その先の物語   作:人間性の苗床マン

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マム太郎(♀)強ぇ……
マグマブレスでパーティーが融ける熔ける(誤字にあらず)。

フロンティアも斬裂松ぼっくり追加ですねぇ……なんか翼が赤く光ってましだが、どれほど魔改造されたのか……

今回はヒュドラです。エセアルラウネはどうしたのかって?

……さぁて、今頃首から上が蒸発してビクンビクンしてるのでは?(思考放棄)


覚醒せし無双の御子

そんなこんなでやって来た百階層。

 

途中の階層にて大量の魔物が一斉に襲いかかってきたりもしたが、四人のコンビネーションであえなく殲滅された。

まぁ、殆どがあまりの魔物のしつこさにキレた帆楼による薙ぎ払いだったが。

途中、首から上が消滅してピクピクしている植物の蔓を携えた死体もあったが、まぁなんというか……ご愁傷さまだった。

 

因みに現在のリリィとハジメのステータスは―――

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:76

天職:錬成師

筋力:1980

体力:2090

耐性:2070

敏捷:2450

魔力:1780

魔耐:1780

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

リリィ・ドーラ 17歳 男 レベル:76

天職:幽霊

筋力:4500

体力:∞

耐性:∞

俊敏:8800

魔力:8500

魔耐:∞

技能:機凱種(エクスマキナ)特性【創造主(帆楼)直接連結】・模倣武装典開・精霊回廊接続神経[魔力無限補充]・再構築[体]・■神(ア■トシュ)ノ加護・ステータス偽装・魔力操作[+吸収][+放出][+個別操作]・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

と言った感じに成長した。

ただ、もう技能はあまり増えないようである。

主級の魔物でもたまにしか取得でなくなった上、道中の魔物では全く技能が増えなくなった。

 

どうやら、強い魔物が弱い魔物を喰らっても技能を簒奪できないように、格上殺し(ジャイアントキリング) をしなければ技能も増えないようである。

 

そして、第百階層へと足を踏み入れる。

 

 

「……ふわぁ……」

「おぉ……」

「……すごい」

「壮大じゃのぅ……」

 

そこは巨大な広間だった。

幾つもの太い螺旋模様の刻まれた支柱が並び、それに蔓が巻き付いて、その年期を感じさせる。

 

柱の並びは規則正しく一定で、それが一層この場所の荘厳さを強調している。

地面も荒れておらず、平らな地面が広がっている。

 

一歩足を踏み込むと、規則正しく並んだ支柱が淡く輝きだし、リリィ達のいる方向から奥へ向かうよう順々に光が灯っていく。

 

警戒しながら足を運ぶも、特に何も起こらず二百メートルほと歩いたところに行き止まりがあった。

 

それは扉であった。全長十メートル位ありそうな巨大で重厚な両開きの扉。美しい彫刻が彫られており、七角形の頂点に何らかの紋様が描かれているのが印象的な扉だ。

 

「……すごい、存在感……」

「これが……もしかして」

「……反逆者の住処?」

「凄い凝った彫刻よのう……」

 

まるでそれはゲームのラスボスがいる部屋の扉のよう。

ダーク○ウル3のア○ール・ロ○ドの暗月警察待ったなしの某神喰らい様の部屋に続く扉のようである。

 

それに、何故か背筋に悪寒が走っている。

この先には何かがある。それも、恐ろしくも希望となりうるであろう何かが。

 

そして、扉の手前まで続いていた支柱の最後の一本を踏み越えたその時、目の前に直径三十メートルを越えるであろう赤黒く光を放つ魔法陣が顕れる。

あのトラップで転移させられた橋で見た、ベヒモスが現れた魔法陣を彷彿させるソレは、あのベヒモスの魔法陣より複雑多岐で緻密な式だった。

 

ドクンドクンと胎動するような音をたて、その光が高まってゆく。

 

「……おいおい、いったい何が出てくるってんだこれ!?」

「……でかすぎ、でしょ……っ」

 

そして、光が限界まで高まり極光が弾ける。

目を覆い、光で目が潰されないようにする。

 

弾けた光が収まったその場所にいたのは、体長三十メートルはある、六つの掲げられた蛇頭に長い首、鋭い牙に爛々と輝く瞳。

例えるならば、神話に登場するヒュドラのよう。

 

