緋色の羽の忘れ物   作:こころん

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第五話

「――――わざわざバイクじゃなくて台車で運んできたピザは食べられちゃうし、注文したのは自分達じゃないってお金払ってくれないし、挙句殺されかけるしで散々ですよ」

 

 スクラップを押しのけて確保した空き地に力なく座るレオナルド――レオが地面にのの字を書きながら暗い顔で言う。するとその背後でゲル状の身体と意外な怪力を活かし、車を再度積み重ねていた異界存在が振り返った。

 

「ごめんネ。最近ワタシの店に蛇咬会がずっと嫌がらせしてくるんだヨ。こうやってうちの名義で出前を大量注文したりネ。近場の店はもう慣れて確認の電話くれるんだけど、ドギモピザは初めてだったからネー」

 

 顔はレオの方を見ながらも胴体は背後を向いたまま作業を続ける異界存在。彼はここで電化製品と車の中古販売・修理業を営んでいる。

 名はワン・グ・エン・ザリカ云々……と長いので、ワンと呼ばれている内に『王』だからと中華風のキャラ作りを始めた男だ。もっとも身に纏うのは漢服と人民帽であり、わりと適当である。

 

「ワン、なんか揉め事でも起こしたのか?」

「それが酷いんだ。聞いてヨ、コルバッハさん」

 

 ワンは頭部にある四角い核を赤く光らせながら語り出す。曰く、蛇咬会はこの頃ブルンツヴィークの祭司団と名乗る新興組織とやり合っているが、彼我の勢力差を考えれば信じられないことに五分五分の状況である。

 ここまではコルネリウスも知っていたが問題はここからだ。蛇咬会はこの祭司団のトップが使う独特の魔術がワンからもたらされたものだと思い込み、自分達にも技術を寄越せと言い出したらしい。

 

「報酬もくれるらしいけど、そんなもの扱えるならもうちょっと違う仕事やってるネ」

「……だが、連中も上まで行けば馬鹿じゃない。敵対者に戦力提供したとまで思ってるお前を殺さないあたり、その情報が本物だと確信してるんだろう?」

 

 コルネリウスに言われたワンが今度は核を緑に光らせる。

 

「だから困ってるんだヨね。祭司団の頭はEU出身の半年前まで日雇いやってたような男だから、急に一端の魔術師になるのは確かにおかしいシ」

「そいつもお前が原因だと」

「ウン。そいつが組織を立ち上げる頃の話なんだヨ」

 

 ワンは掘り当てた蛇咬会構成員を、路地の向こうに投げ飛ばしながら続ける。

 

「酒場で酔っぱらいながらワタシの店で電子化された魔術書買ったんダ、って何度も言ってたらしいのサ。最初は与太話だと思われてたみたいだけど、こうなるとネ」

「ズブの素人が、短期間でマフィア相手にカチ合えるレベルの電子魔術書ぉ?」

 

 それはもはや教材などではなく、対象に技術を――無論、なんらかの代償付きで――植え付ける呪いの品なのではとコルネリウスは思ったが、紙でも皮でもなく電子化されており、しかも買った場所がこことなると一気に胡散臭くなる。

 まぁ事実であった場合はそれが作られたのはそう遠くない過去。その上相当な知識の持ち主が、拡散性に優れた品を世に出したということで一気に厄ネタ扱いになるのだが。

 

「お前はその祭司団トップとやらに何か売った記憶があるのか?」

「あるアルよー。これでも帳簿とかはきっちり付けてるからネ」

 

 伸び縮みする身体を使い、ワンが鉄屑の隙間から取り出した箱には大量の紙束。その中から売った商品の内容や相手の特徴が記されたものを取り出し、ワンは読み上げる。

 

