ふぅー。やりきった。いづなたん可愛い、これ摂理。
書いてて心が穏やかになるとは……これがロリぱぅわーか(二回目)
何気に天撃もチートですが、血壊も十分チートですよね……
「私の仲間も助けてください!」
「……嫌だ……」
受け入れる訳がなかった。
「?なんの話してやがる、です?」
「私たちの仲間を助けてくださいって頼んでるんですよぉ!いづなちゃんも手伝ってくださいぃ!」
「それより飯だ、です。とっとと帰って焼いて食う、です」
「あぁ~!引っ張らないで~!」
ズルズルと引き摺られていくウサミミ少女。
そのまま、引っ張って行ってくれると嬉しかったのだが……
「……?すんすん……」
唐突に立ち止まって首をかしげ、鼻をピクピクさせて匂いを嗅ぐ。
そして、その匂いを追うようにリリィのところに戻ってくる。嫌な予感に額に汗を垂らすリリィ。
「おめー、面白い匂いしてやがる、です?
「……」
「……?一緒に来ねぇのか、です?」
「……うっ……」
純粋で澱みのないつぶらな瞳で見つめられ、怯むリリィ。
「……くっ、心がッ!」
ハジメも胸を押さえて怯む。
「来るならはやくしろ、です!飯の時間だ、です!」
ふさふさ尻尾をゆらゆらと振って、大きな耳をぱたぱたさせてリリィたちの心を削ってゆくいづな。
「「……ぐっ、はっ……」」
そしてついに膝を折るリリィとハジメ。
「……???大丈夫か、です?」
「……ついてくから、気にしないで……尊死しそう……」
「……心のダメージが痛い……そんな純粋な目で俺を見ないで……」
「?大丈夫ならついてきやがれ、です。帆楼たちも食うか、です?」
「むん、戴くとするかのぅ」
「獣耳無垢っ娘、だと……」
「相変わらずの破壊力ですねぇ……」
膝を地面につくリリィとハジメ、戦慄の表情でいづなを見るユエとジブリール、素直に反応する帆楼。
そして、リリィとハジメを屈したいづなを褒める「しあ」。
「ナイスですぅ!いづなちゃん!あ、改めまして私は兎人族ハウリアの長の娘、シア・ハウリアと言います!えぇ~と、私たちの状況はですねぇ……」
曰く、兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。
しかも、亜人族には無いはずの魔力を有しており、直接魔力を操る術と、固有魔法まで使えたのだ。
勿論、一族は大いに困惑した。兎人族として、否、亜人族として有り得ない子が生まれたのだから。魔物と同様の力を持っているなど、普通なら間違いなく迫害の対象となるだろう。
しかし、彼女が生まれたのは亜人族一家族の情が深い種族である兎人族だった。
百数十人全員を一つの家族と称する種族なのだ。ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。
しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。魔物とはそれ程に忌み嫌われていて、一切の例外なく不倶戴天の敵なのである。
国の規律にも魔物を見つけ次第、できる限り殲滅しなければならないと明記されており、過去にわざと魔物を逃がした人物が追放処分を受けたという記録もある。また、被差別種族ということもあり、魔法を振りかざして自分達亜人族を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など全く持っていない。樹海に侵入した魔力を持つ他種族は、総じて即滅殺が暗黙の了解となっているほどだ。
それ故に、ハウリア族は女の子を隠して十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在が帝国にばれてしまったのだ。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ。
行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだった。未開の地でこそあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ。
しかし、彼等の試みは、その件の帝国により潰えた。樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。
女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、そもそも温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。
全滅を避けるために必死に逃げ続けて、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうし、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだったのだが……
予測に反して帝国兵は一向に撤退しようとはしなかったのだ。小隊が峡谷の出入り口である階段状に加工された崖の入口に陣取り、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つことにしたのだ。
そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようと試みたが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑い続けて……
「……気がつけば、六十人はいた家族も、今は四十人程しかいません……このままでは全滅です……どうか助けて下さい!」
先ほどとはうって変わって悲痛な表情に顔を歪めるシアを見てリリィとハジメの返答は……
「……えぇぇ……」
「いや、嫌だけど?」
「えっ」
同情なんてなかった。
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「え?ちょっ、ちょっとぉ!?」
