ウルトラマン&メカゴジラ~光の巨人と銀の巨龍~ 作:ユウキ003
入ってます。
~~前回までのあらすじ~~
GUTSに配備される事になった3式機龍。
そんな中でシアンは怪獣に関する記述を探すために過去の書物を
調べたり、ダイゴ達は光の巨人についての詮索を
進めたりしていた。
そんな中、西南諸島に怪獣『ガクマ』が出現。
武装を施したガッツウィング1号、SSで立ち向かい
奮戦するシアンたち。あわや2体目のガクマに敗れそうに
なるながらも、巨人によって守られたシアンたち。
新たな仲間、ユウヒを迎えつつもダイゴの提案によって
光の巨人は『ウルトラマンティガ』と名付けられたのだった。
ガクマ出現から数日後。
僕はヤシロ隊員と一緒に支給された新装備の銃、GUTSハイパー
の射撃練習をしていた。
何回か射撃を行うけど……。
命中率じゃヤシロ隊員には敵わない。
シアン「ヤシロ隊員、凄いですね」
目を保護するゴーグルと耳を保護するヘッドフォンを外し隣に居る
ヤシロ隊員に話しかける僕。
アイナ「え?そうかな?けど、私だって狙撃に関しては
オオトリさんには勝てないし」
そう言って笑みを浮かべながら謙遜するヤシロ隊員。
一方そう言われた僕は、近くのガンケースに立てかけられた
あの対物銃に目を向けた。
僕がこれまで握った経験があるのは長距離射撃用の
ビームライフル。短距離射撃用の拳銃の類はあんまり
経験が無かった。そのため、GUTSハイパーの
ような射撃ならシンジョウ隊員やヤシロ隊員に及ばない。
でも逆に長距離狙撃ならまだ自信がある。
……今にして思えば、僕が他の皆より少しばかり
得意な事って、それくらいしか無い。
と、僕がそんな事を思っていた時。
『シュッ』
訓練場の扉が開いて、ユウヒ隊員が現れた。
ちなみに、コウブインだと堅苦しいから、と本人から
言われたため、普段はみんなユウヒ隊員と呼んでいる。
ユウヒ「お二人とも、こちらに居られたんですね」
アイナ「あ、ユウヒさん。何か御用ですか?」
ユウヒ「そろそろイルマ隊長が出演する番組が始まるので
二人を探してきてくれとホリイ隊員が」
アイナ「あ、そっか。そろそろですね。それじゃあ
オオトリさん、戻りましょうか」
シアン「あ、はい」
ヤシロ隊員の声に我に返った僕は、慌てて頷くと二人の後に
続いて司令室へと戻って行った。
実は今日、とあるテレビ番組にイルマ隊長が出演する事に
なっていた。理由としては、怪獣と最前線と戦う部隊の
指揮官だから、というわけだ。
そして、僕達が司令室に戻ると丁度そのテレビ番組が
中央の大型モニターに映し出された所だった。
ナレーション「21世紀。今や我々の生活も大きく変わろうと
しています」
アイナ「あ、やってますね」
ホリイ「おお、二人も来たか。丁度今始まった所や」
流れる映像を見つつ、僕やヤシロ隊員、ユウヒ隊員が
中央テーブルを囲む席に座って行く。
その後、女性キャスターと対談するイルマ隊長を見ながら
みんなで雑談していた時だった。
シアン「ん?あれ、何かキャスターの人、可笑しくありません?」
レナ「え?」
画面の方に視線を向けていた僕やダイゴ隊員達が気付いた
異変。それはキャスターの女性がまるで幽霊か何かに
乗っ取られたような、変な様子になる所だった。
すると……。
突然キャスターの女性の体が宙に浮いた。
ユウヒ「なっ!?」
シアン「浮いた……!?」
驚く僕達を後目に、キャスターの人は話し始めた。
女性「地球はもうすぐ生まれ変わる」
アイナ「え?」
女性「聖なる炎が穢れを焼き払うだろう」
シアン「穢れを、焼き払う?」
シンジョウ「何言ってんだこいつ?」
テレビの画面を見ながら、僕達は半信半疑でキャスターの
言葉を聞いていた。
女性「キリエル人に従うのだ。その証を見せよう」
と、最後にそう言うと宙に浮いていた女性が倒れ、
テレビの画面が切り替わり、『しばらくお待ちください』
という単語だけが映し出された。
ホリイ「な、何や今のは」
ヤズミ「演技、だと思いますか?」
レナ「それなら笑い話で済むけど、アイナ隊員達はどう思う?」
アイナ「確かに、レナさんの言う通り演技でした、なら
笑い話で済みますけど、でももしそうじゃないと
したら……」
と、話をしていた時。今まさにさっきのテレビ局に居た隊長から
通信が入った。
イルマ『何者かが遠隔的にキャスターの精神を乗っ取ったと
見るわ。デフコン1の態勢で待機してください』
ムナカタ「了解。気を付けて。……シンジョウ、ホリイ、
