2023年7月4日23時01分【月面都市ユニオンシティから90kmの宇宙空間】
黄少佐はコクピット内に警報音が鳴り響くと脅威の方角を確認しないまま、操縦桿を前へ思い切り倒した。コクピットの少し後ろにある姿勢制御ノズルがバシュッ、と炭酸ガスを噴出して機体を強引に下方へ向けさせる。先程まで機体があった場所に幾筋ものレーザーとレールガンの輝きが殺到した。
黄は戦術情報AIに頼らず、殆ど自身の勘に従って敵弾を避け、同士撃ちを躱し、レールガンと小型ミサイルを乱射する敵の自動迎撃衛星群を突破すべくジグザグな針路を取りながら敵機動艦隊に肉薄しようとしていた。
やがてヘッドアップディスプレイに近距離レーダー反応を画像処理した映像が表示され、暗闇でレールガンやレーザーを周囲に放つ巨大な艦影が肉眼の視界に入った。
「こちらシャオランリーダー、敵空母と巡洋艦がミサイルの射程に入った!」
僚機からの返事を示す無線スイッチがカチカチと数回返ってくる。僚機も戦闘機動に忙しくて声を挙げる暇も無い様だった。
交戦開始時に60機だった味方は、異星人の自動迎撃衛星と機動艦隊の弾幕による防衛陣に阻まれて甚大な損害を出していた。
このまま行くと味方の艦隊が、援護の無い状態で敵月面基地へ突撃する事になりそうだった。
味方艦隊の損害を今の内に減らすべく、黄は空母への攻撃を決意する。
「こちらシャオランリーダー、これより敵空母に仕掛ける!支援を要請する!統合政府万歳!」
戦域通信で味方に宣言した直後、黄の後方を進む味方艦隊からレールガンやレーザー砲、宇宙魚雷があてずっぽうに敵艦隊の針路へ放たれた。
少しでも敵艦隊の注意が逸れる事を期待して黄は機首を敵空母に向けた。敵空母は前方から迫る宇宙魚雷や数少ない味方機の迎撃に気を取られているだった。
「距離1500m、ミサイルランチャー全弾発射」
充分に空母斜め後方から接近すると、両翼に温存していた16連装ミサイルランチャーから飛び出したミサイルが一直線に空母へ向かった。
攻撃を終えた黄は、戦場から離脱すべく機体を反転させた直後、背後から30mm弾を左主翼に被弾して戦闘機はコントロールを失った。
視界がぐるぐると回転する中、ストライプ模様の敵空母甲板が眼前に拡がった所で黄の意識は断絶した。
高瀬中佐率いる自衛隊パワードスーツ部隊は、空母ミッドウェイにミサイルを乱射したシャドウ帝国軍戦闘機に30mmガトリングガンを浴びせていた。
ガトリングガンの弾幕で損傷したミグ98戦闘機はくるくるとコントロールを失って回転しながらミッドウェイの飛行甲板に激突して爆発した。
-ーー【月面都市「ユニオンシティ」防衛軍臨時司令部】
「空母『ミッドウェイ』大破!戦線離脱します!」
「ミッドウエィは直ちに帰投せよ!宇宙ドック、消火隊出動せよ!」
「シャドウ帝国軍艦隊40kmまで接近!拡大画像出します!」
司令部のメインスクリーンにじわじわと接近する5隻の艦影がズームアップされる。
「2隻はB2S爆撃機を上下にくっつけた感じだな。その隣は、潜水艦改造型か?」
「艦影照合、ロシア海軍タイフーン級戦略ミサイル原子力潜水艦「アドミラル・クズネツォフ」に酷似しています。照合率90パーセント!」
「われわれもロスアンゼルス級原潜を宇宙用に改造しているからそんなものか」
「中央の1隻はアースガルディア宇宙艦隊の「ピョートル大帝」に似ていますね」
「支援機も無い状態で艦隊ごと突撃するなど、奴ら何を考えている!?」
「あのB2合体型の下にあるコンテナは何だ?明らかに怪しいぞ!」
「おい!敵戦艦の下に人間が張り付いているぞ!」
「馬鹿!あれはアンドロイドロボットだろ!」
司令部に詰めている作戦将校や情報将校が、モニターから推測される戦力評価を行う。
「今回の敵襲は、ただ単に航空撃滅戦で基地の戦力を削るだけでは無いようね。月面都市を殲滅する事が目的ね」
