でも、彼らも一人の人間なのだから……ね?
……どうしてこうなった。
「さあ、マスター君。 僕は今から加奈ちゃんに会いに行かないとといけないんだ!
ということで、聖杯戦争はマスター君だけで頑張ってくれたまえ!」
そう言って出て行ったキャスター。
…………はぁ。
元々は玉藻の前を召喚しようとしたんだ。
そのために触媒となる鏡をわざわざ持ってきたのに。
そしたらね、召喚式で呼び出した時に奴が玉藻の前を押しのけて出てきやがったんだ。
玉藻が消えていった時の絶望感。アレはヤバイね。
まあ、グランドの名を冠するキャスターと聞いて最初はラッキーと思ったよ!?
でも、毎日キャバクラに遊びに行ってるのだから閉口もする。
だけど、幸運なことに今のところ誰一人して僕のところを攻めてこない。
どーしてだろう?
ーーーー
……ねえ、たしかに彼はそういう男だわ。
脳筋だし、ゴリラだし。 ぬんぬんうるさいし。
だけど、召喚した時のセリフが、
「ロリ巨乳には人権あるけど、マスターでも貧乳熟女はない」
ですって!? 私はまだ27よ!!
しかもまたキャバクラに行こうとしてる!!
外見だけは好青年だから……キィィィィィ!!
「令呪を以って命ずる! 貧乳の良さも知りなさい!!」
「グッ、グハァァァァァァァァァァァァ!!」
なんでダメージを受けてるのよあいつ。
ーーーー
「ライダーよ、お前には節操というものがないのか?」
「失礼でござるよマスター! 拙者、BBAというものは大っ嫌いですぞ!!」
………はあ。
ライダーがコミケ行ったりしてるのはどういうこと?
しかも召喚した初日に逮捕されてたし!!
テレビで職業不定 年齢不詳とか見たとき震えたぞ!!
迎えに行く羽目になった俺の身になってみろ!
奴に令呪を使っても、帰ってくると思ったら銀座クラブのサングラスかけてるおじさんたちにボコられてたし。
今回のライダーで聖杯戦争に勝てるのか?
ーーーー
「マスター? どこに行ったんですかー?」
「…………」
「ドアも閉まってますし……丸ごと焼きましょうか♡」
「おい! ランサー!? 待ってくれ!!」
あ。 やべ。
「ああマスター、そんなところにいましたとはぁ、清姫、とても寂しゅうございましたよ?」
ねえ、ランサー召喚でどうしてバーサーカー筆頭のこの子が来たの!?
まさか、バーサーカーの方で何かやらかしてるんじゃ……
ーーーー
「………。」
「どうしたのだご主人よ? 文句を言うならあのキャスターに言っておくれ」
ムスッとした顔で文句を言うのはエプロンをした九尾の一角、玉藻キャットである。
今回のキャスター? 奴のせいで……奴のせいで清姫たんが狐になってたのかぁぁ!
しかしキャスターの野郎……そんなに干渉力があるってことになると、相当高ランクのサーヴァントなんじゃ!?
バーサーカーのマスターがいち早く真実に辿り着いているのだが、まさか下心満載の理由でそうなってしまったとは知る由もない。
ーーーー
「加奈ちゃーん!! また来たよ〜☆」
ったく、どうしてこうなりやがった。
いや、俺もマスターの命令で諜報も兼ねて変装しろと言われたよ?
だがぁ、まさかあっさりとセイバーとキャスターが釣れるとか予想外にもほどがある。
セイバーの好みが童顔でかつグラマラスな女性だったのには驚かされたが、まあ俺に出来ない変装はない。
キャスターのことを知るためにもとりあえず尻尾を出すわけには行かねえな……
「待ってたよ〜 ♡ また会いに来てくれたんだね♡」
「うん! マスターく…いや失礼。 財布も潤ったことだし、今日も楽しんでいこうか!」
キャスターもセイバー同様俺の胸元にチラチラと視線を向けてやがるな……偽物なのに。
とりあえずキャスターの弱点を、いやこいつのマスターの情報とか欲しいな……
今のところ、こいつのマスターがキャスターの財布ってことしか分かってねえぞ!?
ーーーー
「やあ、可愛いお嬢さん。 僕とお話でもどうかな?」
「そうね……じゃあどんな職業をされているの?」
「んーとね、羊飼いさ!」
「羊飼い? 何それおもしろーい!」
いや、彼……ソロモン王の父親だよ!?
なのに、どうしてこんな残念な男なんだ?
神話ってアテにならないな……
そう思った俺なのだが、かくいう俺も立派なマスターの一人だ。
サーヴァントを召喚するまでは良かった。
そして、召喚するなり「情報収集してくる」と言って出て行ったのだが……
さっきからずっと女性にしか話しかけていない。
しかもナンパしかしてないし……
彼ってば……俺が情報収集に特化した魔術師であることを知らないんだろうな……
ーーーー
「ねえ、先輩。 現実から逃げたと思えば、何カオスな聖杯戦争を書いているんですか?」
「いやぁ、儂も聖杯戦争を書いて見たいと思ってなあ」
「まだお爺ちゃんのままでしたか。
続きとか書く気あるんですか?」
「いや、書いてもいいんじゃが、戦闘シーンなんてとても生まれそうな気配が無いぞ。 自滅しまくる陣営しかないと思うがのう」
「それもそうですね」
むしゃくしゃしてやった。
後悔はしていないし、する気すら起こらないぜ!!