音の里、日向モミジの私室に音の首脳達が集っていた。上座に日向モミジ、モミジの隣に大蛇丸、そして下座に元二代目火影である千手扉間。
不確定要素はほぼ取り除けた日向モミジは、ニコニコと笑いながら二人に作戦概要を説明する。大雑把すぎるその作戦は忍界大戦を経験している二人、大蛇丸と扉間に多少修正されたものの完璧に近い出来だと喜んでいる。
「ふむ、オレは悪くないと思うぞ」
「ええ、私も反対しないわ」
二人はモミジに向かって邪悪な笑顔で答える。そこに善意は欠片も存在しない。攻撃的な笑顔。ソレは生物の原初を思わせるような表情だった。
「だが、お前の妹は必要なピース足りえるのか? モミジよ」
「……長年このわたしが大切に育てた大事なピースだよ? 大事な大事な保険。可愛い可愛い妹だもの、少し話せばわたしに付いて来てくれるし大丈夫だと思う」
「どういう意味で可愛がっていたのかしら、怖いわねぇ……」
大蛇丸は茶化すようにモミジを見つめながら言った。
「純粋に妹として愛してたよ? こんなに妹想いの姉中々居ないよ。むしろ妹想いな姉のわたしを褒めるべき」
「モミジよ、同じ目を持つ者として……いや、師として忠告する。その感情は本当にお前自身のモノか?」
「……? よくわからない忠告どうも」
「……他者にあまり期待しすぎるなよ」
同じ目とは白眼ではなく、その同じような目つきという事だろう。モミジは師匠面する扉間に、胡散臭そうなモノを見る目で忠告に感謝するふりをする。
扉間はモミジに信用されていない。修行時モミジと二人っきりになるや否や腹をいやらしい手つきで触るわ、太ももや足裏をねっとりした視線で舐めまわしつつ揉みだす。初めは注意していたのだが『弟子の分際でオレを責めるつもりか……?』と訳のわからない理論をまくし立ててくるので、好きにさせるようになった経緯がある。
故に扉間の忠告は彼女には届かない。だが、届かないと知りつつ忠告する辺り、千手扉間は彼女の師をしている自負はあるのだろう。
今後の方針が決まり、ひと段落した所でモミジは大蛇丸に前々から気になっていた事を尋ようと思った。部屋の窓から見える、うちは一族が住んでいる場所付近で、一生懸命に何かよくわからない建造物を建てている飛段を見ながらモミジは疑問を口にする。
「そう言えば引き抜いてきた飛段君さ、あの人何してるの」
「邪神様を祭る神殿を作ってるらしいわよ。私にもよくわからないわ」
大蛇丸に尋ねるモミジだったが、流石の大蛇丸も飛段の行動原理は理解できないようだ。
「ふん。オレなら全裸のモミジ像を祭るな。眺めて視姦してもいいし、擦り付けてもいい……うむ。オレも作ろう」
「……」
「……」
まるで現代人の魔改造d○llfieの使い方だとモミジは一瞬思ったが、流石に自分を模したモノでやられるのはドン引きだ。あの大蛇丸ですら絶句する。かつてないほどの恐ろしい存在である千手扉間に二人は戦々恐々とした。
オレもうちはの連中が住んでいる場所に作るかと呟く扉間に、果たしてうちは一族は何を思うのだろうか。
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子供達が公園で遊んでいる。市場には人があふれ活気に満ちている。人々は笑ったり怒ったり泣いたり。当たり前のような光景だが、大蛇丸はこれが当たり前の光景だとは思わない。己一人では到底成し得なかった光景が大蛇丸に眩しく目に映る。
「二人で作った光景だよ。あの廃村だった場所がこんな立派な里になった。君にはどう見えるんだろうね。ちょっと眩しく見えるかな?」
「そうね、私には少し眩しいわ」
「……でもソレも無くなるかもしれない……わたしと手を切るなら今しかないよ?」
「モミジ……貴女……」
この光景を作った片割れ日向モミジは事も無げに、普通のトーンで微笑みながらそんな重大な事を話す。
「……わたしには無機質にしか見えない。まるでフィルムで現像された写真のように、いつか色褪せていくんだろうなと、そんな風にしか感じない。感じれない」
「……」
