ウルトラマン&メカゴジラ~光の巨人と銀の巨龍~   作:ユウキ003

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今回は第1話のガッツウィング1号出撃前の短いシーンです。
次回からは本編をベースに描いて行きます。


エピソード0 『始まりの日』

~~前回までのあらすじ~~

転生を果たした男性は、これまでの記憶を捨て、新たな人間、

『オオトリ・シアン』となった。シアンは軍人の父を持って生まれ、父に

憧れ努力を続ける中でGUTSと言う組織への誘いを受けた。

そして彼は自分のやりたい事をやるために、GUTSへと

加わる事を選んだ。

 

僕がGUTSに誘われたのが高校卒業前だった。それから2年の

訓練期間を経て、僕は成人するとともに日本の房総半島沖に建造された

TPC極東本部基地でありGUTSの作戦司令室が置かれている基地、

『ダイブハンガー』に配属になった。

このダイブハンガーは通常、海中に待機していてライドメカ、

つまりGUTSのメカが出動するときなどに海上に浮上するのです。

 

そんなダイブハンガーで働いていた僕。これは、そんなある日の

お話です。

 

朝。GUTSの制服に身を包んで司令室に向かいます。

と言っても、GUTSは超常現象を専門とするためはっきりと

言ってしまうとやる事ってあんまり多くありません。

まぁ、そんな毎日のように超常現象が起きてたら、地球なんて

もう末期じゃないか!って思うのですが……。

と、そうこうしていると司令室に到着しました。

シアン「おはようございます」

ちょっと静かめですが挨拶をしてはいると中には数人の隊員、

僕の同僚というか、仲間である皆がそろっていました。

イルマ「あら、おはよう」

まず最初に僕に気付いたのは、GUTSの頼れる女性隊長である

『イルマ・メグミ』隊長です。

ダイゴ「おはようシアン」

次は僕と同じ男性隊員で『マドカ・ダイゴ』隊員。僕の3つ上で

先輩です。

シアン「おはようございます」

ホリイ「おはようシアンちゃん」

と、僕が挨拶をしていると、一人の男性隊員、関西人で開発なども

やっている『ホリイ・マサミ』隊員が僕の事をシアンちゃん

って言ってきました。

 

シアン「ホリイさん。シアンちゃんはやめてください。これでも僕

    男なんですから」

と、困り気味に言う。実際、僕のあだ名として『シアンちゃん』なんて

呼ばれる事がままあります。

僕、これでも男なのに。トホホ……。

シンジョウ「そう言うお前も、女っぽい所に原因があるんじゃないのか?」

と、笑みを浮かべているのは男性隊員で部隊のエース、

隊員養成所の先輩に当たる『シンジョウ・テツオ』隊員。

ヤズミ「オオトリ隊員って、確かに男っぽくないよね」

と相槌を打つのはGUTS最年少の『ヤズミ・ジュン』隊員。

そこへ……。

 

ムナカタ「ほら。そう言うのは良いから手を動かせ」

そう言ってくれたのは隊の副長、『ムナカタ・セイイチ』副長。

レナ「そうよ。可哀そうじゃない、気にしてるのに」

そう続けたのは、女性隊員で男勝りでも有名な『ヤナセ・レナ』隊員。

そして……。

アイナ「まぁ、女の子っぽいのは否定しきれないけどね~」

と続いたのがレナ隊員と同じ女性隊員の『ヤシロ・アイナ』隊員。

 

僕を含めたこの総勢9人が、現在のGUTSのメンバーです。

 

で、僕はまぁその、俗にいういじられキャラでした。まぁ別に

いじめられてるとかじゃないんで大して気にしても居ないんですが…。

成人してもこの童顔と女顔は相変わらずで、この前あった同窓会

なんか、男らしくなったねって言われるどころかもっと美人に

なったねなんて言われて。

僕の男になるための道は、まだまだ険しそうです。

 

っと、ダメダメ。今は勤務中だ。仕事仕事っと。

 

と、そう思っていた時でした。

   『『PLLLLL!』』

唐突に、僕とヤシロ隊員のPDI、通信端末が音と共に振動して

着信を知らせてくれた。

同タイミングで鳴った事もあり、僕とヤシロ隊員は一度視線を

合わせてから通信に出た。

シアン「はい。こちらオオトリです」

アイナ「ヤシロです」

僕たちが開いた端末の画面に映っていたのは、TPC科学局の博士で

もある『カシムラ・レイコ』博士だった。

レイコ「おはよう二人とも。早速で悪いんだけど、二人とも私の

    開発室に来てくれないかしら?少し話したい事があるの」

シアン「はい、わかりました。イルマ隊長」

イルマ「わかってるわ。行って来なさい」

シア・アイ「「失礼します」」

そう言って、僕とヤシロ隊員は隊長に敬礼をしてから司令室を

後にしました。

 