「「「「「「クルゥァァアアンッ!」」」」」」

 

不思議な音色の絶叫を放ち、六対の鋭い瞳がリリィ達を貫く。

尋常ではない殺気に気を引き締め直す。

 

そして、赤い魔法陣が刻まれた蛇頭が口を開き、そこから灼熱の息吹が放たれる。

まるで炎の壁のように拡がる吐息(ブレス)

 

全員でその場から散開し、反撃を開始する。

 

ハジメが銃で隙のできた赤頭を吹き飛ばすも、白頭が咆哮をあげ、白い光が赤頭を包むと何事もなかったかのようにその赤頭が再生された。

 

リリィも黒頭を吹き飛ばし、ユエと帆楼が緑頭を吹き飛ばすも、再び白頭が咆哮をあげると瞬く間にその黒頭と緑頭が再生する。

 

“くそっ、埒が明かない!あの白頭を狙うぞ!”

了解(ヤヴォール)

“心得たっ!”

“りょーかいっ”

 

念話で作戦をたて、実行に移す。

 

帆楼が手を薙ぎ、精霊の刃を放つ。

リリィが碧の砲撃を放ち、ハジメも銃弾を放つ。

そして、ユエの炎の槍“緋槍”も放たれ、白頭に迫る。

 

その白頭の前にぬっと顔を出す黄頭。その頭部に刻まれた魔法陣が輝きその頭が肥大化する。

そして、その猛攻を受け止めるも流石に受け止めきれず、その頭が吹き飛ぶ。しかし再び白頭の咆哮。たちまちその黄頭も再生する。

 

「……盾役……っ」

「攻撃に防御に回復、なんともバランスのいいことだなァッ!」

 

再生したそこにハジメは焼夷手榴弾を投げ込む。ヒュドラの頭上で破裂したそれは燃え盛るタールを降り注がせ、その熱に耐えかねた首たちが絶叫をあげる。

 

そして体勢を立て直しもう一度攻勢に出ようとした、その時だった。

 

「いやぁああああ―――ッ!!!」

 

ユエの哀しみに満ちた叫びが響きわたる。

 

「!?……ユエ!?」

 

そういえば先程から全くと言っていいほど黒頭が動いていない。

他の頭は皆攻勢や守勢に出ているというのに。

なら何もしていなかったのか?そんなはずがないだろう(・・・・・・・・・・・)ッ!

 

咄嗟に黒頭に標準を向けその頭を吹き飛ばす。青ざめた表情で倒れこむユエに青首がそんなユエを喰らおうと首を伸ばし大口を開ける。

 

加速減速を繰り返し、他の頭からの猛攻を避け、青頭とユエの間に体を滑り込ませる。その大口が閉じられようとするのと同タイミングであったが故に、その大口に挟まれそうになるのを銃砲のついている右手で防ぐ。

 

そして、左手を握り込み、青頭を殴り付けた瞬間―――

 

 

―――意識が暗転した。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

リリィは気づけば、見たことのない荘厳な神殿に立っていた。

 

辺りは白く輝き、神殿の荘厳さと見事にマッチし神秘的な光景を作り上げている。

 

「……ここは、何処……?」

 

 

――――漸く来たか、我が天敵……その息子よ――――

 

 

響いたその声音に辺りを見回す。

すると、目の前の景色が歪み、荘厳な玉座とそこに尊大に座る巌男が顕れる。

剛毛のような頭髪と顎髭。瞳は黄金色に輝き、その中心に十字架を湛えている。

背にはまるで外套のように広がる十八の白銀の翼。

 

そして、まるで世界そのものを直視しているような感覚に陥る偉容と存在感。

その存在に目を見開いていると。

 

――――フフッ、余の天敵が溺愛するだけあるな……可愛いものだ――――

 

その言葉に気を取り戻し、問うた。

 

「……あなた、は……?」

 

――――もうお前もわかっていよう?――――

 

「……やっぱり、戦神(いくさがみ)アルトシュ……?」

 

――――そうだ……お前の両親に倒させた最強であったもの()……それが余である――――

 

「……何で、あの加護をくれたの……?」

 

――――早速本題か……フフッ、まぁよいだろう――――

 

そう、機嫌よさそうに破顔し、話し始める。

 

――――理由はただ一つ……お前の行く先を見届ける為だ――――

 

