境界線上のホライゾン 理不尽壊しのリインカーネイション 作:橆諳髃
「何故こんなに遅かった?」
それは……世間が夏休みというのもあったかアプリでイベントが被りまくって……
「それでチマチマ書いていたらまたイベントに突入したと?」
そうですよぉ〜‼︎ だってF◯Oの今年の水着イベントマジで良かったんですよぉー‼︎ ジャンヌ・オルタさんが水着で配布だし! 今回のガチャはガチャのジャンヌ以外全員当たったんです‼︎ それもBBちゃんに至っては2回当たったんですよ⁉︎ こんなのやらないわけないでしょう⁉︎
「ま、まぁそれは分からないでもないが……」
「それに気まぐれに引いたシナリオガチャでナポレオンが当たったんです‼︎ こんなのさらにのめり込むに決まってるじゃあないですか⁉︎ それもゲッテルデメルングまだ一歩も手を付けてなかったから私としては最高でしたよ‼︎
「それで今のアクセルゼロオーダーのイベントに入ったと……」
そんなところです……まぁ素材も粗方集めたし、シナリオの方も12日から開催されるやつを除いでステージはやりましたからね! だから投稿も再開します!
「……まぁ他にやってるアプリが再燃しないうちに書き進めろよ? といっても無理な話だが……」
ははは……ま、まぁともかく皆様お待たせしました! それでは本編の方をどうぞ‼︎
8時45分マクギリス所有ハーフビーク級戦艦スレイプニル内
『すまない颯也、勝手な真似をしてしまった』
「いや、ガエリオは正しいことをしたよ。それに俺だってあの場にいたら同じようにしてただろうし」
「マスターの言う通りだ。だが短気な所はやはりガリガリだな……」
『ガリガリじゃない! ガエリオだ‼︎』
『だがこれで良かったのかい? 今回の三河騒乱で武蔵に力を貸さなくて?』
「あぁ、今回はあくまでK.P.Aイタリア、トレスエスパニア間と極東勢で起こった事だ。まぁ俺は極東勢だから普通に参加するが」
『颯也だけずるいぞ? 俺は昨日大罪武装を逸らしただけで不完全燃焼なんだが?』
「なら後で模擬戦する?」
『すみません調子に乗りました……』
『まぁそれはともかくだ……俺達が次に動くとすれば……』
『極東勢が三河騒乱をどうにかした後……ですかね?』
『まぁ颯也がいる時点で結果など見えているだろうが?』
『だが油断は禁物だ。昨日介入してきた敵の件もある』
「まぁそれについてはその時に対処しよう。それにそいつらは今回の騒乱に関係ないにも関わらず首を突っ込んできたんだから、また昨日みたいな事があった時は遠慮なくやってしまおうよ」
『そうだね。じゃあ私達は一旦そちらに戻るとするよ。何かあったらまた連絡をしよう』
そして通神は切れた。
「マスター……行くのか?」
「うん、もうそろそろ戻らないと怒られそうだから」
「そうか……なら行く前に1つさせてくれ」
そう言って沖田は颯也の頬を両手で優しく包み込み……
「んっ……♡」
一瞬だけの口付けではあったが、颯也からしてみればとても濃厚だった。
「ふふっ、行ってらっしゃいのキスだ」
「はは……凄く嬉しいのに、未だに恥ずかしいや」
「そのようだな。ルンもピンク色に反応しているし、だが私はそんな颯也の事も大好きだぞ♡ だから……貴方が思うがままに舞って欲しい。私に……あの時の輝きを見せて欲しい」
「分かった。行ってくるよ」
そして颯也はスレイプニルから一瞬で姿を消した。移動した所は、何を考えたのか宇宙空間だった。
「フォーム……ウイングゼロ〈EW〉」
