因みに作者は学生なのでマジの不定期更新。
遅くなるときは遅くなるのでご了承ください。
始まりの一
光が収まり、目を開く。
覆い被さって無理やり屈ませていた香織さんから離れる。
なんか、顔が赤い?ただ、自意識過剰と思われるのはあれなのでスルーする。
思考がハジメと似ている?親友だからね、仕方ない。
場所は豪奢な、でも何故か嫌な感じのする絵が飾ってある、巨大な大理石の広間のようだ。「…ここは、どこ…?」と呆然としていると、私達はどうやら広間の最奥の台座のような場所の上にいるらしい。
周りにはハジメを含めたクラスメイト、先生までいる。
どうやら教室内にいた人は、問答無用で全員転移したらしい。
ハッとして、皆が呆然としている中、一人思考を走らせる。
周囲にいる祈祷師らしき人達。恐らくこの事態を説明できる者達だろう。
ハジメも周囲に注意を向けている。流石我が親友、復活が早い。
そして、祈祷師らしき人達を観察する。
全体的に白く、金の刺繍の施された衣装を身に纏い、傍らに錫杖のようなものを置いている。そして、まるで祈りを捧げるように、両手を胸の前で組んでこちらを向いている。
その中に一際目立つ法衣と烏帽子を被っている、七十代くらいの老人がこちらに向かって歩いてくる。
なんか知らないが、生き生きしている。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
と、一瞬頭に金欠の某女神がよぎったが、目の前の老人は好々爺然とした微笑みを浮かべていた。
現在、私達は場所を移動し、十メートル程のテーブルがいくつも並んだ部屋へ来ていた。
ここも中々豪奢な飾りが施されており、客がディナーでも行うような場所なのだろう。
イケモンこと天之河達四人組や愛子先生が上座に近いところに座る。
皆は割りと落ち着いている。多分、天之河が声をかけたのと、イシュタルさんが事情を話すと言ったからなのだろう。
因みに愛子先生はその間頑張っていたが、涙目だった。
全員が着席すると、メイドのような人達がカートを押しながら入ってきた。
男子は皆、そのメイド達を注視している。
自分は父親からも「枯れているのか?」と言われるほど、そういったことにあまり興味がない。
むしろ食い意地が張っている。
興味はカートへ注がれる。内心ウキウキである。
因みにその間、男子に対する女子の視線は鋭かった。
そして、何故か白崎さんは此方を見てニコニコしていた。
しばらくして、イシュタルさんの話が始まる。
どうやらこの世界では人間と魔人と亜人がいるらしく、そのうちの人間と魔人が戦争をしているらい。そして魔人が最近、魔物を使役する術を得たらしく、単体の力ではなく数で押していた人間たちは数も追い付かれ始め、窮地に陥っているらしい。
そこで、人々の信仰の中心たるエヒトという神が天之河を召喚、神託によると天之川が勇者らしい。
ラノベかな?と思った私は悪くないはず。
因みに神託云々の話をしているときのイシュタルさんの顔が恍惚に染まっており、少し怖かった。
そんな中、愛子先生が立ち上がり
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることは唯の誘拐ですよ!」
と憤る。
ちなみに愛子先生の見た目は私と同じで幼いため、必死さと見た目のギャップで大半の生徒に庇護欲を抱かせていた。
それに対してイシュタルさんは
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
場が凍る。
そして、愛子先生は叫ぶ
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
ごもっともだが、それに対してイシュタルは
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意志次第ということですな」
と宣った。
すると、生徒達は勿論取り乱し始める。
「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! 何でもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
それはそうだ。勝手に呼ばれた挙げ句、帰れもしないなんて
そんな中、イシュタルさんは「エヒト様に選ばれておいて何故喜べないのか」という侮蔑を瞳の中に浮かべていた。
これが狂信者か、そう私は思った。
神の御心のままに、それ以外を否定しそうだなとも思った。
けれど、あまり自分は取り乱さなかった。
何故だろう。あの両親なら、その親バカの力で無理やり次元の壁をぶち破ってこっちに来そうである。
そんな混乱の中、おもむろに天之河がドンッと机を叩き、その音で注目を集めると、話始めた
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放って置くなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無碍にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
と宣った。
「おい」と私は思った。
両親からお伽噺、いやにリアルな、世界に挑んだ幽霊と名乗る人達の話を昔から聞かされていた。そのお伽噺で理解したのは「世界は甘くない」ということ。
全ては単純故に、残酷。その中で幾つもの犠牲が敵味方かまわず生まれるということを。
だが、天之川のカリスマ故にクラスメイトはそこに希望を見出だす。女子は天之河に熱い視線を送る。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」
「雫……」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……」
例の四人組が賛成し、それが広がって行く。
異論を唱えることなど無理そうだ。
まぁ、言うなれば……
敵方が、裏切り者が死ぬ?
でも、絶対に友人だけは守り通す。
そう心に誓った。
父みたいに言うのなら
《
だろうか?
そして、天之河に悟らせず、話を上手い方向へ持っていったイシュタルさん。いや、イシュタルを心の中で
―――さて、それじゃあ
――――
今回は主人公は喋りませんでした。
そして、質問にもありましたが、香織は一応ハーレムに入っております。
好意の描写自体初めて書くので、少し雑かもしれません。
それと、主人公くんはただの外道に関しては絶許なのであしからず。
そして、今回も読んでくれてありがとぉ!!
1月12日、矛盾を発見したので修正