境界線上のホライゾン 理不尽壊しのリインカーネイション   作:橆諳髃

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はい! 皆さんあけましておめでとうございます‼︎ 本年も出来る限り作品を投稿していこうと思いますので、何卒宜しくお願い致します‼︎

「だが作者、なぜ今回も少しばかり遅れたんだ?」

……fg○のイベントにかかりっきりでして、それで今も素材集めしてます。後は大体が山の○だけを集めれば良いところですね‼︎

「ほぅ……なら結構投稿スピードは上がっていくのか?」

あぁ……実はですね、今朝新しいガチャピックアップがあったんで、その10連回したら……

「回したら?」

なんと李書文先生が来たんですよーっ! それも星5アサシンの‼︎

「あ、あぁ……」

だから多分そちらの育成にもかかりっきりになるのではないかと……

「……はぁ〜」

ま、まぁともかく今回も書かせていただきましたのでご覧下さい! でも所々「ん?」と思う箇所があると思いますので、こちらとしては力不足を否めないですが……どうかご了承お願い致します……

それではどうぞ本編へ!


14話 「貴方は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1回目の相対……シロジロと直政の結果はシロジロに軍配が上がった。表面だけを見たら直政が操る武神と、契約によって一時的に他者の力を借りたシロジロとの殴り合いなのだが、水面下ではホライゾンが処刑された際に生じるデメリットをシロジロが論じ、そこに隙を生じさせた直政がシロジロからの攻撃を受け、同時にシロジロが論じた事も粗方納得した上で負けを認めたのだ。そして直政もホライゾンを助ける教導院側についた。

 

「おかえりなさい直政」

 

「あぁ智かい。ただいま」

 

「それにしても先程の会話についてなんですが……」

 

「あれかい? 確かにシロジロが言った事は仮説に過ぎないんだろうさ。まぁこれは各国にも中継されてるから普通にさっきの会話も流れたろうさね。でもシロジロの仮説が本当に正しいかどうかなんて誰も分からないだろうし、今まで武蔵に強力な武力なんて無かったんだから信じる奴なんていないだろうさ。だからホライゾンがもし処刑されたとしても愛護は動かないし自分を犠牲にする事もしない……って考えてる奴が大勢いるだろうさ」

 

「直政は……どう思ってますか?」

 

「アタシ? アタシは……信じることにしたさ。愛護の武器は確かに見た事はない。でも……アイツが昔っからのお人好しの大馬鹿者だって事は知ってる。だから自分の身を犠牲にしてでも、アイツにとっての大切な存在って奴を守るという仮説は頷けたさ」

 

「そうですね。颯也くんは昔から自分の身を顧みないんですから」

 

「だろ? だからさ……アイツがそうなる前になんとかしたいとも思ったんさ。それでもアイツは余裕でアタシ達の前に出るだろうさね」

 

「た、確かに……いつの間にか前に出てますものね……」

 

(それに昨日も新名古屋城の暴走を普通に止めてましたし……。だからホライゾンが処刑されそうになったら、颯也くんの取る行動ってシロジロくんが言った仮説と強ち間違っていない気が……)

 

直政さんはこの時点ではまだ知りませんが、浅間さんは白騎士さんが颯也さんである事を知っているために、シロジロさんが説いた仮説も間違ってはいないと思いました……後他の梅組の戦闘組の人達も……

 

そして浅間さんと直政さんの前に白騎士が現れました。

 

「お疲れ様です。これ、良かったら食べて下さい」

 

「し、白騎士っ⁉︎ って、これは……ケーキさね? 何でアタシに?」

 

「先程までは聖連側だったとはいえ、今は武蔵側にいますでしょう? とまぁそれは関係なくて……さっきまで武蔵の事を考えて戦ってくれたご褒美ですよ」

 

「ご、ご褒美さね?」

 

「えぇ。後でシロジロくんにも渡すつもりですし、まだ作ったケーキも余ってますから」

 

「そ、そう言うんなら受け取っとくさね」

 

そして直政も白騎士からケーキを受け取って一口口に含んだ。

 

(っ⁉︎ な、なんなのさこのケーキ⁉︎ 美味すぎやしないかい⁉︎)

