境界線上のホライゾン 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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「な、なぁ作者? なんでまたこのタグがタイトルについているんだ?」

それはですねぇ……書いてたらそうなりました! ヤッタネ‼︎

「ヤッタネ‼︎ じゃないだろぉっ⁉︎ からどうするんだよ⁉︎」

どうするも何もそのまま突き進んだしまえばいいのさ‼︎ (๑˃̵ᴗ˂̵)

「簡単に言うな!」

「颯也……まさか私に隠れて浮気、かしら?」

「っ⁉︎ な、成実さん⁉︎」

おぉーっ! これは修羅場の予感‼︎

「そこで楽しんでいる作者さん? 悪いけどお仕置きね?」

……えっ?

「だってそうでしょう? この物語は私が颯也の彼女なんだから。それを差し置いて……覚悟する事ね?」

えっ? あっ、や、やめっ⁉︎ ごめんなさぁ〜い‼︎

「……ドンマイ」

「ふぅ、これで邪魔者はいなくなったわ。ということで颯也……イチャイチャしましょ♡」

「……と、取り敢えずご覧下さい」


10話R-15 誰かの代わりではない! そして宣戦布告

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20時45分 ハーフビーク級戦艦スレイプニル内

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side カタクリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ当然の結果か」

 

俺はモンタークことマクギリスが所有する戦艦の艦長室で三河消失の成り行きを見守っていた。

 

まぁもっとも颯也のことだ。あれしきのことはどうとでもなる。

 

ん? いきなり現れて何を語っているのかだと? まずは自己紹介をしろと? 自己紹介は済んでいたはずだが……まぁ良い。改めてさせてもらおう。俺はカタクリ……今はそう名乗っている。今はということは、前は違った名前を用いていた。

 

そう……昔俺は魔神王・ゲーティアと、そう名乗っていた。それもこの世界とは違う世界でだ。元々俺は人類を滅ぼそうとしていたが、それも新米のちっぽけな魔術師に敗れた。まぁそれについては今はどうも思っちゃいない。過去の事で既にどうでも良い事だ。

 

そして今はカタクリとして、颯也とともにこの世界に来た。まぁそのカタクリという名前も、違う世界に存在している人物の名と姿を真似ただけだ。そしてその人物が所有する能力もな。

 

その世界とはONE PIE◯Eと言って、簡単に言えば海賊達が跋扈する世界だ。そしてその世界に生きるカタクリは、シャーロット・カタクリと言ってモチモチの実を食べた餅人間だ。そしてその世界で強者が持つと言われる武装色、見聞色、そして100万人に1人しか持たないと言われる覇王色を持ち合わせている。特に見聞色は極めすぎて少し先の未来が見えるまで鍛えたという。

 

そしてさっき言った様に、能力も“真似”た。それも努力してな? しかしあれは本当に何度死ぬかと思った事か……能力をその世界のカタクリ同様、あるいはそれ以上使える様に颯也と修行した。そのおかげもあり、その世界のカタクリ以上に能力は扱えると思っている。まぁ思っているだけだが……

 

(俺が魔神王でなければ死んでいたな……)

 

そう……思ってしまうくらいだ。にしても颯也は力加減を全くと言って良いほど知らない。いや……俺のためにわざと本気でやってくれたのか……

 

(だがこの世界に来てこの姿になっているのは驚きだったな)

 

俺がこの世界に来たのが確か13年前ぐらいだ。その時颯也と他多数と一緒にこの世界へと降り立った。まぁ颯也の姿は子供の姿だったが、それでも俺が魔神王の頃より遥かに強かった。

 

だが、その方がこちらとしても頼もしい。俺達が今やろうとしている事を考えるのなら、その時からそれぐらいの力を持っていなければこの世界を救えない。俺はそう考える。

 

そう考えていると未来が見えた。所謂見聞色の鍛え過ぎによる、少し程度の未来予知……

 

見終わると、艦長室のドアがスライドして開いた。

 

「ふむ……ここが艦長室というものか……」

 

現れたのは、さっきまで地上で謎の黒い影と戦っていた女だった。

 