「写真は千切れば破れるけど、世界はどうなんだろうね。そんな感じなんだよ、わかるかな大蛇丸君。君が組んだ相手は、人が当たり前に持っている感情を知っているだけの、人を人とは思えないヒトガタなんだよ」
微笑んではいるが眼は寂しげに呟く。誰にも理解されないと彼女は理解しているが故に、そもそも理解されようとも思っていない。虚構で固められた精神は何が本当で何が嘘か、それすらわからない。
「あまり私を舐めないで頂戴。そんな事とっくに承知済みよ。私は貴女を手放す気は無いわ……それに私は巷じゃ極悪人なのよ、どこかの妹想いの優しいお姉さんと違ってね」
「……」
ウィンクをしならがモミジに語りかける大蛇丸の目は優しい。
「初めて出会ってから、衝撃の連続。退屈しない日々……今思い返しても幸せだと感じるわ。この私がよ? 貴女が見せてくれる既知ではない数々の術に最初は惹かれてたわね。でも、今ではそんなモノよりも貴女自身に興味があるの。貴女の居ない毎日なんて考えられないわ。
それに蛇はあきらめが悪いの。例え、貴女がこの里を去ろうが私は貴女を追いかけて捕まえるわ。私に関わったのが運の尽きよ、あきらめて私のモノになりなさい」
そんなモミジへと大蛇丸は己が心情を吐く。そんな大蛇丸に目を見開いて、やるせなさそうな表情をし、最後は笑顔でモミジはその想いへ応える。
「……そっか。出て行っても捕まっちゃうのか」
「ええ、離さないわ」
「じゃあ仕方ないかー」
「この世の真理よ。あきらめて頂戴」
モミジは大蛇丸の肩へとしな垂れる。それは何処にでも居るような、仲睦まじい様子の二人。里で探せばどこでも見られる当たり前の光景で、この音の里に溶け込んでいる。
「よし! じゃあ戻って飛段細胞の研究でも仲良くやろっか」
「ええ、やりましょう」
そんな二人の光景を青春だとガイとリーが見つめつつ音の里を後にした。だが、リーだけは振り返り複雑な表情をし、少々立ち止まってからその場を後にする。
彼は何を思い、そんな表情で彼女達を見ていたのだろう。去り際に彼は何かを呟いていたかもしれない。だがその呟きは風の音と人々の喧騒にかき消された。
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「見える……儂にも見えるぞ……ウッ!」
木の葉の根のアジトでダンゾウはアジトに響き渡るバイヴ音と共に嬌声を上げる。それはとても満足げな笑みで幸せそうだ。
「この前何故か生き返ってた二代目様が、ピンク色のモノをダンゾウ様と三代目に渡してからずっとああだね」
「あー、遊びに来てたね。でも木の葉じゃよくあることじゃねえの。死人が蘇るとか珍しくないし」
「確かに」
二代目火影から渡されたモノを使い、毎日真面目にヒルゼンとダンゾウは謎の儀式に取り組んでいた。これは仙術を取得す為の方法。この方法で仙術を会得できるのは三代目とダンゾウだけだが。
「儂は間違っていた。光と影などと、二元論に逃げたのがいけなかったのだ。世界はこんなにも広い。儂は今世界の中心に居る。ヒルゼン儂は……お前を……いや、お前と共に……ウッ!」
二度目の嬌声をあげるダンゾウ。彼の中で彼は世界の中心なのだ。彼の中では。そんな世界の中心でヒルゼンへの愛と共に、彼はより高みへと上っていく。
「アレが仙術の修行方法らしいぜ。二代目様曰くだが」
「マジかよ、俺達もやるか」
「僕は見るのが専門ですので自分で試すのはちょっと……」
根の者達も様々な派閥がある。にわかも居れば嫌がり泣き叫ぶモノが良いという者も居る。見るだけで満足する派、己達も実践する派、火影雌堕ち派、露出派、不良調教派など様々だ。
そんな腐った根の人々に見守られている修行中のダンゾウの元へ、女装しつつ何やら機械的な音を響かせつつ三代目火影がやってくる。
「ダンゾウ、お主も会得できたか」
「……あぁヒルゼン。儂もついさっき会得した。世界はこんなにも穏やかに安らげる日々を願っていたのだな……」
「うむ。お主と理解し合える日が来ようとはな……」
感慨深げに、ヒルゼンはダンゾウと肩を並べ語りかける。かつてあった蟠りは二人の間にもう無い。