シアン、アイナ、ユウヒの5名は各種装備を携帯の上
1号、SS、MkⅡに搭乗用意の上待機」
5人「「「「「了解っ!」」」」」
と、その時。
ヤズミ「ッ!大変です!隊長の居る区域の地震計が異常な
振動を検知しました!」
ダイゴ「え?」
ムナカタ「現場付近のカメラの映像は出せるか!?」
ヤズミ「メインモニターに回します!」
カタカタとヤズミ隊員がタイプをする音がして、
メインモニターに振動で揺れるカメラの映像が映し出された。
と、思った次の瞬間。
『ボォォォォォォンッ!』
市街地にあったビルの一つが、爆発した。
シアン「び、ビルが、爆発した」
その時司令室に居た僕達9人は、その光景に唖然とする
事しかできず、それが始まりの合図である事を、まだ
知らないのだった。
その後、ハンガーに戻ったイルマ隊長が参謀会議に
出席している中、僕とヤシロ隊員のSS、シンジョウ隊員と
ホリイ隊員の1号の2機が現場付近に向かった。
SSを近くの広い場所に着陸させ、未だに炎が燻っている
建物の残骸に近づく僕とヤシロ隊員。
僕はヘルメット脇に装着したCCDカメラで周囲を
撮影しながらPDIを取り出しそれを開いた。
シアン「どうユナちゃん。何か分かった?」
ユナ『う~~ん。……TPCのデータベースにある
爆発物のデータと照合してみたけど、該当する物は
無いね。と言うか、この辺爆発物の反応自体無いみたい』
PDIの画面に映ったユナちゃんは困り顔で首をひねった。
人工知能であり人との対話型インターフェースでもある
ユナちゃんはこうして現場でも調査に協力してもらうように
なった。
とはいっても、それで何かを必ず発見できる訳じゃないけど。
アイナ「未知の爆発物なのか。それとも別の何かなのか。
それにしても……」
瓦礫の上に立ち、瓦解したビルを見つめるヤシロ隊員。
「爆破されたのが無人の建設中のビルで幸いだったわね。
これがもし工事中だったら……」
ユナ『まぁ軽~く数十人は死んでたかもね』
と、笑みを浮かべているユナちゃん。これには流石の僕も……。
シアン「ユナちゃん!そんな不謹慎な事言っちゃダメでしょ!
人が死ぬなんて、軽々しく言う事じゃないの!」
ユナ『は、は~い。ごめんなさい』
と、僕の声にびっくりしてから頭を下げるユナちゃん。
シアン「うん。分かってくれれば良いよ。これからは
気を付けてね」
そう言って笑みを浮かべると……。
ユナ『うん!分かった!』
彼女も笑みを浮かべてくれた。
というか、ホントにユナちゃんは人間みたいなだ~。
そう思った後、気持ちを切り替えて現場の調査に戻る
僕達だった。
結局、爆発物に関する反応は何一つなく、僕とヤシロ隊員は
現地にシンジョウ隊員達を残しダイブハンガーへと帰還した。
結局、僕達の見解としては爆発物ではない『何かの力』を
『何処からか加えた』が為にビルが崩壊したと言う事になった。
ダイゴ「力、か。けど一体どこから」
レナ「現場に何か、可笑しな発生装置みたいなものとかって
無かった?」
シアン「はい。消火作業後に瓦礫の下までをスキャナーで
一通り調べましたが、特にこれと言ってビルの崩壊
させる事が出来るような資材の欠片はありません
でした」
ムナカタ「となると、何等かの時限装置が稼働した結果、
という訳では無さそうだな」
アイナ「はい。一応現地の警察と消防が検分を進めていますが、
私達の見て来た限りでは手がかりになりそうなものが
出るとはとても……」
レナ「そう」
ユウヒ「キリエル人を名乗る奴らが警告のために無人のビル
を狙ったのか、それとも偶然か」
その時、顎に手を当てたユウヒ隊員の言葉にその場にいた僕達の
視線が彼女に集まった。
ムナカタ「何が言いたい?」
ユウヒ「あの時、キャスターの女性を介して奴らは言いました。
浄化の炎が穢れを焼き払う。その証を見せる、と」
シアン「まさか。あの無人ビルを狙ったのはその証?」
ユウヒ「無論確証はありません。しかし、何の予兆も
無い破壊活動が市街地で行われようものなら……」
ムナカタ「建造物、人的被害がどれほどになるか。見当も
付かない」
苦々しい顔で最悪のシチュエーションを考えるムナカタ副長。
そうだ。もしあの力が、人が住んでいる人口密集地の
マンションに向けられよう物なら……。
その先を考え、僕もゴクリを唾を飲み込む。
ヤズミ「あの力の事、急いで解明する必要がありそう
ですね」
ヤズミ隊員の言葉に、その場にいた僕達は無言で頷いた。
シアン「爆発物以外でビルを倒壊させる力か。……あれ?