音など響かないはずなのに……確かにその言葉が聞こえた。そして颯也は昨日纏った鎧を纏い、地球へと飛翔した。
因みに何故颯也さんが宇宙空間からわざわざ鎧を纏って地球へ行くかというと……
「そっちの方が楽しめそうでしょ?」
との事でした……
「さぁ……行こう。大切なものを取り戻す」
同日同刻武蔵アリアダスト教導院梅組
side 浅間
私達は中継でその成り行きを見守っていました。ただ正純とネイト、直政はいません。事の発端は昨日の事……三河消失を画策した元信公、そしてその隠し子であるホライゾンアリアダストの存在と大罪武装について……
そしてホライゾンアリアダストは現在K.P.Aイタリアに捕らえられて処刑を待っている状態です。それを止めれる力が極東勢にあるのか……それが今中継で証明されようとしていました。ですが結果は悪く、三河警護隊の隊長である本多・二代さんは後一歩のところで力が及びませんでした。その状況のまま進むかに思えたのですが、そこに思いがけない乱入者が現れました。
それがアンフェア・ブレーカーズでした。彼らは誰にも気づかれる事なくその場に現れ、しかもトレスエスパニアから三河に渡されようとしていた蜻蛉切をすげ替えると言う……
(どう表現して良いか分からなくなりましたね……)
そして最終的にアンフェア・ブレーカーズはK.P.Aイタリアに宣戦布告をしました。ただ今回の事に手は出さないようですけど……
それから中継は終わりました。それが終わって先生から渡されたのが原稿用紙で、この状況下で今の私達が何をして欲しいのか……それがこの時間に出された課題でした。
今この時、ホライゾンのところに行ったであろうトーリくんもちゃんと出席してはいるのですが、昨日の事がショックだったのか机に突っ伏していました。
それで今現在進行形で書いてはいるのですが……
(私がして欲しい事……ですか。う〜ん……)
なかなか浮かびません……いえ、して欲しい事と言えば……
(昨日は日常通りに行けばトーリくんがホライゾンに告白して、それで成功したら……デートとかして一緒に過ごして、それから……あぁ、良いかもしれませんね‼︎)
それで次に想像したのが……
浅間妄想中……
『浅間さん』
『な、何ですか颯也くん?』
『いや、そんな大した事じゃないんだけど……この前の約束を果たそうと思ってね?』
『っ⁉︎ お、覚えてくれたんですか⁉︎』
『それは勿論だよ。それで確か……ハナミと浅間さんと一緒にお散歩とお話しだっだよね?』
『そ、そうです!』
『なら早速行こうか』
そして颯也は歩き始めるが、浅間が颯也の羽織っている上着の裾を摘んで引き止めた。
『ん? どうかした?』
『いえ、その……大したことではないんですけど……1つ付け加えても良いですか?』
その時点で既に恥ずかしそうにしていたのだが、やがて覚悟を決め……
『その……明日の朝まで一緒に……いて欲しいです』
それに対して颯也は一瞬だけ驚いたが……
『良いよ。浅間さんがそう望むなら、俺は朝まで貴女と一緒にいよう』
『ほ、本当ですか⁉︎』
『うん、第1にこんな所で嘘ついたって何もならないし……まぁ俺なんかで良いんだったら』
『俺なんか、じゃありません! 私は颯也くんが良いんです‼︎』
『浅間さん……』
『颯也くんは……もっと自信を持って良いんですから』
そう言って浅間は颯也に抱きつく。それも強く抱きしめる。だからだろうか? 颯也の顔が赤くなってルンもピンク色になっているのは……
『そ、その……浅間さん?』
『どうしたんですか? 颯也さん』