 

「直政も美味しいって思いますよねそのケーキ! 私達も直政達が戦っている間に白騎士さんに振舞ってもらったんですよ‼︎」

 

「あ、あんたら呑気だね……」

 

「ま、まぁそう思われても仕方ないですよねー……」

 

(にしてもこのケーキ……後味がアイツの作った料理に似てるのは気のせいかね?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です。シロジロくん」

 

「ん? あぁ颯也か。まずは1勝取ってきた」

 

「そんな君にこれを」

 

「これは……チョコレートケーキか?」

 

「えぇ。さっき君に力を送ってくれていた警護隊の人達にも配っててね」

 

「……どうりで途中から供給される力が増したわけか。何か仕込んだのか?」

 

「仕込む? いや、俺はただ普通にケーキを作って皆に振る舞っただけだよ。薬とか増強剤的な類は入れないさ。そもそも入れたらケーキの味が落ちちゃうからね」

 

「なるほど……まぁ差し出された物は不利益になる物以外は全て受け取る主義だからな」

 

そう言ってシロジロも白騎士のケーキを食べた……

 

「っ⁉︎ こ、これは‼︎ う、売れる! 売れるぞこのケーキ‼︎ 普通に高級店で出しても遜色ない……いや、それ以上の代物だ‼︎ 白騎士! このケーキのレシピを売ってくれないか⁉︎ 是非うちの商会で作って売り出したい! 利益としてはこちら側が売り上げの4割、そして白騎士に残りの全てだ! どうだろうか?」

 

「し、シロジロ殿⁉︎ 流石にそれは無理な相談では御座らんか?」

 

「う〜ん……別にこのケーキのレシピはあげても良いけど……」

 

「「「えっ⁉︎ 良いの⁉︎」」」

 

「よし‼︎ これで商談の方は成立で「でもね?」ん? 何か問題があるのか?」

 

「いや、私はこのケーキは作り慣れてはいるけど……結構凝ってる部分もあるから、この味にするまでは大分時間がかかると思うよ? それも材料費も半端じゃないし」

 

「そ、そうか……」

 

「まぁその代わりと言っては何だけど、代わりにこのレシピならどうかな? それでこっちがそのレシピで作ったケーキなんだけど……」

 

いつのまにか白騎士の手にさっきとは違うチョコレートケーキが……それをシロジロに渡した。受け取ったシロジロはそのケーキを食べて……

 

「なっ……確かに先程よりも濃厚さというか、そこは若干落ちるが十分に商品化出来るものだ‼︎」

 

「そう言ってもらって嬉しいよ。そのレシピだったら簡単にできるし材料費もかからない。誰でも忠実に作れば出来るものだから。これでも大丈夫かな?」

 

「何を言う⁉︎ 普通にアリだ! 売り上げも、うちの商会としては十分に見込める。さっきも言った通りうちが4、白騎士が6でどうだろうか⁉︎」

 

「う〜ん……いや、売り上げは全部君の所で良いよ?」

 

「……それは出来ない相談だ」

 

「それはどうきてかな?」

 

「確かに私はお金に対して執着心がある事は小さい頃から自覚している。お金について生き汚いところもな。だが……それでも取引先との信頼関係は大切にするたちだ。だからこそ、私はそれでは納得が出来ない」

 

「……分かりました。だったら、こっちは君が売り上げた2割を頂きましょう。これで商談成立しても良いかな?」

 

「全く……颯也にも困ったものだ。あぁ、それで商談成立としよう」

 

互いに商談成立の通神を出し合って握手に応じた。

 

これは完全な余談だが、三河騒乱が終わった後にシロジロが立ち上げている商会で白騎士のチョコレートケーキを売り出したところ物凄い利益となったのは間違いない。まぁチョコレートケーキを作ってるのは商会が雇ったお菓子職人だけでなく颯也も混じっていたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こんな最中にシロジロは何を商談成立させているんだ……」

 

「お腹が減ってきましたわ……はやくこの相対を終わらせて白騎士さんのケーキを是非食べてみたいですわ……」

 