――――余はお前の両親に破れた……余を破りし傑物だ、その後を余は消滅することなく眺めていた――――

 

――――そんな中、お前が生まれた……あの二人の笑顔に、余は心打たれたのだ――――

 

――――そして、お前はすくすくと成長していった……そんな時だろう……少し余にも親心というものが芽生えてな――――

 

――――それで異世界に飛ばされたのを見た……所詮塵芥である神を名乗るものにお前がいいように使われることだけは到底赦せなかった――――

 

――――故に、その塵芥に対抗できる術を与えたかった……両親から受け継がれた力だけでなく……余からも――――

 

――――まぁ、なんだ……折角この余に宿りし親心……それに従ったのみだ――――

 

少し恥ずかしげに語るアルトシュに……

 

「……ありがとう……」

 

――――フフッ……本当に可愛い奴よ――――

 

「……本当に、ありがとう……お爺ちゃん(・・・・・)……」

 

そう、微笑みながら返したリリィにアルトシュは……

 

――――フッ、フハッ、フハハハハッ!――――

 

呵呵大笑。空気を、世界を震わせながら笑う。

 

暫くアルトシュは笑い続けた。

そして笑いを収めて……

 

――――お爺ちゃんか……よいものだな――――

 

そして、周囲の明かりが一層強くなり始める。

 

――――嗚呼、もうこんな時間か――――

 

多分話しが出来る時間の限界が訪れようとしているのだろう。

 

――――善き時間が過ぎるのは早いものだ――――

 

「……また、話せる……?」

 

――――あぁ、話せるさ――――

 

――――心の中で余に語りかけよ……さすれば話くらいはできよう――――

 

「……わかった……」

 

――――ではな、我が()よ……これよりは研鑽の戦いだ……気を引き締めろよ?――――

 

「……りょーかい……」

 

――――フフッ、ついでだ……力の使い方を教えることが出来るものを贈ろう……仲良くするのだぞ?――――

 

「……?……わかった……」

 

――――ではな……らしくもないが、この言葉を贈ろう……汝の行く先に、幸あれ――――

 

そして、「もー!何故私がこのようなことをやらねばならないのですかぁー!」という声が耳に入るのとともに、意識が引き上げられた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

ユエを助けた瞬間、リリィが倒れ込んだ。

 

「リリィ!?」

「ハジメ、待つのじゃ……」

 

慌てるハジメにユエを此方に転移させキャッチした帆楼が額に冷や汗を滲ませながらハジメを制した。

 

「どうして!?」

「落ち着かぬか!見てみよ、ヒュドラがリリィの方を見て怯えておるじゃろう?」

「え?」

 

ハジメがよくよくヒュドラを見ると、「クルルルル……」と喉を鳴らしリリィを威嚇している。

かぶりつけば直ぐにでも殺せるであろうにも関わらず。

 

「……周囲の精霊が騒いでおる……何か起こるぞ、備えよ、ハジメ」

「あ、あぁ……」

 

次の瞬間だった。

 

リリィの懐からステータスプレートが飛び出した。

 

「やはりかッ!」

 

目を見開いている帆楼が目を向けている場所を遠見で見ると……

技能の欄、そのうちの一つが白銀に脈動しながら輝いていた。

 

 

 

――――技能:戦神(アルトシュ)ノ加護――――

 

そして、その横に文字が刻まれる。

 

――――[+天翼種(フリューゲル)化]――――と。

 

 

瞬間、紫の雷光がリリィを包み込む。

そして、その姿が変貌していく。

 

身長が少しばかり伸び、髪の色が白とプリズムのグラデーションへと変化する。

腰からは一対の白銀の翼が生え、黒紫の瞳に紫の十字架が湛えられ、頭に光輝く幾何学模様の輪が形成される。

 

そして、雷光が収まり、機械の鎧を纏った天使が降臨する。

 

リリィの少し散っていた焦点が定まる。肩の辺りが輝き、同じように翼を生やした小さな少女がポスンッと座った。

 

「はぁ~、任されましたよアルトシュ様ぁ……」

 

と、疲れた様子の少女に

 

「……大丈夫……?」

と労いの声をかけるリリィ。

 

「えぇ、気にしないでくださいな……自己紹介です。私の名前はシブリール。天翼種(フリューゲル)最終番個体(クローズナンバー)です」

「……私は、リリィ・ドーラ……よろしくね……」

「えぇ……では早速参りましょうか―――首刈りの時間です♪」

 

