オールストン・シーで繰り広げられる戦い、海塵のトゥルケーゼを止めるべくシグナム、ナハト、テイカー、EXEがその巨体に挑んでいた。
「コイツ・・・!!」
トゥルケーゼから放たれる閃光は周囲の管理局員とガンバライダーを寄せ付けない。ナハトがパッシャーマグナム、EXEがガンガンセイバーを構えて照準を合わせる。
"バッシャーフィーバー"
"ダイカイガン!ナポレオン"
前足に向けて放った二人の一撃は見事直撃して前の右足を破壊する。左足も破壊しようとした時だ。
「ちっ!」
「この再生が鬱陶しすぎないか!?」
EXEとナハトは合体しようとする分離部分から離れて舌打ちを鳴らす。一撃一撃の攻撃は間違いなく届いているのだが、壊滅させられるほどのダメージまでに至っていないのだ。テイカーもシグナムと連携をとりながらライドブッカーを使い斬撃を加えるが、これもまたダメージには至らない。
「キリがないぞ・・・。」
テイカーの額に冷や汗が流れる。今は進攻されていないが、体力の限界が来れば敵がこの場所を破壊することは容易い。
「シグナム、どうする?このままでは相手に抜かれるぞ。」
「敵を動かすコアがあるはずだ。それを破壊すれば奴の動きは止まる!」
恐らく敵のコアを探し出すには一度粉砕することが早いだろう。しかし足を止めることで精一杯のこの状況でどうやって敵のコアを見つけ出すというのか。
一方その頃、シャマルとデュアルは敵のコアを探し出すべく魔力を伝って敵の内部を探していた。
「恐らくここだろうな。」
デュアルはそう呟く。一部分だけ厚い層に囲われ、シャマルのデバイス「グラーフウインド」すら届かない奥底に眠るであろう敵のコア。これを破るには恐らく大きな力が必要だ。それこそシグナムたちを薙ぎ払うほどの大きな力が。
「どうしようかしら・・・?」
シャマルとデュアルは必死に頭を回す。あの層が少しでも砕けてくれれば・・・。デュアルは何か手はないかと戦闘状況を確認する。
その頃シグナムたちは防戦一方を強いられており、シャマルたちから手立てを貰うまでの辛抱となっていた。
拡散する光線を回避しながらダメージを与えていく。
シグナムもレヴァンティンを使い敵を切り裂くが、その再生速度は上がりダメージを寄せ付けない。全員が疲弊したその時だ。
トゥルケーゼは方向を転換してまた進み出した。その方向はオールストン・シーでも一番高い展望台をめがけていた。
「まさかアイツ!!」
「私がいく!!」
シグナムとEXEは同時に動き出した。トゥルケーゼの額は光り、一瞬で先程の何倍もの光を放った。
"リミットブレイク オーケー!"
「メテオストームパニッシャー!!!」
EXEはメテオストームシャフトを召喚し、先端からメテオストームパニッシャーを放つ。エネルギーを吸収していくが、放ったその一撃は砕け、後ろにいたシグナムと同時に壁へと叩きつけられた。
「ぐっ・・・。」
「EXE!!」
ナハトが向かおうとするが、トゥルケーゼの光がそれを阻む。まるで意思を持つように彼らの行手を阻んでいく。
「・・・これだ。」
デュアルはそう呟いて一目散に三人の元へと駆けて行く。
「えっ!?ちょっ!?」
シャマルが止めようとするがそれも遅く、すごいスピードで向かっていく。
「三人とも聞け!先程の攻撃を防いでコアまでの道を開くぞ?」
「は?」
三人とも困惑の色を示す。厚い壁を撃ち抜くほどの力など自分たちにはないはず。どうすればいいか分からず混乱する三人へとデュアルが一枚ずつカードを投げた。
「これは・・・?」
デュアルが投げたのはゴセイジャーが使用したリフレクラウド、リフレクオーツ、リフレクリアである。デュアルは一気に突撃してディエンドライバーを構える。
"カメンライド メイジ"