結がモニターに映し出された敵艦隊の戦力分析内容を一瞥すると呟いた。
「しかし現状の戦力では、戦闘機の侵入を防ぐだけで精一杯です!とても艦隊を迎え撃つ事など不可能です!」
作戦将校が応える。
「何とかするしかないのよ。今月面を奪われたら地球の部隊は孤立して今度こそ全滅する」
結が作戦将校を叱咤する。
先程の戦闘では、アースガルディア戦役で効果を発揮した敵戦闘機機動パターン解析も通用しなかった。地球技術対マルス文明の支援を受けた日本科学技術による圧倒的な戦いではなく、「同レベルの相手」と戦う事に結は焦りを覚えていた。
「敵戦艦に張り付いたロボットが携帯しているスナイパーライフルに注意せよ!奴らは隠し玉をまだ持っているかもしれんから用心しろ!」
緊張した声で情報将校が防衛部隊に警告した。
「敵艦隊から射撃管制レーダー照射されました!」
「パワードスーツ部隊は敵戦艦の撃沈を優先!防衛艦隊「そうりゅう」「ドゥ・リシュリュー」「インディアナポリス」は迎撃衛星展開地点のすぐ後ろまで前進!これ以上敵の接近を許すな!」
シャドウ帝国軍艦隊からの直接砲撃が始まると、結が東山のスーツの裾を掴んで注意を引く。
「東山、ちょっと付いて来なさい」
結が白衣を翻して司令部を出る。慌てて東山が後を追った。
ーーーーーー
【月面都市「ユニオンシティ」内部宇宙ドック ユニオンシティ義勇軍宇宙空母『ミッドウェイ』】
ミグ戦闘機の体当たりを受けて飛行甲板が大破した空母が、宇宙ドックへ入港するなり消火作業と応急修理を受けていた。
「親父さん!どうして私は出撃しないで地下格納庫で待機なんですかっ!?まだ日本軍やほかの国々が戦っているんだよ!?戦闘機も沢山あるのに、どうしてっ!!」
だぶだぶのパイロットスーツに少尉の階級章を張り付けた少女が整備班長に詰め寄っていた。
「ソフィー嬢ちゃんよぅ。戦闘機なんざ腐るほど有ってもパイロットが居なくちゃ只の粗大ゴミだぜ」
年配でソフィーから見ればまるで父親並みの年齢と貫録を感じさせる整備班長が応えた。
「・・・お嬢ちゃん、さっきの出撃で嬢ちゃんの面倒を看てたグリーンリーダーが戻って来ねえのは分かっているんだよな?」
静かな声音で班長が訊く。
「いいか?さっきの出撃で9割の戦闘機が未帰還だ!相手の戦闘機の性能が圧倒的らしい。そんな所へヒヨッコがのこのこ出撃してみろ!直ぐに叩き落とされて塵だ!そうなったら誰がこの月面都市を守るんだ!?ええ!?」
整備班長が少女少尉の顔を睨み付けて捲し立てるように言った。
「ごめん、親父さん。ちょっと私冷静じゃなかった」
余りの剣幕で冷や水を浴びせられたソフィーは我に返ると整備班長に謝罪する。
「うんにゃ。今はまだ戦闘中だ。何時お呼びがかかるか分からんのだからコクピットに籠もって頭でも冷やしてろ!」
気にしてないとばかりに軽く頭を振った整備班長は他の機体の整備に向かった。
整備班長に言われるまま、しばしF45のコクピットで戦域通信を聴いてみたりしたが、大破して身動きの取れない空母に籠もったままではどうにもままならず、嫌気が差したソフィーは、整備員に一声かけて気分転換がてら宇宙ドック内の食堂へ向かった。
月面都市内は相変わらず非常サイレンが鳴り響いており、部品や弾薬を積んだ電動カートが慌ただしく宇宙ドックと司令部を行き来していた。
ソフィーは自分も防衛に携わろうと考えたが、戦闘機は飛行甲板が大破して使用出来ず、格納庫で宝の持ち腐れである。
宇宙ドックに併設されたスクランブル用滑走路を覗いてみたが、ハンガーで待機している戦闘機は皆無であり、全機出撃しているようだった。もしくは、整備班長が言ったように全滅しているのかもしれない。
思った以上に深刻な状況を認識したソフィーは、頬を叩いてクールダウンする。
食堂へ向かう途中、前方に白衣を着たトカゲ娘とスーツ姿の日本人が何やら言い争いながら歩く姿が目に入った。