あの黒い影の正体はシャドウサーヴァント……のさらに成れの果てだ。シャドウサーヴァントと比べたとしても敵う事はない。だがこの時代の学生よりかは少し強いと思う。

 

まぁその何千という群れを、この女はさっさと片付けてしまった。

 

「お疲れさん。沖田オルタ……だな」

 

「そうだな、あの世界ではそう呼ばれていた。それでお前は……マスターに着いてきた物だな。確か……ゲーティアと言ったか?」

 

「昔はな……今はその名前もとっくに捨てた。今はカタクリと名乗っている」

 

「カタクリ……片栗粉か?」

 

「……あながち間違いではない」

 

「そうか……ならタダでお餅が食べれるんだな?」

 

「何故そうなる?」

 

「マスターから今届いたのだが、お前が餅人間だから頼めばタダで食べさせてくれるかもねと……それで食べれるのか? できれば焼いて醤油で食べたいのだが……」

 

「……」

 

正直俺はどうしていいか分からん……確かに俺は沖田オルタがここに来ていくらか会話をしたのち立ち去る未来を見た。見たのだがこれはなんだ……とっくに俺が未来で見た退出時間を超えている……

 

(颯也はそれさえも見据えていると言うのか……)

 

「どうした? それで食べさせてくれるのか?」

 

「それは颯也に頼んでやってもらえ……」

 

「そうか……うん、それもそうだな。では邪魔したな」

 

そして沖田オルタは去っていった。

 

「……本当にあいつは化け物だな」

 

颯也さんの事をそう再認識したカタクリさんがいました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新名古屋城と三河消失を防いだ俺は、マクギリスが所有する戦艦に到着し、カタクリがいる艦長室にいた。

 

「よぉ、お疲れさんだな」

 

「あぁ、そっちこそ上手くやってくれて助かるよ」

 

「なに、今回の俺の役割は全世界に俺たちの存在とその意義を知らしめる事だからな。せっかく颯也が新しい人生を送るのに、その世界も滅亡の危機に陥るとかごめんだからな。それに何と言っても俺はお前に助けられた。なら……お前の力になりたいと思う」

 

「はは……本当に昔の頃と変わったね」

 

「誰のせいだと思っている? だが今の俺も悪くないと思っている」

 

「そうか……それなら良かったよ」

 

颯也と談笑しているとまた未来が見えた……はぁ〜……

 

「どうしたカタクリ? なんか未来が見えた様だけど?」

 

「アイツが来るんだよ……」

 

「あの子の事嫌い?」

 

「そう言う訳じゃねぇんだがな……」

 

そう言っているとドアがスライドして数人が入ってきた。

 

「おっ? なんだもう帰って来てたのか?」

 

「おかえりなさい颯也。お疲れ様です」

 

「あぁ、ただいま」

 

「おかえり。にしても今日もまた凄いものを見せてくれたね」

 

発言の順はガエリオ、アイン、マクギリスである。

 

「う〜ん……序の口かな?」

 

((((えっ? あれで序の口(ですか?)?))))

 

その場にいた4人は同じ事を思ったという……ただ1人だけ除いて……

 

「マスターーーっ♡」

 

颯也の胸に飛び込む沖田オルタ。不意打ちにもかかわらず、それを優しく抱きとめる颯也は、どことなく父性を放出させる様に見えた。

 

「もう、いきなりは危ないよ? 沖田ちゃん」

 

「それはすまないと思っている。でも……我慢ならなかったから……」

 

上目遣いで颯也の顔を見る沖田……それに対して颯也はとても困ったという風に笑みを浮かべるが、瞬き1つする頃には困った表情は抜けた笑みを浮かべて沖田の頭を優しく撫でていた。

 

「んんっ♡」

 

沖田から喜びの声が漏れ、それと同時に沖田は颯也の胸に自らの顔を擦り付けていた。

 

「なぁ……邪魔だったら俺たちここから出ようか?」

 

「そ、そうですね……もう完全に2人きりの世界ですし……」

 

「ハッハッハッ……青春してるねぇ〜」

 

「……おい、ガエリオとマクギリス、今からすぐこの場を立ち去った方がいい」

 