四体のメイジを召喚して四方へと放った。デュアルは空中へと飛翔してトゥルケーゼの頭上へと立った。
トゥルケーゼが光線を放とうとした。三人は立ち上がりカードをそれぞれのドライバーに装填した。
"in put リフレクリア"
"in put リフレクオーツ"
"in put リフレクラウド"
トゥルケーゼから放たれた一撃はEXEの眼前に貼られた鏡と直撃して大きな光を生む。EXEはその眩い光に目を瞑り目を塞ぐ。
「くっ・・・。」
倒れ込みそうになったその時だ。後ろにいたシグナムを彼を支えるように肩を持った。EXEは驚きを隠せず後ろを見た。
「シグナムさん・・・?」
「目的は同じ。ならば我らはお前たちを守護しよう。」
そうだ、こんなところで負けられない。力を貸したデュアルやフェイトと共に向かったファング、そして協力してくれるナハト、テイカー、シグナムのためにも
「こんなところで・・・倒れるかよ!」
吸収された光は反射してトゥルケーゼへと三方向から放たれた。トゥルケーゼ壁は削れ、中心に大きな傷を与えた。
「今だ!」
"バインド ナウ"
召喚された四体のメイジは魔法陣を開き、破片をチェーンで取り押さえる。しかしその破片は多く四体のメイジでは全く足りない。
「これでは相手の再生力が勝る・・・!」
デュアルが突撃しようとしたその時だ。様々な色のチェーンが八方から放たれて破片を取り押さえた。デュアルが周囲を見ると共に戦った管理局員たちが破片を抑えていた。
「そっちに出番とられちゃあ示しがつかないんでね!」
「良いとこは管理局がいただきますよ!」
デュアルはため息のような笑いをこぼした。GRZ社だけではきっとここまでの連携は取れなかった。味方がここまでありがたいと思える日があっただろうか。
「シャマルさん!」
「分かってるわ!コアは見つけたから後は破壊するだけ!」
シャマルは空間の中に手を突っ込み手を伸ばす。空間の中で肥大化させたその手は青く大きなコアを握った。
「つかまえ・・・たッ!!」
握ったコアを力強く握り潰す。コアは砕けてそれと同時に外部で動いていたトゥルケーゼが動きを止めた。
「シグナム!」
「あぁ!」
シグナムは一気に駆け抜ける。EXEたちもナハトの元へと向かう。
「ナハト!」
「了解した!」
"アドベント"
テイカーはメタルゲラスをEXEはエビルダイバー、ナハトはベノスネーカーを召喚した。
"ユナイト"
召喚した三体のモンスターは融合してジェノサイダーへと姿を変えた。
「紫電一閃!!」
シグナムが振り抜いた烈火の一撃は機動外殻を真っ二つに切り裂き、完全な鉄屑にした。
ナハトは構えてカードを装填した。
"ファイナルベント"
ジェノサイダーの腹は膨らみ、周囲の塵を飲み込んでいく。ナハトは飛翔してシグナムが切り裂いた鉄屑をジェノサイダーへと蹴飛ばした。
「ドゥームズデイ!!!!」
ジェノサイダーへと飛ばされた鉄屑は腹部のブラックホールに飲み込まれて跡形もなく消し去られた。
「・・・ふぅ。」
EXEはふらつきながら壁にもたれる。あれだけ強い一撃を一人で耐え切ったのだ。無理もあるまいとナハトとテイカーが寄り添う。
「お前はよくがんばった。今はゆっくり休め。」
EXEは頷いて壁にゆっくり身を任せた。シグナムも遅れるように彼に寄り添った。
「君がいなければ私も戦えなかった。ありがとう。」
「こちらこそさ。あの時あんたが俺に力をくれた。だから俺も戦えたんだ。」
管理局の救護班がすぐにEXEを担架に乗せて、救護車へと運んで行った。
一方で城塞のグラナートと戦うヴィータたちの裏で援護へと来た仮面ライダーディサイド-柳 リョウヘイ-に斬武とザルニスは困惑する。
「何であんたがおるんや・・・?」
「ミッションを外されたはずでは?」