『な、なんというか……こんな事言ったら幻滅されるかもしれないけど……あ、当たってるんですが……』
『えっ? 何がですか?』
そう言ってなおも抱き着きを強くした。
『そ、その……胸……とか』
『胸ですか? ……ふふっ、そんな事分かってます』
『えっ? おわっ⁉︎』
そして颯也は浅間に押し倒された。
『ふふっ♡ 本当に颯也くんって可愛いですよね? だからこうして、たまにイタズラとかしてしまいたくなっちゃうんですよ。でも……これは私の本当の気持ちです』
そして浅間は颯也の上に寝そべりながら顔を近づけ……
『んんっ……チュッ♡』
『っ⁉︎』
『ぷはっ……ふふっ、これは日頃からのお礼と、それと私の気持ちです。受け取って……くれますか?』
最初颯也は何を言われたのか分からなかった。まぁこの状況下なら仕方ないこともあるだろう。だが颯也は笑みを浮かべ……
『あぁ、嬉しいよ。ありがとう』
そう言って颯也は、お返しとばかりに浅間の頬を包んで口付けをした。
『っ⁉︎』
『ははは……さっきのお返し。どう?』
『も、もう⁉︎ 颯也くん‼︎』
『ごめんごめん……でも、さっきのは本音だよ。凄く嬉しかったから』
『えぇ、私も……嬉しいですよ♡』
それからというもの、浅間さんと颯也さんは2時間きっかりハナミとお散歩&おしゃべりをし、その後は……
妄想end
(それであんな事やこんな事を……あぁ♡ 良いですねそれ♡)
そうやって妄想をしていると……
「浅間? 原稿用紙もう1枚いる?」
「へっ? えぇっ⁉︎ なんですかこれ⁉︎」
「さっきから怪しい笑みを浮かべて身体をクネクネしながら書いていたわよ? 一体何を思いながら書いたのかしらねぇ〜? まぁおおよその予想はつくけど?」
「アサマチって、やっぱり淫乱なところあるよねぇ〜?」
「というより存在そのものが淫乱っぽくない?」
「ふふっ、言われてるわよ浅間? やっぱり淫乱巫女なんじゃない」
「なっ⁉︎ こ、これは……そ、そう! 邪念! 邪念です‼︎ 邪念を捉えたのでこうやって原稿用紙に記して清めていたんです‼︎」
そう言いながらも原稿用紙を自分の身体で覆い隠した。
「まぁ先生的にはその邪念をこの場で読み上げてもらいたいところだけど?」
「そ、それはダメです! 断固拒否します‼︎」
「ん〜困ったわね〜。なら……鈴の作文を代表して読んでもらおうかしら?」
「わ、私ですか? じゃ、jud」
「では私が鈴さんの作文を代わりに読み上げても良いですか?」
「浅間、さん? jud。お願い、します」
そして向井の作文を浅間が代わりに読み上げた。今更ではあるが、向井は文字は書けるものの目が見えないため、自分の書いた文章でも読み上げるのは難しい。そのため今回の様に、自分が書いた作文を自分の代わりに読んでもらう事にしている。
向井の作文が浅間の手に渡る。向井が素直に原稿を渡してくれることに関して、浅間は嬉しく思ったとともに助かったと思った。一時的にこの空気から解放されると……
だがそう思って立候補したんだろうなという事は……梅組の皆にはバレバレではあったが……
「それでは、私が鈴さんの作文を代理で奏上致します」
※ここからは向井さんが書いた作文の内容に入ります……
私は教導院へと続く階段が大嫌いでした。
私は生まれつき目が見えなくて、階段も誰かに手を引かれなければ登れないほどでした。そしてその日は初等部の入学式……他の子達は親子連れでいるのに、私だけこの場に親はいません。両親はこの日も仕事で、毎日忙しくしている事は分かっていたから、我儘を言う事なく1人で入学式に参加しました。