そう言えばイルマ隊長は?」
と、その時僕は隊長が部屋、司令室に居ない事に気付いた。
ムナカタ「昨日のテレビの一件以降会議やなんやらで
忙しかったからな。今は自室で休んでいるはずだ」
その後も僕達は司令室でデータの解析を行っていたその時。
イルマ『キリエル人はどこから来たの?』
シアン「え?この声、イルマ隊長?」
不意に司令室に隊長の声が響いた。恐らく隊長室にある通信機の
者だろうけど、キリエル人ってまさか……。
「まず自己紹介をするのが筋ってもんじゃないかしら?」
???「はっはっは。流石GUTSの隊長だ。ユーモアがある」
ッ!?誰の声だ?隊長室に、イルマ隊長以外の人が居る?
その時、驚く僕達にムナカタ副長が頷き、僕とヤシロ隊員、
ユウヒ隊員、ダイゴ隊員、レナ隊員の5人が武装、
GUTSハイパーを手に司令室を飛び出し隊長室へと
向かった。
ユウヒ「なぜこの厳重な警備のダイブハンガーに部外者が!」
アイナ「何の予兆も無くビルを吹っ飛ばす相手です!ここの
セキュリティーを突破して侵入したとしても、
可笑しくは……!」
シアン「とにかく隊長が心配です!部屋に急ぎましょう!」
叫びながら、僕達は隊長の部屋を目指した。
そして、僕達5人は部屋の前までたどり着くとそれぞれ
GUTSハイパーを取り出し、安全装置を解除。扉の脇に
立ち、互いに頷く。
と、その時突如として部屋の扉が開き、僕達は驚きつつも
ハイパーを構え周囲を囲んだ。
しかし、飛び出して来たのはイルマ隊長だけだった。
「イルマ隊長!?」
慌てて銃口を下げつつ、僕とヤシロ隊員、ユウヒ隊員は
部屋の中に侵入し、僕は自動ドアを背中で押しながら部屋の
中に向かってGUTSハイパーを構え、他の二人が
突入するけど中には誰も居なかった。
ユウヒ「クリア」
息を付き、ハイパーの銃口を下げるユウヒ隊員とヤシロ隊員。
その時だった。
イルマ「K-1地区!」
不意に叫び、駆け出したイルマ隊長。その慌てぶりから、
何かあると考え僕達も急いで隊長に続いた。
「ヤズミ隊員!デフコン4の警戒態勢!
1号機をK-1地区へ!」
そして、司令室に戻った隊長は矢継ぎ早に命令を飛ばし、
更に現地の映像を中央モニターに映し出した。
K-1地区は完全な人口密集地だ。昼間と言う事もあり
車の通りも多い。完全な都心。
と、その時。
『ピカッ!』
ビルの地面辺りが光ったかと思った次の瞬間。
『ドォォォォォォンッ!』
ビルが内部から爆発した。
周辺一帯を爆炎が覆い、道を行く車に瓦礫の雨が降り注ぐ。
盛大な爆発が、地区一帯を覆う。
シンジョウ『ビルの中には多数の市民が居た模様!被害は、
被害は甚大です!』
現場の燃え盛るビルの残骸がモニターに映し出される。
これが、これが浄化の炎だと?
ふざけるなっ!あのビルに、どれだけの人が生活していた
と思ってる!どれだけの人の命が……!!!