「戦闘中ですよ、結さん!」
「これから切り札を使うから付いて来なさい」
二人は後ろを歩くソフィーに気づかずに言い争いながら食堂へ入っていった。
「切り札」と言う言葉に興味を持ったソフィーは、直ぐに後を追いかけて食堂へ入ったが、閑散とした食堂に人影は無かった。
諦めて自動販売機で紅茶でも飲もうと販売機に近づいたが、殆どの種類は準備中や売り切れ表示で途方に暮れる。
唯一販売していた「かぼちゃポタージュ カスタードプリン風味 車海老入り」という謎ドリンク?を見つけて仕方なく購入のタッチパネルに触れるソフィー。
タッチパネルに触れた瞬間、足元が突然消失してソフィーは床に飲み込まれた。
ソフィーは宇宙ドックから更にその下へ拡がるマルス文明研究施設まで、ジェットコースターのように曲がりくねった空間をひたすら滑り落ちていくのだった。
月面都市地下2kmにある結の研究室は、地球観測人工天体時代のマルス文明研究施設群の名残である。
広大な研究ラボの一角に、1体の真新しいパワードスーツが電磁カタパルトに立ちあがった状態で装着されていた。
結が青色と白にカラーリングされたパワードスーツに近づくと、茫然と研究ラボを見渡していた東山を手招きした。
「・・・結さん、これは?」
「ヒト型決戦兵器、経産省推奨AI搭載、21型パワードスーツ『サキモリ』君よ。姿勢制御、目標補足から攻撃までAIが最大限にパイロットの能力を引き上げて補助する機体よ!」
結が白衣を翻して東山へ向き直ると両手を広げ、
「さあ、東山。これに乗って地球を救うのよ!」
「ごめん!マジで無理」
速攻で拒絶する東山。
「はっ!まさかのお断り!?おかしい。このシチュエーションでは、安室君も真司君も何だかんだ言って乗るのに・・・ビンタが足りないのかしら?」
右手を振り上げて東山に襲い掛かる結。
「どこのアニメの設定だよ!」
両腕で結のビンタから顔をガードする東山。
顔面防衛に成功した東山が呆れた顔で首を傾げる結と睨み合った瞬間、
「ちょっと待ったーっ!」
研究ラボの入り口から何故かお尻を痛そうに抑えた金髪の少女パイロットが現れ、プルプルと子鹿のような足取りで二人に近づく。
「話は聞かせてもらったわ。その機体、私が乗るわ!」
少女が結に搭乗を申し出た。
「貴女は?」
「ユニオンシティ義勇軍第1宇宙艦隊 空母ミッドウェイ所属、ラビット飛行中隊のソフィー・マクドネル少尉です!」
お尻を抑えていた少女が飛び上がるように結と東山にビシッと敬礼をする。
「貴女、持ち場を離れて何をしているのかしら?」
「先ほどの戦闘で飛行隊は壊滅、私の様な駆け出しパイロットは出撃を禁じられているのであります!」
「駆け出しに扱える代物ではないの」
「これでも戦闘機シミュレーターではトップの成績でした!」
「これは実戦よ?」
「承知しております!自分は宇宙で飛ぶ事しか才能が有りません!」
しばらくムーンと俯いて唸っていた結だが、ガバッと顔を上げると
「そう。直ぐに乗りなさい。操縦席に入れば後はAIが何とかしてくれる」
「はっ!ありがとうございますっ!」
ソフィーは二人に再敬礼すると、カタパルトをよじ登ってコクピットへ潜り込んだ。
「いいんですか?」
困惑気味の東山が結に訊く。
「AIが操縦や攻撃の大半をするから多分大丈夫」
胸を張ってムフーと鼻息い結。
「東山、司令部に戻ってあの娘のサポートをするわよ」
再び司令部に戻るべく、食堂へ転送させる機能を持った自動販売機に手を触れる結と東山だった。
-ーーーーー
「こちらインディアナポリス、司令部!横っ腹にミサイルを喰らった!機関破損、水素燃料圧力低下、外へ漏れてる!エンジン出力急速低下!操舵不能!」
「インディアナポリス!総員退艦しろ!艦を棄てるんだ!」
「駄目だっ!脱出艇格納庫大破使用不能!このままだと艦ごとシティに墜落する!」