でも、他の子達が親子連れでいるのを感じて入学式に参加する気が無くなってしまいました。教導院に背を向けて入学式に参加しないでしまおう……そう思った時です。私はある女の子に声をかけられました。その子こそホライゾンでした。ホライゾンも今日の入学式に親は出席しないと言っていました。それはホライゾンと一緒にいた男の子2人も一緒でした。それがトーリくんと颯也くんで、ですが寂しくはないと言っていました。
そのことを聞いて私は正直凄いなと思いました。私は両親が来てくれなくて寂しかったのに、この3人は寂しくないと言って、おまけに笑ってもいました。でもそんな中……
『君だって、もう寂しくないでしょう?』
そんな言葉が私に投げかけられました。私は、どうして? と、そう問いました。そしたら……
『だってここからは僕達と行くんだから』
『そうね。私達と行くんだもの。寂しくなんてないわ』
片方の手をホライゾンが繋いでくれて、もう片方は男の子に、そして階段を登る時に背中からもう1人の男の子が押してくれました。私は……それだけでさっきまでの寂しさが無かったかのように、登るのが嫌だった階段も登れました。
いつの間にか私は、あれだけ嫌だった階段を1人で登る事が出来ていました。それで1番上まで着いた時……
『『『入学おめでとう‼︎』』』
梅組の皆が私にそう言ってくれました。1番前ではさっき私を勇気付けてくれた3人が、笑って迎えてくれました。その時私は嬉しくて泣いたのを覚えています。
入学式が終わった後家に帰ったら、お父さんとお母さんからもおめでとうと言われて、その時にも泣きました。
中等部では階段が無かったため登下校に不満はありませんでした。そして高等部に上がると、あの時大嫌いだった階段を登って登校します。この歳になると階段とか普通に登れて、それで高等部の校舎前まで普通に行けるようになりました。その時もあの時と同じように、梅組の皆が出迎えてくれます。初等部の時に1番前で出迎えてくれた男の子、トーリくんと颯也くんも笑顔で出迎えてくれていました。でもそこにはあの時いたホライゾンの姿はありませんでした。
「私は……またあの時と同じように、梅組の皆と、トーリくんと颯也くん、そしてホライゾンと一緒にいたいと……そう願いました。私はあの時に比べて強くなったから。1人でも歩けるようになったから……だから……」
「だから助けてトーリくん! 颯也くん‼︎ ホライゾンの事を助けて‼︎」
向井は席を立ちながら叫ぶ。未だ机に突っ伏しているトーリに向かって……そして今この場にはいない颯也に向かって……
「あぁ‼︎ そんな事当たり前じゃん!」
その言葉を誰が強く言ったろう……今まで机に突っ伏していたトーリだ。
「おう! 俺! 葵・トーリはここにいるぜ‼︎」
いつもの様に笑いながら言う。
「あれ? 君さっきまで意気消沈してなかった?」
「何言ってんだよ先生⁉︎ 俺は今までこのエロ本を見ながら活力と言う名の欲望をチャージしてたぜ‼︎」
「き、君ぃ? 先生遅くまで君のためにわざわざ番屋まで向かって君を引き取ったのに、あろう事かエロ本見てやる気を溜めてたですってぇ? もしかして君 、先生にケンカ売ってる?」
「そんなわけないじゃんかよ! それより……」
トーリは向井の元に歩いて行った。
「ありがとうベルさん。俺も決めたよ」
「う、うん。わ、私……あの頃よりも強くなったから、もうひと、りで歩けるよ?」
「うん! そうだな‼︎」
そう言いながらどさくさに紛れてトーリは向井の胸を鷲掴みにしていた……は?
