・ゼイエス=マルス人。アカデミー特殊宇宙生物理学研究所 技術担当。
・アマトハ=マルス人。アカデミー特殊宇宙生物理学研究所 所長。
・大月(おおつき) 満(みちる) = 40代。主人公。総合商社角紅社員。総合流通営業部 課長補佐。
・西野 ひかり= 20代後半。ヒロイン。総合商社角紅社員。秘書課から異動。
・春日(かすが) 洋(ひろし)= 20代前半。総合商社角紅若手社員。
消滅前夜
日本列島が消滅する46億年前
【太陽系第4惑星マルス オリンポス山特殊宇宙・生物理学研究所】
「よし、第3惑星へのプレゼントだ!カプセル射出準備完了」ゼイエスが管制室に合図する。
「了解、こちら管制。第3惑星への射出軌道計算は完了。宇宙航路への接触も心配ない」管制官のイワフネが応える。
「所長」ゼイエスが呼び掛ける。
「予定通り第3惑星への射出を実行する」所長のアマトハが宣言する。
「カプセル射出!」アマトハが指示する。
「カプセルロックオフ!電磁カタパルト滑走!大気圏外の射出口まであと10!」イワフネがカウントダウンする。
「2、1、射出完了!」
水色が鮮やかな第4惑星の一角から蒼白い光を纏った流線型の物体が宇宙空間に飛び出した。
「カプセル、衛星軌道離脱。惑星間コース033を予定通りの速度で第3惑星に向かっています」イワフネが報告する。
「おめでとう、アマトハ」ゼイエスが滑らかな銀色の鱗に覆われた手を差しのべる。
「ありがとう、ゼイエス。君のおかげだ。だが、これからが大変だ。第3惑星到達後の作業も山積みだしな」
「そうだな、アマトハ。だが、私達の研究は元々千年単位で続けた物だしな。今更だよ」縦長の瞳孔を持つ双眼を細めてニヤリと笑う。
「私達は、自らの足跡をこの星系にあまねく広め、やがては同胞たる知的生命体とコンタクトせねばならぬ」ゼイエスの創造は始まったばかりなのだ。
「ところでゼイエス、次の課題で私が指摘した宇宙空間への水蒸気流出についてなんだがね―――」
オリンポス山特殊宇宙物理学研究所は、今日も休むこと無く惑星と宇宙の理(ことわり)を探求し続ける。
2018年12月24日午前5時【日本国 神奈川県 横浜市 アパート「サンライズ」105号室】
大月満の部屋にある4kテレビが自動的に起動し、どことなく不安感を掻き立てる長短の和音が奏でるチャイムが鳴り響いた。
直後に合成音声が、
『ミサイル発射、避難。ミサイル発射、避難。先程北朝鮮北東部からミサイルが発射されました。ミサイルは関東甲信越地方を通過するが内陸部に着弾の可能性あり。直ちに最寄りの指定ミサイル防護施設に避難してください』
Jアラートのアナウンスが2度繰り返されたあとに、重厚で耳障りなサイレンがテレビから出される。
大月は最初のチャイムが鳴ると同時に飛び起きて携帯電話を掴むと、枕元に置いていた地震用の避難袋を背負って部屋を飛び出した。
アパートの住民も、寝惚(ねぼ)け顔ではあるが、素早く部屋を飛び出して二軒隣にある自治会が最近空地に『掘った』簡易シェルターに走り出していた。
区役所の方角からも耳障りなミサイル警報のサイレンが聞こえている。
大月やアパートの住民だけが素早く動いているのではない。街中の住民全てが最寄りのシェルターに避難していた。
1年前には想像も出来ない光景だった。
昨年末の紅白歌合戦放送中に飛び込んできた、北朝鮮のミサイル警報。
栃木県日光の温泉宿が『偶然』北朝鮮ミサイルの直撃を受けて倒壊し、宿泊客を含めた数十人が死亡した「事故」以来、政府主導の官民避難訓練が熱心に繰り返された賜物(たまもの)とも言える。
大月がシェルターに駆け付けた時には既にお年寄りや家族連れで溢(あふ)れ返っていたので、近くのマンションにある地下駐車場の作業用スペースに飛び込んだ。