そう思いながら、僕はギュッと拳を握りしめるのだった。
となりで、同じように唇を噛みしめるヤシロ隊員や
モニターに鋭い視線を向けるユウヒ隊員に気付かぬまま。
その後、僕達はあの正体不明の攻撃の解析を続けた。しかし
攻撃の正体は未だに分からず、煮詰まっていた僕は頭を冷やすために
お手洗いへ行き、そこで顔を洗ってから司令室に戻ろうと
した。のだけど……。
あれ?
その時ふと、僕は私服姿で地下の駐車場に向かう姿を見てしまった。
こんな時にどこへ?と思いつつ僕は隊長を追った。
そして僕が駐車場に辿り着いた時には、イルマ隊長は私物の車で
日本本土と繋がっているシークレット・ロードへと丁度
出て行く所だった。
と、そこへ……。
ダイゴ「シアン」
シアン「あ、ダイゴ隊員」
後ろからダイゴ隊員が現れて声を掛けられた僕は振り返った。
ダイゴ「今出て行った車、イルマ隊長が?」
シアン「え、えぇ。私服姿でどこかへ。けど、こんな時に
一体どこへ……」
ダイゴ「……追ってみよう」
シアン「え?」
ダイゴ「もしかしたらキリエル人に関する手がかりを掴んだ
のかもしれない。シアン、GUTSハイパーと
PDIは?」
シアン「ちゃんと携帯しています。……って、まさか……!」
ダイゴ「もし仮に、イルマ隊長の向かった先にキリエル人が
待ち構えていたとしたら、イルマ隊長が危ない。
すぐに追うぞ!」
シアン「は、はいっ!」
その後、僕はダイゴ隊員が運転する車に同乗し、急いでイルマ隊長
の後を追って行った。
一方そのころ、GUTS司令室ではアイナやユウヒ達が
知恵を出し合いあの攻撃の解析を行っていた。
~~~
今、司令室では私やユウヒ隊員、他のみんなが意見を
出し合い色々探っていたけど、まだわかりそうになかった。
そんな時だった。
ヤシロ「あの攻撃の前兆は、360度どの方向からも検知できて
いません」
ユウヒ「まさか、攻撃自体が透明なのでは?」
ホリイ「せやけどそれなら熱探知とかに引っかかるはずや」
そんな事を考えていた時。
ユナ『ねぇねぇ、ちょっと良い?』
と、急に大型モニターにユナちゃんが姿を現した。
ヤシロ「何?どうかしたのユナちゃん」
ユナ『あのね、お母さんに言われてさっき攻撃の時の震度計の
データを見てたんだけどね、変なの』
変?どういう意味だろう?
ヤシロ「変って、何が?」
ユナ『普通地震って波でしょ?大陸のプレートの振動が地震の
元だけど、当然波は小さくなって段々大きくなって、
また小さくなるでしょ?でもあの攻撃の時の地震って
目一杯大きくなった後すぐに消えちゃうの。これって
普通の地震と違うよね?』
ッ!もしかして……!
アイナ「ヤズミさん!2回目の攻撃の時って、地震は
観測されてますか!?」
ヤズミ「待ってください。……これはっ!はい!
確かにヤシロ隊員の言う通り、地震は確認
されています!と言う事は、まさか……」
ユウヒ「地下からの攻撃。そう言う事ですか……!」
ホリイ「じゃああの地震は、攻撃が地下から地表に向かう
時の振動っちゅう事か!」
ムナカタ「と言う事は、これからの攻撃も……!」
アイナ「奴らの居るであろう地下から、地表のいづれかに
向けて放たれるでしょう」
こうして、私達はようやく敵の攻撃を突き止めた。
って、あれ?そう言えば誰かを忘れてるような……。
あぁっ!