艦内から水素燃料と水蒸気を含んだ白煙を大量に吐き出す巡洋艦が、ゆっくりと高度を下げながらユニオンシティ市街地へ落下しようとしていた。
-ーーーーーー
サキモリのコクピットに入ったソフィーをAIがコントロールパネルで出迎えた。
「ようこそサキモリへ。私は本日の機体制御役、パナ子です」
「ソフィー・マクドネル少尉よ、認識番号20239685」
「金髪美少女キタ――(゜∀゜)――!!!」
「えっ!?」
「でもでも、私にはケンがいるからごめんなさいm(__)m」
「お構いなく、私も百合趣味じゃないから」
「暗証コード『百合趣味』照合完了、システム起動、操縦系統解放」
「何ていい加減な暗唱コード!?」
「すぐに防衛部隊に加勢したいの。出来る?」
「イエスマム。シートベルト装着を。水素イオンエンジン出力上げます。出撃ゲートへ移動」
白と青の塗装が施された機体は、カタパルトごとエレベーターに乗って研究ラボを離れ、月面地表へ上昇していく。
-ーー【ユニオンシティ連合防衛軍臨時司令部】
「これで何とかなるかしら」
司令部でサキモリのモニターを見守っていた結がホッと息をつく。
「彼女、本当に大丈夫でしょうか?」
心配する東山。
「少なくとも彼女は貴方より積極的。AIのサポートが嵌れば大丈夫よ」
モニターを無表情で眺める結だった。
「自衛隊PS部隊!インディアナポリスの救援へ向かってくれ!」
「こちらPS部隊高瀬。無理だ!敵艦隊と交戦中。弾幕を避けるので精一杯だ!」
「誰か巡洋艦を救えないのか!?」
巡洋艦が都市に墜落する最悪の状況を誰しもが想像した時、司令部のスピーカーに少女の声が響く。
「こちら機動兵器『サキモリ』ソフィー・マクドネル少尉。巡洋艦救助に向かう!」
司令部の将校達が顔を見合わせる。
「『サキモリ』とはなんだ!?」
「私が研究開発していたAI制御による新型パワードスーツよ」
白衣を纏う結がフンスと胸を張って将校達の前へ進み出る。
「彼女は通りすがりの戦闘機乗り。大破した空母の飛行隊所属みたいね」
「よし!『サキモリ』巡洋艦を月面都市郊外へ不時着させてくれ!」
「サキモリ、ラジャ!」
青と白のストライプ模様のパワードスーツが推進炎を勢いよく噴きだしながら大破した艦体から大量の水蒸気と煙を吐き出している巡洋艦の艦首に取り付くと、都市郊外へゆっくりと針路を変えて移動させた。
サキモリが巡洋艦に取り付いて15分後、大破した巡洋艦インディアナポリスは無事、月面都市郊外にある軍の訓練区画への不時着に成功した。
「『サキモリ』よくやった!次は接近中の敵艦隊を迎撃してくれ」
「支援機は?」
「自衛隊PS部隊が対応する」
「了解、敵艦隊の下から仕掛けるわ」
サキモリが最大出力で敵艦隊へ吶喊する。
ソフィーのヘッドアップディスプレイに画像処理された敵艦隊が表示され、みるみると迫ってくる。
「敵艦隊捕捉。30mmガトリングガン射程に入りました。背面ロケットランチャー自動照準開始」
パナ子のメッセージがソフィーのヘルメットに流れる。
「よし、味方艦隊の下から突撃して敵艦隊の陣形を崩すわよ!」
「イエスマム。エンジン出力120パーセント、レーザーシールド展開、最大加速」
瞬く間に流星と化したサキモリが防衛艦隊と砲撃戦を繰り広げている敵艦隊の下から突き抜けるようにガトリングガンを乱射しながら、ロケットランチャーからミサイルを四方にばら撒いた。
-ーー【人類統合政府軍宇宙機動部隊 旗艦「アドミラル・ゴルシコフ」】
接近警報が艦橋に鳴り響いていた。
「方位S06から敵機動兵器急速接近!」
「近接防衛システムオン」
「シールド展開間に合いません!」
「巡洋艦「クリル」「バイカル」機関部に被弾!速力低下!」
「うろたえるな!今は敵艦隊との砲戦に集中しろ!」
艦長席に座る王准将がオペレーター達を叱咤する。