暫くすると携帯電話から、Jアラートのチャイムが鳴り、メッセージが、
『ミサイル着弾情報。ミサイルは、房総半島沖、150キロの海上に着弾した模様。念のため、海岸には近付かないでください。避難指示は解除されました。』
と携帯電話の画面に表示された。
大月はほっと一息つくとのそりと地下駐車場から出てアパートに戻った。
部屋のテレビはミサイル発射について、今年16回目になる日本政府内閣官房長官発表による「遺憾の意」を伝えていた。
「クリスマスプレゼントにしては、センスの欠片(かけら)もないな」大月は独り呟くと、溜め息をつきながら、出勤の支度(したく)を始めるのだった。
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2018年12月28日午前8時30分
【東京都 千代田区 丸の内 角紅商事株式会社 本店】
角紅商事は中堅の総合商社である。東日本大震災の復興事業に尽力し、被災地の住民を優先的に雇用して、当時の政府復興庁から表彰された実績もあり、北関東から東北地方にかけて幅広い業界に根強い顧客層を持っている。
角紅商事本店営業部の朝の会議は先日のミサイル着弾についてふたたび東北地方の水産物に風評被害が出始めている事が報告された。
「既に、中国やEU諸国が日本からの海産物に輸入制限をかけはじめています」総合流通営業部の40代ベテラン社員である大月が報告した。
「刺身や天ぷら好きな癖に、本当に外人は極端ですね」海産物営業部の春日が頬杖(ほおづえ)をついてぼやいた。春日は入社3年目にして海産物営業では持ち前のフットワークを活かして、全社で取引高ナンバーワンの実績を持つ若手のホープである。
「やはり、政府が先頭に立って着弾直後に海産物の安全アピールをして欲しかったですね」広報部が発言した。
「経産省に強く働きかけをしていますが、何故か最近彼らの動きが鈍いんです。」大月が言った。
「なんと言うか、放心状態で心ここに有らず、といった感じで、暖簾(のれん)に腕押しです。何が経産省に起きているか探っているところです」大月が報告した。
結局、朝の会議は結論が出ず、会議の参加者は三々五々と各部署に戻っていった。
「大月さん、何だか嵐の前のなんとやらみたいですねぇ」会議に同席していた同じ部署の西野ひかりが声を掛ける。
彼女は先日秘書室から異動してきた。海外生活の経験もある、所謂(いわゆる) 帰国子女らしい。
異動してきた初日から大月にやたらと絡んでくるのだが、大月からみれば新入りの面倒を多少見た程度に過ぎなかった。
しかし、どうやら才女だらけの激戦区から来た彼女から見れば、入社以来、初めてライバルではない異性の同僚から厚遇(こうぐう)された訳で、大変に好印象だったらしい。歳の差は親子ほどあるのに?と大月は不思議に思う。
まあ、別の言い方をするならば、大人に憧れる乙女?の一目惚れかも知れないが。
同日午前11時30分、社員食堂で早めの昼食をとっていた大月は、今日も西野ひかり20代(自己申告)の自称手作り弁当アタックを巧みにかわしていたが、食堂のテレビが伝えるNHKニュースに釘付けとなった。
『先程北朝鮮の朝鮮中央放送は特別重大発表として、朝鮮労働党の金委員長が、我が国とアメリカ、韓国に宣戦を布告したと伝えました!繰り返します、北朝鮮が我が国とアメリカ、韓国に宣戦を布告しました!』
『今、新しい情報が入りました。ソウル支局によりますと、ソウル中心部の南大門広場で大規模な爆発があった模様です。爆発は今も続いており、南大門広場の他にもソウル中心部の各地で同時多発的な爆発が続いています』
『ソウル支局と電話が繋(つな)がっています。李(り)特派員、そちらの状況を伝えてください』