「 それに胸も成長しているようだし」
……いや、どさくさではなく堂々と向井の胸を揉んでいた。その光景に梅組は、さっきまでのシリアスさはどこに行った? と文句を言いたくなる衝動にかられる。まぁ実際はトーリのその行動に呆れていたのだが……
「うん、胸も……大きくなったよ?」
「うんうん! 俺はベルさんが順調に成長しているようで嬉しいぞぉ!」
「それで、泣寝入りはもう良いのか?」
「はぁ? 何言ってんだよこの守銭奴は⁉︎ さっきも言ったろ? 昨日の遅くまで番屋で身動き取れなくってやる気もダダっさがりだったから、没収食らってたこのエロ本をチョロまかしてきてゲージ溜めてたんだよ‼︎ それも銀髪巨乳特集だぜ‼︎」
「なんと⁉︎ トーリ殿の押しで御座るな‼︎」
何やらいつもの調子に戻りつつある様子の梅組……だが……ここでその言動に耐え切れない人物が……
「アンタねぇ……私がせっかく夜遅くまで番屋にフォローに入ってたのにその本でゲージ溜めて……」
「おう! 先生にも勿論感謝はしてるんだぜ?」
「ならせめて態度で示しなさい‼︎」
「ほへ? いや、結構態度でも示してるんだけどなぁ……まぁそんなにカリカリしてたらダメだぞ先生!」
「タダでさえ他の男が寄らないのに、眉間とかにしわ寄せて怒ったらさらに寄り付かなくなって婚期逃すかもしれないんだからさ‼︎」
この発言でトーリは死亡フラグをゲットした‼︎
「あは、あははははははっ‼︎ ふっきとびなさぁーい‼︎」
オリオトライはトーリの発言でもう正気ではいられなかった。ただ目の前で無邪気に笑うこのトーリ馬鹿を地の果てまでぶっ飛ばさなければこのイライラはどうにもならないと……
「そこまでですよ? 先生?」
「「「っ‼︎」」」
その声に誰もが動きを止めた。勿論さっきまでトーリに殴りかかろうとしていたオリオトライも含まれる。本来ならばこの場にいない、そしてトーリと同じくこのクラスの中心的存在の彼の声が……
そしてその声が聞こえた方に目を向ける。だがそこには……
「な、なんで白騎士さんがこんな所に⁉︎」
「それは勿論、今回の起こり得る騒乱に対応するためだが?」
その声を発したのは浅間だった。浅間が言った通り、白騎士がいたのだ。それも窓の桟に立つ姿が……
「……さっき中継で見てたけど、アンフェア・ブレーカーズは今回の事に手は出さないんじゃなかったかしら?」
トーリを殴りつけるのをなんとか堪えたオリオトライが、皆が思っているであろう事を代弁する。
「確かに……私達アンフェア・ブレーカーズは今回の事に手出しはしない。だが……」
「私には今回の出来事に手出しする権利は十分ある」
「えっ⁉︎ でも君はK.P.Aイタリアやトレスエスパニアの聖連側、ましてや武蔵と三河僕達とは一切関係ない筈だよ⁉︎」
「そうです! なのに、どうしてあなたが関係あると……」
ネシンバラと浅間が白騎士に対してそう言う中、その権利を肯定する声が……
「だって、白騎士、さんは颯也くん、だよ?」
「「「えっ……」」」
「……」
それはなんと向井の口から出た言葉だ。その言葉に梅組の皆は唖然とする。そして白騎士も、こんなに早くバレてしまって言葉が出ない。
「おか、えり。颯也、くん」
「あぁ……こんなに早くにバレるとは……結構声とか歩き方とか変えてたはずなのになぁ〜」
「だって、私、目が見え、ない代わりに、耳が良い、から」
「ははは、確かに……一本取られたなぁ〜」
そう言いながら白騎士は仮面を取った。すると仮面からは、肩まで伸ばされた綺麗な金髪が仮面を取った影響で宙をたなびいた。そして髪2箇所についてある青い菱形のルンは、たなびいた後も春の涼しげな風に煽られる。その風が治ると、金髪によって隠された顔が露わとなった。右目の方は白い布の様な眼帯で覆われているが、左目は今でも綺麗な青い瞳で輝いている。口元はいつもの様な笑みを忘れない。
そう、紛れもなく武蔵の住人であり、教導院では総長連合の特務師団長の職に就き、その前に梅組の生徒である愛護颯也はそこに立っていた。
「ただいま、鈴さん。それと……昨日に引き続いてまた遅刻してごめんなさい、オリオトライ先生」