「そう言えば、隊長とダイゴさん!それにオオトリさんは!?」
レナ「あれ?そう言えば姿が見えないわね」
3人が居ない事に気付いた私は、オオトリさんのPDIに
通信を入れた。
アイナ「ちょっとオオトリさん。今どこに居るの?」
シアン『すみません。連絡が遅れましたが今僕とダイゴ隊員は
市街地に向かってます』
アイナ「え?市街地に?」
私が声を漏らすと周りのみんながこちらを向いた。
シアン『今僕達はイルマ隊長を追っています。恐らく隊長は
キリエル人に関して何かを掴んだのかもしれません。
これから僕達は隊長に追いついて援護をしたいと
思います』
ムナカタ「ヤシロ隊員、少し貸してくれ」
そう話していた時、ムナカタ副長がPDIを貸してくれ、
と言ったので私は渡した。
「ムナカタだ。二人とも、イルマ隊長を頼むぞ」
シアン『はいっ!』
その返事を最後に、通信は途切れ私達は攻撃に対処するための
話し合いを始めた。
そんな中で私は……。
お願い。二人とも、どうかイルマ隊長を守って。
私は、秘かにそう願い祈るのだった。
~~~
イルマ隊長の車のGPS信号を追って僕とダイゴ隊員の車は
市街地のマンションの一角に到着した。
そこから更にイルマ隊長のPDIの信号を追って、そのうちの
一室の前に辿り着く僕達。
そして、その玄関の前に立つと僕達はGUTSハイパーを
取り出した。互いの玄関の左右に立ち、ハンドサインで僕が先に突入
する事を伝えると、扉をダイゴ隊員が開け、僕が先に突入した。
そして、そのまま各部屋を静かに確認しながら奥の部屋の前
まで進んでいくと、声が聞こえた。
???「……来ていたのです」
何やら聞こえる声を耳にした僕はダイゴ隊員に頷くと、声がする
部屋のドアを静かに開き、中の様子を見ると、男と、
何かの力で捕らえられているのか、壁に貼り付けられた状態の
イルマ隊長を見つけた。
そして、隊長の危機を悟った僕は考えるよりも先にドアを
蹴破り部屋へと侵入した。
男がその音に振り向くが、こっちの方が早い。
『ビシュッ!!』
僕のGUTSハイパーが男の胸の中央を撃ち抜いた。だが。
『シュゥゥゥ……』
シアン「えっ!?」
男の体はまるで煙のようになり、消えた。
イルマ「あっ」
驚き僕が周囲を警戒する中、床に落ちたイルマ隊長に
駆け寄るダイゴ隊員。
イルマ「ありがとう二人とも。助かったわ。けど、どうして、
ここへ」
シアン「僕が、隊長がダイブハンガーを出て行くところを見た
んです。近くに居たダイゴ隊員の提案で二人して
万が一を考え、それで」
イルマ「そうだったの。ありがとう」
と、その時。
???「最後の予言を語ろう」
何処からともなく声が聞こえてくる。
ダイゴ「最後?」
シアン「それは一体どういう意味!?」
イタハシ「あなた達が生きて聞く事のできる最後の、
という意味だよ」
僕が叫ぶように問い返すと、後々知った名前だけど、
イタハシと言う男の声が響いた。
「次に聖なる炎が焼くのは、ここだ!」
ッ!それじゃ!
ダイゴ「何だって!?」
このままここに居ちゃ不味いっ!
シアン「ダイゴ隊員!イルマ隊長と外へ!後、司令室への
通信をお願いします!僕はこのマンションの人々に
避難誘導を!」
ダイゴ「わかった!隊長、行きましょう!」
イルマ「えぇ。オオトリ隊員、無茶だけはしないでね」
シアン「はいっ!!」
返事をすると、僕はイタハシの部屋を飛び出し、通路に
あった非常用ベルを鳴らした。
「こちらはGUTSの者です!このマンションに
お住まいの方全員にお知らせします!現在
このマンションには爆発の恐れがあります!
皆さん、必要最低限の貴重品だけを持ち、
即刻このマンションから離れてください!」
僕は叫ぶように、マンション全体に響くスピーカーに
向かって警告を飛ばした。
そして僕はそのまま、マンションから逃げる人々の
誘導を開始した。
市民「まさか、この前の爆発事件みたいに……」
「ほら!急いで!」
マンションに住んでいた人たちが、老若男女、様々な
姿で飛び出してくる。
「ママ待って!まだお家にクマさんが!」
「そんなの良いから!」
そして、その中には子供の姿もあった。
2件目の事件の被害者名簿の中には、小さい子供の名前だって
あった。
もう、二度とやらせない!物は壊れたって直せる!けど
人の命は!
そう思いながら、僕は歯を食いしばり、避難誘導を続けた。
と、そこへ、携帯していた無線機に通信が入った。
アイナ『オオトリさん、聞こえてますか?今、あの攻撃を
阻止するためにポイント33上空から地上に
マイクロウェーブ砲を照射します』
シアン「ッ!待ってください!周辺住民の避難がまだ
完了していません!」
アイナ『そんなっ!避難を急いでください!』
レナ『急いで!攻撃はそのワンチャンスしかないの!』
シアン「了解っ!皆さん!ここは危険です!遠くへ!
