○○と一緒なら 作:ノムノム
シャルティアと一緒なら①
「ユグドラシルも終わりか」
モモンガは、ただ一人だけとなった墳墓で呟いた。
「・・・・さて、もう誰も来ないことだし俺の好きなようにするか」
メールで「最終日なので集まりませんか?」とギルメンたちに提案をした。
だが、それに答えたのはほんの数人。
最後のギルメンも、今さっきログアウトした。
なので、此処からはモモンガだけだ。
「どうせ消えるんだ。だから別にいいよな」
ギルド武器を持ち、モモンガは指輪を使って宝物殿へと向かった。
かつての仲間たちの装備を全てアイテムボックスに詰め、世界級アイテムも詰め込む。
ちゃんと全てあったので、後はNPCに預けてある世界級を回収すれば完璧だ。
この時の事をモモンガが振り返るとすれば、こう思っただろう。
恐らく、寂しさを紛らわすために、仲間たちの装備に囲まれたかったのだろうと。
世界級アイテムを眺めて、仲間たちとの思い出に浸ろうと。
全ての世界級アイテムを回収し、モモンガは時間を見る。
「まだ時間はあるな。よし」
ギルメンの中でも特に仲が良かったギルメンが作ったNPCの元へ転移する。
そのNPCが配置されているのは死蝋玄室という部屋だ。
お香のようなピンク色のバッドステータスを齎す空気に満たされた場所で、そこには
そして、それらを束ねる存在として黒のドレスにボールガウン。
体を覆い尽くし、蝋じみた真っ白な肌を晒しているのは顔のみ。
流れるような銀髪と血のような真っ赤な瞳の美少女。
鋭く尖った八重歯が彼女が人ではないと証明している。
シャルティア・ブラッドフォールン。
この地「ナザリック地下大墳墓」の第一から第三階層を護る守護者。
種族は
モモンガはシャルティアに近づくと、コンソールを出し設定を閲覧する。
「ペロロンチーノ・・・」
十八禁になるような事は全て遠まわしに書かれており、様々な性癖などを中心に書かれていて、肝心な性格の部分がほとんどない。
加虐的嗜好とかは性格にも入るけど、性癖だし。
幸い、文字数は余っている。
本来は専用のツールがなければ変更できない設定だが、モモンガはギルド長特権を使って設定に手を加える。
『モモンガの義理の妹である。つまり、結婚可能である』
「くはぁっ!」
恥ずかしさのあまり、モモンガは手で顔を覆う。
だが、消さずに保存したのはモテない男の願望故か、それとも他の理由か。
「ん?うわぁ・・・もうこんな時間か」
シャルティアの設定に一々反応したからか、サービス終了までもう十数秒しかない。
「ペロロンチーノの娘とも言うべきお前と一緒に終わるというのも、それはそれでいいか」
明日は四時起きだなぁ。
そう思いながら、モモンガは目を瞑った。
視界に映る時計からカウントダウンをする。
三、二、一、零・・・ん?
不意に軽い衝撃が体を襲った。
目を開けると、シャルティアが抱きついていた。
無論、身長差があるので腰辺りにだが。
「お、おわっ終わるなんて・・・言わないでぇ」
「え?」
「わ、わた、私が嫌いなら私が消えるからぁ・・・だか、だからっ終わるなんて言わないでぇ!」
「・・・・はい?」
大粒の涙を流し、美しい顔を歪ませながら、シャルティアは俺を見上げていた。
「何だこれは・・・」
気づくと周りは見渡す限りの草原。
夜なのか真っ暗ではあるが、暗闇も真昼のように見渡す
「何が起こっている・・・?」
言葉を解するもう一人は、返事と言わんばかりにわっと大きな声を上げながら泣き出した。