怒り狂うマダラは禍々しい髑髏のようなモノを身に纏い。自来也と大蛇丸や綱手を攻撃していた。
そう、須佐能乎である。大蛇丸と綱手はすかさず口寄せをし、マンダとカツユを召喚していた。
『お、今日はあの狂しているやべーのは側に居ねえのか』
「マンダ、無駄口を叩いている暇はないわ」
『……おいおい。聞いてねぇぞコラ』
うちはマダラを見たマンダは、代わりにおっかねぇのが居るじゃねぇか! 帰っていいか。と、呼び出した大蛇丸にジト目を送りつつ文句を言いながら大蛇丸を守る。
「カツユ!」
『
綱手も地面を砕きながら岩をマダラに投げつつ、カツユに指示を飛ばしながら大蛇丸を援護する。
だが、マダラには効かない。愉悦に歪んだ笑みで須佐能乎の手で払うのみ。
戦闘の余波でメモを取る暇がなくなりそうな彼。自分の世界に篭る自来也も一応口寄せを使う。
だが、それは戦況を見てではなく、ただネタ帳にメモをする時間を稼ぐ為だけにガマブン太を召喚したにすぎない。
三忍達はうちはマダラに対して口寄せ獣で対抗し、戦況は拮抗しているように見える。
「あれだけ煽ったのだ、もっとオレを愉しませろ」
「メモの……邪魔だのォ……」
自来也前を見ろ前を! と、ガマブン太は警告するが、やはり彼はマイペースに何かをメモしている。
それでも半自動的に術を使いながら、自分の身を守る自来也は流石に三忍と言った所か。
「綱手、アンタは自来也のフォローを」
「わかっている!」
彼は元々こんな性格ではなかった。だが、自来也は仙人化する時、世界に一瞬でも繋がってしまった。
何が作用したのかは大蛇丸も綱手も知らないが、それから彼はこうなってしまったのだ。
「こんな時でもマイペースなのね自来也」
「大蛇丸。今更だ……来るぞ」
そう。世界は狂している。世界と僅かでも繋がった者は、強大な力を手に入れる代わりに何かを失ってしまうのだ。
そこに例外はなく、半蔵や長門雨隠れの者達等、様々な実力者達は何かを犠牲に強大な力を得る。
チャクラを含む自然エネルギーを利用する仙術などを使用する者などは、大概このような常人とはかけ離れた言動や行動をとるのだ。
▽▲▽
あのうちはマダラに一歩もひかない自来也、綱手、大蛇丸の三忍。
水晶を通して俺はテントの中で戦況を見守りつつ、負傷者の手当てをしている。
「モミジさん。もう大丈夫だ。ありがとう」
「そう? 無理しちゃだめだよー」
サスケに治療を施していく。同じ班で医療忍者のサクラちゃんはまだ前線で穢土転生体を千切っている為、俺が治療するハメになってしまった。
彼女は一旦火がつくと破壊衝動を抑えられないのか、雄叫びをあげながら恐らくカブトが次々と送ってくる穢土転生体を破壊し続ける。
サスケとイタチはその余波で吹き飛び、ダメージを食らったのが原因だからサクラが元凶でもあるが。
流石あの班一強い拳を持つ女の子である。ヒナタとたまに修行している姿を見たときにも思ったが、彼女は素晴らしい才能を持っていたな。
その内ヒナタと同じように俺より拳で何でも片付ける系女子に進化していくと思ったが、戦争がそうさせたのか、彼女の才能は桜のごとく満開していた。
恋も夢も拳で満開。そんな破天荒系女子に進化したサクラちゃんは、ヒナタを目指し日々努力していたし納得できる結果でもある。
そんな風に考えているとサスケェは俺にうずうずした感じで問いかけてくる。
「モミジさん。まだ空は飛んじゃダメなのか?」
「まだ、それは隠しておいて。敵と味方を見分ける為の手段にもなるから」
なんでこう、木の葉の連中は気が早いのか。大蛇丸見習えや、気の長い子は珍しいタイプなんだろうか。
「……なるほど。流石モミジさん……兄さんの治療も頼む」
何かに気付いたのか、サスケェ君は大人しく俺のいう事を聞いてくれる。
サスケと同じく治療のために俺が居るテントに来たうちはイタチは俺に話しかけてくる。
「モミジ。あの菓子は本当に凄まじいな」
「……? どういうこと?」
「ん? モミジが発案した菓子ではなかったか。ガトーカンパニー特製の浄化菓子の事だ」
「うん? メイちゃんにレシピは渡したけど、そんな効力無いはずだし……わたしは知らないよ?」
「……なるほど。照美メイ、たいした女だ」
ちょっとよくわかりませんね。度々お茶会で色んなお菓子を作ってはメイちゃんとシズネちゃんに披露していたが、俺の作る菓子に浄化効果なんてない。
……さてはメイちゃん、シズネちゃんと一緒にレシピどおりに作らず、何か弄ったな。
治療を済ませたサスケェとイタチはテントから礼を言いながら出て行く。
同じテント内で治療行為をしていたシズネちゃん。俺と同じく一段落した彼女に俺は問わねばならない。ナニしたん?
