ウィング・トリガー   作:ネプ音

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まえがき

どーも皆さん、ネプ音です。
読みに来てくれてありがとうございます。
よかったら最後まで楽しんでいってください。

それじゃあ一緒に、空の世界へ!!



1日の終わりと不幸の始まり

チーン

 

輪の高い音が、和室に響く。

琥珀は、仏壇の前で手を合わせていた。

 

「母さん、ただいま。」

 

仏壇には、長い白髪が特徴的な、綺麗な女性の写真が飾られていた。

その綺麗な女性こそ、琥珀の母親である。

本名は空之孔美(そらゆきくみ)。

孔美は琥珀を産む際に命を落としてしまっていた。

琥珀はその時の記憶はないが、鷹守はその時、涙を流しながら、母さんの代わりに絶対に琥珀を幸せにすると決意したらしい。

鷹守の琥珀への溺愛っぷりは、その時の覚悟の現れなのだ。

 

「今日は翼が手に入る日だったんだけど、僕が手に入れた翼は右翼だけだったよ。なんでだろうね…。」

 

悲しそうな顔をして、琥珀は仏壇に向かってそう語りかけた。

返ってこないと分かっている返答を待つかのように、琥白はしばらくの間仏壇の前で手を合わせた。

そして、静かに立ち上がると、仏壇に向かってニコリと微笑みかけ、たこ焼きが待っているリビングに向かうべく、和室を後にするのだった。

リビングでは、鷹守がたこ焼きの準備を終え、テレビを見ながら琥白のことを待っていた。

琥白が来たと気付いた鷹守は、体を琥白の方へ向けた。

 

「母さんへのあいさつは済んだか?」

「うん、今日の報告もすました。」

「そうか。じゃあ、たこ焼き始めるか!」

 

そう笑って言った鷹守に向かって、琥白は笑顔で頷き、テーブルに着いた。

 

鷹守が焼いたたこ焼きは、外はカリカリ、中はふわふわでとても美味しかった。

琥白は、口をハフハフさせながら、お腹一杯になるまでアツアツのたこ焼きを頬張り、沢山あったはずのたこ焼きのもとは、あっという間に無くなった。

琥白がお腹もいっぱいになり、満足げにしていると、鷹守が口を開いた。

 

「そういえば、琥白の翼を見せてくれよ。」

 

そう言われ、琥白は一瞬、嫌だと思ったが、

(鷹守なら、何故自分の翼が不完全なのか、理由が分かるかもしれない。)

と思い、首を縦に振り、翼を出現させた。

鷹守は、琥白が翼を出してから数秒間は翼の輝きに見とれ、まるで芸術作品を眺めているかのような目で翼を見ていた。

しかし、すぐにその翼が異様な事に気付き、考え込み始めた。

そして、顔を上げ、琥白にこう言った。

 

「明日、少し早く起きてくれないか。琥白が学校に行く前に、話したい事とやっておきたい事があるんだ。」

 

それだけ言うと鷹守はリビングを去り、自室へ向かった。

琥珀は鷹守の様子を不思議に思ったが、明日になれば分かるだろうと思い、お風呂に入り、寝る事にした。

琥珀はお風呂に入った後、すぐに自室へと向かい、ベッドに倒れ込んだ。

カタカタというタイピング音が聞こえる。

隣の部屋、鷹守の自室から盛れた音だ。

普段、鷹守は家では仕事はしない。

愛息子との貴重な時間を最大限に楽しみたいからだそうだ。

だから、鷹守の部屋からタイピング音が聞こえるのは、とても珍しい事なのである。

 

(きっと、さっき言ってた事の準備をしているのだろう。)

 

そう思いながら、琥珀はスマートフォンで、有名なパズルゲームをしていた。

そうしているうちに、だんだんと眠くなっていき、琥珀はいつの間にか深い眠りに落ちていった。

琥珀の部屋に響くのは、鷹守の部屋から聞こえるタイピング音のみとなった。

 

カタカタカタカタカタカタ...

 

...カタカタカタカタ...

パリン!

ガシャン!!

...

バタッ!

 

琥珀は、はっと目を覚ました。

部屋の電気を付けたまま寝てしまっていたようで、眩い光が眠い目に突き刺さる。

時計を見ると2時48分を指していた。

 

(父さんの部屋から、なんか変な音がしたな)

 

普段は聞きなれない音を不信に思い、部屋を出て、鷹守の部屋のドアをノックした。

 

コンコンコン

……………

中から返事は無い。

いつもなら、ノックしたらすぐにでも飛び出してくるのに…。

もう寝てしまっているのだろうか。

 

「父さん?寝てるの?」

 

もう3時近いし寝ていてもおかしくない。

だが、琥珀はさっきの音がどうしても気になった。

 

(寝ているなら、そのまま静かに部屋に戻ればいい。)

 

そう思い、琥珀はゆっくりと鷹守の部屋のドアノブを回した。。

 

「父さん、入るね。」

 

部屋に入ってみると、電気が付いたままだった。

鷹守は綺麗好きだ。

部屋の整理整頓をきちんとし、いつでも綺麗で清潔。

しかし、部屋に入った琥珀が見た光景は違った。

バリバリに割れた窓と散乱したW.Sに関する様々な本。

タンスの棚は空いたままになっていて、中の服が飛び出し、床には体を引きずった様な痕が残っている。

そんな部屋の、電源が入ったパソコンの前に鷹守はいた。

腹部から赤黒く濁った液体を流しながら、脱力している鷹守の姿がそこにはあった。




あとがき

最後まで読んで頂きありがとうございます!
最後まで読んでどうでしょう。
作者的には展開走りすぎだなって思います!
そこはご愛嬌という事で許して頂けたら幸いです。
次回の更新、いつになるか分かりませんが、その時にまた読んで貰えたら嬉しいです。
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