孤独な航海、壊滅した基地、吹雪はただ1人母港を目指す。夏の夕暮れと一人ぼっちの戦い。

※Pixivとのマルチ投稿になります

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Splendid Form

暗い海の底、艦娘が海上で轟沈したら皆そこへ沈み行く。太陽の光線は徐々に弱くなり、深海にまで行くとそこに存在するのは常夜とでも言うべきか、まるで夜の闇と言うのは深海から天へと登ったのではないかと思う時もある。もしくはその逆か。

 

そして私達の前世とも言える人類が作り上げた巨躯を誇る軍艦もそこに沈んでいる。

 

人間同士が殺し合う為に作り、人間が操り、そして沈んでいった船。

 

それらは沢山の乗員の骸と共に海底へと静かにその身を横たえる。そしてその船体は漁礁となり、魚を筆頭とする海洋生物の住処へと姿を変える。死と誕生とが併存するのだ。

 

私達艦娘は、そんなかつて存在した軍艦の名を持ち、僅かばかりの船だった頃の記憶と力を宿して現代に生まれ変わった新世代の兵器。軍艦の火力とそれに匹敵する装甲を持ち、そして個人でそれらの運用を可能とする全く新しい艦の形。

 

もちろん、戦闘で大きな損傷を負って二度と帰れなくなってしまう娘もいる。実際に見てきたことだ。

 

艦娘も沈んでしまえば海底の底で永遠の孤独を過ごすのだろうか?

 

水面の底へ沈み行って、誰からも忘れ去られて、身体は朽ちていって、そして残った意識だけがもっと深い所へ沈んでいく。

 

光の届かない真っ暗で冷たい深海。そこは地上での常識が通じない生物の世界。

 

そんな深海へ沈んでいった艦娘の意識は暗い別の何かと溶け合っていく。憎悪や敵意、悲しみや痛みと混ざりあって新しい形態へと進化する。

 

深海棲艦、私達だけが戦うことの出来る人類種の天敵。私は奴らがそうやって生まれんだと思っている。

 

 

 

 

鉛のように重たい感覚から徐々に現実へと意識が浮上していく。まず感じるのは寒さだ。続いて聴覚が戻り何かに水がかかる音が聞こえ、続いて味覚、強烈なしょっぱさだ。そして急速に五感は全てが戻っていく。

 

目を開ければそこは海原で周囲には『物』という存在が見当たらない。青い大海と水平線を境界とする海とは少しだけ色調が異なる空がただ広がっている。

 

 

私は……私はそう、確か大規模作戦の支援として仲間たちと共に航行中に……航行中に、何があったのかを思い出せない。

 

そうだ、艦隊の仲間たちは?

 

だが先程見渡したばかりの周囲にはいくら確認しても何も存在しない。海に浮かぶ軍艦の力を持った少女達、私の仲間『艦娘』。誰でもいいからそこにいれくれれば少しは気が楽になっただろう、1人より2人、もちろん6人全員がここにいてくれれば良かった。自分は1人大海原の真ん中で気を失っていたのだ。

 

海上で気を失い全身に波を被ったのが原因で体温が低下している。髪も衣服も全てがスコールを浴びたときよりよっぽど濡れていて酷く寒い。私が艦娘――特型駆逐艦吹雪――でなかったらそのまま目を覚ますこと無く溺死していたことだろう。

 

まずは落ち着いて状況の整理だ。焦燥は判断を狂わせ自分ならず仲間や守るべき人々さえ脅かすからだ。ゆっくりと記憶の糸を手繰り寄せながら自分の身に置かれている状況の確認を試みる。

 

睡眠に入る直前の自分の状態を目覚めてから思い出すのは困難であり、また同じくして気絶することもそれと同じだ。被弾や触雷などで何度か失神した時は毎回そうだった。

 

