「須賀くんって」
「ん?」
学校の帰り道。
宮永さんと知り合った春も過ぎて夏休みが近づいてくる頃。
汗を流しながら帰宅する最中だ。
そう、宮永さんと、女の子と下校。
相手は生前を含めると遥か年下の筈なのだが、そこはこの俺。
結局彼女も作れなかった経験の浅い俺。
初めの内はJCにドギマギしていた。
のだが。
それも今では懐かしい。
慣れればなんてことはないのである。
平気で雑談をして帰れるようになった。
なにかあるとすれば、時折付き合ってんのかよーとか男友達から突っ込みがある、それ位だ。
意外にというかあまり深く聞かれることがない。
「割と不良だよね」
「失敬な」
俺のどこがだ。
「だって入学してもう何回も学校さぼってるし」
「いやいや、さぼってないし。病欠病欠、病欠ってことになってる」
「つまりさぼり…」
学校の記録では病欠です。
「連休になるようにしてるし……」
「そうだっけ?」
「というか、お土産貰ったよ」
そうだった。
気が向いたから買って帰ってやろうとお菓子を大量買いしたんだった。
「写真も見せてもらったよ」
「だから、あれは休みの間の分で、旅行疲れで休んだんだと」
「写真に日付が残ってたけど」
「グウの音もでねぇ」
まぁ良いかと開き直る。
品行方正でチクリ魔な学級委員長でも相手にしてるなら必死で誤魔化すが。
相手は控え目でボッチ気味の文学少女だし。
情報はどうやったって漏れない。
「情報管理が杜撰過ぎるね…」
「うっせぇ」
「……真面目な話なんだけど、先生にバレたりしたら駄目じゃないの?」
「駄目は駄目だろうけど」
実際知ったとしてもわざわざ問題にされることはないだろ。
俺も問題のある所なんてないし、寧ろ手が掛からない方だと思う。
こっそりか、堂々とか、あんまりサボるなよーと言われて終わりじゃなかろうか。
「ドラマじゃあるまいし、何でサボったんだ!なんて展開はないだろ」
「それはそうだけど…」
「だろ?」
「サボり癖あり…とか通知表に書かれちゃうかも」
「ちょっとありそうで嫌だな…」
とは言っても辞める気はないけど。
単なる旅行でなく、麻雀大会に出る為でもあるから。
金持ちで我儘を聞いてくれる両親に俺の雀士としての才能。
後はやる気と揃ってるんだから。
個人的に遠征して大会に出るというのが可能なのだ。
麻雀大会出場と旅行を兼ねた旅は間違いなく有意義な筈、多分。
そもそも中学に人気種目である筈の麻雀の部活がないのが悪いんだし。
「そこら辺も調べといた方がいいかもなー」
「調べてどうするの?」
「……どうしようもないけどさ、知らないよりましじゃねーか」
「サボるのをやめる気はないんだ…」
ないな。
試してみたけど、移動して観光して麻雀大会に出てって凄い楽しい。
親からストップが掛かるまではとりあえずやる。
2回目の人生なんだから楽しまないとなー。
次は麻雀大会の描写かな。
学生でなく個人で大会出させりゃいいじゃん!と思ったけど、これだと地方とかは行きにくい気がしてきた。まぁいいか。
京太郎(偽)の能力はやっぱ須佐之男関係のものにしようか。
にしても須佐之男って逸話から能力作りにくいな…。