「始め!」
俺は掛け声とともに即座に動きだし今現在自分が出せる最高速度で相手にせまる。ましてやこの身長差だ体を屈めて下から攻めればいくら織斑千冬といえど対処出来ないだろう。
先手必勝!狙いは小手だ!これは完璧な奇襲として成立する!
振り下ろした竹刀は千冬の小手目掛けて寸分違わず落ちて行く
「もらった!」
俺は勝ちを確信して思わず声を出してしまった
バチン!
「ほう、凄まじいスピードだな。もしや経験者か?」
防いだだと⁉あの条件の下、さらに油断していたと思われるのにまさか防がれるとは...
いったいどんな反射神経してるんだよこいつ
sos.sos.奇襲失敗。直ちに体制を立て直し反撃に備えよ
俺の脳内でスクランブルが鳴り響く
くそ、予想外すぎるぞマジで...って、ちょ、あの野郎攻撃して来やがった!仮にも俺の容姿は小1だぞ?大人気ないだろ!ちくしょう攻撃が早過ぎないか⁉竹刀が最早残像と化してるんですけど!
「もらった!」
危なかった。あの声が聞こえなかったら俺は一本取られていただろう。それよりも凄まじいスピードだ。いくら油断していたとはいえ目で追いきれないないとは...
「経験者か?」
俺の問いに対して相手の女の子は首を振る。ほう、だとしたら素晴らしいセンスの持ち主だな。今の時点で一夏を超えているじゃないか。いや、箒も超えてるかもしれん。少し確かめてみるか。俺はギアを一段上げて攻勢に転じる。
「よく避けるじゃないか」
これは皮肉でもなんでもなく純粋な賞賛だ。いくら俺が本気を出してないとはいえ、この子は小学生のレベルを超えている。なんだ?型はバラバラで重心移動もなってないが、もしそれを身につけたとしたら化けるに違いない。これが天才というやつか。
俺が素直に相手の女の子の力量を褒めていると女の子の纏う空気が変わった。
なるほど更に上があるのか。気合いを入れ直し相手の一挙一動を見逃さないよう集中する。なに!消えただと⁉だが...
「甘い!」
俺は殺気に反応してすぐさま振り返り攻撃受け流す。女の子の顔は驚きに満ちている。センスは素晴らしいが隙だらけだ!俺の反撃によって試合は終了した。
おい!早過ぎるだろ!避けるので精一杯なんですけど!やっぱこいつ転生者だって!おかしいよこいつの運動神経!
俺が必死に攻撃を避けていると脳内に声が鳴り響いた
( はぁ、仕方ないのう、フィジカル・バーストって呟いてみい)
え?なんだって?今ちょっと忙しいんですけど後にしてもらえません?てかまずどなたですか?
( ええからはよう呟かんかいボケぇ!)
ひぃ!わかったよ言ってやるよ!言えばいいんだろ⁉この言葉ってあれだよな?アクセル・ワールドで出てくる肉体を10倍に加速するってやつで確か持続時間は現実の体感時間で3秒だったな。最初からこんなん使えるなら早く言えよ!俺無敵じゃねーか!
「フィジカル・バースト!」
そう呟き10倍に加速する。てか痛い、痛い!なんか頭も体も痛いんですけど!こうなりゃさっさと終わらせてやるぜ!
俺は千冬の背後に回り込み攻撃を仕掛ける。千冬には俺が消えたように見えるだろうから今度こそ攻撃は通るはずだ!そして振り下ろされた竹刀は相手に当たる...事なく竹刀で受け流された。
なん...だと...
この時の俺はかなりアホな顔をしていただろう。それほどまでに予想外だったのだ。そして隙だらけの俺に千冬の反撃を対処する余裕もなくそこで千冬の竹刀により意識が刈られた
俺は今凄まじい攻防を見ている。千冬さんvs咲夜の試合だ。千冬さんの竹刀なんか早過ぎて全然見えないし、俺の時よりも本気を出してるんだろう。てか咲夜も咲夜だ。どうしてあれが避けられる?お前は今日初めて剣道をやるんじゃないのか?俺の疑問は尽きないまま試合は進んで行く。
「フィジカル・バースト!」
え?咲夜が何やら呟いたと思ったら千冬さんの後ろで気絶していた。何が起きたんだ今?
「少しやり過ぎてしまったか...」
俺の目の前で伸びてる女の子を見ながら流石に反省をする。いくら天才だとはいえ相手は小学1年生の女の子だ。それを気絶させてしまうなど...
「一夏、箒、介抱してやれ。俺は少し頭を冷やしてくるから起きたら連れてきてくれないか?少しその子と話がしたい」
俺は2人に任せ道場を後にする。
「咲夜ちゃん!咲夜ちゃん大丈夫⁉」
ん...一夏?あーそうか俺は負けたのか...チート使って負けるとか情けなさすぎて涙が出てくるわ...
「おい咲夜フィジカル・バーストってなんだ?」
ごもっともな疑問です箒君、でもどうしましょう?言い訳なんか何も考えてないし何も思いつかないのです。よし、ここは誤魔化すか。相手はガキだゴリ押しでなんとかなるだろ。
「あ、そういえば千冬兄も話がしたいって言ってたよ!」
⁉⁉⁉⁉⁉
なんだと⁉あいつ相手に誤魔化せるわけがねーだろ!どうしようどうしようどうしようどうしよう!ここは素直に話すしかないのか?でもなんて?私10倍に加速する事が出来ますってか?ただの痛い子じゃん!どんだけ脳みそメルヘンなんだよ!信用してくれるわけないだろ!
「じゃあ千冬兄の所に行こっか!」
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
こうして俺vs千冬の第二ラウンドが始まるのであった