特に他の基地に所属している艦娘と演習をした時の事は鮮明に覚えている。相手は大規模な作戦でも前線に立って戦う熟練の艦隊で、その点こちらは比較にもならない程度の差の演習だったが、負けて見えてくる物もあるとのことでの一戦だった。その時に演習弾とはいえ戦艦の主砲弾の直撃を受けた。あの時は一瞬で意識が飛んで気がついたらベッドの上で寝ていた。覚えているのは相手の駆逐艦の雷跡を視認したことまでだった。

 

ふと、この状況下だからだろうか、全く関係ない事に思考が集中してしまっていることに気がつく。パニックにならない事も重要だが、今自分が置かれている事の把握をおろそかにすべきではない。

 

まずは事の始まりを、前線の艦隊泊地への物資輸送の為基地を発った。飛鷹さんに航空機を積み込み、そして大きな輸送船を護衛。それでも前線では物資が不足しているようで、私達駆逐艦娘も燃料、弾薬、医療品、その他補給物資を積載し、そしてそれとは別に自分たちを守るための艤装も装備して。

 

簡単な任務のはずだった、だがどうして?前線までの海域には奴らは確認されておらず、前線泊地が近づけば出迎えの艦隊が警戒しくれる手筈だ。

 

奴らは手負いの艦娘を必ず沈めようと執念じみた行動をするから水上艦隊による攻撃を加えられたとは思えない。潜水艦に気が付かなかったのか、それとも敵機による母艦から長距離を飛行してのアウトレンジ攻撃を加えられたか。

 

弾切れ、燃料切れ、妨害により撤退、どう事が運んだのかは不明だがいずれにせよ仕損じた私にトドメを刺す余裕は無かったということだ。

 

周囲には艦影無し、試しては見たが無電は何らかの拍子に破損したようで、何だか良くわからない――ノイズとはまた違うがはっきりと言葉には認識できない音――が聞こえ続けている。

 

あともう2、3時間で日が落ちる。冷え切った身体に夜間の冷気は最悪命に関わるだろう。私に出来る事は、所定の目的地である南方諸島前線基地へと向かう事だろう。状況の確認がこれ以上できない今では、そこへ向かい母港の基地へと連絡を取らねばならない。もっとも前線基地で皆が無事ならそれで万々歳なのだが。

 

無電と違い羅針盤は壊れていない。私が気を失った直後から大きく流されてなければこれを頼りに基地へ着くはずであり、今はそうする以外の道は無い。

 

無事にたどり着けるか、仲間は無事なのか、敵艦が近くにいないか。たった一人で海原の真ん中、不安に押しつぶされそうな心を無理やり奮い立たせ、海をゆく。自分だけが波を切る音、海鳥すら見かけない夕暮れの夏の空。孤独とはまさにこういう事なのだろう。

 

ふと思い出す。艦娘は状況の記録用にボイスレコーダーを持たされている事をだ。小型だが記録時間も長く、もちろん防水耐水仕様の優れ物だ。これが無い時代の艦娘は紙にでも書き記していたのだろうか、と考えがよぎったがそもそも艦娘は奴ら深海棲艦が現れてから建造されたものだったと自分で納得し、少しだけ顔がほころんだ。

 

「えーと、スイッチはこれで……んー?こうでいいのかな。あー、私は駆逐艦吹雪。艦隊決戦援護作戦の最中、艦隊の仲間とはぐれた模様です。戦闘の有無すら不明、皆の行方もわかりません。無電も故障していて、目が覚めたら海の上に倒れていました。すごく、寒いです、波を被ってたから。……知りたい状況は全てわかりません、周囲にはそれを確認できる物も浮いていません。なので当初の目的地であるパラオ前線泊地へ向かいます。皆が無事であることを祈ってます」

 

スイッチを切る。これが仲間に届く私の最後の言葉になってしまうかもしれない。

でも遺言のような内容は残したくなかった。もちろん、今後何が起こるかはわからず、それを録音することで仲間が私の『その後』を円滑に取り運べるようにもするべきだ。

 

なのに遺言を残す事で少しでも最悪の事態を意識するのが怖かった。とても怖い。艦娘になった以上は起こりうるし覚悟も決めているつもりだった。でもそれがすぐ近くにある今は怖気づいて、砲を持つ手も小刻みに震えている。

