君の笑顔を見たくて   作:羽沢珈琲店

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あらすじ通りです。つぐがヒロインです。つぐが可愛いです。


いつも通りの朝、いつも通りの幼馴染

 春–––––それは人生の終着点でもあり始まりでもある季節。今年から晴れて高校1年生となった俺、斎藤修也は制服をバサッと羽織り、ネクタイをビシッと決めて鏡越しで乱れていないことを確認すると頬を二回叩く。

 

「よしっ!」

 

 これから始まる新たな学校生活。一体どんな事が待っているのか少し楽しみであり不安である。けれども、俺にはその不安を掻き消してくれる存在がいる。そいつらと一緒なら何だって出来る気がする。何も不安はない。学校指定の鞄を手に持ち、自分の部屋から玄関まで向かい革靴を履く。

 

「あら修也、もう行くの?」

 

「あいつらが待ってるからな。母さんはもう少しゆっくりしてから来ていいから」

 

「あらそう?分かったわ」

 

「じゃあ……」

 

「修也!」

 

 急に母さんに呼び止められ、振り返る。

 

「何だよ大きい声出して」

 

「ううん。大きくなったなと思ってね。いってらっしゃい」

 

 優しい笑顔で見送る母を久し振りに見た修也は少し気恥ずかしくなり頬をかきながら「行ってきます…!」と玄関のドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 母さんに行ってきますを告げ、外に出るとまだ微かに冬の名残があるのか涼しげな風が吹く中、目の前に咲く桜の木が大きく揺らし、桜を散らして行く。桜の花びらが散って行くのは少しもったいない気もするが、その風景は何千、何万人の人を惹きつけるであろう綺麗で、それはそれでいいのかもしれないと思ってしまう。

 

「はっ!見とれてる場合じゃない。遅れたらあいつらになんて言われるか。特に約1名……」

 

 突然だが俺には小学校からずっと同じの幼馴染がいる。男子だと思うかもしれないが、全員女子です。うん、皆の気持ちがひしひしと伝わってくる。小学校中学校と散々言われてきたからもう慣れてしまった。

 

 俺の高校生活での不安は数名というか数百人単位での規模で起こる戦争が始まるのではないかという事なのだが……。この話は置いといて。

 

 俺は幼馴染の一人に怒られないようにいつもの集合場所へと急いで向かった。そしてほんの5分後、集合場所である羽沢珈琲店の前に着いた。

 

「あ、修君!やっと来たぁ……」

 

「いつもは早いのにな」

 

「遅い……」

 

「こりゃあ〜、モカちゃんにパンを奢らなくてはならない運命だね〜」

 

 各々の感想を述べ、すこし不機嫌状態になってる4人。

 

「悪かったって。というかモカ、そんな運命あってたまるもんか」

 

「いやいや〜、そう言って修君は奢ってくれるから、モカちゃん好感度アップになっていくんだよね〜」

 

「ホントか?」

 

「冗談〜」

 

 えへへ〜と揶揄いの笑みを浮かべるモカを横目に見ながら溜息を吐く。いつものことだからこのやり取りも慣れてしまったが。

 

 この4人が俺の幼馴染である、美竹蘭、宇田川巴、上原ひまり、青葉モカ、そして……、

 

「ん?あれ、つぐは?」

 

「つぐなら忘れ物したってさっき部屋に……」

 

「ごめんみんな!待たせちゃったかな?」

 

 喫茶店のドアから出てきたもう1人の幼馴染であり、俺の好きな人である羽沢つぐみが出てきた。

 

「つぐー!全然待ってないよ!」

 

「探し物は見つかった?」

 

「うん!大事な書類を忘れてたなんてやっぱり私ってダメだな…」

 

「そんなことないって」

 

「そうそう。モカちゃんはそういうところもつぐってると思うよ〜」

 

「さっきの俺と反応が真逆なんだが……」

 

「つぐみは修也より早く来て、遅れてはないから」

 

「うぐっ」

 

 た、確かにそうとも言えるが…。

 

「慰めてあげようか〜?」

 

「いらんわ」

 

 モカの慰めを受けるなど何か負けた気がしてならない!

 

「あ、修君も来てたの?ご、ごめんね!待たせちゃったかな?」

 

 つぐが俺の存在に気付き、目の前まで近づいてきて小首を傾げる。今日も可愛いな。

 

 俺は彼女が好きだ。この可愛さをいつでも守ってあげたくなる。だからこそここは紳士的な返答をしたいところなのだが。

 

「あー、いや、その、別に俺も今来たとこだし。全然待ってねえよ!」

 

「そ、そう?それなら良かった…!」

 

 少し笑顔になり巴とひまりの元へ戻っていく。その様子を見ていた蘭とモカは深い溜息をつく。

 

「修也……」

 

「修君ドントマインド〜」

 

「言うな。何も言うな」

 

 そう、俺はこの気持ちに気付いてからずっとこの調子。つぐが好きと分かった瞬間、いつもの振る舞いを忘れてしまい極度のヘタレ状態になってしまう。というかキョドッてしまう。そして一番悲しいのが、つぐがこの気持ちに1ミリも気付いていないことだ。

 

「早く告白すればいいのにね〜」

 

「こっちも隠しておくの疲れるし」

 

「うるせぇ!大体蘭だって俺と同じタイプのくせに!」

 

「は、はぁ!?私のどこが修也と同じだって言うの!」

 

「自分の胸に聴いてみろ!」

 

「あー、また始まった…」

 

 モカは何度も見た2人の光景に溜息を吐く。

 

「おいおい蘭、修也。何やってんだよ早く行かないと始業式間に合わなくなるぞ」

 

「「巴は黙ってて!!」」

 

「何だと!?」

 

 火に油を注いでしまった巴はそれに乗っかり3人が収まったのは始業式が始まる5分前だった。




ここでもいいます。つぐは可愛い。
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