ダイブハンガーの移動する事数分。僕とヤシロ隊員はレイコ博士の

部屋へとやってきました。

シア・アイ「「失礼します」」

レイコ「あら、いらっしゃい。待ってたわよ」

と、博士は僕たちに気付いてパソコンをタイプしていた指を止め

こちらに振り返ってから座ったまま近くのソファを指さした。

   「悪いけど少し待っててもらえる?これすぐに終わらせるから」

と言ってパソコンの方に向き直る博士。僕は仕方なく部屋の中を

少し見回していたのだけど……。

 

シアン『ん?』

不意に、視界の隅で何かが動いたような気がして僕はそちらに目を向けた。

そして僕が見たのは、部屋の隅の壁に埋め込まれた連絡用の

ディスプレイに、まるで泳ぐように黒い服の女の子が映っていた所だった。

一瞬、理解が追い付かずにそちらを見つめてしまう僕。その時。

レイコ「ごめんなさいね、待たせちゃって」

と言って、僕とヤシロ隊員の座るソファとテーブルを挟んだ反対側の

ソファに腰かける博士の声に、僕は意識を戻して博士の方を向いた。

そして、一瞬だけチラッとさっきのディスプレイに視線を向けたけど、

そこには女の子の姿は無かった。

シアン『気のせい?まいっか』

と思いつつ僕は博士との会話の方に意識を戻した。

 

レイコ「それじゃあ早速本題に入りましょうか。あなた達を

    呼んだのは、二人にテストしてもらいたいものがあるから

    なのよ」

シアン「テスト?」

レイコ「えぇ。口で説明するより、見てもらった方が早いわね」

と言うと、博士は近くのデスクの上に置いてあったタブレットを

取ってきて僕たちの前に置いた。

そして博士が画面をタップしたり操作すると、『それ』が画面に

映し出された。

 

それは、一言で言えば龍人だった。どこかの格納庫らしき背景を

背にしている銀色の龍人。それを見て僕とヤシロ隊員は驚いていた。

思わず息をのむ僕と、絶句しているヤシロ隊員。

アイナ「博士、これは……」

レイコ「これは今現在TPCの未来科学センターを中心に開発が

    進められている大型ロボットよ。未来科学センターの

    若い局長さんが提唱した『災害救助用マルチプラットフォーム

    開発計画』。まぁようは災害救助用の新型ロボットの開発ね。

    その開発計画によって作られた3番目の機体。

    『3式機龍』。それがそのロボットの名前よ」

シアン「3式、機龍」

僕は驚きながらも、その名前を口にした。

レイコ「最も、まだプラットフォーム、つまり素体としての機体が

    完成しただけなんだけどね」

アイナ「素体?あれがですか?」

レイコ「そ。これからさらに災害救助用の装備を開発して装備させる

    のが当面の計画なの」

シアン「それはわかりました。……ですがそれと僕たちに一体何の

    関係が?」

レイコ「私があなた達に頼みたいのは、この3式機龍を操る試作機の

    テストよ。3式機龍には3か所のメンテナンスブースがあるわ。

    そこから機体の操縦も可能。でも機龍が全力で稼働する時、

    ブースには殺人的な加速度、Gが加わるわ。だから3式機龍は

    緊急時以外は外部から操作するように設計されているの」

と言うと、指でタブレットの画面を横にずらす博士。

そこに映っていたのは、白い戦闘機のような機体だった。

   「TPCが開発した試作機よ。あなた達にやって欲しいのは、

    これの飛行テストよ。ここじゃあなた達GUTSが

    飛行経験一番豊富でしょ?だからあなた達にお願いしたの」

アイナ「成程。それは確かに一理ありますね。オオトリさんも

    構いませんよね?」

シアン「はい。やらせて頂きます」

 

こうして、僕とヤシロ隊員はその試作機のテストパイロットを

引き受ける事になりました。

しかし、その日の内に事件が発生したのです。

 

 

それは、午後、夜の事でした。博士からテストに関する資料を貰い

司令室で僕とヤシロ隊員が打ち合わせをしていた時でした。周りでも

他の皆が訳あって今日は遅くまで働いています。何でも不思議な

隕石が落ちて来たとからしいですが、詳しい事は、僕はまだ知りません。

そんな時でした。

イルマ「震源が、動いている?」

と、何処かと受話器で通信をしていたイルマ隊長の言葉に僕やヤシロ隊員を

始め、他のみんなが手を止めて隊長の方を向いた。

   「はい。わかりました。すぐに出撃します」

と言うと、受話器を置く隊長。

震源が動いている?どういう事だろうか?