 

それは体温が下がっているからと自分に言い聞かせ、前を向く。今は行動しなければいけない時だ。電探にもソナーにも最大限の気を配り、目は群青に彩られた世界を見渡す。

 

大丈夫、出来る。

 

不安と恐ろしさが源の少し目尻に溜まった涙を袖で拭い去ると、私は羅針盤が示す方向へと艦首を向け進みだした。

 

 

 

 

ボイスコレーダーのスイッチを入れる。その指の震えは止まらない。

 

「……前の記録から4時間後。私はパラオ前線泊地の航空機ハンガーにいます」

 

炭化していない木材や紙の書類の類をかき集め、火を起こし熱源と光源を兼ねさせる

。内陸からの電線も基地の発電機も送電線が滅茶苦茶では役に立たない。機関砲弾を分解し火薬を取り出したので点火はマッチ1本で済んだ。

 

「……基地は壊滅していました。生存者はいません。死体も見当たりません。不思議な事に奴らの残骸ばかりです」

 

幸運にも気を失っていたのいたが大きく流されてはおらず、羅針盤を頼りに辿りついたパラオ泊地だった。しかしその幸運はそれが最後だったようだ。そこは既に奴らによって陥落していた。

 

幸いハンガーの一棟が原型を保っており、夜風を凌ぐだけなら十分な働きをしてくれる。

 

陸戦隊を組織したのか、海上から徹底的に砲弾や爆弾を叩き込んだのか、それは定かではないが泊地内の施設はほぼ全てが完膚なきまで破壊し尽くされていた。

 

だが人間と艦娘の死体だけは見つからない。

 

基地が破壊されてから時間が経過し、ここを完全に放棄したのだろうか?時間的余裕があれば全員の埋葬や水葬は可能であり、もしかしたら遺族のため遺体を内地へ持ち帰った可能性もある。

 

それか、奴らがそれらの遺体を持ち去ったのか。

 

いずれにせよ、この泊地には文字通り一人ぼっちだ。

 

目の前で立ち上がる焚き火の炎の揺らめきや緋色の光、ほのかな暖かさでほんの少しの安らぎを覚える。

 

人間が睡眠時に常夜灯――オレンジ色の豆電球――を点けるのは、焚き火の側で眠っていた、文明が発達する前のもっと昔の時代からの名残だという。この強いとは言えない火力の炎と熱でも、私が人間である限り安らぎを覚える。

 

それなのに身体の震えは止まらない、満足な補給もできず、水濡れのまま行動した結果低下した体温は焚き火程度では補えず。それに追い打ちをかけるかの如きこの状況。寒さと恐ろしさが、止まない恐怖を心に体調の悪化を身体に刻みつける。

 

「白雪ちゃん、初雪ちゃん、深雪ちゃん、司令官、みんな……会いたいよ……」

 

姉妹艦、上官、愛する人達の名前が勝手に発せられ、その事に気が付くと自然とこらえていた涙が溢れてくる。

 

身体は艦娘でも中身はただの女の子なのだと実感した。

 

たとえ百の敵機を撃墜しても、たとえ幾隻もの敵艦を海中に没せしめようが、その身に軍艦の力を宿していても、それを制御するのはただ1人の少女。死線をくぐり抜けたその艦娘もこうして1人恐怖に泣いている。

 

貰えるお金や待遇は良い、でも何故私達少女しか艦娘になれないのか。

 

戦場で散る命の最後の灯火を幾度か見てきた。彼女たちは皆、死の恐怖に怯えながら息絶えていく。大勢の人間は私達の死を『艦艇の損失』としか思っていないのではないかとすら思えてくる。そんな簡単に消費される命があって良いはずがない。

 

何故少女が軍艦にならねばならないのか、何故少女が人類の為などど言う大層な理由で戦わないといけないのか。

 

世界の為、人類の為なんて言われても理解できない。

 

ボイスレコーダーにあとはすすり泣く声しか録音されなかった。

 