「み、ミトツダイラ? 戦いの目的を忘れていないか……」

 

その場で真面目なのは正純だけでした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜い。それじゃあ気を取り直して、1回戦目の相対はシロジロの勝ちね。これで教導院側の1勝、で次の相対だけど……」

 

と言いつつもオリオトライさんの口元にもチョコレートケーキのカスが付いていたと言います……

 

「次は私が参りますわね? 正純」

 

「ミトツダイラ……あぁ」

 

「ありがとうございます。では……武蔵の代表たるアルジョント・ルウ・ミトツダイラがあなた方に尋ねます。主不在の極東は何をもって私達騎士を従わせようとするのかを! さぁ、相対ですわ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次の相手はミトツダイラくんか〜……直政くんの時もあれだったけど次も厳しいね」

 

「確かに……小生絶対に相対とか無理ですよ」

 

「もともとアンタに戦闘力とか求めてないさね。そもそもロリコンの事でしか発揮できないだろ?」

 

「なっ! 小生を馬鹿にする気ですか⁉︎ 言っておきますが小生のロリコンといのは生命礼賛の事です‼︎ うら若き幼い少女達の生命力は侮れません‼︎ その生命力を尊ぶ事の何がおか……」

 

「そんな事はともかく次誰が行くさね?」

 

「ちょっとーっ⁉︎ 途中で小生の言葉を遮らないで……」

 

「ミトツダイラなら、ここは戦闘系が基本だろうな」

 

「あの、まだ小生話の続きを……」

 

「でもあのミトの馬鹿力に匹敵する人なんて……」

 

「颯也しかありえないだろうな」

 

「「「だよなー……」」」

 

「うっ……小生悲しい……」

 

自分の話を聞いてもらえず意気消沈の御広敷……だがその御広敷の肩を叩く人物がいた。それに対して無意識に振り向く御広敷……

 

「(君の考えている事は正直危ない方面だし、こっちとしても理解する事は難しいが……ともかく)頑張れ」

 

優しげな表情(仮面に隠れて見えないが……)でサムズアップしているように御広敷には見えた……

 

「あの……何をしてますの?」

 

だがいかんせん今の状況は外から見れば意味が分からぬ話し合いだ。何故なら円陣を組んでひそひそ話をしている。そんな中御広敷が騒ぎ出したと思ったらいつのまにかショボくれ、そこを白騎士に慰められる? といった構図が出来上がったのだから……

 

「あぁ〜今作戦会議中だからもう少し待ってな?」

 

「は、はぁ……」

 

一応教導院側はネイトに作戦会議中だからと時間を貰っている。

 

「それにしてもおかしな話だよね?」

 

「おかしいとは……どこがで御座るか?」

 

「考えてもみてよ。だって騎士って力の大なり小なりはあれど、僕たち平民よりも力を持っているんだよ? それがどうしてわざわざ騎士の方から平民に対して相対を申し込むのかって事だよ」

 

「確かにな。よくよく考えてみれば不自然だな」

 

「なら少々……私からあの子に対して質問をしてみようか」

 

「し、白騎士くん⁉︎」

 

「今回の聖連側と極東側の相対に介入をしないんじゃなかったんさね?」

 

未だ白騎士の正体を知らない直政は問う。

 

「確かにそうだけど……別に何か分からないことに対しての質問はしてもいいんじゃあないかな? それをしたからといってどちらにも肩入れなんてしようとする気は無いし、ただ個人的に気になったから質問するだけで邪魔をするわけでもない。ねっ? 相対自身に対して介入はしてないでしょ?」

 

とまぁ屁理屈とも取れる自論を展開する。最早ゴリ押しする勢いである。

 

(まぁ……どのみち武蔵に肩入れ、もとい味方をするのは既に決まりきっていることだけど)

 

「まぁそんなところだから私は自由に質問しに行くとしよう」

 

そして教導院側の円陣奥から白騎士がネイトに向けて歩み出し、数メートルのところで立ち止まった。

 

「な、なんで白騎士が出てきますの⁉︎ あなたは今回の相対に関係無いはずでは……」

 