「ん? どうしたんだ? そんな深刻な顔をして」

 

「何か未来が見えた様だが……」

 

「あぁ見えた。だかr「さて、それじゃあマクギリスとガエリオ」……遅かったか」

 

「今からさっき言った様に模擬戦しに行こうか」

 

「「……えっ?」」

 

「ん? 聞こえてなかった? ならもう1回ちゃんと言うよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MO☆GI☆SE☆Nしようか?」

 

「「……」」

 

「マスター、今から模擬戦をするのか⁉︎ なら私も観てもいいか⁉︎」

 

「あぁ、勿論だとも」

 

「ふふ、楽しみだ。それと……」

 

「あぁ、分かってるよ。また後で……」

 

「楽しみにしているぞ♡」

 

そしてマクギリスさんとガエリオさんは、颯也さんからのありがたい……それはもうありがたい模擬戦を受けたと言います……

 

因みに……

 

「そういえばカタクリ、さっきはどうして沖田ちゃんにお餅を食べさせてあげなかったんだ?」

 

「……そんなものは当然だろう? 俺のこの能力はあくまで戦闘に特化した力だ。誰かに食べさせられる様なものではない」

 

「でも能力解放してるから、何もない空間からもお餅出せるでしょう? それも何年も前に試して分かってるはずでしょう?」

 

「……確かにそうだったな。だがそれを誰かに食べさせるものでは……」

 

「それだったら食堂に行って冷蔵庫の中にあるお餅を食べさせてあげればよかったでしょう? 沖田ちゃんがかわいそうだよ……」

 

「……」

 

(なんでお餅を食べさせなかっただけでそこまで言われなきゃいけないんだ……)

 

カタクリさんは心の中でそう思ったと言います……

 

「因みに心の声聞こえてるからね?」

 

「……」

 

目の前に立つ颯也さんの事を益々化け物だなと思ったようです……

 

そしてマクギリスさんとガエリオさんとの模擬戦が終わった後……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ颯也……来てくれて♡」

 

(どうしてこうなったんだろう……)

 

颯也は正直……模擬戦をした後こうなるとは思わなかった。何を思ったかというと、戦った後でお腹が空いただろうから、沖田ちゃんが大好きなおでんを作って振る舞おうとしたのだ。そして沖田ちゃんは颯也お手製のおでんをものすごい勢いで食べた。それもリスが口に物を貯めながら食べる様に……

 

颯也もそれには満足していた。確かにこの世界には……毎日言うのは恥ずかしいが好きな人がいる。勿論それは成実の事だが、目の前でおでんを食べている沖田が自分を好いていることは、何となくだが分かっていた。だからこそ、そんなにも美味しそうに食べてもらえたらとても嬉しかった。

 

それで沖田がおでんを食べ終えたら……

 

「ふぅ……やはりマスターの作ったものはどれも美味しいが、やはりおでんは格別だな」

 

「そう言ってもらえたら、俺も嬉しいよ」

 

「その代わりといっては何だが、私はマスターに恩返しをしたい」

 

「そんな、俺はただおでんを作っただけだし、何も特別な事はしてないよ? 寧ろこの世界に来て早々戦ってくれた沖田ちゃんに感謝しているよ」

 

「そうか。だが私は、このおでんを作ってくれた事もそうだが、私を助けてくれた事に感謝しているんだ。それも恩を返しきれないくらい……」

 

「沖田ちゃん……」

 

「だからマスター……これはささやかな恩返しだ」

 

沖田はそう言うと、誰にも見えない様な速度で颯也の前に立つ。その勢いのまま、だが優しく颯也の両頬を包むと、颯也にまずは優しく口付けをした。

 

「っ⁉︎///」

 

「んっ♡ ぷはっ……ふふ、顔が赤くなっているぞ? マスター」

 

「そ、そんな事……当たり前です」

 

「相変わらずマスターは可愛いな。もっと……その顔が見たい♡」

 

「か、からかわないで下さい……」

 

「敬語が出たな……ふふっ、マスター……いや、颯也が照れるととても可愛い♡ それでは颯也、一緒に行こうか?」

 