「……儂はあやつに感謝したほうが良いのかもしれんな」
「ふふふ。お主らしからぬのぅ。柄ではないのではないかダンゾウ」
とても爽やかな笑顔を見せるダンゾウにかつてあった影は無い。憑き物が落ちたかのように、彼は日々精力的に木の葉の為に頑張っている。
「儂は中忍試験会場にいく。ダンゾウ。お主も観に来んか?」
「……少し待っておれ。世界と繋がり過ぎて腰が抜けておる」
「……儂らも歳じゃからな」
そこにはかつてあったであろう友情か何かが再び芽生えていた。互いに切磋琢磨しあった日々を思い出すかのように、彼らは若い芽を見に行くつもりだ。
いつの間にか居た、うたたねコハルと水戸門ホムラも二人に触発されたのかイチャイチャしはじめる。木の葉の里の枯れ葉は今だ現役だ。
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中忍試験。今回の主催は火の国の木の葉の里だ。各国の下忍達が競い合う祭典。戦争ごっことは誰が言ったのか、あながち間違いではないその指摘通り彼らは戦う。
まずはバトルロワイヤル方式で、そして勝ち残った者達で班を組み、とある森でサバイバル訓練のようなモノをする。そして残ったモノ達にのみ中忍になれる可能性が生まれるのだ。簡単なように思えるだろうが、このサバイバルが曲者だ。何故なら各里の里長が敵として現れるのだから。
しかしそれは試験を受ける下忍にも、観客にも知らされてはいない。とっておきのサプライズなのだから。今はまだ、ただ戦うだけだ。互いに切磋琢磨した忍術や体術を駆使し、観客達を楽しませるお遊戯会のようなモノ。
例えば木の葉の里のうずまきナルト。
「忍法・逆ハーレムの術」
「ふん。そんな術……あぁ……天国だわ……」
対戦相手が女の子だった為、逆ハーレムの術を使う事になったナルト。だが、その判断は結果的に正解だった。彼は彼女を無傷で下す。それは観戦しに来ている影達ですら眼を見張る結果であった。
そしてうちはサスケは砂の里の我愛羅と戦った。そして無事勝利を得る。我愛羅は強かった。幾多の参加者が蟻のように見えるかのように。だがそんな彼の相手サスケは忍法・超越神力を会得していたツワモノだった。
砂を飛ばそうが空を飛び回避する。それはかつて憧れたある忍を彷彿とさせる動きであった。掴もうとする砂を避けながらイタチに教わった術を駆使しつつ、危なげなく勝利を得たサスケ。任務から里に帰り、己の戦いを観戦してくれていた兄へと勝利報告をする所だ。
「兄さん。俺は強くなった。だが、まだこんなものじゃない。かつて見たあの人の飛行速度はこんなもんじゃなかった……兄さん無職で暇だろう? 俺にもっと修行を付けてくれ」
「いや、サスケあのな……」
会場は騒然。それもそうだろう影クラスの忍術を使う下忍など、中々お目にかかれない。観戦に来た各国の大名達はどれほどすごい忍術なのかわからない為、普通に楽しんでいる。
勝利報告と共に修行を付けろとのたまう弟であるサスケに、うちはイタチは頭を抱えながら、かつて見た夢は正夢になりつつあると嘆いていた。そして無職ではない。任務が無いだけだと言ってもサスケは聞いてくれない。誤解を解くには時間がかかりそうだ。
そして日向ヒナタはと言えば、日向ネジとぶつかっていた。
「……そうやって、姉さんの気を引くつもりなんですねネジ兄さん」
「違うんです! 誤解ですヒナタ様! 俺はそんなつもりでこんな格好をしているのではありません!」
「そんなつもり? 私の姉さんが魅力的ではないと? そう言うのですねネジ兄さん、いや日向ネジ」
「あぁもう! 誰か助けて……」
日向ネジは美しかった。扇情を煽るようなドレスを身に纏い、会場の観客達は大興奮。対する日向ヒナタは比較的地味なパーカーにズボンと言う色気の無さであった。ヒナタの姉であるモミジはテンテンと共にネジを観て爆笑している。
「言い訳無用ッ!」
「オウフ」
姉の興味を引くモノは許さない。ヒナタは修羅となる。あの日、かつて見たサンドバッグ。必死に女装しているネジはヒナタに言い訳しようとするも、聞いてくれない。殺意が篭る瞳に言葉は不要。ただ拳のみで応じる。
