年以上続いていた。それもその筈、彼女は美嘉、楓、幸子、小梅、志希等と一体面々と同じ彼にスカウトされたメンバーの一人なのだから。まゆがプロデューサーに一目惚れした後は読者モデルを辞めて彼の居る346プロに来て、見事に彼の元に着いたのだ
そしてプロジェクト起動と共に彼は忙しくなり、ろくに食事すら取らない日が続いたのだ。それに気づいたまゆは次の日には彼にお弁当を渡していた、最初は断っていたが泣き真似や倒れたら困るからっと言った理由で彼に渡していた。彼が担当から離れた今でもこうして毎日彼にお弁当を届けるのがまゆの中では日課になっていた
「忙しいのは分かりますけど、ちゃんと食事は取ってくださいね?」
「…はい」
お弁当を渡されている手前強く言えないのが彼なのだ。そしてそんな彼を見るのがまゆの楽しみの1つなのだが決して彼には言えない
「それにしても最近は特に疲れてますね?」
「…色々とありまして」
(恐らくは他のアイドル子達が原因でしょうね)
彼の隣に座って気が着いた。彼の体からは色んな女の子の臭いが染み付いていた。それも一人や二人では無く、大勢の女の子に抱き付かれた臭いだ。そして彼の腕から微かに薬品の臭いに似た物も感じた。これは同期の志希がよく使う薬品の臭いだった
その臭いを嗅いだ瞬間、頭の中がまるで電流が流れたかの様な錯覚に陥った。気を強く持ってなければ自我を失っていたに違いない。この薬品の臭いからは強烈な本能的衝動を強制的に掻き立てる様な効果が有るらしい
それもたちの悪い事に彼に対して何かしらの想いを秘めている者に対しての身に効くようだ。現に今も意識を強く保たなければ彼の事しか考えられなくなってしまいそうな程にこの臭いは強力なのだ。脚を強くツネリ、意識を保ちながら彼に心配されない様に平静を装う
(志希ちゃんは何を考えてるのかしら?)
最近の彼の周りには色々なアイドルが集まる様になり自分としては許せない状況だったが、それでも他の子達が楽しそうに彼と話している時は邪魔をしなかった。そして一部のアイドル達の異常性に気が付いたまゆは探りを入れてみると結果は黒だった。彼に対して異常性な程に対しての執着心や愛情を持っていた事が判明した
そして今回のこの臭いに対しての効果も合わさり、まゆは彼に何か危ない事が始まっている事に気が付けた。
(これは志希ちゃんに直接聞いてみましょう)
「そろそろまゆは戻りますね♪」
「はい。わざわざこの様な事でお呼びしてすみません」
「うふ♪まゆは何時でもプロデューサーさんの為なら駆け付けますよ♪」
最後に彼が大好きな笑顔を見せてからCPルームを後にした
「あれはどう言うことですか?志希ちゃん」
「にゃは♪あれって何の事かな?」
「惚けないでください。プロデューサーさんから僅に貴女の薬品の香りがしましたよ」
「にゃはは♪やっぱりまゆちゃんには敵わないなぁ」
「……………」
「そんなに睨み付けないでよ♪何もプロデューサーが嫌いだからあんな事をしてる訳じゃないんだし♪」
「なら」
「だ・け・ど私は私のする事をしてるだけなの。それが私に課せられた贖罪なんだから」
志希から笑顔は消え失せ、真剣な表情でまゆを見つめる彼女にまゆは何も言えなくなってしまった
「貴女は何をしたいのですか?」
「にゃははは♪それは何れ分かるから、それまで待ってることかな♪大丈夫プロデューサーが不幸になる事は無いから♪」
それだけを言い残して志希はまゆの元を去っていった
「なら何故貴女はそんなにも悲しい顔をしてるのですか………」
まゆは病んでるけどプロデューサーが関わらなければ良い子なんですよね。それでも可愛いですけどね!