・大月(おおつき) 満(みちる) = 40代。主人公。総合商社角紅社員。内閣官房室に出向。
・西野 ひかり= 20代後半。ヒロイン。総合商社角紅社員。
・春日(かすが) 洋(ひろし)= 20代前半。総合商社角紅若手社員。魚捌きは上手い。
・東山(ひがしやま) 龍太郎(りゅうたろう)=20代後半。西野の大学同期。首相補佐官。
・イワフネ=マルス人。月(観測ラボ『ルンナ』)が彗星により損傷した時、自動的に地球に降ろされた。
・ゼイエス=マルス人。アカデミー特殊宇宙生物理学研究所技術担当。
・アマトハ=マルス人。アカデミー特殊宇宙生物理学研究所 所長。ゼイエスの善き理解者。
・岩崎(イワサキ)=内閣官房長官。温和。
地球暦2019年6月2日午後7時【富山県立山市
アマトハは、イワフネ達生き残りの生存を天草から知らされると心から安堵した。
アマトハ、ゼイエスの強い要望で、その日のうちに、
アマトハ達は、シドニア地区の旧マルスアカデミー本部に保管されていた、マイヤー型連絡挺で電磁フィールドを
尖山周辺は自衛隊と極東アメリカ合衆国が封鎖し、警戒ヘリも飛んでいた。
大月を通じて事前に連絡を受けていたイワフネ達は、『タカミムスビ』の自律防衛モードを解除してアマトハ達と大月、天草達関係者を迎え入れた。
マイヤー型連絡挺が、尖山山頂から山体内の基地に収容され、大月、天草達の乗る自衛隊ヘリは中腹からいつの間にか伸びてきた巨大な金属製のヘリポートに着陸し、そのままヘリポートは山体内に収容された。
先に収容されたマイヤー型連絡挺のハッチが開いてアマトハ、ゼイエスが降り立つと、イワフネ達生き残りが二人に
「遅れて済まない、イワフネ。」アマトハが言った。
「大勢の乗組員を彗星から守れなかった、すまん。」イワフネが沈痛な表情で謝罪する。
「地球人からもらったデータを見た。
あれは、避けようがない。完全なAI制御は"あの頃の技術だと"難しいと思う。ルンナのAIは最善を尽くしたと思う。イワフネ、君もな。よく生き残ってくれた。」アマトハがイワフネ達生き残りを見回して、永年の苦労を
イワフネ達生き残りは感極まって泣いていた。
「大月さん。」しばらくするとイワフネが、基地の片隅で彼らをそっと見守っていた大月、天草達の宇宙関係者に近づいてきた。
イワフネが鱗に覆われた右手を差し出すと、
「心からありがとうと言わせてくれ。」と言った。
大月は両手でイワフネの差し出した手を握るとはにかんで、「どういたしまして」とだけ言った。
「貴方がイワフネを見つけてくれたのですね、ありがとう。」アマトハが近づいてきて礼を述べた。
「どういたしまして、きっかけは彼女が偶然作ってくれました。」大月は照れながら、西野ひかりを紹介した。
「まさか、磁石が狂う石をピラミッド状に積み上げただけで中に入れるとは思っても見なかったのですよ?」西野が笑いながらアマトハとイワフネに話しかける。
「そうでしたか。私達のエネルギー源は貴女が言った磁石が狂う石を三角に積み上げることで賄っているのですよ。他にも、通信、信号に応用もしていますよ。」最後に近づいてきたゼイエスが言った。
「原理は後日、ご説明しましょう。」アマトハが会話を引き取った。
「楽しみです。これ以上
大月や天草達合同通信チームが陸自ヘリで尖山を離れると、再びタカミムスビによる竜巻が発生して、山を覆い隠した。
翌日、早朝にアマトハ、ゼイエスとイワフネ達生き残りは尖山を一時閉鎖して、連絡挺でシドニア地区の旧アカデミー本部に向かった。
旧アカデミー本部でアマトハとイワフネは、プレアデスアカデミー本部に恒星間通信で、ルンナ生存者の救出と第3惑星人とのコンタクトを報告した。
プレアデスアカデミー本部は、生存者救出に歓喜し、直ちにオウムアムル型光速救難艦を派遣した。マルス到着まで2年との事だった。
ちなみにゼイエスが実証した恒星間心身同調ネットワークシステムを希望した者は、居なかった。
ゼイエスは心なしガッカリしていたが。
第3惑星人とのコンタクトについては、オウムアムル型救難艦到着までの期間を文化交流、技術承継に充てることを決定し、アマトハとゼイエスを臨時マルスアカデミー使節団に任命した。
また、オウムアムル型救難艦帰還時に、地球人希望者のみプレアデスアカデミーに長期留学生として
これらの方針が人類に伝えられ、日本国、極東各国が対応を検討した後、
地球歴2019年6月25日、マルスアカデミーと日本国、極東各国との間でそれぞれ、技術承継又は、共同技術研究の協定が締結された。
後楽園ドームシティの調印式で5万人の群衆に歓喜の声で迎えられたマルス人達は、人類が持つ独特の熱意に感嘆しながら、調印式に臨んだ。
アマトハと澁澤始め、ミッチェル大統領等、極東各国代表が調印する中、イワフネは、今度こそマルスの技術が人類の恒久発展に使われる事を願ってやまなかった。
ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m