右手の砲台を格納し、両手で漆黒の鎌を構える。

そして、その姿が掻き消えた。

 

―――斬ッ―――

 

そんな音とともに白頭の首の横にリリィが現れる。

次の瞬間、白頭の首が根本からずれ、地面に落ちた。

 

「「「「「クルルゥァァァアァァア!?」」」」」

 

遅れて知覚した痛みと喪失感にヒュドラが始めての悲鳴をあげる。

 

「首もとがお留守ですよぉ~」

 

と、気楽な声音で少女が手に握られた剣を投擲する。

その投擲された剣の先にいた黄頭の首もずれて落ちる。

 

「……ハジメ、受け取って……」

 

と、ハジメのいる方に白と黄色の巨大な首が投げ出され、さらに青首も黒首も次いで投げ込まれる。

 

ついには残り一つになる首。ヒュドラは完全に萎縮しきっている。

 

「うおぉい!?」

「リリィ!大丈夫かの!?」

「……ん、大丈夫……お爺ちゃん(アルトシュ)から力、プレゼントされただけ……」

「……あの神がお爺ちゃんとは、世も末よのぉ……」

 

帆楼が遠い目で虚空を見上げる。

 

「……それより、帆楼。障壁を展開して……?」

「お!あれですか!?腕が鳴りますねぇ!」

「……マジかの」

「……マジです……」

「……あいわかった……受け止めることなど出来ぬから、力を上に流す形態にするぞ?」

「……りょーかい……」

 

帆楼が円柱状の上底に穴の空いた障壁を展開する。

顔の引き締まり具合から、全力の障壁であることを理解する。

 

そして、力を収束する。

精霊が光ごと搾取される。濃い精霊の奔流が光とともに流れ、精霊の流れが目視出来るまでに濃くなってゆく。

 

背の翼が光を放出するように形を失い、その光も掲げられた手に形作られていく不定形の槍に吸い込まれていく。

 

頭の光輪が回転を速め、複雑に破綻し、脈動しながら明滅する。

 

脈動は力強く、その脈動で帆楼に抱えられたユエが目を覚まし、リリィを見て目を見開く。

 

「……凄い、力……」

「これ、障壁耐えれるのか!?」

「全力でやっておる!多分(・・)大丈夫じゃ!」

「凄い不安になってきた!」

 

そして、力が臨界まで収束し―――

 

「それでは参りまぁす!」

「……ぶっ飛べ……」

 

 

 

 

 

「「天撃」」

 

 

 

 

 

 

瞬間、その空間から音が、光が境界を失った。

 

認識すら出来ない爆音に膝をついて耳を塞ぐ。

襲いかかる暴風と黒と紫の極光、果てには漏れ出た精霊の奔流に姿勢を低くする。

 

そして、世界に音が戻ってきた。光も収まりようやく状況確認が可能になる。

 

ヒュドラがいた場所はただ深淵が覗いていた。光ささぬ底無しの闇、天井にさえ大穴が空き、放たれた攻撃の威力を物語っている。

 

「……マジですか」

「……リリィ、マジぱねぇ……」

「……いくらなんでも威力高すぎじゃろ……」

 

三者三様の反応を示すハジメたちの前に何時もよりやや低くなった身長のリリィが降り立つ。

 

「……終わった……」

「お疲れ様です!」

 

肩の少女が元気よく答える。

 

「むぅ、それ誰……?」

 

むくれたユエが、ジブリールを指差して問う。

 

「初めまして蚊、私はジブリール。リリィの先輩です♪」

「むぅぅぅうっ!」

 

ジブリールの物言いにさらにほっぺを膨らませるユエ。

 

「……とりあえず、進も……?」

「……あぁ、色々疲れたしな……」

「……本当に汝といると不思議なことが起こるのぉ……」

 

膨れるユエと笑うジブリール。疲れた表情で白目を剥くハジメと遠くを見るように虚空を眺める帆楼を引き連れ、反逆者オルクスの住処へと入っていった。

 

 

 

 




今回はここまで!

お爺ちゃんアルトシュ様はお気に入りです!
原案をくださった【フェイスレス】様、ありがとうございます!

次回、オルクス大迷宮編終了です(多分)。

それではまた次回に会いましょー!!
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