ガンバライダーReflection   作:覇王ライダー

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第21話

周囲を呑み込むほどの一撃は地と海を割き、そしてそこにいた人をも吹き飛ばした。一撃を放った少女はゆっくりと地へと降りる

レヴィは周りを見ながらやりすぎたという自覚からか辺りの人間に大丈夫かどうかを問いかける。自分を怒らせたということはあれど他の人間まで巻き込むつもりはなかったのだろう不安が募りその感情が表情にも現れる。その声に呼応するようにデウス、ファングは水上へと上がってきて自分についた水を振り払う。デウスは呆れているような表情をしているようにも見えるがどこかそこから怒りのようなものも感じられる。ファングは心配そうに辺りを見渡して必死に叫んでいる

「フェイト!!!!」

力の限り叫んだファングの声に応えない。砂煙の中少女を見つけるがレヴィが与えたダメージは凄まじく、視認するだけでは彼女が生きているかどうかを判断するのすら難しい

「・・・あのバカ」

確かに倒せというお達しはあったが誰がそこまでやれと言ったか。デウスの呆れに似たため息はレヴィにも聞こえていたようで

「誰がバカだよ!王様をバカにした方が悪いだろ!!」

「お前が怒りのままに戦ったからこうなったんだろ!誰が殺せまでと言ったよ!ええ!?」

「・・・黙れよ!」

二人の口喧嘩はファングの一言で一瞬で消え去る

「人が死んでるかもしれないんだぞ。」

普段のファングとは明らかに違うことをデウスはすぐに察して黙り込む。彼の言うとおりだ、人が死んでいるかもしれないのに今こんなことをしてる場合ではない。動き出したのはレヴィだ

「じゃあ、やっつけないとね。」

止めようとする静止を振り切り刃を向ける。彼らのスピードでは明らかに間に合わない距離だ。それでもとデウスとファングは静止に向かい手を伸ばす。だが

「じゃあね、フェイト。」

遅かった。刃は地面に突き立てられて岩ごと砕き潰した。二人はそれを見て動きを止める。まさかそんなことはない、この戦いで死人?そんなことがあっていいのか?レヴィは二人の反応とは違うようだった

「あれ?」

その場にフェイトがいないことに気づき辺りを見渡していたそのときだった。レヴィの体は碧いリングに拘束されて完全に動きを封じ込められる。レヴィは突然のことに焦燥して暴れ回るが彼女の力では砕くことすら敵わない。突然のことにデウスとファングも頭が混乱するが、一人の男の声に振り向く

「間に合った・・・のか?」

「えぇ・・・何とかね。」

後ろにいたのは九重が変身したガンバライダー"ノヴェム"、そしてフェイトを抱きかかえていたのはバリアジャケットも着ていないリンディだった。しかし、リンディの背は赤く流血していて間に合ったとも言えないしそれどころか戦線に立てるような姿ではなかった。間に合ったわけではなさそうだとノヴェムは察してファングとデウスへと近づく

「デウス、これを見てもまだ戦うつもりか?」

デウスは一瞬口を噤んだが切り返すように二人を退けて彼らに背を向ける。

「俺たちには俺たちの成すべき使命がある。たとえお前らと刃を交えることになってもこの道からは退くつもりはない。」

ファングが何か言おうとしたのをノヴェムが止めてそうか、と呟く。止めないと言うよりは止められない、そんな感覚なのかもしれない。ノヴェムもどこか納得したようだ

 

背中を血に染めたリンディはフェイトを強く抱き寄せる。フェイトはそれと同時に背中の血に気付く。突然のことに頭が混乱するが彼女はすぐさまに口を開いた

「リンディさん・・・なんでこんなことを!?」

なぜこう言ったのかは分からない。でも真っ先に言ってしまったのだ。リンディは諭すようにフェイトの質問に応答する

「家族だから、もう目の前で大切な人がいなくなるのを見るのは嫌だもの。」

フェイトの瞼から一粒の涙が流れ、リンディの肩へと当たる。ああ、何故こんなにも近くで見てくれていた大切な人に気付けなかったのだろう。プレシアやアリシア、リニス、アルフたちのような大切な人たちと等しく愛してくれて大切に想ってくれる優しさに何故気づけなかったのだろう。そうだ、今やるべきことは一つ、その気持ちに呼応したのかリンディの持ってきていた箱が光り輝く。フェイトはリンディから託された武器を持ち、光を放ちリンディの傷を癒す。フェイトはリンディに背を向けて言葉を伝える

「あの子を説得してくるから、待ってて"母さん"」

レヴィをふと見ると鎖を砕いて喜んでいた。フェイトはレヴィに話しかける

「ごめんね、待った?」

「全然、それより仲間を呼ぶなんてずるいぞ!!!」

どの口が言うか。デウスがそう言おうとするよりも先にフェイトが切り返す

「レヴィも大きなマシーン使ってたしおあいこ。」

レヴィはリンディの方をふと見る。その瞳はどこか羨ましさや憧れのような眼差しにも見える

「あれ、フェイトのお母さん?」

「そう。私のお母さん。」

デウスはどこか微笑ましそうに彼女たちを見つめる。セイオウから連絡が入ったのはそんな時だ

「朱崎さんか・・・。わかった、すぐ向かう。」

「音速の僕から逃げられると思わないでくれないか!?」

そう言って後ろを向いた時だ。デウスは不意を突かれてファングに殴り飛ばされる。壁へと叩きつけられて、その次の動きを取ろうとしたその時だ

「お前ら・・・!!」

「今回だけだからね?」

「サンキュー九重さん!」

"キック サンダー マッハ"

"ファイアー ドロップ ヒッサツ!フルスロットル!マッハ!"

「これが!」

「新コンビネーションアーツ!N&Fだ!」

音速を超えるスピードで炎と重なり合った雷撃は岩を砕き周囲に散らばった水飛沫ごと標的を吹き飛ばした

 

一方でレヴィは先程の攻勢から一転、フェイトの攻撃に圧倒されて完全に互角以上の力を振われる。斬撃で一気に圧倒しようと試みるがレヴィの一撃は全ていなされてそのまま力でさえ押し負けて吹き飛ばされてしまう

「でもまだ・・・っ!?」

レヴィが剣を振り抜こうとしたその時だ。黄金色に光る個体がレヴィの四肢を包むように現れて彼女の体を拘束する。振り払おうとするが強固なバインドは動くことを許さない。

「レヴィ、受けてみて。私の全力全開」

「え?全力って?え?」

"ホーネットジャベリン!ファイア!"

フェイトのその掛け声はレヴィの疑問に答える間も与えず光が包み込む。その一撃はレヴィを飲み込み、そのまま天へと向かって雲に風穴があいた。光が収まったときにはレヴィは倒れて地に落ちていて、それをそっとフェイトが抱きかかえた。フェイト、リンディが見つめ合い微笑む。その姿はお互いを思いやる家族のようだった

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