「七ヶ月と四日前だネ。今にも擦り切れそうな穴だらけのジーンズとパーカーの……」

「お前がマメなのはわかったから売ったもんだけ言え」

「せっかちアルね……ええと、ハイマー製のE-12型万能再生機器とホームビデオひとつ」

「ホームビデオ?」

「勿論普段から売ってる訳じゃないヨ。スクラップの中から偶然見つけた、触るだけで情報が読み込めるけど操作不能とかいうよくわからない媒体。直せないし中身も大部分壊れてたみたいだから手元にあってもネ」

 

 この街でよくわからない物をずっと持ってるのも危険だシ、と笑うワンに違いないと返すコルネリウス。だが、続く言葉はコルネリウスの苦笑を凍り付かせるには十分なものだった。

 

「でも出て来るヘンリエッテってブロンドの子が可愛いから、寂しい男には使えるんじゃないかナって……こ、コルバッハさん顔怖い、怖いヨ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「おいレオ、なんで付いてきてる」

「うへぇ!? な、いつの間に後ろに!?」

「いいから答えろ。俺ぁ今忙しいし気も立ってるんだ」

 

 ビヨンド・マカオの小路でコルネリウスはレオの背後に仁王立ちしていた。

 ワンの言う情報媒体がコルネリウスの無くした記憶に関わっているのであれば見逃す訳にはいかない。マフィアの抗争に首を突っ込むのも承知の上だ。

 そのようなきな臭い状況でこの少年……もとい自己申告十九歳の青年。彼がどのような技術をもってしてか随分と距離を離しつつも追跡してくるのは、コルネリウスにとって気に障るものであった。

 

 コルネリウスの声から危険を感じ取ったらしいレオは慌てて弁明する。

 

「いやその、あのですね……ぴ、ピザの代金です!!」

「……はぁ?」

 

 突拍子もない発言にコルネリウスの気勢が削がれ、それによって多少余裕を取り戻したレオは続ける。

 

「実は僕、最近仕事がヤバくてですね。いや正確には僕のミスじゃなくて、女たらしのヒモで穀潰しで他人への気遣いというものを売り飛ばして酒代に充ててるような非人間のせいなんですけど」

「だから荒事の隙を突いてでもあの大量のピザの代金が回収出来ないとまずいってか。相手は正真正銘のマフィアなのに、一般人のお前が?」

 

 当然の疑問をぶつけるコルネリウスに対し、レオは言葉に詰まる。コルネリウスからすればレオは悪人でこそないが、代金回収以外の何らかの思惑を持っているように見えて仕方ない。無理に付いてくるのであれば始末するとは言わないが、動けなくするぐらいはするだろう。

 

「隠し事をするってなら仕方ない……」

「だー待って、待って下さい! ピザは本当ですし勝算もありますし、それにコルバッハさんの役にも立てます!」

 

 上着の中からシュラハトシューベルトを取り出しかけたコルネリウスへとレオが叫ぶ。その内容はコルネリウスにとって必要でこそないが、ほんの僅かに興味を引かれるもの。

 

「で、何が出来るって?」

「僕はちょっと特殊な『眼』を持ってまして」

「ああ、さっきも青龍刀わりと正確に見切ってたな。だがそれだけじゃあ……」

「そ、それだけじゃなくて色々見えるんですよ! 防犯のレーザーとか隠し扉とか……ああそうだ! さっきコルバッハさんが出してた赤いオーラみたいなのとか!」

 

 それからも焦りから色々と有用性をアピールしているレオだが、コルネリウスはそれを聞いてはいなかった。彼が考えているのはただひとつ、赤いオーラという言葉だ。それは吸血鬼である彼にとって特別な意味を持つものだから。

 

「レオ、お前が見えると言ってもが証拠がない。それに赤いオーラってのは俺の錬血術の血を見間違えただけじゃあないのか?」

「ええと、そうじゃない……筈です。血は血で識別できてたし、身体からぼんやりと周囲に広がってましたから」

「成程なぁ……ちなみにどんな風に見えた?」

「うーん……一瞬だったしどんなと言われると困るんですけど、こう背中のあたりからもわーっと首動かさないと見えないぐらいまで……」

 