ひとしきり泣いたそれから十数分ばかり後、少しばかり落ち着いた私はスイッチを入れっぱなしだったレコーダーにその日の最後の録音を吹き込む。

 

「朝になったら、このまま本土へ向かいます。幸い物資や燃料は少し補充できました。でも砲弾は少ないままです。基地のも私のも通信機材はやられていて、周囲の状況も不明です。私の身体が心配ですが、このままここにいても状況が好転するとは思えません。もう情報が届いているかはわかりませんが、ここの事を伝えないと」

 

必ず皆の元へ帰ります、と言いスイッチを切る。これからは厳しい帰路になるだろう。でも諦めてはダメだ。希望を捨てずに、温かい食事と基地の皆、心休まる場所、それらに再び戻れる事へ想いを巡らしながら焚き火の横で眠りに落ちた。寒さが私という存在をも侵食するかのような、今までにない最悪な睡眠だった。

 

 

 

 

 

 

 

あれから何日経っただろうか、たった数日なのか数週間なのか。孤独と不安を纏ったまま海を航行し続け、空を舞う海鳥はは友軍機なのではないかと期待を抱いてしまう。

 

電探、ソナー、そして自分の目で全方位を警戒し続ける日々のプレッシャーは心身共にすり減らし、寿命までもが削れていくようだ。

 

だが、それももう終わり。

 

初めは水平線に浮いている雲かと思えたが、それは徐々に形を鮮明にしていく。陸地だ。この距離からのその大きさは恐らく本州であろう。

 

それからはまるで夢見心地のようだった。重い意識は身体から分離したかのようで――多分弱った身体と長い旅路の疲労から来るものだろう――自分でも知らず沿岸を航行し、気がついたら私は自分の母港の目前へとたどり着いていた。

 

もう燃料も無い。弾薬も心許なく、身体は冬の海のように冷え切っている。でも、私はやっと帰ってこれた。皆の所へ、温かい私の住まいへ、あの人の元へ。

 

……なのに、何で?

 

怒りで全身の体温が上がるのを感じる。無意識下で噛み締めた奥歯からぎりっと音が鳴る。

 

やっと帰って来られたのに。たった1人でここまで来たんだよ。みんな、私を褒めてよ。司令官、その温かい手で私を抱きしめてよ。

 

無骨な見た目だけど暖かで懐かしい基地、一緒に戦った仲間がいるはずの、ここは確かに私達の基地。なのに……なのに、何で……?

 

瞳に写る私達の基地、だがそこには到底受け入れられない光景が広がっていた。

 

だから私は撃った。撃ち続けた。撃っても撃っても終わりが無いような錯覚を覚えながら、いつしか無意識のうちに獣の咆哮のような声を上げ、動くもの全てに砲も銃も向ける。失った物の分だけ、奴らに殺された仲間の分まで。全てを取り戻すために。

 

 

潮騒の音が心地いい。夕暮れ時の海というのは、綺麗な夕日が水面に写って空も海も世界そのものが綺麗なオレンジ色に染まる。私はこの時間が好きだ。

 

視界内に存在するのは燃え盛る基地、破壊された港湾施設、無力化され水面に浮かぶ深海棲艦共。

 

ここもダメだった。中継した泊地と同じで敵の手に落ちていた。奴らは私を視認するなり攻撃を加えてきた。必死の思いで戦って、私だけが残った。

 

僅かに残った弾丸だが惜しむ暇など無く、ただ自分が生き残る事だけを考え、一瞬だったのか何時間もの戦いだったのか感覚がない。戦闘とはいつもそうだ、自分や仲間がその場を切り抜け生きて帰るため、そして奴らを殲滅する事で頭がいっぱいになり気がつくと戦闘は終わって、腕時計の短針は壊れたかのように進んでいる。

 

ゴン、と重い金属音がして敵艦の力の抜けた身体と艤装が足にぶつかる。深海棲艦、忌々しくて醜悪な奴らだ。私の帰る家をこんなにしてしまった。

 