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『こちらソウル支局の李です。東京の音声はイヤホンをしていても周囲の爆発音で聴きづらい状況です!』
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『この爆発は、爆弾テロではありません!爆発前に何らかの飛翔音が聞こえた後にビルや大通りが爆発してめちゃめちゃになっています。先程は向かいのビルが爆発して崩壊しました!凄い土煙です!私達はこの爆発---』
甲高い金属的な飛翔音が響いた直後、ソウル支局の通話が途切れた。
『......ソウル支局との電話が切れてしまいました。ここからは元陸上自衛隊幕僚長の-―-』
第二次朝鮮戦争が勃発した。
大月と西野は茫然(ぼうぜん)と画面を見つめていた。
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韓国では、今年2月の平昌冬季オリンピック後、北朝鮮への融和政策に不満を持つ軍部の軍事クーデターにより、分政権が排除され、親米軍事政権が誕生した。
欧米と日本は形式的な非難声明を出しただけであり、制裁措置をとらなかった。
対称的に中国とロシアが猛烈な非難と経済制裁を韓国に実施、国連の北朝鮮経済制裁も無視して大規模な支援を再開、経済封鎖で瀕死(ひんし)だった北朝鮮は息を吹き返し、再び大陸間弾道ミサイルの発射実験を再開、既に16回という常軌(じょうき)を逸(いっ)した回数が日本列島を越える形で発射された。
「不幸にも」1基のロフテッド軌道をとりすぎた弾道弾が栃木県の山間部に着弾して民間人の犠牲者を出した。
南北非武装地帯を挟んだ拡声器による挑発放送の再開、ドローンによる両軍の偵察行為や偶発的な銃撃、砲撃戦も頻発(ひんぱつ)し、日米韓と朝中露の関係は加速度的に悪化した。
親米軍事政権は国内の北朝鮮系、中国系リベラル派政治団体の弾圧と投獄(とうごく)を強行し、北朝鮮に対しては数万名にのぼる拉致韓国人の解放要求と開城工業団地からの韓国企業の撤退等、強硬な政治姿勢と毎月のように行われる臨時米韓合同軍事演習による軍事的挑発を繰り返していた。
そして--
12月28日午前11時30分。追い詰められた北朝鮮は韓国、米国、日本国に宣戦を布告、韓国の首都ソウルに無警告で無差別砲撃を行い、第二次朝鮮戦争が勃発した。
無差別砲撃を受けたソウル市街は7割の建物が損壊し、旅行中の外国人や報道関係者も含めて約20万人が死傷した。
在韓米軍司令部は北朝鮮が「サリン」や「ノビチョフ」等最新毒ガスを含む化学兵器弾頭を多数使用したと激しく非難した。
同日深夜、かねてからの避難計画が実施され、在韓米軍家族と西側韓国駐在外交官やビジネスマン、旅行客がアメリカ第2師団とオーストラリア陸軍の護衛の下ソウルを陸路脱出して釜山(プサン)に退避を始めた。
在留外国人の釜山避難はネット民により拡散され、韓国国民に衝撃を与え、大勢の市民が自家用車や会社の営業車両を使って外国人避難グループに同行しようとしたが、韓国軍憲兵隊に阻止された。激高した市民の一部が「スリーパー」として数十年韓国で待機していた北朝鮮工作員の扇動を受けて暴徒化し、避難ルートの町々に火を放ち、幹線道路をバリケードで封鎖して韓国国内は騒乱状態となった。
南北非武装地帯(DMZ)で奮戦していた米韓軍はこの後方の混乱で補給部隊や補充部隊の到着が遅れ、38度線の各所で防衛線が北朝鮮軍機甲師団に突破された。
日付が変わる頃には米軍第2師団は半数が潰滅、空路日本の座間に撤退した。その他の米軍部隊もソウル市街を通過して烏山空軍基地から一部の米軍家族と共に日本の福岡空港に緊急避難した。