 少なくともレオの『眼』には緋色の羽とは映らず、常時見える訳でもないらしい。それが『眼』の性能限界なのか、コルネリウスの特殊な現状によるものなのかはわからない。とりあえずコルネリウスを吸血鬼だと確信するに足る情報ではないようだ。だが聞く者が聞けば疑われはするだろう。それは、よろしくない。

 

 コルネリウスは――少なくとも今のコルネリウスは人間に代表されるような吸血鬼に格が劣るとされる存在を侮ってはいない。虫食いの記憶は『大崩落』において彼を追い詰めた相手が同胞や神性存在ではなく、人間であったと残している。

 加えて謎の記憶から把握した錬血術を始めとする各種技術。その進歩は彼が完璧な吸血鬼であった頃の予測を遥かに超えていた。十中八九勝ちを拾える現実は変わらないとしても、決して甘く見ていい相手ではない。

 

 つまりコルネリウスは、レオをここで始末するか決める必要があった。

 眼が良いだけの一般人が、裏社会に住む対吸血鬼の専門家に情報を提供する可能性は普通に考えればゼロに近い。それでも後々までリスクを抱え込むことを考慮すれば、答えは自ずと決まる。結局のところこのHLという街で、民間人を一人消すだけなのだ。

 コルネリウスは中途半端に引き抜いていた大剣を今度こそ取り出そうとし……レオが着る制服を見て動きを止める。

 

「お前の勤め先はドギモピザでいいんだよな?」

「えっ? はい、そうですけど何か……」

「……ニーカって女を知ってるか。ちっこい割によく食う奴なんだが」

 

 その問いへ首を傾げつつも答えるレオを見て、コルネリウスは溜息をついた。

 こうして偶然が起きるから怖いというのに、世の中はままならない。

 

 

 

 

 

 

 

 『大崩落』発生直後の混迷期に生まれ、なし崩し的に存続している地区には都市計画などあったものではない。ビルやアパートではなく、建物の上に建物を継ぎ足しただけの奇っ怪なオブジェが立ち並ぶ光景がビヨンド・マカオの歴史を物語っている。

 そうして生み出された迷路じみた道を、コルネリウスとレオは今後の予定を話しながら歩いていた。

 

「よく考えたらコルバッハさんの目的って、ブルンツヴィークの祭司団だけですよね」

「コルネリウスでいいぞ。お前は蛇咬会に行きたいんだろうが、どうせ払う気のないクズと遠因になったクズなんだ。どっちから奪っても同じようなもんだろ」

「考え方は物騒で理不尽だけど、どこぞのダメ人間とは違って不安じゃないし頼もしく感じるのは何故なのか……」

 

 二人はまずは祭司団の情報を集めるところから始める。蛇咬会相手にやり合えているとはいえ、祭司団は素人が立ち上げた新興組織で構成員の大半がチンピラ崩れ。戦力的にも首領以外は平凡なため、選ぶ戦術はゲリラ的。当然ながら堂々とした拠点は見つからなかった。

 

「ここまでは想定内だ。そこでレオ、お前の眼が役に立つ」

「抗争の跡から追跡するとかですか?」

「まぁそんなところだ」

 

 そう言ってコルネリウスは一軒の店に向かう。

 

「ってあれ、ここでいいんですか?」

 

 レオの眼前には二人を映す大きなショーウィンドウとガラス戸。この辺りにしては小奇麗なその店の看板には『レンタル携帯』とあった。

 

 

 

 

 

 

 

 まずはロケットランチャーを二発。次いで機関銃が火を噴き、安普請の扉どころか壁までもぶち抜いて廃墟にする勢いで鉛玉がぶち込まれた。屋内からは幾らかの銃弾が打ち返されているが散発的だ。それを好機と見てか、近接戦用の得物を持ったバイオマフィア達が奇声を上げながら乗り込んでいく。