沖田はいつのまにかマスターである颯也の事を呼び捨てで呼んだ。それの意味する事は……今日の沖田は本気であると言う事で……

 

「い、行こうってどこに……」

 

「そんなものは決まっている……お風呂に行こう、マスター」

 

「……へ?」

 

久方ぶりに颯也さんは思考停止したといいます……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは……なんか朧げだ。沖田ちゃんとまずは体を洗った……と思う。なんかここがよく思い出せない……思考がシャットダウンしていたんだろう。

 

それで大人が10人は余裕で入れる浴槽に浸かったが……沖田ちゃんは俺にくっついて離れなかった。物凄く恥ずかしかったが……ここからは覚えているぞ? 因みに2人ともバスタオルを巻いていた。沖田ちゃんは渋っていたけど……そっとしておいた。

 

だが今思えば遅かれ早かれだったんだなと思う。何故なら今、俺の目の前で……

 

「さぁ颯也……早く来てくれ♡」

 

“一糸纏わぬ姿の沖田ちゃん”がベットで俺を誘惑するかの様に誘っていたからで……

 

(……行くしかないよな?)

 

成実さんには本当に……本当に悪いとは思っているんだ! だけど俺は……俺の事を本気で好いている女の子がここまでやってくれているのを見て、見ぬふりなんて出来ない‼︎ だから‼︎

 

(えぇい! ままよ‼︎)

 

俺は少しずつ沖田ちゃんが寝そべるベットに歩み寄り、そしてついにはベットに横になった。それも沖田ちゃんと向かい合う形で……

 

「ふふっ♡ 颯也が来てくれた。嬉しい♡」

 

そして沖田ちゃんは俺を抱き寄せた。それも後頭部を撫でながら……

 

「颯也が……私とは違う人の事を想っているのは知っている」

 

「……」

 

「それでも私は颯也が好きだ。颯也が私の事をどう思っていようとも……好きだ」

 

「俺も……沖田ちゃんが俺の事を好きだろうなとは、漠然とながらだけど感じていたよ」

 

「そうか。やはり感じ取ってくれていたのだな……私はそれが嬉しい。だが私は、ただ好きだからという理由だけで颯也を今抱きしめているわけではない」

 

「どういう事?」

 

「私は……颯也が寂しがり屋な事を知っている。私も颯也の過去を見たから……な」

 

「……うん。確かに俺は寂しがり屋だよ……どうしようもないほど」

 

「だから、私は……自分自身で言うのもなんだが、今この場にいない颯也の想い人の変わりだ。颯也が寂しくない様に……大切な誰かの変わりだと思ってくれて構わない」

 

沖田ちゃんは……そう言った。俺の過去を知りながらも、この世界に俺の想い人がいることさえ知っていながらも……俺の事を優しく包んでくれる。

 

俺の前世は……ごく普通の家庭だった。両親からはたくさんの愛情をもらった。それでか、俺は他の人が困っていたら見て見ぬ振りはできなくて……偽善であろうとも助けて来た。その助けたが俺の自惚れなら……それはそれで構わない。俺が好きでやった事だから。

 

でも……心の中では寂しいと感じた。親からは沢山の愛情をもらっている筈なのに……友人からも良くしてもらっていたのに……表には出していなかったけどそう感じていたよ。

 

それでひょんな事で俺は1回死んだ。そして今……女神様から試練を与えられてそれらを見事やり遂げた。だからこの世界に転生させて貰った。それからの生き方も……俺が生きてた世界と一緒だ。困っていた人がいたら助ける。争いごとが起こっていたら仲裁する。そんな日々を送っていた。まぁ女神様から与えられた試練でどこぞの世界に飛ばされた時も一緒だったけど……

 

それでも寂しいとずっと思っていた。だけどこの世界に来て初めて……俺は寂しさから解放されたのかもしれない。それこそが……成実さんとの出会いだった。彼女が……俺の事を初めて、寂しさから解放してくれた。今では……いや、今でもスキンシップが1段上をいって恥ずかしさはあるけど……それでも彼女が一緒にいる事で寂しさなんてものはなかった。

 

