ガンバライダーReflection   作:覇王ライダー

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第3話

-GRZ社社長室-

複数の電話が鳴り社員たちが働く中、青年と少女は肩を並べて椅子に座っていた。

少女の背丈は青年より少し小さくて、頭が少しでも向こうに揺らげば肩にぶつかるくらいである。

「ねぇ?」

少し広い椅子に腰掛ける朱崎は横の少女に問いかける。

「なんですか?朱崎さん。」

横に座る少女「葉月 怜」は朱崎へと問い返した。

朱崎は微妙な表情を浮かべて葉月の眠そうな顔を見た。

いかにもこの状況を「つまんない」と感じていることをこちらに示すようだった。

「怜ちゃんがこのミッション受けるとは意外だったんだけど、そんな興味深いことあった?」

葉月はゆっくりと組んでいた足を降ろして立ち上がった。

柳 リョウヘイたちと共に別空間からの異常反応を調べる。という任務だが、彼からしてみれば何の興味も湧かない話だった。

「僕が今回興味あるのはそこじゃないですよっと!」

「怜ちゃん・・・痛い。」

葉月は朱崎の足を強く踏むと、すぐに離して朱崎に寄り添った。

「今回の計画ばかりは僕もあなたを疑うに決まってるじゃないか。」

朱崎は痛い足を抑えながら首を別方向に向けた。

彼女からしてみれば止められたこの暴走を見て見ぬ振りをして、わざわざ自分たちを派遣してまで止める理由なんて朱崎には無いはずだった。

「朱崎 勇気、君はこの計画で何を企んでる?その真意を僕は知りたい。」

葉月の言葉に沈黙し続ける朱崎は小さく呟いた。

「計画を明かすわけにはいかないんだよ・・・。」

大きくため息をついた葉月は自分の鋭い猫目を隠すように被っていたキャップ帽を深く被り直してその部屋を出て行った。

葉月が出た後、朱崎は大きく深呼吸して社長室の大きなモニターを眺めた。

「自分が悪役に回るなんて考えてもなかったよ・・・。」

葉月には分らなかった。この真意が、この言葉が指す結末への道筋が。

 

-オールストン・シー-

数年前から開演のために開発が進められていたテーマパークで、海に囲まれたその地形は上から見渡せば大きなマシンと綺麗な海が広がっている。

「着いたね〜。」

なのはたちが車から降りると続いてフェイトやアリサ、すずかが降りていく。

「じゃあ、子供たちは子供達で動きましょうか。」

なのはの母である高町桃子がそういうと、子供たちは大きな声で返事をしてそのまま歩いて行った。

「それじゃあわたし達は・・・」

「ママ会をしましょうか。」

三人の母親がそう言い子供達とは別の方向へと歩いて行った。

なのはたちは水族館を歩き回っていた。

水族館はメジャーな魚からなのはたちが見たこともない魚まで多くの種類の生き物が展示されている。

「すごいね!」

「うん!」

すずかとフェイトが明るく皆に話しかけると、アリサは一つ大きな展示物の前に立っていた。

「これ・・・」

「見たこともない石だね。」

なのはがアリサに寄り添うと、フェイトとすずかもそこへと近づいていく。

-海鳴市沖の海中で発見された巨大な石英-

説明にはこう記されているが、その後の成分は難しい単語が羅列しており、四人の知恵で完全な理解をすることは不可能だった。

「これが石英・・・ねぇ。」

「でもこんな綺麗な石英があるの珍しいよ!」

赤く光るその石英はその神秘的な光を発してずっしりとしていた。

「ねえ、ここで写真撮ろうよ!」

フェイトの提案に皆が頷き、自分たちにカメラを向けて写真を撮った。

「ちょっと待っててね。」

なのはは今いないはやてに向けて"楽しい"写真を送るのだった。

 

一方で母親たちは飲食スペースでコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。

「高町さんの娘さん大変なのよね。」

「ま、まぁ・・・。」

娘の事情を知る桃子としてはその返答に困るものがあった。

確かになのはは縁あって魔法を使えるようになり、この世界を救う仕事に就こうとしている。

しかし父である士郎やこれまで出会った人たちの背中を見たなのはの意思なんだろうと彼女も考えている。

「でもリンディさんもいるし、わたしが出る幕じゃないかなって思ってるからあの子次第かな。」

「大人ね〜。」

えへへ。と桃子が少し照れると、アリサの母であるジョディの携帯が鳴り、そのまま立ち上がった。

「ごめんね。」

「いえいえ〜。」

二人が心配なく。と笑顔で返すと、ジョディはそのまま携帯を取り出して電話に出た。

「うんうん。えっ!?どういうこと!?」

ジョディは携帯を持ちながら外を見渡す。

彼女の不穏な空気を感じると、そのまま近づいて外を見渡した。

「えっ・・・?」

「何・・・あれ?」

広場にはこの世のものではない「異形」の黒い塊が周囲にバラけていくのが母親たちは見えた。

 

