その先の物語   作:人間性の苗床マン

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ありふれの日常が面白いッ!(唐突)

すみません皆様、投稿がかなり遅れました。ここ一週間は中間考査の準備やらがあるので、投稿できても週一くらいになります。

中間考査が終わり次第更新ペースも上げていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします!

投稿に使っているスマホも変えまして、慣れるのにも時間がかかりそうですが、頑張っていきたいです。

今回は平和人たちと帝国(無残)のお話。やっちゃえー!極楽浄土に連れてっちゃえー!!




平和人な兎人族と同族の敵

「速すぎですぅ〜!!」

「……この見た目で遅かったら変……」

 

そうバイクをかっ飛ばしながら言うリリィ。

まぁ実際、スポーツバイクの見た目をしながら遅かったら違和感満載である。

 

「いや、でもそれは速すぎだろ?」

 

と、ハジメ。確かに一応人(?)を三人も乗せているのだ、普通なら少し遅くなるだろうがそこは流石万能動力たる精霊、そんなことで減速などしなかった。

 

「……精霊、ちょーぐっじょぶ、まじぱねぇ……」

「まぁ、位階序列は天翼種(わたしたち)より上の三位ですからねぇ……世界の構成因子でもありますし」

「せーれーはすげぇぞ、です!」

 

リリィの声に苦笑いをしながら答えるジブリールと高速で走行するバイクの運転をしているリリィの膝の上でピョンピョンしながら楽しそうに笑ういづな。

獣耳好きのハジメの顔が緩む。

そんなこんなでハウリア族の下へ向かっていると、人の悲鳴のような声と魔物の咆哮が聞こえてきた。

その方向を見ると、怯えるうさ耳を生やした人々が、それを睥睨する体長五メートル程の翼龍がそこにいた。

 

シアが身を乗り出し、声をあげる。

 

「ハ、ハイベリア!?それに、みんなも!?」

「……あれが、シアの仲間……?」

「は、はいぃ!」

 

そうとなれば、やることは一つ……

 

ハイベリアがその顎を開き、ハウリア族の親子を喰らおうとして―――

 

「……墜ちろ……」

 

放たれた黒い光槍に翼を貫かれ、バランスを崩し落ちたところに―――

 

「《典開(レーゼン)》【偽典・森空囁(ラウヴアポクリフェン)】」

 

帆楼の更なる整備により、全てを斬り裂く真空の刃を放てつことのできる武装となった、森精種(エルフ)の魔法の模倣武装が炸裂し、その翼龍の五体を斬り刻んだ。

 

「うっわぁ……」

 

その威力にドン引くハジメ。

 

「流石ですねぇ……」

「秒殺じゃなくて瞬殺……」

「ハ、ハイベリアを、瞬殺……?」

「……まじぱねぇ、です」

「むん、流石じゃの♪」

 

同じくドン引くジブリールとユエに、唖然とするシアといづな、そして満足そうな表情を浮かべる帆楼。

 

「……みんなもできるよね……?」

「「「確かに」」」

「余裕じゃの」

「言われてみればよゆー、です」

「えぇぇ……」

 

言われてみればそうだったという表情を浮かべるハジメたちに疲れたような表情を向けるシア。

 

そして、そんな会話をしているリリィたちの方に一人の兎人族の男性が駆け寄ってきた。

 

「シア!無事だったのか!」

「父様!」

 

濃紺の髪にうさ耳を生やした初老の男性はどうやらシアの父親のようである。

いづなという麗しきけもみみ幼女を見た後にコレは結構キツいものがある。

リリィとハジメが誰得……と肩を落としていると再会を喜びあっていたシアの父親がこちらに向き直った。

 

「リリィ殿にハジメ殿で宜しいか?私は、カム―――シアの父にしてハウリアの族長をしております。この度はシアのみならず我が一族の窮地をお助け頂き、何とお礼を言えばいいか……しかも、脱出まで助力くださるとか……父として、族長として深く感謝致します」