少しでも遠くへ避難してください!」
と、そこへ……。
ダイゴ「シアンっ!」
シアン「ダイゴ隊員!?イルマ隊長は!?」
ダイゴ「隊長はマンションに残って中から避難誘導を
している!ここは俺が受け持つからお前はもっと
先を頼む!」
シアン「は、はいっ!皆さん!こっちへ!こっちへ避難して
ください!」
そう叫びながら僕はポイント33とマンションから離れるように
住民を誘導していった。
そして、ダイゴ隊員の避難完了の報告を受けると1号が
攻撃ポイント上空にスタンバイモードで移動していった。
上空ではさらに2号、SS、MkⅡが待機している。
その時。
アイナ『オオトリさん!乗って!』
避難する人を逃がし終えた僕の近くの大通りにSSが着陸し、
僕は急いでSSの後部シートに搭乗するとシーの上に
置かれていたヘルメットを装着。
ガンカメラの映像でマンションの方へとカメラを向けた
のとほぼ同タイミングでマイクロウェーブ砲による
攻撃が行われた。
と、その時。
『ピカッ!』
突如として光と共に、ウルトラマンティガが現れた。
そして、ティガはその手に保護していたイルマ隊長を
近くの安全な場所に置いた。
アイナ「イルマ隊長!良かった。ご無事で」
どうやら、逃げ遅れていたイルマ隊長をティガが
助けたようだった。
その事実に僕やヤシロ隊員が安堵していた時。
イタハシ「君を待っていたのだよ、ウルトラマンティガ!」
不意にどこからかあの男の声が聞こえて来た。ガンカメラを
操作すると、僕は路上に立つあの男の姿を捉えた。
「君はこの星の守護神になるつもりかね!
おこがましいとは思わないか!」
おこがましい?……ふざけるなっ!
ガンカメラを操作するレバーを握る手がカタカタと震える。
「君がその巨大な姿を現すずっと前からこの星の
愚かな生き物たちはキリエル人の導きを待って
居たのだよ」
愚か、愚かだと?何が導きだ。大勢の命を奪っておいて、
浄化だの導きだの。ふっざけんなぁっ!!!!!
ブチッ!!!
その時、僕の中で何かが切れた。
「君は招かれざる者なの——」
シアン『招かれざる者はそっちだバカヤロォォォォォッ!!!!!』
文字通り、キレた僕はスピーカーの音量を最大にして
キリエル人に向かって叫んだ。
その音量に、ティガも驚いてSSの方を向いてるが今は
関係無い。
『良いかこのキリエルだかカマキリだか知らねえ
怪人が!その腐った耳でよ~く聞きやがれ!
こちとら誰もキリエル人の導きなんざして欲しく
もねぇんだよ!それを勝手に導くだぁ!?
そっちこそなんだ!地上最強生物にでもなった
つもりかあぁ!?良いか聞けクソキリエル人!
俺達はなぁ、誰もテメェらなんか必要としてねぇんだよ
分かったかこの大量殺戮者がぁっ!!!
大勢の命奪っておいて、今更聖人なんざ気取ってんじゃ
ねぇよコラァッ!!』
と、僕はその時胸の中に溜めていた怒りを文字通り吐き出した。
そして、普段の僕からのあまりの代わりように、ヤシロ隊員を
始めみんな目をぱちくりさせている。
アイナ『え~嘘~。どうしちゃったのオオトリさん。こんな
キャラだったっけ~』
と、僕のあずかり知らぬところで戸惑っていたヤシロ隊員。
しかしまぁこの時の僕は頭に血が上っていた訳で……。
シアン「アイナっ!」
アイナ「ひゃ、ひゃいっ!?」
シアン「俺を今すぐ下ろせ!あのイカレ聖人!俺がGUTS
ハイパーで叩きのめしてやる!」
アイナ「そ、そんな無茶な~」
未だに頭に血が上っている僕と、なぜか涙目のヤシロ隊員。
と、その時。
イタハシ「何と愚かな。やはりこの世界は我々キリエル人が
導くべきなのだ!ウルトラマンティガ!そして
GUTSの者共よ!見よ、これがキリエル人の
怒りの姿だ!」
すると、地面に亀裂が走ったかと思うとそこから炎が噴き出し、
その炎の中から、何と巨大な人型、ティガと同程度のサイズの
巨人が出現した。
驚くホリイ隊員。それを司令室から見ていたムナカタ副長たち
曰く、挑戦するために巨大化したとの事。
と、その時。
『ヒュヒュヒュヒュヒュンッ!』
『ドガガガッ!』
『キリッ!?』
何処からともなく銃弾の雨が降り注ぎ、ティガと向き合っていた
巨大なキリエル人、キリエロイドに命中し火花を散らした。
僕達がそちらを向くと、そこには……。
ユナ『おっまたせ~!3式機龍あ~んどユナ!ただいま到着!』
両腕に武装らしき物を装備した3式機龍がVTOL4機に運ばれて
来た。
シアン「ユナちゃん!」
ユナ『お待たせ~シアン!お母さんがもしもの場合のために
行ってきなさいって言うから来ちゃった!』
カシムラ博士!グッドタイミングです!