と、僕が疑問に思っていると……。

   「全員聞いて。今通信が入ったのだけど、西アジア支部のある

    カトマンズからよ。通信の内容は、モンゴル平原付近で謎の

    地震が発生したため我々に調査して欲しいとの事よ」

シアン「先ほど、隊長は通信で進言が動いていると言っていましたが」

イルマ「えぇ。中国とモンゴルの国境付近に埋設された地震の早期警戒の

    ためのソナーが地震を感知。データを受け取ったカトマンズの

    支部で解析が行われたけど、そのデータを解析してみると、

    震源が動いているとしか言えないそうよ」

シンジョウ「しかし、震源が動くってのはどういう事なんだ?」

ホリイ「でっかいモグラでもおるんか。はたまたそれ以外の理由が

    あるんか」

と、顎に手を当てて疑問符を浮かべるシンジョウ隊員と同じく腕を

組んで首を傾げるホリイ隊員。

ムナカタ「ともかく、ここで頭を捻っていても始まらない。

     ダイゴ隊員、レナ隊員」

ダイ・レナ「「はいっ!」」

ムナカタ「お前達はガッツウィング1号で現場に急行。何か動きが

     無いかを探ってくれ。ヤズミ隊員はカトマンズの支部に連絡して

     今あるデータを送ってもらうように伝えろ。そのデータを

     残った俺達で精査して何か手がかりが無いか調べる」

ジュン「了解っ!」

 

と、そこへ。

レイコ『ちょっと良いかしら?』

司令室の大型モニターにレイコ博士が映し出された。

シアン「カシムラ博士?」

イルマ「何か御用でしょうか?」

疑問符を浮かべる僕と問い返すイルマ隊長。

レイコ『話は聞かせてもらったわ。モンゴルへ調査に行くんでしょ?

    だったらこれも使って』

と博士が言うと、画面が切り替わってそこにあの試作機が映し出された。

アイナ「これって例の試作機ですよね?なぜですか博士」

レイコ『この機体は3式機龍の第3の目の役割もあって多種多様な

    レーダーや探知機を搭載しているの。こういった調査には

    うってつけのはずよ。テストも兼ねて初フライト。

    どうかしら?』

博士の言葉に、僕やヤシロ隊員、ダイゴ隊員達の視線がイルマ隊長に

集まる。

イルマ「……わかりました。オオトリ隊員、ヤシロ隊員。両名は

    この試作機に搭乗しガッツウィング1号と共にモンゴルに

    向かって頂戴」

シア・アイ「「了解っ!」」

 

そして、僕とヤシロ隊員、ダイゴ隊員とレナ隊員はそれぞれ分かれて

格納庫に向かった。その間に、発進の準備として海底に沈んでいた

ダイブハンガーが海上に浮上し姿を現した。

専用のヘルメットを被り、僕は試作機の後部シートへ。

ヤシロ隊員は前部シートへと体を滑り込ませた。

シアン「システムチェック、オールグリーン。各計器異常なし。

    エンジン出力正常。各部スラスターも異常なし。

    ヤシロ隊員」

アイナ「了解。……試作機より管制塔。これより発進します」

オペレーター『了解。進路クリア。クリアードフォーランチ』

アイナ「試作機、発進!」

返事をするとともに、機体を発進させるヤシロ隊員。僕は

体にGが加わるのを感じながらダイブハンガーを飛び出していくのを

横目に見ていた。

 

そして、夜の空に飛び立った僕とヤシロ隊員の試作機と、ダイゴ隊員と

レナ隊員のガッツウィング1号がモンゴルへと向けて飛び立った。

 

 

 

それが、これから始まる大いなる戦いの第一歩になると、誰も

知らぬまま。

 

     エピソード0 END

 




次回から本格的に物語を描いて行きます。また、劇中のアイナは
SAOのアスナの容姿をまんま使っています。

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