「……樹海の案内との等価交換。気にする必要ない……ね……?」

「あぁ、しっかり案内してくれよ?けれど随分あっさりと了承したな……亜人族だから人間にいい感情はあまり持ってないと思ってたんだが……」

「シアが信頼する相手です。ならば我らも信頼しなくてどうします―――我らは家族なのですから……」

「……とんでもお人好し……?」

「はぁ……そうだな、こりゃあ面倒なことになりそうだ……」

「……ふらぐ……?」

「おい馬鹿止めろォ!」

 

 

 

 

×÷×÷×÷×÷×

 

 

 

 

「おいおい、マジかよ。生き残ってやがったのか。隊長の命令だから仕方なく残ってただけなんだがなぁ~こりゃあ、いい土産ができそうだ」

 

「「ガッデム」」

 

フラグ回収が成された。

 

ライセン大峡谷、その崖を登った先には三十人ほどのカーキ色の軍服に身を包んだ帝国兵がたむろしていた。

それぞれが剣や槍、盾を構えていたが、リリィたちを見て驚いた表情をしたものの、すぐに兎人族の者達に品定めするように視線を向けた。

 

「小隊長!白髪の兎人もいますよ!隊長が欲しがってましたよね?」

「おお、ますますツイテルなァ。年寄りは別にいいが、あれは絶対殺すなよ?」

「小隊長ぉ~、女も結構いますし、ちょっとくらい味見してもいいっすよねぇ?こちとら、何もないとこで三日も待たされたんだ。役得の一つや二つ大目に見てくださいよぉ~」

「ったく。全部はやめとけ。二、三人なら好きにしろ」

「ひゃっほ~、流石、小隊長!話がわかる!」

 

などと好き勝手言っているが……

 

盛った猿のような言動にリリィとハジメは呆れる。

言いたい放題言って騒いで、耳障りで仕方がない。

 

一通りはしゃぎ終えたのか、再度兎人族を見る隊長格が漸くリリィたちに気付いた。

 

「あぁ?お前誰だ?兎人族……じゃあねぇよな?」

「あぁ、しがない人間だ」

 

ハジメが応答する。

それに対して……

 

「はァ~?なんで人間が兎人族と一緒にいるんだ?しかも峡谷から。あぁ、もしかして奴隷商か?情報掴んで追っかけたとか?そいつァまた商売魂がたくましいねェ。まぁ、いいや。そいつら皆、国で引き取るから置いていけ」

「……嫌だけど、諦めて国に帰るなりすれば……?」

「あぁ?……小僧共、口の利き方には気をつけろ。俺達が誰かわからないほど頭が悪いのか?」

「……理解している。その上で対応している……」

 

そして、リリィに引っ付いているいづなやユエ、帆楼を見て一瞬その美しさに呆けるもすぐに下卑た笑みを浮かべ……

 

「あァ~なるほど、よォ~くわかった。てめェが唯の世間知らず糞ガキだってことがな。ちょいと世の中の厳しさってヤツを教えてやる。くっくっく、そっちの嬢ちゃん達、えらい別嬪じゃねェか?てめぇの四肢を切り落とした後、目の前で犯して、奴隷商に売っぱらってやるよ」

 

その言葉に、周囲の気温が幾度か下がった。

勿論中心はリリィとハジメ。

友人を、仲間をそのような目で見て赦すとでも思うか?

 

 

 

 

否だ

 

 

 

 

 

「……そう……つまりは敵……?」

「あぁ!?まだ状況が理解できてねぇのか!?てめぇは、震えながら許しをこッ………………」

 

 

唐突にしゃべる口が止まった隊長格に訝しげな表情を向ける部下と思われる者達。

 

「隊長?おーい?」

 

 

 

 

リリィは、手を振り切った(・・・・・・・)姿勢で静止している。

 

 

 

 

リリィが何をしたのか理解したハジメはいづなの目を手で隠す。

 

「?みえねーです?」

「まぁ、なんというか……ざまぁ&ご愁傷様ですねぇ」

 

ジブリールが侮蔑の笑みを浮かべ、未だに動かない隊長格に視線を向ける。

 

 

そして、次の瞬間―――

 

 

 

 

背後の風景ごと(・・・・・・・)隊長格の首(・・・・・)がズレ落ちた(・・・・・・)