side out
(もう少し早くこの場に着くはずではあったんだがな……)
ここに来る途中、颯也は昨日出くわしたロボット達の妨害を受けていたのだ。それも宇宙空間で……
別に颯也にとってそれは大したことではなかった。大したことではなかったのだが、その後が問題だった。
なんとロボット達は三河に隕石を落とす画策をしていたのだ。勿論それを指示したのはあの白髪ハゲのおじいさんであろう事は間違いない。隕石の大きさも結構なものだったので、それを完全に“塵”にするまで少しの時間がかかったのだ。大体10分ぐらいなのだが……
そんな事もあり、颯也は誰にも感知されぬ様三河から離れた地に降り立ち(と言っても極東からかなり離れた海の上)ここまで低速で浮遊移動してきたのだ。その際に監視の穴もかい潜ってあるので、誰にも感知はされていないだろう。だがそれだけでもない。颯也は武蔵に行く前にもう1つやる事があったのだ。
そう……それは酒井学長と学長を迎えに行った武蔵さん達を三河から武蔵に帰す手続きの手伝いだ。本来ならば武蔵さん達でなんとかなるのだが、そこにインノケンティウスとガリレオが来るのを分かっていたために、自分の大切な存在に手を出せばどうなるか……それを
因みに颯也さんの頭の位置はお約束だそうです……
まぁそんな事もあったのでこのタイミングでの登場となったのだが……
(あの白髪ハゲ……生かすが容赦はせん)
颯也さんの中で白髪ハゲの末路が決まりました……
「そ、颯也くん……なんですか?」
「えぇ、愛護颯也本人ですよ?」
「じ、自分、幻想でも見ているのでござろうか? いや、ただ単に颯也殿が白騎士殿のコスプレをしているのでござろう」
「さっき鈴さんも言ってたけど、紛れもなく白騎士は俺で間違いないよ」
「じゃ、じゃあさ……三河消失を止めたあの一撃も……」
「勿論俺だけど?」
「で、でもそれだったら! 貴方の内燃排気は空になってもおかしくありません! 最悪の場合死んでいたんですよ⁉︎ なんで何事もなかったかの様に無事なんですか⁉︎」
「あの程度のくらいじゃ俺は死なないよ? なにせあれぐらいだったら、試した事はないけど何十日何百日は余裕で撃ち続ける事が出来ると思うし」
「そ、そんなデタラメな……」
「まぁそれくらいじゃないとアンフェア・ブレーカーズのリーダー役は務まらないって言ったところかな?」
そんな感じで質問を一呼吸も入れずに返していた。そんな中で動いた人物がいた。先程までトーリを殴り飛ばそうとしていたオリオトライだった。オリオトライが動いた事によって質問も一旦は止んで、遂には颯也の目の前に立った。そして……
パチンッ‼︎
「「「っ⁉︎」」」
それには梅組の皆が驚いた。何故なら、オリオトライは初めて颯也に手を挙げたのだ。それも自分の意思で……
「……私が今どんな気持ちか分かってる?」
「……はい」
「だったら君……今から私に何されても文句は言わないわよね?」
「……言いません」
「なら……そこに正座して目をつぶりなさい」
「はい……」
そう言われて颯也はそこに正座して静かに目をつぶった。確かに自分はあの時、ほぼ何も言わずただ用事ができたからと言って去ったのだ。その口ぶりからすれば、誰しもすぐに戻ってくるだろうと、確かに三河では事件が起こってしまったが、朝には変わらない姿で戻ってくるだろうと思うはずだ。
だが実際に颯也は遅刻してきた。いつもはHRが始まる何十分も前……昨日は急遽やることができたために遅れたが、それでも皆勤賞だった事は間違いない。だが今回は異常過ぎたのだ。連絡をしようにも繋がらなかったのだから……
さっきの様子を見て、オリオトライも物凄く心配した事だろう……だからこそ手を挙げたのだ。それも颯也は分かっていたから、今目を瞑っている。
先程の平手打ちよりも何十倍の威力が自分の顔目掛けて飛んでくるのだろうと……そう思いながら、颯也はただただ目を瞑った。だが正座させた理由までは分からない……何のために正座されたのだろうか?
この場合考えられるのが、重石を正座した足の上に置いていくという罰だ。
だがここに重石などはない……ならばどうして?