海鳴市へと降り立ったリョウヘイ達はおもむろにタブレットを取り出した。

タブレットには情報が載っており、様々な難しい情報が記されている。

「N地点にバグの反応がある、恐らくここだな。」

ガンバライダー EXE「城島 流」がそう言うと、リョウヘイ、葉月、闘真がタブレットを閉じてそれぞれのガンバドライバーを取り出した。

「怜、変だと思わないか?」

「そもそもあなたが怜って呼ぶのが変なんですが。」

リョウヘイが葉月にそう言われて二回ほど咳き込むと、話を続けた。

「朱崎社長は止められたけど止めなかった。そしてアイザの渡した文章は謎で解明されないままだ・・・。」

「お前なんで解明してないんだよ!」

「つまりこれは何かの罠の可能性?」

ツッコミをスルーして放った葉月の言葉にリョウヘイは首を縦に振った。

「でもまあ・・・なるようになるしかないでしょ、こればっかりは。」

「だな。」

無理矢理切り裂くように流と闘真が終わらせると、それぞれガンバドライバーを装填して叫んだ。

"変身!!"

 

なのはたちが外に出ると、そこは既にモンスターの巣窟であり黒い影が歩き回っていた。

「すずかちゃんたちは離れてて。」

「アリサもだよ。」

「うん。」

なのはとフェイトにそう言われると二人は施設へと戻っていき、なのはたちは外へと出て行った。

「なのはコレ・・・」

「ロストロギアとかじゃなさそうだね。」

なのはたちがデバイスを取り出そうとしたその時だった。

「あんたらの出る幕はないぜ!」

なのはたちが上を向くと四人の戦士が降り立ち、各々四方を向いた。

「あなたたちは・・・?」

フェイトの問いかけに戦士は呼びかけに答える。

「そう!俺たちは・・・」

「仮面ライダー・・・?」

戦士が軽くコケると、もう一人が失笑した。

「流だっせ。」

「闘真は後で処す。」

「いや、さっきの流はダサかったよ。」

青い戦士にそう言われると流はその怒りで黒い塊を殴り飛ばした。

「お前ら後ろ向いてる暇があったら一般人を守れ。いいな?」

「リョウヘイさんもね!」

青い戦士にリョウヘイはそう言われると、リョウヘイは周囲の黒い塊を持っていた斧で殴り飛ばした。

「俺たちはガンバライダー 。アイツがEXE、そしてファング、そしてブラットだ。」

「自分の名前忘れてるよクロスさん!」

「だね!」

流の変身するEXE、そして闘真の変身するファングはそう言って黒い塊を蹴飛ばした。

「まっ、仮面ライダーでもガンバライダーでも変わんないけどねっ!!」

「葉月の言う通りかもね!」

葉月の変身しているブラットにファングはそう答える。

「俺は会ったこと・・・あっ」

「会ったこと」

「ありますか?」

クロスは自分の失言で頭を掻いた。ファングとEXEはそれが気になってクロスに近づく。

「どうしたんすか?」

「元カノに似てるとか?」

二人の煽りを気にせず黒い塊を切り裂いていく。

「そうだった・・・。この時空のあんたらは別人だったな!」

クロスは斧から発した光が一気に闇を切り裂き、爆散させた。

「なにそれ面白そうな話!」

ブラットがクロスへと近づくとクロスはそれから逃げるように走っていく。

「一般人の救助に行くぞ!」

「一般人は無事だぞ。」

クロスがその聞き覚えのある声に後ろを向く。そこには彼らが目を疑う光景が広がっていた。

「アクート・・・!?」

「どうなってる・・・!?」

アクートが高笑いすると剣を召喚して一気にブラットへと近づいていく。

「シンゴウアックス借りるよ!」

「ちょっ!?!?」

リョウヘイの持っていた斧「シンゴウアックス」を借りて剣を防いだ。

「どうしてお前が・・・奏とともに滅んだお前がどうして!?」

「答えは簡単だ。」

アクートを弾き飛ばすと、遠くからの弾丸をそのまま防いだ。

「お前まで裏切るとはな・・・化け狸が。」

そこにいる影は彼のよく知る人物だった。

かつてクロスと共に共闘して戦ったガンバライダー「デウス」だった。

「何が起こってるの!?」

なのはとフェイトがデバイスを取り出すと、なのはとフェイトの周囲にはエネルギーを持った羽根がいくつも飛び散り爆破した。

「フェイト!!」

フェイトとなのはの叫び声の方向にリョウヘイが近づこうとすると、そこには赤いガンバライダーが立ち塞がった。

「やっぱアンタが裏切り者だったか・・・。」

「ガンバライダー・・・セイオウ。」

そこにいたのはガンバライダーセイオウの鎧を纏ったGRZ社の社長「朱崎勇気」その人だった。

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