ガンバライダーReflection   作:覇王ライダー

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第19話

グラナートが落とされた一方の空ではなのは、シュテル、アクート、ブラットが激しい攻防を繰り広げていた。光が飛び交い、爆音が周囲に響き渡る。

アクートはハーメルンケインとサタンサーベルを召喚してブラットに斬りかかるが、その僅かな隙間へと体を翻して後ろへと回り込む。アクートはその背へと目線を向けて笑みを溢す。

「やるな。」

「君ほどじゃない。」

"エクスプロージョン ナウ"

"ビート"

アクートの放った炎はブラットのライオンビートの前にかき消されていく。彼女の前には美しい火花が舞い散った。

二人は再び離れて武器を手元から離した。離した武器は粒子となって地面へと消えていった。

「僕が君を苦しめたのか?」

「・・・。」

「僕がいたから君は蘇り、僕を倒さなきゃいけなくなったのか?」

ずっと気になっていた。アクートとして蘇ったのがもし自分のせいだとするなら彼に何としても謝りたかった。自分が死ぬことがことが片付くならとさえ考えていた。次の言葉を発そうとした時アクートが口を開いた。

「・・・お前が死ぬ必要なんてない。」

「えっ・・・?」

訳がわからない。バグを潰すために蘇ったと彼は言っていた。それの意味がない?理解が追いつかない中、アクートは淡々と話を続ける。

「俺が蘇ったのは確かにバグを壊すためだ。しかしそれは世界が求めて蘇った理由に過ぎない。そこに俺自身の感情などどこにもなければ俺の行動理念の一つでもない。」

シュテルはアクートへと弾丸を放つ。アクートはそれを片手で弾き飛ばした。弾丸は吹き飛び、海の中に消えた。

「あなたの意志がないのならあなたが動けばいい。世界などどうでもいい、その中にいる以上あなたはあなたです!」

「俺の意志・・・。」

アクートとしてロードとしてどうすべきか何も考えていなかった。世界のコアとして何をすべきか、それしか考えていなかった。

なのはもアクートへと声を掛ける。

「アクートさんがしたいこと、私にも分からないけど本当に後悔する前にやるべきことをやった方がいいと思います!」

「なのはさん・・・。」

シュテルとなのはの弾丸は空を舞い、光が周囲を明るく照らす。光を掻い潜ってアクートへと向かってくる一筋の光があった。アクートは複眼越しからそれがガンバライダークロスに変身したリョウヘイであることはすぐに分かった。クロスは近づいてアクートへと一枚のカードを渡した。

「これは・・・。」

渡されたガンバライダーカードに写っていたのは赤いガンバライダーとLoadという名前だ。もう存在していないと思っていたが・・・アクートはほくそ笑んでクロスの横を通り過ぎる。

「お前は本当に最高の舞台を用意してくれた。」

「大将戦くらい白黒ハッキリつけてこい。いいな?」

リョウヘイは送り出すようにロードの肩を叩いてまた光の中へ去っていった。

ブラットはICカードを反転させてバーストチェンジする。バーストしたブラットの体は黄金に輝く竜の鎧を纏った。

アクートはガンバライダーカードをベルトへと装填して音と共にその姿を変える。

"ガンバライド ロード"

 

激しい空中戦を繰り広げるなのはとシュテルは爆風と光が吹き荒れる嵐の中デバイスのぶつかり合う火花と金属音が響く。二人の光弾の爆風は二人を引き離すが煙の中二人は再び激しい攻防を繰り広げた。シュテルは飛翔するなのはの横に並走して目線を彼女へと向けた。

「なのは、一つよろしいでしょうか?」

「今!?」

見えているのかそれとも気にも留めないのか驚きを隠せないなのはをよそに一人疑問をぶつけていく。

「なのはが守る施設の中には生体反応がありません。無人の施設を守る理由は何ですか?」

「えーっとそれは・・・。」

飛び交う光をなのはの武器であるストライクカノンとフォートレスを使って防ぎながら頭の中で伝えたいことを紡ぎ繋いでいく。

「あの施設の完成を待ってる人やそれを頑張って作っている人がいる。そんな人達のために壊されたくない・・・壊したくないの!!」

なのはは一気にシュテルを引き離す。なのはが更に追撃を加えようとしたその時だ。

「グランドオブレイジ!!」

「シャイニングライダーキック!」

ロードのグランドオブレイジ、ブラットのシャイニングライダーキック、二人のガンバライダーの起こした爆風はなのはたちを巻き込み攻撃の手が緩む。ブラットは吹き飛ばされてそのまま地面へと突き落とされた。怯んだなのはを逃すまいとシュテルは一気になのはへと突撃する。

「ッ!!」

「それがあなたの覚悟ですか。」

シュテルの腕に装備された武器はなのはの頭を掴んで離さない。なのはの目にはその中心に赤い光が集まっていくのが見えた。シュテルが光を放とうとしたその時だ。なのははすぐさま腕を前に出して光弾を放った。相討ちになった二人はふらつきながら空中で受け身を取った。

