想いあった彼への想い。
いつのまにか臆病になってしまった気持ちを乗り越えられるのか。
そんな彼女視点の短編物語です。
注意:冬がくれた予感を聞いていた時に思った
私なりの解釈でかいています。
今日はクリスマスイヴ。
私はカップルで賑わうショッピング街を独りで歩いている。
私には大好きな恋人がいる。折角のクリスマスイヴだというのに、今日は独りみたい。
でもね、それも仕方ないの。
彼には"イヴは一緒に過ごしたい"って伝えることが出来なかったのだから。
私は彼から誘ってもらいたくて、変に意地を張ってしまったの。
馬鹿よね…それで当日こんなに後悔しているんだもの。
私の周りを行き交う人たちの足音が凄く気になってしまうの。もしかしたら彼が来てくれたんじゃないかって………そんなはずないのにね。
吐息が白くなっては消えていく。身体よりも心が冷たいの。
今すぐにでも電話をかけて"私に逢いに来て"って言いたい。でも、そんなワガママを言って嫌われたくないの。彼と友達だった頃はこんなこと無かったのに……いつからだろう、こんなに臆病になってしまったのは。
偶然あなたと出逢えたら……って思ったりして、この人混みの中からあなたの背中を探してしまう。こんな明るい街なのに、空を見上げれば星は綺麗に見えるわ。今の私はあんな風に輝けていますか?
彼に恋をして、それから…彼との時間が毎日楽しかった。でも、こんな大切な日に一緒にいられないのね。それがとても苦しいの。
上からキラキラ光るものが落ちてきたわ。手に取ってみるとクリスマスツリーの飾りだった。
もう…クリスマスも終わりなのね…
このまま今年のクリスマスイヴはおわってしまうのかな…
彼と寄り添って歩きたかった…
そんな事を考えているだけで、涙が出そうになる。
"逢いたい"
私は零れそうな涙を堪えた。
『行ってみよう、もしかしたら彼がいるかも…』
彼との思い出の場所へと、勝手に足が向かっていた。
私には理由はないけれど、彼に逢える予感がしていた。
ただの予感じゃないって思いたかったの。
"早く彼に逢いたい"
私は自然と歩みを早めていた。
この寒さの中走ると冷たい風が私を襲う。
自己防衛本能なのか頬が熱くなり、心拍数も上がる。
でも、私は分かったの。これはね彼と逢えるような気がしてドキドキしていたの。
いないかもしれないし、いないのが当然。そんなドラマチックな事は起こり得ないのは知ってる。
すると、誰かが遠くから手を振って、急いでこっちに向かってきたの。
足音で分かる。彼がまっすぐ私のもとへと走ってくる。………私と同じ気持ちで。
彼は笑顔で私を抱き締めてくれた。
好きな人と寄り添って過ごすって
こんなにも温かくて、こんなにも素敵なことなのね。