「シズネちゃーん。一つ聞きたいんだけど今いい?」
「あ、モミジちゃん。いいですよ」
話しかけた俺に振り向き、戦場に咲く可憐な華のような笑顔を俺に向けてくるシズネちゃん。
治療された忍達が軒並みヘブンな状態なのは日常茶飯事なので、見て見ぬふりをしておこう。
「あのさ……メイちゃんに渡したレシピあるじゃない。わたしが居ない時でも自分達で食べられるようにって」
「その節はありがとうございました! おかげで何時もおいしいお菓子が食べられます!」
「うん。それはいいんだけど。レシピどおりにちゃんと作ったの?」
「私がもっと美味しくなるように愛情をブレンドして、更に美味しくできました!」
「えぇ……」
「一緒に試作品を食べたメイさんが太鼓判押してましたし、今では工場で大量生産されてるくらい何も問題ありませんよ?」
「えっと……愛情をそのまま?」
「……原液をそのまま使うのは、何故か綱手様に止められて使えませんでした。しょうがなく千倍薄めた愛を込めただけなので、残念ながら私の思う極上の菓子には至りませんでしたが」
極上……あっ……そっかぁ。
どおりであの菓子によくわからん効果が付随してしまった訳なのね。
愛、それは人類の希望であり夢であり狂気でもある。地球でいう昭和33年、忘れられないあの街を思い出す。青線で働いた事は無いけどな。
桜の木の下さんが『ほげぇええええ』と言いながら、葛飾区の治安を守るように、この世界を守るのだろうか。
俺は桜井舞人や朝倉純一にはなれなかったようだ。手から魔法で和菓子を出せないし、桜の加護がある訳ではないからしょうがないね。
「あ、モミジちゃんも食べます?」
休憩がてら例のお菓子を頬張り無邪気な笑顔で俺にやべーモノをすすめてくるシズネちゃん。
君の愛は、全てを救うんじゃないかな……俺の仕事が減って嬉しいやら、何か納得いかないような、そんな不思議な気持ちで渡されたお菓子を食べつつ……少し休憩しながら水晶からみえる戦況を俺は観ていた。
▽
自来也はメモを続けている。ガマブン太はそんな地雷屋さんを補佐するようにドスを振り回しながらマダラをけん制している。
『よし。次回作のメモは終わった。そろそろ闘うかのォ……』
『『遅い(わよ)!』』
マダラは歪んだ笑みで自来也達に攻撃しているが、仙術を使いながら華麗に回避したり、須佐能乎自体を割ろうとしたり、大蛇丸はそんな二人の補佐をしている。
三忍と言われるだけあって、この世界でのスリーマンセル最高峰と言っても過言ではない動きを三人は見せている。
だが、相手は忍の神と言われた男とタイマン出来る神域の男マダラ。
1対3で不利なはずの状況すら愉悦と言わんばかりに、その闘争を愉しんでいるようだ。
それよりも俺は綱手にカツユと呼ばれるなめくじのような女の子に興味深々で、彼らの戦闘そっちのけで彼女を見ていた。
なんて可愛い女の子なんだ……傷を負った地雷屋や綱手をすぐさまカバーするように分裂しながら回復する。なんて献身的な……素晴らしい……
もし、大蛇丸と出会う前に彼女に会っていたならば……俺は彼女にぞっこんだったに違いない。
俺には彼女が黒髪ロング清楚系で制服の似合う……塩をかけられると小さくなっちゃう、癒し系なめくじ少女に見える。いっぺん癒されてみる? 癒されりゅううう。
「……」
「モミジちゃん。そろそろ休憩終わりにしますね」
「うん。わたしはここでちょっと全体を監視する仕事があるから。もう少ししたら行くね」
「わかりましたー」
そんな久々に可愛い女の子を目撃してしまった俺に、休憩終わりやぞと言いながらトントンと共に治療の為、次々と運ばれる患者の元へ向かっていくシズネちゃん。