「えぇ、もちろん関係はないですし介入する気もないですよ? ただ……気になったことがあったからあなたに質問しようとしただけです」

 

「質問……ですの?」

 

「そうです。それじゃあ時間もない事ですし早速質問させて頂きますよ? まず第1に……あなたはこれを口実に武蔵の騎士階級を返上するつもりですね?」

 

「「「っ⁉︎」」」

 

「な、何を仰って……」

 

「簡単な話ですよ。そもそも武蔵の安寧も騎士あってのもの……だからこそ、今回のホライゾンさん処刑も聖連側と戦うために武蔵は最終的に動くし、武蔵の民も動くでしょう。それは騎士という自分達よりも強い存在がいるからこそできる事です。しかしながら……もし武蔵に自分達を守る騎士がいなければどうなるか? 結論は1つ。武蔵の民は戦うことができなくなる」

 

「……えぇ。その通りですわ。私達は武蔵と武蔵に住まう民達を守護する騎士、その存在がどうして民達に危険を強いろと言うのです?」

 

「そう、それこそがそちら側の総意で間違いはないでしょう。だがそれと同時にあなた方は1つ大きな誤りを犯している」

 

「な、何ですの? その誤りというのは……」

 

「なら説明しましょう。まず1つ、ホライゾンさんも極東、そして武蔵の民である事」

 

「っ⁉︎」

 

「確かにホライゾンさんはこの極東たる武蔵に来てまだ1年しか経っていない。だが、それでも同じ極東武蔵に住まう1人には変わりはない。大を救うために小を犠牲にする……あり方として間違っているとは言わない。まぁだからといって今回のホライゾンさん処刑についてが今の話に該当するかは……極東武蔵側で決めるべき事です」

 

「そして2つ目、ホライゾンさんが何故聖連で処刑されようとしているか分かりますか? 勿論大罪武装を取り出す以外での話でですが」

 

「そ、それは……昨日の新名古屋城での事ですわ。あの騒乱で松平元信公は行方不明となり、またそれを起こした責任も有耶無耶となりましたわ。ですが、その代わりとして元信公の娘であるホライゾン・アリアダストがその責任追及の矛先となり、三河を収める君主の代わりとして……今回の事になっていますわ」

 

「えぇその通り。そしてあなたはさっき言いましたね? 『自分たち騎士を誰を君主として従わせるのか』と」

 

「え、えぇ……言いましたわ……っ⁉︎」

 

「どうやら気づいた様ですね。そう、確かに今は元信公はいない。ですがその娘であるホライゾンさんは、元信公の罪を被って“君主”の代わりとして処刑されようとしている。さぁ……ここまで言ったらもうお分かりですね? じゃあ私の質問は終わらせていただきましょう。では、後は武蔵側と聖連側に任せますので」

 

そう言って白騎士は後ろに下がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side インノケンティウス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あいつぅ〜っ‼︎ 質問と言いながら普通に武蔵に肩入れしているじゃないか⁉︎ えぇっ‼︎」

 

「お、落ち着くのだ元教え子よ」

 

「これが黙っていられるというのかガリレオ‼︎ 俺は我慢ならんぞ‼︎」

 

「だが白騎士はただ単に質問をしているだけだ。それで相手側の答えがどう変わろうが、白騎士側は相手の答えを覆してはいない事になる」

 

「それでもあれはどう見ても相手の意見を覆そうとしていただろう⁉︎ 誰が見てもそう思うはずだ‼︎ お前だってそう思うだろう⁉︎」

 

「ま、まぁ……元教え子の言わんとする事は理解できる」

 

「くっ……俺があの時、勝ち目がなくとも大罪武装を用いていればこの結果も変わったやもしれなのに」

 

インノケンティウスはそう言うものの、後の祭りである。ネイト達騎士が最終的にどの様な答えを出そうと、それは自分達で決めた事でありそそのかされた結果ではない。

 

「覚えておけよ白騎士‼︎」

 

その様な言葉をはいた直後だった。

 

〈別に構わないが……私の大切なものに手を出すのなら貴様らもそれ相応の覚悟をしておけ by白騎士〉

 

「「っ⁉︎」」

 