12月29日未明には、在韓米軍の大半と在留西側外国人は釜山又は烏山空軍基地から日本国航空・海上自衛隊の支援により撤退を完了し、朝鮮半島には戦線を分断された韓国軍と混乱した市民だけが残された。
12月29日午前7時、中国、ロシア、パキスタン、アフリカ諸国を中心とする『上海条約機構』が北朝鮮支援を表明。上海条約機構加盟国連合軍が韓国の港湾都市仁川に強行上陸、電撃作戦を展開して韓国首都ソウルを占領した。
北朝鮮の金委員長は朝鮮民主主義人民共和国の首都をソウルに遷都すると平壌放送で発表した。
同日夕方、上海条約機構海空連合軍は日本国の沖縄、北海道に上陸作戦を行ったが日米と台湾の海空軍による連合波状ミサイル攻撃を受け、多数の輸送船や空母、強襲揚陸艦が撃沈されて上陸を断念した。
同日夜半、中国福建省、吉林省から通常弾頭形弾道ミサイル「東風21号」400発が、在日米軍、自衛隊主要基地に発射された。中国軍の飽和攻撃に日米のミサイル防衛システムは果敢に対応したが、多くのミサイルが迎撃を突破して各地の自衛隊や在日米軍基地周辺の住宅地に着弾し、軍民共に数万人の死傷者を出した。
日本国総理大臣は自衛隊に防衛出動を命令した。予備自衛官が招集され、企業や学校は当面の間活動休止となり、市民の山間部や都心部シエルターへの避難が始まった。
中国軍第二砲兵(戦略ミサイル軍)によるこのミサイル飽和攻撃は米国インド太平洋軍司令部を震撼(しんかん)させた。
極東の一大補給拠点であった在日米軍基地が一時的に機能停止したため、極東地区における米軍の第一列島戦線維持が不可能となり日本列島はもとより台湾、フィリピンの防衛までもが困難となったのである。
事態を重く見たインド太平洋軍司令部はペンタゴンの統合参謀本部、ワシントンの海軍作戦部長と協議した結果、アジア地区における中露勢力の侵攻を食い止めるべく重大な決断をした。
12月30日未明、米国グアム島アンダーセン空軍基地から戦略空軍爆撃機が出撃、上海条約機構の本部がある上海、ロシア極東艦隊司令部があるウラジオストック、北朝鮮の首都平壌(ピョンヤン)に核攻撃を行った。
同日午後、米国西海岸のサンフランシスコ、サンディエゴ海軍基地、韓国臨時政府の首都釜山に中国とロシアが新型大陸間弾道弾(ICBM)を発射。新型弾道ミサイル迎撃に失敗したサンフランシスコと韓国臨時政府の首都釜山は核の炎に包まれて壊滅した。
日米とNATO諸国、フランス、インドは西側陣営として中国とロシアを激しく非難し、各国は臨戦体制に突入した。
中東では黙示録における「最終戦争」が不可避になったと各国の宗教指導者が扇動したために、人々が最後の「聖戦(ジハード)」を実行すべく、エルサレムとヨルダン川西岸地区でイスラエル警察、軍に投石や発砲、自爆テロで攻撃を行い、イスラエル側の反撃で双方1万人近くの死傷者が出た。
この出来事でイスラエル周辺諸国の軍事的緊張が一気に高まり、イスラエル首相は国家総動員法を発令、18歳以上の若者が軍隊に招集され、民間防衛隊の出動が始まった。
同様にインドとパキスタン国境においても両軍の戦力がカシミール地方に集結して軍事的緊張が極度に高まった。
12月31日の時点で、第三次世界大戦は不可避と世界中のあらゆる指導者が確信した。
日本国内では、『時局を考慮して』紅白歌合戦や、民放各社の年末年始娯楽特別番組、年末ジャンボ宝くじ当選発表等は総務省の『強い要請により』延期された。
渋谷では恒例の年末カウントダウンが中止されたために、怒った一部の若者と左翼思想の過激派が警察機動隊と衝突、渋谷センター街の一部も過激派による放火で破壊された。
警察と公安に逮捕された若者達は2000人を超え、双方の死傷者は300人以上となった。
東京都知事は、首相官邸を通じて陸上自衛隊に応援要請を行い練馬の第32普通科連隊が治安出動する事態に発展した。