「ッ・・・葉月さんは。」

なのはは下を見てブラットの様子を見た。ブラットは立ち上がり、ロードと激しい鍔迫り合いを繰り広げていた。お互いの背に持った翼からは激しい風圧が起きて周囲に砂塵を撒き散らす。

ロードはアークトライデント、ブラットはザンバッドソードを奮い、火花を起こした。

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

二人の激しい叫び声は砂塵と共に周囲へと響く。ロードがザンバッドソードを弾くとブラットの後ろに剣先が飛びそのまま地面へと刺さる。アクートは更に猛追を加える。

「こんなものでは終わらない!」

アークトライデントを空に翳すと、雨、雹、雷を同時に起こしてブラットへと降り注いだ。

「こんなもの!!」

"Ready Go スパークリングフィニッシュ"

ブラットが放った気泡は雨と雹を弾き飛ばしてロードまでの道を作った。ハイパーゼクターを持ってロードへと近づき、ぶつかり合いながら空中へと飛んだ。

「やるな・・・だが!!」

ロードはブラットを弾き、なのはとシュテルの対向線へと投げ飛ばした。ブラットは空中で受け身を取りながらハイパーゼクターにゼクターを召集させる。

"オールゼクターコンバイン"

シュテルとなのははお互いに構えをとる。二人の前には先ほどよりも更に大きな光が収束した。

「私にも王に仕える炎という信条がある。あなたには負けられません!!」

二人の光は大きくなっていく一方なのはは施設の方を向いた。このままでは施設に被害が及ぶ。このままではマズいと感じたそんな時だった。

「なのは!こっちの結界は任せて!」

「そういうわけだ!」

なのはへとそう声をかけたのはユーノとアイザだ。そして北には斬武、南には青いもう一人のガンバライダーがいた。

「氷菓!?」

ロードとブラットの驚愕は少女へと向いた。ユーノたちと同じくして結界を張っていたのはガンバライダービート"噫蘭氷菓"、そしてガンバライダーノヴェム "九重一成"だ。

「久しいね、ロード!」

「何でお前が記憶を・・・!?」

ノヴェムの記憶は完全に消えていたはず、しかしなぜ自分のことを覚えているのか。さまざまな疑問が頭をよぎるが今はそれどころではない。

 

結界の光は強まり、次第に全員は砲撃の構えをとる。

「ルシフェリオン」

「スターライト」

「ブレイカー!!!!」

"マキシマムハイパーサイクロン"

"プトティラノヒッサーツ"

「マキシマムハイパーサイクロン!!」

「ストレインドゥーム!!!!」

四人の砲撃は中心で爆発を起こして光を放った。

「押し切れ・・・」

「この攻撃に耐えられる奴など・・・!!」

ロードとシュテルは衝撃を抑えながらも撃ち続けた。耐えられぬほどの光と爆風、彼らの一撃は通るはずだった。

「ストライクカノン!エクセリオンモード!ドライブイグニッション!!!!」

「絶・ガンバライダーキック!!!!」

光を押し切った二人の一撃はシュテル 、ロードへと直撃してシュテルとなのははトドメの一撃を互いに放った。

「ヒート!」

「バースト!」

 

-エンド-

 

戦いが終わり、シュテルはなのはの腕の中で眠るように倒れていた。完全に力を抜いて体を委ねているあたりよほどの力だったのだろう。なのははゆっくりと降りていく。

「今回は私の勝ちだね・・・。帰ったらお話聞かせてね?」

葉月はロードを探すが周囲に姿が見えない。あの一瞬で逃げたというのだろうか。探しに行こうとした時、止めたのは九重だった。

「九重さん?」

「アイツはそういう男だ。勝手に進んで勝手に帰ってくる。」

とはいえ彼自身も心配なのか周囲を見渡した。葉月は九重に疑問を聞いた。

「どうして記憶がもどったんです?無くなったって聞いてたんですが・・・。」

「あー、何でだろ。」

すっとぼけているのか本当なのかは分からないが記憶がもどったということは確からしい。満身創痍の葉月はそのまま救護班に預けられ、ベッドへと身を委ねた。

一方でアクートへと戻ったロードはふらつきながら施設の片隅に蹲った。

「強くなったモンだ・・・。」

あの頃の葉月とは比べものにはならないほど強くなり、彼を超える力となった。嬉しくもあり悔しくもある感情を閉じ込めてゆっくりと立ち上がった。するとこちらへと向かってくる足音が聞こえた。見ると向かってきていたのはリョウヘイだった。

「どうだ?セイオウの弟子は。」

「あぁ、強くなっている。幼い頃から知っていたが予想以上だよ。」

ロードはリョウヘイにガンバライダーカードを返すと、再び変身して歩き出した。リョウヘイは呼び止めようとするが言葉が見つからず諦める。

彼は彼なりの目的がある。再び相対するそのときはきっと敵同士なのだろうと確信に近いものを感じていた。

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