それで今は……沖田ちゃんが俺の事を優しく抱きしめてくれていて寂しくない様にしてくれている。でも……何故か寂しく感じた。どこで寂しく感じたか……

 

(大切な誰かの変わり……)

 

そうだ。俺は沖田ちゃんのその発言が寂しくて……悲しかったんだ……

 

「誰かの変わりなんて……俺はそう思わないよ」

 

「颯也?」

 

「俺は……沖田ちゃんがこうしてくれて嬉しいよ。それも……俺の事を好きだって想ってくれている人がこうしてくれているから……だから俺は寂しくないよ? でもね? 俺は、沖田ちゃんが誰かの変わりだなんて思わない。いや、思いたくない」

 

「そうか……私の事を誰かの変わりだと思わないのなら、颯也の事を抱きしめている私の事をどう思っている?」

 

「……不誠実だと、そう思われても良い。でも俺はこう言うよ……沖田ちゃんの事も大好きだよ。成実さんとは比べられないくらい。だから俺は寂しくない。今は……ずっとこうしていたい」

 

「颯也……それは告白と捉えても……良いのか?///」

 

「そう捉えてくれて構わない……いや違うね。そう、捉えて欲しい。だから……沖田ちゃん、これからも俺に力を貸してくれる?」

 

「ふふっ……私は颯也がそう言わなくても力を貸すつもりでいた。だが……そう言われたのなら益々……貴方の力になりたい。だから今夜から……私に甘えて欲しい」

 

「うん……それじゃあ……甘えるよ?」

 

「あぁ……来てくれ颯也……あっ……んんっ♡ ふぅっ……」

 

三河消失を防いだ空の上では、1組の男女が互いに、自分の思うがままに身体を重ねていたと言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論……この方はと言うと……

 

「颯也……早く……早く貴方に会いたい。会って……貴方を甘えさせたいの……。だから……早く戻ってきて……」

 

既に風呂に入って寝間着姿で布団の上に横たわっていた。ただ様子がおかしい……

 

いつもであるならちゃんと寝間着を着ている筈なのに……今夜に限ってはそれも乱れていた。汗を風呂で流した筈なのに成実さんの肌は赤く火照っており、汗も成実さんの綺麗な肌を流れ落ちていた。

 

(私は……今とても焦っている。颯也が……私から離れていきそうで……そう思ってしまうほど……んんっ)

 

胸の辺りがキュンッと締め付けられている感覚がした。勿論原因は分かっているわ……私は、私が思う以上に颯也を独占したいって思っているの。

 

(それ程までに私は……貴方が好き……大好きなの‼︎)

 

「だから……早く帰ってきて……」

 

いつもの余裕そうな表情を浮かべた成実さんではなかったと言います……

 

そう言えば成実さん担当の語り部さんはどこに行ったのでしょう……

 

【多分この前の事で成実さんの逆鱗に触れて一回休みじゃない?】

 

なるほど、そう言う事でしたか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー●◯●ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8時40分 三河

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この場では2つの陣営に分かれていた。赤の服に身を染めたのは、今回三河消失を止めようとしたトレスエスパニア……その先頭には、昨夜颯也に敗れたばかりの第1特務立花・宗茂と、その妻である第3特務立花・誾がいた。そして誾の手には、本来本多・忠勝のものではあるが、白騎士から手渡された蜻蛉切が握られてあった。

 

そしてトレスエスパニアに相対するように陣取る一方の陣営は、三河警護隊である。そして先頭には本多・忠勝の娘である本多・二代がいた。

 

この両陣営の様子は、今全世界に映像として流れている。映像として流す理由……それは、三河並びに武蔵がこの世界を相手にしていけるかである。三河は消失しなかったものの、それは未遂だ。そして消失を執り行った当主である松平・正信はいなくなり、その代わりとして娘であるホライゾン・アリアダストが責任を追及されてトレスエスパニアとK.P.Aイタリアに身柄を拘束されている。

 

しかしそれはただの建前であり、実際はホライゾンの中にある大罪無双を抽出、簡単に言ってしまえばホライゾンを処刑し、そして9つ目の大罪武装を我が物にせんとしているのだ。