ディサイドはグラナートの進攻を止めるべくカードを手元から取り出す。
"ガンバライド エルス"
ディサイドは姿を変えて黄金の鎧を纏い、翼を広げたガンバライダーへと姿を変えた。
「別のガンバライダーに変身した!?」
「どういうこっちゃ・・・。」
エルスへとガンバライドしたディサイドはガシャコンスパローを召喚してグラナートへと射撃を加える。ザルニスはガシャコンソード、斬武はガシャコンブレイカーを召喚して同じく攻撃を加えていく。
しかし、グラナートの進攻は止まらず前へ前へ進んでいく。進もうとするグラナートの前にヴィータが立ちはだかった。
「ヴィータさん!」
管理局員たちが呼ぶ中、ヴィータはバリアを作りグラナートの進攻を止めた。
「ッッッグ!!!」
その重さはヴィータだけの力でも抑えることができない。グラナートは先ほどよりは遅く、しかしゆっくりと前に進んでくる。
「ヴィータちゃん!」
ヴィータの脳にシャマルが直接声をかけてくる。ヴィータはその言葉に耳を傾ける。
「増援をそっちに向かわせてる!倒し方も教えてるからもう少し耐えて!」
「んなこと言われなくたって・・・!!」
しかし限界がきている。あと数ミリも下がれば後ろの施設が破壊されてしまう故にもう後はない。
ディサイドはすぐヴィータの元へと向かって彼女と共にバリアを張った。
「お前・・・。」
ヴィータと同じくベルカ式の魔法陣を開き、同じようにグラナートを抑えた。
「お前の遠い未来の弟子に世話になったんでな・・・。お前に傷を置いてくわけには行かないんだよ!」
ザルニスと斬武はガシャコンブレイカーとガシャコンソードにガシャットを差し込んで構えた。
"タドルクリティカルフィニッシュ"
"ドラゴナイトクリティカルフィニッシュ"
二人の同時攻撃はグラナートの後ろ足を崩してそのまま地にひっくり返した。倒れ込んだグラナートは再び脚を再生させる。
ディサイドとヴィータがもう一撃加えようとした時だ。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
"デッドリーオメガドライブ!"
二つの青い光はグラナートの厚い壁を撃ち抜き、中心部の赤いコアを露出させた。
「ヴィータ!」
「ザフィーラ!」
ヴィータはザフィーラへと、そして青いガンバライダー"アイザ"はディサイドの元へと向かった。
「お前は組織に背くつもりか?」
ディサイドは鼻で笑ってアイザ横を通り過ぎた。
「今組織を背いてでも俺にやるべきことがあるだけだ。」
アイザもほくそ笑むと、ディサイドのベルトを叩いた。
「副社長命令だ。お前の目的を果たせ。」
言われずともとディサイドは構えて一気にグラナートへと駆けていく。
「ザルニス、斬武に告ぐ。ディサイドを援護しろ!失敗するなよ?」
「了解!」
浮き上がろうとする鉄屑は徐々にコアへと寄っていく。
"スキャニングチャージ"
"グラビティ プリーズ"
ザルニスのサゴーゾインパクト、斬武のグラビティは鉄屑を抑えて浮き上がることを許さない。
しかし浮き上がろうとするものもおり、動きを完璧には止められない。
"サイクロン メタル マキシマムドライブ"
「ツインマキシマム!メタルツイスター!!!!」
「鋼の軛!!」
アイザから放たれた突風とザフィーラから放たれた氷の刺によってグラナートの動きが完全に封じられる。
ディサイドとヴィータは目を合わせてコアへと一気に飛びかかる。
「いくぞ!アイゼン!」
「抜剣・飛燕!!!!」
ディサイドの脚部には光が宿り、ヴィータのデバイスであるグラーフアイゼンの先端はドリルへと形を変える。突き進む二人の一撃がコアへと届いた。
「ブチ砕けェェェェェェェェェ!!!!!」
コアを完全にブチ抜いた二人の一撃は城塞を完全に落とし、完全な鉄屑へとその形を戻した。