「まっ、待ってく……グホォ……」
「姉さんは誰にも……誰にも渡しません」
「」
ヒナタは審判が止めに来るまでネジを生きるサンドバッグにした。ある一点を集中的に潰されたネジは、恐らく今後男としてやっていけないだろう。明日からは正真正銘の女の子になっているはずだ。ネジは担架で運ばれていく。テンテンは笑いながら付き添いへ。
観客達は皆恐ろしいモノを見てしまったような、良くないものに目覚めてしまったような表情をし、大名達は掛け値なしに素晴らしい姉への想いだと拍手する。よくわからない光景が広がっていた。
日向ヒナタはネジ戦で勝利を掴んだ後、姉に教えてもらった飛雷神の術で担当上忍でもない彼女へと突貫する。
「姉さん。掃除が終わった。姉さんは私だけの姉さんだよね?」
「ひゃっ……ヒナタ。どこに手を突っ込んで触ってるのかな……」
まるで盛りのついた雌犬のように、先ほどまで人間をサンドバッグにしていたと思えないほど妖艶な雰囲気でモミジの身体を弄る。
一度弄るのをやめ、ヒナタは自分の手をモミジから離す。その手の指先には透明で粘着質な液体が、その液体を幸せそうな笑顔で口へ含みヒナタは一旦指を離す。糸を引く指先。その指先をモミジの口元へとつきつけながらヒナタは笑いかける。
「姉さん。私、ご褒美が欲しいな」
「……うん。良いよ、何が欲し……あっ……んんっ……ヒナタぁ……」
そして再び貪る様にヒナタはモミジの身体を弄る。モミジは嬌声をあげてしまう。
「私は姉さんが欲しいな。続きは家でしよう? 気持ちよくしてあげるね」
その様子を見て、百合は素晴らしいと大名の一人が百合に目覚めたのが切欠で、大名達に百合ブームが訪れるが些細な事である。会場はかつてないほどに盛り上がり、観客達の歓声と嬌声で包まれる。大名達は今日はこれで決まりと、どこかのオリーブの妖精のような言葉をそれぞれ呟きながらトイレへ我先にと向かって行く。
「……シノ俺達は大丈夫だよな? ヒナタさんに目付けられてねぇよな? サンドバッグこえぇ……」
ヒナタと同じ班員のシノは青ざめた表情をしつつ、同じく手を繋ぎながら観戦しているシノに問いかける。
「……キバ。俺達は大丈夫だ。何故なら俺達は俺達でカップルが成立している。彼女に目を付けられる心配は皆無だ」
「そうだよな! ほっとしたぜ。な、赤丸」
「赤丸もそう思います」
第八班担当夕日紅は『もう我慢できない』と、こちらも負けず劣らずアスマに向かって突貫していた。これにはアスマも苦笑い。二人は中忍試験の途中でありながらも、モミジ達と同じように何処かへ消えていった。
「あーめんどくせ……アスマの奴、紅先生としけこみやがった」
「シカマル。もっと縛って」
「……わーったよ。やればいいんだろ」
縛ってくれと懇願する秋道チョウジ、彼は縛られるのが大好きなアブノーマルだ。めんどくさそうに影で縛り上げるのは、木の葉の里で有名な縛る一族の奈良シカマル。彼は、俺はノーマルだ。俺はノーマルだと心で呟き続ける。仕事で縛る術を覚えただけで決してアブノーマルではないと彼は自負している。
木の葉の里は摩訶不思議な里。火影は女装し、死人は蘇り、犬猫は普通に喋る。そして白昼堂々と百合プレイが観られる。
ヒルゼンとダンゾウはいい宣伝になると満面の笑みで、この中忍試験は成功すると確信していた。だが、そんな二人の思いを他所に……トイレに行った大名の一人がテクノブレイクに襲われる悲劇が訪れる。
これには護衛していた木の葉の忍達も大慌て。テクノブレイクは何処から大名を襲ったのかと大騒ぎとなった。中忍試験は一時中断である。
じんぶつしょうかい
扉間 裏モノマッサージ師 暗躍する
ヒルゼン 彼の女装姿は里の門で死体喰ってるババア呼ばわりされているとか
ダンゾウ 流出位階に到達した 聖異物はピンクのアレ
日向ネジ 壊れて女の子になった
日向ヒナタ とうとう姉を手篭めにする
奈良シカマル 木の葉を代表する緊縛師一族の跡取り 代表作は君○縄
テクノブレイク 男にとって最強の敵 襲われると勝てない