そう思いながら僕は鍵となっているPDIをスロットに
装填しモニターを上から引き下ろし、そして現れた操縦桿を
強く握りしめた。
≪3式機龍、アクティベート≫
ユナちゃんの電子音が響く。
こうなったら、徹底的にやってやる!あいつをぶっ飛ばして
やる!
そう思いながら、僕は切り離された機龍をティガの隣に
着地させ、機龍のスピーカーをオンにした。
シアン『ウルトラマンティガ!一緒に戦って欲しい!
あいつを一緒にぶっ飛ばそう!』
僕がそう言うと、ティガは頷き、構えた。
「レナさん達は隊長の救出を!」
ホリイ『お、おう!』
ユウヒ「では、私とヤシロ隊員は……!」
アイナ「ティガと機龍の援護ですね!!」
と、二人もまた命を簡単に奪うキリエル人に対して燃やしていた
怒りを爆発させるように、攻撃態勢に移った。
最初に仕掛けたのはティガだった。
足払いをするティガの足を、ジャンプして回避するキリエロイド。
しかしそのがら空きの側面に、急造とはいえ追加された3式機龍の
射撃武器、『0式レールガン』の攻撃が命中した。
それによって、動けない空中でバランスを崩し、地面に膝をつく
キリエロイド。
『タァッ!』
そして、その隙に胸を蹴とばすティガ。蹴とばされ、
ズズンと音を立てて倒れるキリエロイド。
そこへ……。
ユウヒ「怒れる者が一人だけと、思うなよ!」
アイナ「私達だって、怒ってるんだからねっ!」
『バシュバシュッ!』
『バババババッ!』
その時、倒れたキリエロイド目掛けてMkⅡのレーザーと
SSのバルカン砲が放たれ、倒れたキリエロイドの
周りで無数の火花が散った。
しかしすぐさま起き上がったキリエロイドは、鈍重な機龍を
標的にすると真っ直ぐ向かって来た。咄嗟にレールガンを連射
するけど、キリエロイドはそれを飛び越え、3式機龍の背後を
取った。そのまま奴は周り蹴りを繰り出そうとしたが……。
『タァッ!』
『ドガッ!』
『キリッ!!』
注意が逸れていたキリエロイドを今度はティガが蹴とばした。
今度は転がって態勢を立て直すキリエロイド。しかし
そこに今度は機龍のレールガン、SSのバルカン砲、
MkⅡのレーザー砲が一斉に発射され命中。如何に単発の
威力が低くても合わさったその威力は高く、奴を再び
地面に倒した。
その時、倒れたキリエロイドに掴みかかったティガは
キリエロイドの腕を掴んで振り回し始めた。そして、
一瞬だけティガは3式機龍の方を向いた。
そっか!