基地で過ごした楽しい思い出、辛い思い出、悲しい思い出、全部燃えている。平和な世界での夢を仲間と語り合った寮、訓練後に立ち寄った間宮さんの小店、いつも司令官がいた執務室、みんな燃えて燃えて燃え盛って、全て灰となっていく。なんて憎らしい事か。

 

ありとあらゆる物が燃える匂い――炎の匂い――が鼻につく。

 

基地に仲間の姿も司令官の姿もなかった。皆私より強くて立派な人達でこんなゴミクズみたいに弱い深海の連中とは違う。きっとどこかに逃げおおせたと思いたい。だからまた皆の所へ帰って、そして一緒に奴らと戦うんだ。根絶やしにして、全て海に沈めてやるんだ。

 

だから基地に背を向け立ち去ろうとする。だが私の足を何者かが掴んだ。

 

驚いて目をやるが先程足元に流れてきた深海棲艦だ。

 

死に損ないが!よくもこんなことが出来るものだ。平和だった海を脅かし、人々を、艦娘を、仲間たちを殺す。人類種の天敵め。

 

私は自衛用の拳銃を手に持つ。これを支給された時は皆口を揃えて『こんなの役に立たない』と言うのだ、こんなの自決か小動物を狩るくらしか用途が無いと。だがこうして役に立つ日が来たじゃないか。鋼製のスライドを引いて初弾を装填、それはわずかに無機質な音を発する。そして的が波で動かないように足で踏みつける。

 

相手の目からはまだ戦う意思が感じ取れる。こいつらに情けは無用だ、1匹でも野放しにすれば仲間や守るべき皆が危険にさらされるのだ。

 

相手は私の目をまっすぐに見据えてはいるが、目線はそのままに右手は主砲へと伸ばしている。だが、もう目的を果たすための力は残っていないようだった。

 

私は拳銃を構え、相手の頭をしっかりと狙う。これからまた長く孤独な航海が始まる。1発も無駄には出来ない。

 

「フ…ブキ、チャ……」

 

そいつは何かを口にしたが、深海の言葉は私には理解できない。

 

一発の銃声が響き渡り、港の施設僅かに反跳してこだますると、また周囲には波の音のみのだ。引き金っていうのはいつも軽く感じる。いまこの一瞬だけ、世界に静かな海がまた戻った、そんな気がした。

 

完全に動かなくなった深海棲艦から視線を移し、猛火に包まれる基地を最後に一度だけ目をやる。人生で1番長い時を過ごした故郷とも言える基地は無くなってしまった。だが、私はきっと皆の元に帰るんだ。居場所というのは地理的な場所じゃない。皆がいるところ、温かい場所、あの人のいる場所へ。

 

だから長く苦しい旅は続く。大げさかもしれないが、一生をかけてでもきっと、またあの懐かしい所へ。

 

たった1人で、私は海を行く。

 

なのに私は高揚している。高ぶった気持ちは戦闘への衝動へと変わり、無限に力が湧いてくような錯覚を覚える。ふと視線を下に向けると、水面に微かに投影された私は普段よりも、何というかそう、戦う艦のあるべき姿だ。自然と笑みが溢れた。

 

夕日は背後の陸地の向こう側へと沈み、視線の先には長く冷たい夜が待っている。

 

私は帰りたい、帰るんだ。いつの日か皆の元へ戻れると信じて。

 

もう寒さは、感じない。

 

 

 

 

『陸地も近いのに奴らばかり見かけます。ですがこのまま陸沿いに航行を続け、横須賀鎮守府へ向かおうと思います。あそこは大きい軍港なので、きっと友軍から助けを得られるはずです。私はみんなの……仲間たちの無事を祈るばかりです。もう何日も戦ってばかりです。真夏の大海原、海鳥だけが私に優しくしてくれます。艦娘が……人が恋しいです。以上、録音終わり』

 

 

~Fin~

 

 

※元ネタ『艦隊これくしょん』並びに『R-TYPE FINAL』



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