箱根駅伝が中止された、2019年1月2日午後9時45分、極秘裏に打ち上げられた日本の早期警戒衛星『あさがけ』がユーラシア大陸各地から多数のICBMが日本列島全域を目標として発射されたのを探知した。
探知したICBMは150基を優に超えた。
同9時50分、日本海に展開していた海上自衛隊イージス艦『こんごう』『みょうこう』、米国海軍『ウィルバー』から迎撃ミサイルが発射された。また、本州の各自衛隊基地からはTHAAD(サード)、PAC(パックスリー)3が迎撃を行ったが、迎撃に成功したのは僅か8割だった。
同9時55分、日本国政府は日本列島全域にJアラートを発令。
不協和音が織り成すミサイル警報サイレンを耳にした大月や西野、春日達も含む日本国民が意識を失う最後に視たのは、北西の澄んだ夜空を横切る数十の美しい流れ星と天空から降り注ぐ眩(まばゆ)いばかりの白光(びゃくこう)だった。
2019年1月2日午後10時、日本列島は『地球上から 』消滅した。
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日本列島が地球上から消滅した1時間後。
2019年1月2日午後11時、米国アラスカ州から飛来した米国空軍のWC135大気観測機はロシア軍暗黙の了解のもと、カムチャッカ半島から南下して台湾まで飛行し、北海道から沖縄に至る地域を含む日本列島の完全消滅を確認した。同時に大気中のサンプルから自然界に存在しない強烈な濃度の各種放射性物質を検知した。
観測データは自動的にペンタゴン(国防総省)とモスクワのクレムリンに送信された。
米中露政府はスイスジュネーブでの交渉で、日本列島消滅を両陣営における相互確証破壊要件に該当する事で合意、西側への代償としてクリミア半島セバストーポリと中部工業都市ミンスク、中国内陸部工業都市 重慶への報復核攻撃、テヘラン郊外にあるイラン核施設へのイスラエル軍の空爆、キューバへの米国軍事進攻を中露が黙認することとなった。
衛星軌道を回る国際宇宙ステーションの地球観測システムは、日本列島周辺が消滅する直前に、強力な重力振動と電磁フィールドの発生を探知した。
また、NASAの月面観測システムも検知機器が故障する程の猛烈な電磁波と重力エネルギーが月面から日本列島を指向して発生したことを探知した。
しかしこの情報が米国政府中枢で生かされることは無かった。
北東アジアで発生した強烈な重力波振動と、南北1500㎞の長大な日本国土及び周辺海域分の質量が失われた巨大な「ひずみ」は、世界各地の地殻、マントル活動を激しく刺激して超巨大地震と大津波、火山の大噴火が地球規模で同時多発的に発生した。さらにポールシフト(地軸変動)をも生じさせて南北両極氷床の一部が融解、地球海面が5m上昇した。これによって多くの島々、世界中の低海抜地帯が水没した。
各大陸沿岸部の既存港湾は全て水没、パナマ運河も大津波と海面上昇により人工的な運用が不可能となるなど、世界中の海運に致命的な打撃を与えた。
ポールシフトは地球磁場の大変動を引き起こし、無線通信が不安定となり地上と衛星の送受信が出来なくなった。当然にGPS機能が全く機能しなくなった。
また、世界中の火山帯が活動を活発化させた為に地球全域が火山灰に覆われてあらゆる航空機の飛行が困難となった。
都市部では降灰により送電施設がショートして故障、電力供給が困難となった。
この天変地異で大半の国が大混乱の末、政府組織が統治機能を失って消滅していった。
特にアジア・アフリカ・中南米においては一つの国も存続が出来なかった。
このような状況下で生き残った人類が、既に消滅した極東の島国に想いを馳せる暇など無かった。
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m