 

それを、極東である三河と武蔵は断固として悪であると……何も罪を犯していない民が、世界の都合によって断罪されるのを良しとしなかった。

 

だからこそトレスエスパニアに相対している三河勢は示さなければならない。自分達は、自分達の手は世界でも通用するという事を……

 

そんな静けさの中動きがあった。そもそもここに両者が集まっている理由は、本多・忠勝の獲物である蜻蛉切を娘である二代に返す事も目的に含まれていたのだ。先に動いたのは立花・誾で、両者の中間点まで歩いて止まる。どうやらそこで蜻蛉切を渡すようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 二代

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここは拙者達の力を見せる所に御座るな)

 

重奏信州を支える神器が失われて早数百年……その間極東は虐げられてきた。重奏信州を崩壊させた責任として、今まで重奏信州側がほぼと言っていいほど歴史再現を進めてきた。

 

確かにそれは仕方のない事かもしれない……だがそれとホライゾンを捉えて、あまつさえ処刑する事は話が別である。

 

だからこそ……

 

(今で御座る‼︎)

 

二代は翔翼を展開して動いた。あくまでトレスエスパニアから蜻蛉切を渡されるのではなく、自分の手で取り返すのだという風に。そして後一歩の所で届こうとしていたが……

 

「っ⁉︎」

 

二代の手は槍を捉えることができずに阻まれた。そして阻んだ人物は……立花・誾の夫である立花・宗茂である。そして宗茂は誾の手に握られてある槍を手に取り……

 

「この蜻蛉切をあなたの父である、本多・忠勝殿から託されました。どうぞ、お受け取り下さい」

 

そう言って槍を二代に渡そうとした。二代は……自分の力が目の前の男に届かなかったと思い、それは悔しく思うが……表には出さずに素直に受け取ろうとした。したのだが……

 

「む……?」

 

「? どうかされましたか?」

 

「これは蜻蛉切に御座らんが……」

 

「えっ……なっ⁉︎」

 

そう言われて宗茂もよくよくやらを見てみた。すると、槍の穂先が全く違っていたのだ。否! 穂先には何やら変な事が書かれた板が付いていたのだ!

 

『ドッキリ大成功‼︎』テッテレーン‼︎

 

「こ、これは⁉︎」

 

「どういう事に御座るか⁉︎ この場においてふざけているので御座るか⁉︎」

 

「い、いえ‼︎ そんな事は……しかしいつのまに……」

 

(誾さんは確かにさっきまで蜻蛉切を持っていたはず……何者かにすげ替えられた? それはいつ……)

 

そこまで考え……

 

(まさか……二代殿を遮った時ですか⁉︎)

 

そう……その瞬間した考えられないのだ。そして本物はどこに行ったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く……すぐにバレるものと思ったが、まさかこれ程までに腑抜けの集団だとはな」

 

そんな声がその場に聞こえた。声が聞こえた方向を見ると……

 

「なっ……あなた方は⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side インノケンティウス

 

「あ、アンフェア・ブレーカーズだと⁉︎」

 

そこには、確かにアンフェア・ブレーカーズの面々が映し出されていた。昨日三河にいたモンタークとヴィダールは勿論、昨日その場には姿を現さなかったヴァンデッタとカタクリの姿もいた。しかし白騎士だけはその場にいなかった。

 

『この中継……教皇も見ているんだったな? どうだ? この有様を見て貴様自身どう感じた? あの瞬間俺達は立花夫妻の間を通り、その隙に蜻蛉切を拝借した』

 

そう言うヴィダールの手には、確かに本物の蜻蛉切が握られていた。

 

『その瞬間を……誰か1人は気付くかと期待した。特に1番近くを通り過ぎた立花夫妻は気付く事は無いにしろ違和感を感じるものかと思った。だが蓋を開けてみればどうだ? 誰も気付かずあまつさえ普通に蜻蛉切を渡そうとする始末……そんな実力で貴様達は末世をどうにかしようと考えているとは……全くもって甚だしい!』

 

「くっ……好き勝手とほざくか!」

 

『あぁ好き勝手にほざくとも……何せ大罪武装をいくら使おうと俺達には届かない』

 