それは白騎士からの通神文だった。インノケンティウスが悪態をついて1秒程しか経っていない。それ故に、インノケンティウス達は戦慄を覚えた。そして通信文の内容も塩対応と……

 

「な、なんて奴だ……」

 

最早そんな言葉しかでない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふぅ……あいつらも学習しないな)

 

先程通神文で教皇を語る奴に圧力(脅し)をかけておいた。全くもって……今すぐ潰しにかかっても良いくらいと思ってしまった。まぁ殺めたりはしないが……

 

(さて……さっきの質問の意図が分かるのならこの相対、結果的にこちらが負ける形になるな)

 

そして教導院側の梅組はというと……

 

「さっき颯也が言った事を考えたなら……どうにかネイトをこっちに引き込む事が出来れば良くね?」

 

「その通りだよトーリくん。武蔵の騎士を代表するミトツダイラくんをこちら側に引き込めば、相対としてはどちらとも1勝ずつになるけど、それでもアリアダストくんを助けるという点については一歩前進するよ!」

 

「じゃぁ〜……」

 

それから1分後……

 

「おし! こっちも決まったぞ‼︎」

 

「そ、そうですの……それで、どなたが私のお相手を?」

 

「それは〜……ベルさんだな」

 

「ベルさん、頼めるかな?」

 

「ju、jud.いく、よ」

 

「なっ⁉︎ 向井さんを出すって……正気ですの我が王⁉︎」

 

「ん? 正気も何もベルさんも何かしたいんだってさ。だったらこっちとしては信じるしかないだろ?」

 

と、真っ裸の簀巻状態からいつもの制服姿になっていたトーリが言う。

 

「で、ですが……」

 

それに対してまだ納得が出来ていない様子のネイトがいた。一体どう言うつもりで向井を出したのかと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願い……助けて!」

 

「えっ?」

 

「助けて、欲しいの。わた、し……目が見えなく、て何も力に、なれない、けれども、それでも、何かの役に立てるかなって」

 

「それ、で、私ホライゾンを、助け、たいの。だか、ら……お願い。助けて!」

 

「っ‼︎ で、ですが……」

 

ネイトは葛藤する。確かに先程白騎士が言ったように、ホライゾンは武蔵の民である。だがホライゾンを救うのにホライゾン以外の民が傷付くのも間違っているはずだと。謂わば、民を巻き込まない為にホライゾン()を切り捨てるのか。またはホライゾンを助ける為に()を傷つけるのか……ネイトは葛藤する。

 

(こんな時に貴方ならばどうするのですか……)

 

誰かに委ねてしまう考えが出そうな程、彼女は葛藤していた。

 

ふと、そう考えてしまった時だ。

 

(俺は自分の身を犠牲にしてでも助けに行くよ‼︎)

 

(っ⁉︎ 懐かしいフレーズですわね。いえ、いつも言ってる様な物ですが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで少し昔の想い出に浸った。あれは去年の事だった。ひょんな事で自分が癇癪を起こして荒れ気味だった頃……トーリが自分より年上の生徒に標的にされた事があった。理由としては、自分自身の振る舞いが気に入らなかった事が原因だったはずだが今ではもうどうでもいい事になっている。ともかくとしてその理由から、自分の身近な存在が標的とされた。間接的に巻き込んでしまったのだ。

 

そしてその知らせを聞いて駆けつけた時にはトーリは……ボコボコになっていなかった。しかし、その代わりとして傷を負ったものがいたのだ。それが颯也である。

 

『どうして……どうしてこんな事に……』

 

それを見たネイトの一声は確かそんな物だった。だが傷ついた彼は、彼女の事を怒った顔や恨んだ表情では見てなかった。逆に微笑んでいた。

 

『何で笑っていますの? 私が上級生に目をつけられてしまったが為にそんな傷を負っているのに……』

 

それに対して颯也は……

 

『俺がそうしたいからそうしたまでだよ。誰かが何かで苦しんでいたり、また傷つきそうになった時は……俺は自分の身を犠牲にしてでも助けに行くよ‼︎ まぁ他の人はあまりお勧めしないけどさ』

 