癒される休憩時間だった。俺もカツユちゃんを見習って分身しつつ患者の治療を再開しますか。
「姉さん」
「!?」
俺の思考回路を読んでいたのか、背後から聞き覚えのある女の子の声が聞こえてきた。後ろを振り返ってみると、そう日向ヒナタ、俺の妹である。
恐らく飛雷神の術でここにやってきたのであろう。俺と分離した眠っているある少女を抱えながらヒナタは微妙な表情で突っ立っていた。
「えっと……里の防衛指揮はどうしたのかな?」
「千手扉間がこの子をさらったから、それどころじゃなかったの。せっかくだから姉さんの顔をみて帰ろうって思って来たんだけど、ダメだった?」
「ダメジャナイデス……なるほど。アレはやっぱりわたしを使って何かをしようとしていた訳だ」
里の防衛指揮と共に俺はヒナタに彼女を守ってもらうよう指示していたが、やはり扉間は俺を使って何かをしようとしていたな。
「姉さん。よくない事考えてなかった?」
「何もやましい事は考えてません。いつも清く正しい大蛇丸の相方モミジとはわたしの事だよ!」
「……ま、いっか。ちゃんと帰ってきてね。姉さん」
「……心配してくれてありがとう。気をつけて帰るんだよ」
俺無事危機を乗り切る。彼女の俺に対する感知能力はすごいな。まさか思考読まれてねぇよな……
しっかし、やはりと言うべきか、俺扉間に狙われていたな。だが囮は基本。アレがこの世界での師だから仕方が無いね。
アレはナニを考えて元の身体をさらったんだろう。俺にナニをさせたかったのか。
数パターンほど考えたが、アホで抜けてる俺には考え付かない……やばい事を考えてるに違いないね。
なので、水晶に映る場面を切り替え、本部でメイちゃんの補佐をしていたダンゾウを引っ張り出して召喚することにする。
「なんだ? ワシは今忙しい」
「千手扉間の兄に対する思考パターンを教えて」
「ふむ……ようするに、二代目様の初代様に対する思いか。ワシの所感だから間違っているかもしれんが、それでもよいか?」
「うん。お願い」
俺はアレに対する情報をダンゾウから提供してもらう。
ダンゾウから詳しく聞けば……やはりアレは俺が知識として知っているアレではない。情報を修正する。
「ワシが知っている事はこんなもんだ。ヒルゼンも似たような所感だろう」
「ありがとう」
「そんな事よりどうだ、この口紅は。ヒルゼンよりセンスが優れているだろう?」
「……うん。忙しいらしいし戻すね」
「おい。二代目様の話をしてやったのだ。少しくらい……」
SAN値が下がりそうなコスメの話題になりそうだったので、本部の中枢にダンゾウを戻す。
結局俺はアレに踊らされていたに過ぎないのか、アレと共に踊っているのか。それは現状ではまだわからない。
だが、少なくともカグヤの願いを叶えるまでは、俺は自身の欲求から行動する気にはならない。
彼女には大きな借りがある。返さなければならない。
それが世界同時革命レベルでやっべー事でも。穢れ無き無垢な夢だろうと、俺は受けたモノは返す。
世界の理に逆らうかの如く、俺は反逆者な気分で次々と運ばれる患者達を癒していく事にした。
ジィンブツショウカイィ
自来也 闘いの中でもネタはメモる作家の鏡
マダラ 常時ハイテンション状態のボス ドラ○エで出てきたら投げる
シズネ 無垢な女の子シズティス 真のラスボス【ステップ○ゴン】との戦いの為マップ外の異次元空間に突入する
カツユ 可愛い
清く正しい大蛇丸 ヒロインやぞ
日向ヒナタ 姉に関する感知能力は惑星一つ余裕でカバーできる程度の感知力