シアン『よしっ!来いっ!』
その意図を理解した僕は機龍のスピーカーを
通して叫んだ。
すると……。
『ダァッ!』
ティガが全力でキリエロイドを3式機龍めがけて
投げ飛ばした。
地面の上を自力で止まれずにどたどたと走るキリエロイド。
そして、奴が3式機龍に近づいた次の瞬間。
ユナ『行っけぇぇぇぇぇぇっ!』
『ゴガァァァァァンッ!』
ユナちゃんの叫びと共に全力の右ラリアットを奴の腹部
目掛けて繰り出し、そこから更に腹を持ち掬い上げるように
してキリエロイドを空中で一回転させた。
『ドガァァァァァンッ!』
そして、そのまま背中から盛大にビルに突っ込むキリエロイド。
『キ、キリ……』
だけどそれだけじゃない。僕は機龍を操作し、キリエロイドの
腕をがっしりと掴み、後ろに手を回して捕まえた。
シアン『今だ!ティガ!』
僕がスピーカー越しに叫ぶと、ティガは動けないキリエロイドに
接近しその腹部にラッシュを叩き込んだ。
何とか足で反撃するキリエロイド。しかしティガはそれを瞬時に
察し後ろに飛んで回避。僕の操る機龍はキリエロイドの手を
離すとその背中に思いっきりショルダータックルをかました。
ヨロヨロとさっきみたいに前に進んだキリエロイド。そこへ
ティガが飛び込んできて、キリエロイドの頭を掴むと
自分の体ごと奴を倒し、後頭部を地面に叩きつけた。
ドガァァンッ、という盛大な音と共に砂煙が巻き起こる。
そこから、前転して距離を取るティガと、ヨロヨロと立ち上がる
キリエロイド。しかしそこに、有無を言わさず機龍、SS、
MkⅡの一斉射撃が襲い掛かる。
ちなみに、これを見ていたホリイ隊員は……。
ホリイ「何や、凄まじいリンチやな!」
そんな叫びが通信機越しに聞こえて来たけど、僕は無視して
キリエロイド目掛けて機龍を前進させた。そして……。
シアン「これは、お前達の身勝手に巻き込まれた人たちの分!」
『ドガッ!』
フラフラと立ち上がったキリエロイドの胸に機龍のクローが
突き立てられる。
「これは、お前達に殺された人の分!」
もう一撃、機龍の爪がキリエロイドの皮膚を切り裂く。
胸を押さえ、呻きながら数歩後ろに下がるキリエロイド。
「そしてこれが、そんなお前達への、俺の怒りの
一撃だぁぁぁぁぁっ!!」
『バシィィィィィッ!』
両腿のスラスターを使って機龍の体を回転させ、鋼鉄の
尻尾を叩きつけた。再び吹っ飛ばされ、背中から地面に
倒れるキリエロイド。
既に奴の体はボロボロだ。一気に決める!
『ウルトラマンティガ!十字砲火だ!
ヤシロ隊員とユウヒ隊員も!』
アイナ「はいっ!」
ユウヒ「承知っ!」
スピーカーを通した僕の声にティガは頷くと
立ち上がろうとしているキリエロイドの真正面に
立った。
更に左右をSSとMkⅡが包囲。後ろには3式機龍が立った。
そして……。
『フッ!』
腕を交差させるポーズを取り、ティガが必殺技の光線を
放つのに合わせ、僕の操る機龍のレールガン、SSのバルカン砲、
MkⅡのレーザー砲が放たれた。
そして、ダメージで回避も防御も出来なかったキリエロイドに
それら4つの力が命中し、僅かに呻いた次の瞬間……。
『ボォォォォォォンッ!』
盛大な音と共にキリエロイドは爆散した。
そして、ティガは3式機龍に向かってサムズアップすると、
どこかへと去って行った。
その後、無事だったダイゴ隊員も乗せ、基地へと帰還する
僕達。
ホリイ『いや~。にしてもさっきのシアンの怒鳴り声、
すごかったな~』
レナ『ホントホント、任侠映画のヤクザみたいだったわね』
と、通信機からみんなの声が聞こえて来た。
シアン「うっ!?そ、その話はもう良いですよ。あれは僕の
堪忍袋の緒が切れたと言うか、何と言うか……」
ユウヒ『温和な人ほど怒らせると怖い、と言いますが正しく
その通りでしたね』
ホリイ『今後シアンを怒らせない方が良いと思う人~』
レ・ユ・ア「『『は~い』』」
シアン「だ、大丈夫ですよ!皆さんにはあそこまで怒りません
から~!」
と、アセアセと戸惑いながら僕はコクピットの中で叫び、
その声を聞いたみんなは笑みを漏らすのだった。
また、キリエル人と会い見える日が来るとは、知りもしないで。
第3話 END
次回は機龍やオリキャラのシアンたちにスポットを当てた
オリジナル回、3.5話になると思います。
登場怪獣として、ウルトラマンダイナ第3話に登場した
グロッシーナを登場させます。依頼者の方の指摘で、
グロッシーナ自体がダイナ本編の10年前にGUTSと
戦い仮死状態になった、という事らしいので、機龍と
グロッシーナを戦わせようと思っています。