最後の発言を弱気な感じで言うところは拍子抜けする様に思ってしまう。それでも彼の笑みを浮かべながら言うその言葉には、最後はいいとして感銘を受けたのだろう。そこからだった。彼女が本気で彼に向き合いたいと思ったのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そうでしたわね。私が彼の事を興味本位とかではなく、心の奥底から好きであると認めて向き合おうとしたのは)

 

そしてとにかく彼を知ろうとした。まずは、今まで小耳にしか聞いていなかった彼のファンクラブに入会して情報を出来るだけ集めようとした。それだけでなく、彼のインタビューが載った本も買い漁って熟読したぐらいだ。それでも分かる事は……彼がいつも全面的に出している性格と態度だけだろう。ほぼほぼプライベートは垣間見なかった。

 

それでも彼女はもっと彼の事が知りたかった。できるだけ彼と2人きりになる機会がある時は、一層時間を大事に使おうともした。

 

(まぁプライベートなところは本当に見て取れませんでしたが……)

 

彼は何を思っているのか、何を原理で行動しているのか、その時どう思って言葉を紡ぎ出しているのか……今のところ分かった事はない。

 

(でも……彼が本当に優しいと言う事を知っていますわ。だから!)

 

(きっと彼がこの場にいたのならこう言った筈ですわ‼︎)

 

「えぇ! 任せなさい‼︎ 私が自分の身を犠牲にしてでもあなた方民を助けますわ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ……それって」

 

「えぇ、今回の相対は私の勝ち、そちらの負けでよろしいですわね?」

 

「ju、jud.私の、負け、だね」

 

「えぇ、私の勝ちですわ。それと同時に、私は宣言いたしましょう」

 

「私、武蔵騎士代表アルジェント・ルウ・ネイト・ミトツダイラは、民を守るために……そしてホライゾンを救うために武蔵側につくことを‼︎」

 

「やった! これで騎士がこちら側についたよ‼︎」

 

「これで聖連側になんとか挑めるでござるな‼︎」

 

梅組が喜びの声を上げる。その中でネイトは正式に武蔵側についた。そして梅組の皆に迎えられる。それを嬉しく思うのだが、それを表に出すよりも前に……

 

「礼を言いますわ、白騎士」

 

「私はあなたに対して何もやってはいませんよ?」

 

「嘘を言わないで下さいな。分かっていたのでしょう? 私が……迷っている事を、ホライゾンを助けるか否かを」

 

「私をなんだと思っているのか……私は人の思いの奥底が分かるような……そんな出来た者ではないですよ」

 

「そうだとしてもですわ。あなたの言葉で……私はあの時の気持ちを、私の大切な方の言葉を思い出せたのですから」

 

「そうですか……まぁあなたがそう思うのなら、素直に礼を受け取っておきましょう」

 

「えぇ、是非そうして下さいな。それと……」

 

「? なんでしよう?」

 

「わ、私実は友人と一緒に雅楽のサークルをやっていまして……それで『アンフェア・ブレーカーズ』の演奏を毎回参考にしていると申しますか……」

 

「つまりファンという事でしょうか?」

 

「あぅ……そ、そうですわ」

 

「……なるほど」

 

「そ、それで……その、今この場で場違いだという事は承知しているのですが……サインと握手を頂けたらと……」

 

「「「えっ……」」」

 

「サインと握手……ですか」

 

ネイトの一言に梅組の皆は一瞬唖然とした。しかしながら直ぐ後に……

 

「ちょっとネイト‼︎ どういう事ですかそれは‼︎ 私だって『アンフェア・ブレーカーズ』のファンなのに‼︎ 私もサインとか強請りたいなとは思っても我慢していたのに‼︎」

 

「この貧乳騎士ひどいわ〜、我先にと憧れの人のサインとか貰いに行くとか〜」

 

「さっきまで聖連側だったのに、寝返った途端にそれとかナイちゃんからすればナイと思うなぁ〜」

 

「全くもってマルゴットの言う通りだわ‼︎ もう決めた! 次あんたを題材にして描く時はものっすごく淫乱な感じで描いてやるわ‼︎」

 

「うっ……」

 