「こちらシェンロンリーダー、生き残った戦闘機は艦隊直援に回れ!最優先命令だ!」
王が戦闘機部隊に指示する。
「シャオラン中隊、ウラル中隊全滅!生存機は敵機動兵器別動隊と交戦中!足止めされています!」
「月面都市までの距離は?」
「11kmです」
「少し遠いが致し方ない。全艦隊、掘削弾頭発射準備。起爆スイッチは地表接触から30にセット。核弾頭安全装置解除!」
王が月面破壊用弾道弾の発射準備を命令した。
月面都市防衛艦隊と自衛隊PS部隊、サキモリの猛攻を受けて艦のあちらこちらから破片や水蒸気をまき散らしながら進むシャドウ帝国艦隊各艦は、下部のコンテナを開放させて大型弾道弾の発射態勢に入るのだった。
-ーー【ユニオンシティ臨時防衛軍司令部】
「敵艦隊が大型ミサイル発射準備に入りました!」
「新たな射撃管制レーダー波探知!照射エリアは月面全域!」
息を呑むレーダー管制官。
「奴ら月面を噴き飛ばすつもりか!?」
「最終手段という所ね」
狼狽する作戦将校に結が応える。
「こちら結、サキモリは大型ミサイルの破壊に専念して。高瀬のPS部隊はサキモリを支援して」
「サキモリ、ラジャ」
「高瀬、了解した」
月面都市防衛戦は佳境を迎えつつあった。
-ーーーーー
【地球 欧州 イングランド ブリテン島 ニューベルファスト防衛軍レジスタンス基地】
地下格納庫で整備中の戦闘艦「マロングラッセ」内に在る個室で、デザートのプリンに脇目も振らずに瑠奈が端末を操作していた。
「うーん。結姉様からの頼まれ事とは言え、これって犯罪行為っスよね?」
先日のプリン争奪戦でワイズマンから端末アクセスコードを獲得した瑠奈が、イスラエル連邦政府のサーバーにアクセスを試みる。
「何なんスか!?これは!」
システム端末でアクセスしたイスラエル保険省の機密データーを読み取ると、あどけない顔を嫌悪感一杯に引き攣らせた瑠奈が絶句する。
「・・・こんなおぞましい事を地球人類はするんスね」
瑠奈はデーターを直ぐに月面の結と火星日本列島に居る美衣子へ転送すると呻いた。
「・・・ワイズマン中佐はこの事を知っていたんっスかね?」
瑠奈は端末を閉じると珍しく沈痛な顔をしてワイズマンが女王陛下と耐熱タイルをこねている地下司令部へと向かうのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m
【このお話の登場人物】
大月 結=マルス文明「尖山基地」管理人工知能。マルス三姉妹の二女。
【挿絵表示】
*イラストは絵師 里音様です。
大月 瑠奈=マルス文明地球観測天体「月」管理人工知能。マルス三姉妹の三女。
【挿絵表示】
*イラストは絵師 里音様です。
東山 龍太郎=内閣官房首相補佐官。日本国地球方面特別全権大使兼ミツル商事地球方面支社長兼連合防衛軍月面基地司令官。ひかりの大学時代の同級生。大月家と関わりを持つ苦労人。
【挿絵表示】
*イラストレーター 更江様の作品です。
ソフィー・マクドネル=ユニオンシティ義勇軍戦闘機パイロット。少尉。17歳、女性。
パナ子=機動兵器サキモリの機体制御システムを担当している人工知能。民間企業PNA総合研究所の人工知能。
経済産業省HP内 AI出逢い系サイトの常連。AI彼氏が居る(第90話ご参照)。
【挿絵表示】
*イラストはお絵描きさん らてぃ様の作品です。
高瀬 翼=航空・宇宙自衛隊 特殊機動部隊隊長。中佐。
ペレス・ワイズマン=イスラエル連邦軍特殊部隊隊長。中佐。ミツル商事PMC部門に出向中。ブリテン島で瑠奈と行動を共にしている。
ロイド=地球連合防衛軍ブリテン島レジスタンス部隊司令官。英国連邦極東軍中将。
女王陛下=大英帝国国家元首。避難民を守る為にレジスタンス部隊と行動を共にしている。
黄 浩宇(コウ ハオユー)=少佐。人類統合政府軍宇宙機動部隊パイロット。