『少し格好をつけ過ぎだ。だが……それは事実だ。どれほど強力な攻撃力を持っていようとも……使いこなせなければ宝の持ち腐れに等しい。俺達に届くのは、真に己を高めた者のみだ』

 

『私達は確かに、あなた達がどんな風に過ごしてきたかなんて分かりません。ですが……さっきの反応を見て明らかに、あなた方では私1人にも勝る事は出来ない』

 

『ハハッ、いつになく熱いねヴァンデッタくん。だが……それも事実だね。どれだけ束になろうと、どれだけ罠を仕掛けようと……今の君達では私達には勝てない。そしてこれを見ている教皇総長には……あなたが所有している大罪武装《淫蕩の御身》をこちらに返して頂きたい』

 

「返すだと⁉︎ 何を言っている⁉︎ この大罪武装は貴様らの所有物ではないはずだ‼︎」

 

『確かにそうだね。だが……あなたの物でもない。それは……私達の友が大切だと思っている存在の一部なのだから……』

 

「ほ、ホライゾン・アリアダストの事か⁉︎」

 

『それ以外に何がある? その様な問答は時間の無駄だ。ただ簡潔に答えろ。貴様が持つ大罪武装をあの子に返せ。それともう1つ付け加える……我が友にとっての大切な存在を解放しろ』

 

「っ⁉︎ そんな事は出来るはずがない‼︎ 我々も末世が起こらぬ未来のために動いている! それこそがローマの! カトリックの教えそのものだ‼︎」

 

それを聞いたK.P.Aイタリアに属する者達は一斉に声をあげた。そうだ、それこそが我らローマでありカトリックであると……そう口々にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそれは、目の前の4人にとっては火に油を注ぐ行為と同意であった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黙れ……

 

それは誰が呟いた言葉だろうか……いや、多分この場にいるアンフェア・ブレーカーズは皆一応にそう思った事だろう。何故なら彼らの纏うオーラの質が変わり始めたのだから……

 

「こ、これは……」

 

これには教皇総長も冷や汗をかきはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ヴィダール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでよく分かった。俺とお前達とでは平行線……互いに相容れない存在だと。俺達のファンは除くが……」

 

その発言は少し甘いのでは? と思うほどだが、彼らは先程の発言の通り自分達のファンは大切にする。

 

ともかくもヴィダールはそう言いながら手元に己が本来持つ獲物を顕現させた。それは……中世の騎士が使う様なランスだった。大きさはヴィダールと同じくらいであり、全体的に青紫色だった。

 

「さぁ穿て……宗教の都合で民を虐げ、尚且つその為ならば人を殺めても構わないと謳う愚か者を‼︎」

 

神の遣いと騙る者を穿つ魔槍(グングニル)‼︎

 

ヴィダールはその槍を空に向かって投げた。次の瞬間、青紫色の槍はいつのまにか出来ていた紫色の穴に吸い込まれた。

 

そして槍がどこに行ったかというと……

 

「なっ⁉︎ これは⁉︎」

 

教皇総長の前に紫色の穴が出来ており、そこからは先程投げられた青紫色の槍が教皇総長に向かって行く。

 

(ま、間に合わん⁉︎)

 

教皇総長は《淫蕩の御身》を発動させようとしたが、それを発動させる時間は無かった。また、防御術式も展開が出来なかった。そして槍は止まる事なく教皇総長の顔に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当たる事はなかった。当たる手前で先程と同じ様な紫の穴が現れ、槍を飲み込んで行く。それから数秒後……K.P.Aイタリアが陣取る船の近くで尋常ではない程の爆発音が聞こえた。

 

そこをカメラを持った1人の学生が映し出すと……唖然とした。

 

そこにあったはずの山はゴッソリとなくなり、地表は何か強大な存在が通り過ぎたのかというほど抉れていた。

 

「生憎と俺達の目的は人殺しではない。あくまでも俺達の目的も末世を覆す事だ。そして俺達はここで宣言する……」

 

そして一拍おき……

 

「俺達アンフェア・ブレーカーズは、K.P.Aイタリアに対して宣戦布告する‼︎」

 