 

 

 

吹き出す血液に濡れた軍人たちは一瞬呆け、次の瞬間阿鼻叫喚の渦に飲まれる。

 

何が起きた、何故死んだ、何故、どうして、何故に唐突に隊長の首が落ちたのだ、と。

 

そこに追い討ちを掛けるように、銃声。

 

 

――――ドパァァアンッ

 

その単音で、六人の隊員、小隊長の首が弾け飛ぶ。

 

一瞬の間、その間に放たれた銃弾は六発。

初弾射出から次弾射出までの間隔が短すぎて単音、単発に聞こえたのだ。

 

「「蹂躙開始」」

 

次々と飛び、弾ける帝国兵の首。

 

悲鳴を上げ、逃げ惑う帝国兵の耳に、この状況にそぐわない飄々とした話し声が聞こえた。

 

「相変わらずチートだなぁ、リリィ」

「……ハジメがそれを言える……?」

「……周りが皆物理法則に喧嘩売ってるからわからんわッ!!にしても弱い、人間相手なら“纏雷”も使う必要なさそうだな」

「……ん、そうだね……」

 

そんな会話をしながら足を逃げ惑う帝国兵の方向へ向ける。

顔を蒼白くして震え上がる最後の生き残りが……

 

「た、頼む!殺さないでくれ!な、何でもするから!頼む!」

「そうか?なら……他の兎人族がどうなったか教えてもらおうか。結構な数が居たはずなんだが……全部、帝国に移送済みか?」

「……は、話せば殺さないのか?」

「お前、自分が条件を付けられる立場にあると思ってんのか?別に、どうしても欲しい情報じゃあないんだし……今すぐ逝くか?」

「ま、待ってくれ!話す!話すから!……多分、全部移送済みだと思う。人数は絞ったから……」

 

“人数を絞った”つまりは殺した、と……

 

再び帝国兵に叩きつけられる強烈な殺気に情けない悲鳴を上げる。

 

「待て!待ってくれ!他にも何でも話すから!帝国のでも何でも!だから!」

 

ドパンッ―――

 

返答はその最後の帝国兵に放たれた銃弾だった。

 

脳髄を撒き散らし倒れる帝国兵、その光景を見て息を呑むハウリア一族たち。

その若干の恐怖を目に浮かべるハウリア達を代表し、シアがリリィたちに問うた。

 

「あ、あのさっきの人は見逃してあげても良かったのでは……?」

「……はぁ……」

「……ひぇっ」

「……アレは敵、一度此方に牙を剥いたなら、情けをかける必要ない……」

「でも……」

「なんで守られているだけのあなた方が口を挟むので?相手を侮り、力量を測り損ね死するのは戦場であれば常套……そんなこともわからない程に甘々なのですか?あなたたちは」

「ジブリールに同意……」

「こればかりは擁護のしようもないしのぅ……」

「まったくだな」

 

ジブリールが眉をひそめ、それに同意するハジメたち。

それを言われてしまえば何も言えないハウリアたちはバツの悪そうな顔をする。

 

「ふむ、ハジメ殿、申し訳ない……別に貴殿方に含むところがあるわけではないのだ。ただ、こういう争いに我らは慣れておらんのでな……少々、驚いただけなのだ」

「ハジメさん、すみません……」

 

謝るカムとシアに気にする必要はないと軽く手を振り、あんな状況の中、何故か無傷だった馬車へと足を進め、ハウリア達を手招きする。

せっかくの冥土の置き土産だ、有効活用しようじゃないか……と。

 

無惨に切り裂かれ、頭部の弾けていた帝国兵の死骸はジブリールの転移魔法によって峡谷の底へと投げ出された。

 

跡に残ったのは崩れ去った森林風景と飛び散った血と血溜まりだった。

 

 

 

 




お仕事完了!

久しぶりにリリィのバグった強さを全面に出しました。
ハジメも結構お久しぶりの活躍ですかね?

押し問答はハジメの方が似合いそう(偏見)

次回も更新は遅れますが、頑張って投稿しますので、よろです!
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