 コルネリウス達はその光景を、付近で一番高い建物の屋上にある貯水槽……の更に上、血で補強された避雷針の上から眺めていた。

 

「起きた抗争じゃなくて起こす抗争なんすね……」

「祭司団はいない。蛇咬会がシャドーしてるだけだ」

 

 眼下の蛇咬会は未だ気付いていないが、空き家からの反撃はコルネリウスが一山幾らの銃や爆発物、錬血術を用いて作った単純な罠でしかない。

 タレコミを装った電話ひとつで即出撃するあたり薬のせいで思考力が落ちているのか、それとも祭司団への恨みが大き過ぎるのか。判断に悩むところであるが、コルネリウスにとっては好都合だ。

 

「でも祭司団がいないんじゃ周囲の人が困るだけなのでは」

「最近別口で抗争があってあのあたりはだいたい空いてるから大丈夫だ。それにここは小さな街でな、ある程度ドンパチやってりゃ嫌でも気付く」

 

 コルネリウスが指す方向をレオが見れば、堅気には見えない人間が蛇咬会の様子を伺っていた。

 

「あれは服装からしてズー・ズー・ラグドバムラの構成員だから外れだな。だが祭司団の奴らも探せばいるだろ。レオ、頼んだぞ」

「はい! ……ってこれ、結構運任せな方法だし、別に僕じゃなくても人手がいれば」

 

 そも相手が来るかわからないし、高所から眺めれば見つかるとも限らない。レオの不安はもっともであるが、対するコルネリウスは余裕の表情だ。

 

「建物の中から見てる可能性もあるからそんなことはない。それに、俺とお前だけで十分にする方法もある」

「これは……赤い霧?」

「本来肉眼で見えるもんじゃあないが、レオはさっき見たな。まぁ早い話が周囲の情報把握に使う技だ。どっちかが目星をつけて、レオが見て、俺が判断する」

「成程、これなら……僕の作業量自体はそう変わりませんよね」

「気付かない方が幸せだってのに」

 

 

 

 

 

 

 

「し、死ぬかと思った……」

「生きてる証拠だよ。それにちゃんとお前の服とヘルメット『強化』してやっただろ」

「理屈の上ではそうかもですけどぉ……」

 

 レオの不安とは裏腹に、祭司団は食いつきの良い魚だった。他組織の構成員よりも"小慣れていない"二人組を尾行した彼等は、あっさりと祭司団のアジトを発見。ビヨンド・マカオ特有の継ぎ接ぎビル、窓も無い一室。コルネリウスが屋内の会話を魔術で盗み聞き、その横でレオが外から『眼』で偵察。そして情報が集まり次第――本来必要はないのだが――二人で突入、殲滅である。

 

「でも腕に銃弾当たった時とかほんと心臓バクバクでしたよ」

「の割には落ち着いてるように見えるがなぁ。この手の技を知ってるのか?」

「え? あー、この前の『堕落王』の召喚事件で、遠目にですけれど」

「そういや色々な連中が右往左往してたな」

 

 二人は死体が転がる部屋で呑気に会話をしながら家探しに励む。祭司団はゲリラ戦術を選ぶだけあってここは数ある拠点の一つでしかないようだが、何かしらの手掛かりがあるかもしれない。

 仮に無かろうがレオの『眼』を活用すればやりようはある。また不幸にも数人生き残ってしまった祭司団構成員も、本拠地の場所こそ知らないようだが使い道があるだろう。

 

「うーん。コルネリウスさん、こっちはそれらしい情報は無いですね。飲食店の領収書とかそんなのばっかりです」

「こいつらゲリラ戦やってる秘密組織の名義で寿司食ってるのか?」

「言われてみると……あれ?」

 

 何か見つけたのかと振り返ったコルネリウスが見たものは、持っていた領収書の裏をじっと眺めているレオの姿。それは一見して何の変哲も無いレジロールの裏側でしかなかったが、レオの『眼』にとっては違った。