「「「っ⁉︎」」」

 

それは……その場にいた者もそうだが、この映像を見る各国も度肝を抜かれた。何せ一国に対して、いちアーティストが宣戦布告したのだ。それも、今この場に全員がいるわけではないが、たったの5人である。それが一国に勝てるのだろうか? 普通に考えて無謀である……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(だが奴らならやりかねん……)

 

そう思ったのは、先程攻撃された教皇総長である。自分は被害を受けかけたもののそれは未遂だ。だがあの攻撃は、たったの一撃で山丸々を削り取る。いや、さっきのは加減したのかもしれない……

 

だがそう考えたなら、彼らは本当にやりかねない。

 

(それに付け加えて昨日だ……)

 

昨日の新名古屋城の中継を教皇総長も見ていたのだ。そして正直我が目を疑った。映像越しとはいえ、大罪武装が一瞬のうちに押し負けたのだ。能力によって様々であり、それに伴って攻撃力も違ってはくるが……それでも大罪武装の中でも最強クラスの《悲嘆の怠惰》がいとも簡単に負けた。だからこそ彼らの言っている事が本気だと分かる。

 

「何故宣戦布告するか分かるだろうが、一応言っておこう。俺達の友が大切に思う存在を、自分達の都合で亡き者にしようとしている。これが1つ……そして2つ目は……宗教の都合ならば人を殺めてもいいと言うお前達の思想が胸糞悪い。正義であればその行いは美化されると思い込んでいる貴様達の行い……俺達は見過ごさない!」

 

「ハハハッ……言葉こそ上品ではないが、ヴィダールの言った通りだ。私達はその行いをよしと考えるあなた方を許しはしない。悔い、改めるまでは」

 

「だからと言って俺達は今すぐお前達を潰すつもりは無い。今この場においては、K.P.Aイタリアとトレスエスパニア間と、極東である武蔵と三河の問題だ」

 

「ですがあなた達がその考えを変えない限り……私達はあなた達を許しはしません。本来ならこの場で無力化しても構いませんが……」

 

「ヴァンデッタ、気持ちは分かるが今は抑えろ。いずれその時はくるさ」

 

「はい」

 

「それと忘れる前に1つやっておこう」

 

ヴィダールがそう言った瞬間、彼はその場から消えた。その場にあるものがそう思った瞬間……

 

「本多・二代殿」

 

「「「っ⁉︎」」」

 

ヴィダールが二代の前に現れた。それも蜻蛉切を大切そうに両手で持ちながら二代に差し出す。

 

「君の父君は立派に闘った。その証がこの蜻蛉切だ。君は先程の事で少し自信をなくしているだろうが、まだ若い。だからこそ、君だけの道を目指して欲しい」

 

そう言いながら彼は二代に差し出した。

 

「かたじけのう御座る。それと……感謝を」

 

「別に感謝は必要ない。俺達が好きでやった事だからな」

 

「それでも……拙者は貴殿らに感謝するで御座る」

 

「そうか……まぁ好きにすると良い」

 

そう言ってヴィダールは元の位置に一瞬で戻った。

 

「さて、これで私達がこの場でやる事も終わった。これからどう動くのか……私達は高見の見物とさせてもらうよ」

 

モンタークがそう言うと、アンフェア・ブレーカーズの面々はまるで最初からその場にいなかったかのように姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は前回よりも早めに投稿できた気がします! まぁあまり変わらないと思いますが……

本当はここの話で

梅組がホライゾンを助ける決意を固める→そこに颯也も合流する

と言うところまで書きたかったんですが……まぁそれは次回のお楽しみでお願いします!

では解説です!

神の遣いと騙る者を穿つ魔槍(グングニル)

これは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に出てくる機体、ガンダムキマリスの持つ武装の名前ですね。今回はオリジナル技としてヴィダールさんがその槍を投擲……威力は山をゴッソリと削り取る程の威力です。ですがこれもあくまで加減しており、実際の力は計り知れません。





とまぁ今回はこんな感じであとがきは終わります!

それでは次回もまた読んでくださったら幸いです‼︎
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