とまぁネイトは凄く叩かれるように言われた。特に梅組の女子からは……

 

ただそこでもこの人は……

 

「ふむ……と言う事は、この場にいる私達のファンの皆様にサインなどをすれば問題はないと……そう言う事ですね?」

 

「「「……あっ」」」

 

「えぇ、それでこの問題も丸く収まるでしょう。まぁ私以外のファンの方々には申し訳ないのですが、もしいらっしゃるのであるならばこの騒乱が終わった後にでもその催しを開きましょう」

 

「「「やったーっ‼︎」」」

 

その歓声は梅組以外の、この中継を見ていた他の武蔵に住んでいる民達にも知られる事になり、騒乱後はちょっとした握手会が開かれた。

 

「さて、それはそれとして……ミトツダイラさん、フルネームはアルジェント・ルウ・ネイト・ミトツダイラ……でしたかね?」

 

「あっ、はい! そうですわ‼︎」

 

「ではこちらを……私のサインです」

 

「っ‼︎ い、いつのまに……」

 

「今ですね。それと握手……でしたよね。この様な簡単な場で申し訳ありませんが……」

 

「い、いいいえいえ! そんな事ありませんわ‼︎ 寧ろ光栄と思うほどで……だからあまり気にしないで欲しいですわ」

 

「分かりました。ではこれ以上気にしない様にしましょう」

 

そう言いながら白騎士はネイトに右手を差し出す。

 

「あ、ありがとうございますわ‼︎」

 

そしてネイトも自らの右手を差し出して白騎士の手を握り、握手を交わした。

 

(っ⁉︎ こ、この手の感触は……それにこの匂いは……まさか⁉︎)

 

白騎士は白い手袋をしているがために、外からはどんな様子かは伺えなかった。だがそれを手袋越しではあるがネイトは握ったのだ。そして握手する距離まで近づいて、微かではあるが白騎士から流れてくるであろう微かな匂いも感知した。その結果としては……今この場にはいない人物の事を思い浮かべた。いや……目の前にいる人物がいつも梅組という枠組みの中に存在しているのに、今この場にいない人であると……

 

「貴方は……まさか」

 

そうネイトが驚きの声を上げると、白騎士は右手の人差し指を自分の唇にあたるかあたらないかの距離に持ってきて「しーっ」と、悪戯っぽくジェスチャーした。それに一瞬見惚れるネイトは、それ以上言葉は発しなかったが、驚きの表情はそのままだった。そして白騎士はネイトの表情が少し面白かったのか口元には笑みを浮かべた。仮面の目にあたる部分(いつも閉じて瞳は見えない)も開いて瞳が外からでも見える様になると、白騎士は口元だけではなく瞳も笑みを浮かべた状態でネイトを見た。

 

それを見たネイトはここで完全に理解した。そして認識したのだ。目の前にいる人物は、梅組ではほぼほぼ中心的存在にいる者だという事に……

 

「他の人には、まだ内緒にしておいて下さいね?」

 

それを悪戯っぽく笑いながら小さな声でネイトに告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、それとこれもどうぞ?」

 

「っ⁉︎ ありがとうございますわ‼︎」

 

序でに白騎士さんは、ネイトに先程梅組の皆が食べていたケーキを渡していたと言います……




「ネイトも梅組に加わったという事は……今度は正純との相対だな。次回はどんな感じにするんだ?」

あぁ……次は話的にも結構難しいんで、そこのところはカットしちゃおうかな〜って思ってるんですけど……

「まぁあれは直に作品とかを見ても分かりにくかったからなぁ〜。という事はほぼほぼ作者目線で行くってところか?」

まぁそうなりますね。多分語彙とか表現とかめちゃくちゃになってしまうと思いますけど……何卒ご容赦を……

「ところでなんだが……あの質問とかって完全に梅組に肩入れしてるよな?」

……さぁ?

「さぁ⁉︎ しかもさっきの間とか完全に確信犯だろ⁉︎」

まぁともかくまた次回会いましょう‼︎

「おい待て作者! っと、相変わらず逃げ足だけは早いな……まぁ次回もよろしくな!」
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