 

「一度書いて消した跡か、上に乗せてた何かに書いた跡が残ってます。内容は『ウーゴから件の少女の情報について追加料金を求められた』と」

「……でかした」

 

 レオからその領収書を受け取ったコルネリウスは、血を纏わせることと魔術を用いてなんとか同じ内容を読み取ることが出来た。気付いてなお、これなのだ。彼だけでは得られなかった情報と言っていいだろう。

 

 コルネリウスはワンから得た情報も考慮し、このメモが指す少女がヘンリエッテであると予測をつける。祭司団の力の源泉となったのは、おそらくワンから得た記録媒体だ。であればそれに記録されていた少女に何か関連と、更なる力への道筋があると考えることもあるだろう。

 つまりヘンリエッテという少女は、ろくでもない連中に目をつけられたということだ。コルネリウスはその事実に強い不快感を覚え、同時に安堵する。彼はHLで幾人かの情報屋を利用しているが、少女の身元は未だ判明していない。そしてメモにある情報屋はその一人だった。祭司団が何かを掴んでいる可能性は低い。

 

 これからすべきことを決め、コルネリウスはその領収書を上着の内側にある『門』へと放り込む。

 

「レオ、お前のお陰で随分と助かった。礼と言っちゃなんだが、今度ドギモピザで大口の注文でもしよう。お前の営業活動のお陰だとでも伝えてな」

「あ、ありがとうございます」

「それと、お前の戦利品だな。これで足りるか?」

 

 そう言ってコルネリウスがレオに投げ渡したのは、中身の入った幾つかの財布だ。祭司団の面々が持っていたもので、入れ物こそ見るからに安物だが中身はそれなり。レオは放り投げられたそれらを少し危なかしくキャッチして、少し躊躇いつつも紙幣を抜いた。

 

「はい、多過ぎるぐらいです」

「とっとけとっとけ。じゃあここでお別れだ。今日はありがとな」

「えっ、あの……ここでですか?」

「……お前の目的はピザの代金回収だろう」

「あー……でもその、乗りかかった船というか……」

 

 明らかに乗り気ではないレオ。コルネリウスはそこに彼の人の良さと、そして再度の疑念を感じた。

 

「おいレオ、お前…………ん?」

 

 これより先にも付いていきたい理由があるのか。コルネリウスは問い質そうとして一歩前に出て、しかしそれは成されることがなかった。

 二人がいる部屋に繋がる廊下の先。ドアガードとドアノブが壊され半ば役に立たなくなっていたそれが、無数の鉛玉によって壁ごとただの廃材と化したからだ。

 

 コルネリウスは事態に対応出来ていないレオの襟首を掴み、レオへ射線が通らぬよう自らの後方に投げる。直後、破壊により生まれた煙の奥より飛来する無数の弾丸。コルネリウスはそれを血を纏わせた机と、上着の内から引き抜いたシュラハトシューベルトで防ぎつつ様子を伺う。

 聞こえるのは銃声と、刃と刃を打ち合わせるような音。そして言葉になっているようでなっていない、お薬の力を感じさせる中国語らしき何か。

 

「蛇咬会かぁ……尾行された訳じゃなかろうが、タイミングは最悪だな」

「ど、どうするんすか!? こんな狭い場所じゃ避けようもないですよ!」

「なら防げばいいだろ。落ち着けって、最悪壁でもぶち抜いて逃げりゃ……」

「……コルネリウスさん?」

 

 レオは急に言葉を切ったコルネリウスを不安気に見るが、彼は何も返さずに大剣を構え直した。

 

「成程。確かにこりゃあ、ぽっと出の素人組織にゃ過ぎた代物だ……!」

 

 直後、二人と蛇咬会の間にある廊下の壁が爆散。再度巻き起こった粉塵を突き抜け、無頭片腕の全身鎧が大量に雪崩込んできた。

 

 

 

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