それはすぐに分かった。
「「「っ⁉︎」」」
「っ……?」
オリオトライの行動に梅組がまず驚いた。そして次に……颯也はオリオトライに何をされたのか分からなかった。相手の風や誰がどこにいるかをもルンは普段教えてくれるはずであるのに、その時はルンでさえも機能しなかった。
颯也は……自分の顔、或いは腹辺りに強い衝撃が来るものだと思っていた。だがその予想は裏切られ、現在颯也の顔は、何か柔らかく温かいものに包まれていた。それは……
「もう、心配したんだから……」
それは、オリオトライの抱擁だった。颯也はオリオトライに抱き締められていたのだ。それも自らの胸を颯也に顔に優しつ押し付け、きつくなり過ぎないように優しく抱き締めている。
その光景に梅組の皆は驚きで何も言えなかった。というか唖然とし過ぎて……だがそこからいち早く復帰した喜美と浅間が……
「ちょっと先生⁉︎ 何してるの⁉︎」
「そうです‼︎ 何をしてるんですか⁉︎」
「何って……見ればわかるでしょう? 颯也を抱き締めているのよ?」
「そんな事は見ればわかります‼︎ だから! どうしてこの場でそんな事をする必要があるんですか⁉︎」
「そんな事決まっているわ……颯也の事が心配だったからよ? でもこうして無事に戻ってきた。だから、私の事を心配させた罰と、無事に帰ってきたという事に対してのご褒美ってとこかしらね」
「何がご褒美よ⁉︎ 先生がただ単に颯也を抱き締めたいだけでしょう⁉︎」
「えぇそうよ? だって私先生だし、こうして合法的に抱き締めれる機会がないでしょ? なら、出来る時にやっておかなくちゃ。後で後悔するの私嫌だからね?」
「ぐっ……事ここにおいては正論過ぎて何も言い返せないじゃない……浅間‼︎ あんたが私の代わりに何か言いなさいな‼︎」
「えっ……えぇっ⁉︎ そこで私に振るんですか⁉︎」
「あんただってこの状況嫌なんでしょう? ならあんたも淫乱巫女らしく対処しなさいな」
「だ、誰が淫乱巫女ですかーっ⁉︎ 淫乱といったら喜美の方が淫乱ですぅー‼︎」
とまぁ胸囲が梅組の中でもトップクラスな2人が言い争っているうちに、オリオトライはオリオトライで颯也を未だに優しく抱き締めていた。
「そ、その……先生?」
「なにかな? 颯也」
「俺は……てっきり先生達を心配させたからさらにタコ殴りにされるんじゃないかと……」
「もぅ〜……颯也の中での私はそんな風に思われてたの〜? それは心外だわ」
「ご、ごめんなさい……」
「フフッ、まぁ良いわ。それと……今回の事を許す代わりに颯也には私からのお願いを聞いてもらおうかしら?」
「お、俺に出来る事であれば……」
「ならさ……
今度時間があった時に先生とデートして欲しいかな? それも朝から夜まで……ね?」
「「「はぁぁぁぁっ⁉︎」」」
その一言に梅組の皆さんは一堂に同じリアクションになったと言います……
それとオリオトライさんは颯也さんにそう言った際、物凄い乙女顔だったと言います……
因みに……
「私……もう我慢が……出来ない……」
何かを感じ取っていた成実さんは、体がプルプル震えていたようです……
「どうした成実? 風邪でも引いてしまったのか? というか今日は休んだ方がいいと思うんだが……」
それを心配していた総長が傍にいたそうです……
「ねぇ、作者さん……これはどういう事かしら?」
ど、どうって言われても……
「何故かあの教師がこの作品のヒロインっぽくなってるんだけど……」
そ、それは……書いてたらそうなりました。
「そう……なら作者にはこれ以上のものを書いてもらうわ。勿論私主体で」
そ、それは勿論ですよ〜。なにせこの物語は成実さんが正妻ヒロインポジションですから!
「そう……それもそうよね。なら……R-18ぐらいのものを書いてもらおうかしら?」
……えっ?
作者の命運はいかに……?
※因みにホライゾンのR-18を書いて欲しいという方がいらっしゃいましたら……作者自身そのジャンルに手を出したことはありませんが何とか書こうとするかもしれません……