ウィング・トリガー   作:ネプ音

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まえがき

おはこんにちばんは。ネプ音です。
ウィング・トリガーを読みに来てくださりありがとうございます。
もっと書くのに時間がかかると思っていましたが、楽しく書いていたらキリのいいところまで書けてたので投稿させていただきいました。
まだまだつたない文ではありますが、読んでくれた方々が楽しい気持ちになってくれたら嬉しいです。
それじゃあ一緒に、空の世界へ!!



帰宅

とっ、とっ、とっ、

夜の闇に 琥白のの足音のみが響く。

それもそのはず、今の時刻は19時、大人は空を飛んで家に帰るし、子供はもう家に帰っている。

たまに中学生くらいの子が自転車で横を取り掛かるくらいで、歩いている人なんか1人もいない。

琥珀は葵と別れ、1人で帰っていた。

琥白と葵は家が近所で昔から仲が良かった。

いわゆる幼馴染というやつだ。

その為、今まではずっと二人一緒に帰っていた。

しかし、今は葵にある物が琥珀には無い。

だから、琥珀は1人で帰ることを選んだのだ。

琥珀が1人で歩き始めた時、葵は

 

「なんで先に行くの?私も琥白と一緒に歩いて帰る。」

 

と言っていたが、今日は翼を得た日だ。

葵も空を飛びたくて仕方が無いはず。

その気持ちは他でもない、琥珀がよく分かっていた。

 

「葵は心の赴くままに空を飛んで帰ってほしいな。

葵にはそれが出来るんだから。」

 

そう琥白に言われ、葵は少し何かを言い返そうとしたものの、何も言わず、しぶしぶ翼を出し、ふわりと空を舞い先に帰っていった。

葵と別れた琥珀はそれから何も考えず、ただひたすらに歩いた。

琥珀の家から学校まではかなりの距離になる。

普通なら自転車を使用して通学する距離だ。

それなのに何故、歩いているのかと言うと、

(折角だし、今日は飛んで帰りたいな。)

などと考え、葵と飛んで帰る約束していたからである。

流石に、1時間歩いてもまだ家に着かない現状に憤りを覚え、琥珀は自転車で登校しなかった事を凄く後悔していた。

朝は空を飛んで帰れる事への期待で胸がいっぱいで、歩く事なんて全然苦ではなかったが、楽しみが無い今の琥珀にとっては苦でしかない。

 

(恥ずかしいけど、明日からは絶対自転車で行こう。)

 

そう琥白は心に誓った。

高校生になるとみんな翼があるので、体を鍛えたいとかいう謎な理由の人しか、自転車で登校なんてしていない。

その為、自転車で登校する人は、変な人を見る目で見られ、結構悪目立ちするのだが、毎日こんなに歩くよりは、筋トレが趣味の変な奴だと思われた方がまだマシだと、琥白は強く思った。

 

( 翼があれば自転車なんて…。あぁ、翼で羽ばたく葵、かっこよかったな、、僕もあんな翼が欲しかった…。)

 

ふと、琥白はそう思い、空を舞う葵の姿を思い出す。

葵の翼は翼手類の翼と似た形をしており、骨組みの部分は海のような深い青色の鱗に覆われ、深いエメラルドグリーンの翼膜には光が反射し、輝いて見えた。

空を舞う葵の姿は、まさに昨日の夜、琥白が思い描いていた翼を得た自分の姿だった。

 

バサッ

 

琥白はおもむろに自分の翼を出現させた。

琥珀の翼は夜の闇さえも打ち消すほどの白い輝きを放った。

それはとても美しく、優しい光だった。

もし周りに人がいたら全員が振り向き、その輝きに魅了されるだろう。

しかし、何度試そうと、翼は右翼のみしか出ていなかった。

 

「はぁ…、なんで…。」

 

深い悲しみのため息が漏れた。

この現代で空を飛べない大人なんているんだろうか。

そんなことを考えていると、いつの間にか家の玄関に着いていた。

琥白は翼をしまい、そしてカギを開けた。

 

ガチャッ

 

「ただい…

「お帰り琥珀ぅぅぅぅ!!!」

…まっ!」

 

琥白は、玄関を開けた瞬間に飛び込んできた男性の顔面に、持っていたカバンをフルスイングした。

 

「ぐぇ…」

 

そう言い、男性は倒れこんだ。

この男、本名を空之鷹守(そらゆきたかもり)、外見は黒髪オールバックで、自慢のチョビ髭は毎朝しっかり整えている、強面な琥珀の父親である。

こんな外見の為、周囲には怖い人と思われがちだが、実際は息子である琥白を溺愛していて、家事も全てこなし、その上、仕事先はW.S開発を唯一行っているWING株式会社の本社という高スペックおじさんである。

 

「…おがえでぃ、ごはぐ…。」

「はいはい、ただいま。毎日毎日玄関で飛び込んでくるのやめてって。で、今日のご飯は何?」

 

床に突っ伏し、お帰りを言う父親に、琥白は叩いた事を謝る様子も無く、軽くただいまを言うと普通に夕飯の事を問いかけた。

すると鷹守は、バッと素早く立ち上がり、鼻から血を垂らしながら、親指を立ててこう言った。

 

「喜べ、今日はお前の好物のたこ焼きだぞ!」

 

その瞬間、琥白の顔が輝いた。

 

「ホント!やったー!!」

 

そう叫び、琥珀がカバンを放り投げ、リビングに走っていこうとすると、鷹守が琥白を少しキツめの声で呼び止めた。

 

「おい!手洗いと、母さんに挨拶が先だ。」

 

その言葉に琥白は素直に

 

「わかってるよ。」

 

と答え、洗面所に向かい、その後、和室に向かった。

母親にただいまを言いに行くために。




あとがき

皆さん読んでいただきありがとうございました。
多分、なかなか進まないな、と思った人もいるかと思います。
大丈夫です、作者も同じ気持ちです!
話の流れは思いついていますが、そこまでなかなか進まなくてもやもやしています!
なのでなるべく早く本題に入れるよう、楽しく沢山書いていこうと思っています。
これからもよろしくです。
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