シアの叫び声が響き渡る。
「……うるさい……」
「あ、すみません……じゃないですよぉ!え?えぇ!?私美少女ですよ!?美少女のお願いですよ!?そこは普通『なんて可哀想なんだ……俺たちが何とかしてやる!』ってなるルートじゃないんですかぁ!?」
「……自惚れ、ルート作成失敗、乙……」
「そもそもそんなルートねぇよ」
「……助けても、メリットない……寧ろ厄ネタ……」
「それもそうだしな……こっちにも旅の目的があるんだし、厄介事は抱えたくないんだよ」
「えぇー!?」
「さかな、うめーぞ、です?はやく帰って食わねぇのか、です?」
「いづなよ、あとで焼いて食べようぞ?」
「がってんです!」
「食い意地も相変わらずですねぇ、犬っころ」
「な、なんで、なんでですかぁ……守ってくれると見えましたのにぃ」
「……さっきから言ってる、それって“固有魔法”のこと?」
「ふぇ?あ、はい。“未来視”といいまして、仮定した未来を見ることができる魔法なんです。もしこれを選択したらどうなるのか?みたいな感じで……あと、危険が迫ると勝手に見えます。まぁ、その未来が絶対ということはないんですけど……あ、あぁ!そうです!私役に立てますよ!“未来視”があれば危険も回避できますし、少し前に見えたんです!貴方たちが私たちを助けてくれている姿が!実際、皆さんやいづなちゃんに助けられました!」
曰く、未来視とは魔力を消費して仮定した未来を見ることができる固有魔法らしい。任意で発動すれば凄まじい量の魔力を消費するらしく、一回で魔力が枯渇するそうだ。また、自動で発動するときは、直接であろうが間接であろうがシアにとって危険となる状況が急迫した場合に発動し、消費魔力は三分の一程度に収まるらしい。
その任意発動による仮定選択の結果、リリィたちが自分たちを助ける姿が見えたらしく、単身で飛び出してきたらしい。
余程興奮していたのだろうか?こんな場所に単身で飛び込むなんぞ普通はありえない。それより気になるのは……
「……そんな魔法を持ってて、なんで帝国にバレたの……?」
「いやぁ……この魔法は一度任意で使うと暫く使えなくて……」
「ほぉう?バレた時は既に使った後だった……と。一体何に使ったんだ?」
「ちょ~~とですねぇ……友人の恋路が気になっちゃいまして……」
「……出歯亀って……」
「バカだな」
「うぅ~、猛省しておりますぅ~」
「……超絶残念うさぎ……」
「なんか……もういいだろ。行こうぜ?」
「あぁ~待ってくださいぃ~!」
足にしがみつくも、リリィの脚力は
そんなシアを見て、ユエが―――
「リリィ、連れてこ?」
「……ユエ……?」
「えぇ、と……どうしてだ?」
「樹海の案内に丁度いい」
「……なるほど……」
「!?いいんですか!?ありがとうございます!貴女いい人ですね!最初見たときペッタンこなんて思ってすみまっ
アベシッ!」
まぁ自ら進んで案内してくれる亜人族がいるのはありがたいのだが、あまりにも問題を抱えすぎているので、少し心配になる。
「大丈夫、私たち五人で最強」
「……それも、そうだね……」
「私と帆楼に犬っころもいますしね大丈夫ですよ!」
「……いづなってやっぱり強い……?」
「うむ、いづなは“血壊”という所謂固有魔法のようなものを使えるのじゃ、一時的に物理限界を突破できるから凄まじい戦力になるぞ?」
「いづなは強ぇーぞ、です!!」
「……なんだ?お前らの世界は物理法則に喧嘩売るようなやつしかいないのか?」
「いえ、人間は普通に物理法則に抗えませんよ?」
「……端的にそれってそれ以外の殆どが物理法則に喧嘩売ってるってことだよな?」
「……♪」
「否定して欲しかった……」
「……はぁ……それじゃあ、行く……?」
「まぁ、しょうがないか……」
「……シア、乗って……?」
「いいんですか!?本当にいいんですか!?」
「……ん、雇う……報酬はハウリア一族の命で……」
「せっかく助けてやるんだ、しっかり案内頼むぞ?」
「あ、ありがとうございますぅ!うぅ、うぅ~よがっだよぉ~、ほんどによがっだよぉ~」
「……ほら、乗って……」
ぽんぽんとサイドカーを叩く。
「私は?」
ユエが聞いてくる。
「……シアの膝……?」
「むぅ、わかった」
「リリィの背中は心地よいのぉ……」
「わかりますよ帆楼。華奢なのに暖かくて包み込まれるような感覚っ、最高にございますね♪」
「ほぇ~、そんなに気持ちいいんですか?」
「はい、それはもう天にも昇るような心地よさですよ?」
「ほうほう、今度お願いしたいですぅ……あ、そういえば私は皆さまをなんと呼べばいいのでしょうか?」
「……そういえば、名乗ってなかった……リリィ・ドーラ……よろ……」
「……ユエ」
「南雲ハジメだ。よろしく頼む」
「ジブリールと申します♪」
「帆楼じゃ、よろしく頼むぞ?」
「リリィさんにハジメさん、ユエちゃんにジブリールちゃんに帆楼ちゃんですね!」
「……さんをつけろ、残念ウサギ」
「ふぁ!?」
「それなら私は様ですかね?」
「……帆楼はどうなるのじゃ?」
「……そのままでいいんじゃないかな……?」
「それより早くいくぞ、です!飯が待ってるぞ、です!!」
いつの間にかリリィの膝の上に陣取っていたいづながリリィの太ももをぺちぺち叩く。
「「何ィ!?」」
「ほほう……犬っころ。いい度胸ですねぇ……」
「……ジブリール、ステイ……」
「わんっ!」
「なんですかこれ?」
「いつもの光景だな」
「……尻尾ふさふさぁ……」
「ほらリリィ、行くぞ?」
「……りょーかい……」
「案内はお任せください!!」
そうして一行はシアの案内のもと、シアの仲間たちのもとに向かっていった。
いづなたんを書いていて尊死しそうになった私は悪くないはず(真顔)
色々用事があり更新が遅くなり申し訳ありません!
学生ということもありまして、試験勉強やらをしなければならなく、たまに更新が途切れます。
ご了承下さいね?
今回も読んでいただき、ありがとうございました!