その先の物語   作:人間性の苗床マン

7 / 22
へい、というわけで本格的にやっていきましょー!

題名の通り、ほんの少し天翼種の要素を出していきます

お気に入り400件超え、だと……
マジ有り難いッス!


迷宮と罠

次の日、私達は【オルクス大迷宮】の入り口に来ていた。

入り口の周りは商店が建ち並び、大層賑わっている。

入り口はまるで博物館のようで、私の想像していた陰気な迷宮の入り口とはかなり違っていた。

 

まるでライトノベルの世界のような受付窓口に、制服の職員の方々。

ここでステータスプレートの確認を行い、死者確認などを正確に行うそうだ。

無駄な死人を出さない為の措置なのだろう。

 

私達はそんな光景に、それぞれの所感を胸に抱きながらメルド団長の後ろをついていった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

迷宮内部は、外の賑やかさとは無縁だった。

壁は松明が無いにも関わらず、ぼんやりと発光している。

 

この迷宮は緑光石と呼ばれる特殊な鉱石の鉱脈を掘り下げて作られているらしい。

 

しばらく進み、周りを物珍しげに見渡していると壁の隙間という隙間から、灰色の毛玉が湧き出てきた。

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

というわけで後衛(という設定)である私は後ろへ下がる。

 

だが、ラットマンというらしい魔物がとてつもなく気持ち悪い。

 

見た目はネズミだが、二足歩行の上にムキムキである。

 

これには流石の八重樫さんも顔が引きつる。

 

前方へ出た天之河と白崎さんとその仲良しさんが間合いに入ってきたラットマンを迎撃。

輝くバスターソードを振るう天之河が数体まとめて葬ったり、それを抜けたラットマンを白崎さん達が魔法で迎撃したり、訓練通りの堅実なフォーメーションで魔物を葬っていく。

 

因みに、天之河の持っている剣は例に漏れなく“聖剣”というアーティファクトらしい。

その性能は、聖なると付くわりには聖光の範囲に入ると敵が弱体化し、自身は常に身体強化されるというかなり嫌らしい仕様である。

 

八重樫さんも前に出ていて、私のような素人目で見ても洗練されている美しいフォームで敵を切り裂いていく。

 

後方支援をしている白崎さん達3人が同時に魔法を放って、ラットマンを燃やしていく。

終には灰となり崩れ落ちるラットマン、同情心が沸いてくる。まぁ、しないけど。

 

メルド団長をはじめとした騎士団の人達も絶句している。

 

まぁ、あっという間に殲滅しちゃったからね。

 

そして、魔石のことを注意され、顔が少し赤くなる白崎さん達。

オーバーキルだから、石すら残らなかったからね。

 

そして、死因でもかなりの高さを誇っているトラップをフェアスコープというものを使い見分けて進んで行く。

 

「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」

 

と、そこでメルド団長がそう掛け声をあげる。

 

ハジメは今のところ魔物を倒せていない。

パーティーの後ろをついていく寄生型プレイヤーみたいになっているなぁ、と落ち込んでいるのを慰めて前へ進んでいく。

ハジメが騎士団の人達が誘導した魔物を倒し、一緒に小休止をいれる。

 

前を見ると、たまたま此方を向いていた白崎さんと目が合う。

 

ずっと此方をみているので首を傾げると、顔を赤くして目を逸らされる。

謎が深まった。

頭上に?マークを浮かべていると、目を逸らした白崎さんを見て八重樫さんが苦笑いして

 

「香織、何、リリィちゃんと見つめ合っているのよ?迷宮の中でラブコメ何て随分と余裕じゃない?」

 

と言った。

白崎さんは顔を更に赤くして否定する。

 

「もう、雫ちゃん!変なこと言わないで!私はただ、リリィちゃん大丈夫かなって、それだけだよ!」

 

「それがラブコメでしょ?」という八重樫さん。話は切り上げたが目が笑っている。それを見て「もうっ」と拗ねる白崎さん。

 

それを眺めていると、ふと背筋に悪寒が走る。

負の感情丸出しの、粘つくような不快な視線。

今までハジメと共に教室で感じていたソレと同じ類いの視線だが、いつものそれよりも深く、重い。そんな視線。

 

「……リリィ。大丈夫か?」

 

お父さんが小声で聞いてくる。

 

「…大丈、夫―――たぶん…」

 

と返す。

 

この視線が、白崎さんの言っていた嫌な予感の原因なのだろうか。

 

これは本当に是が非でも気を付けなければならなくなった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

二十階層の探索を再開する。

周りに気をつけて歩いていると、メルド団長達が唐突に臨戦態勢に入る。

 

姿は見えない。けれど、どうやら魔物のようだ。

 

「擬態しているぞ!周りをよ~く注意しておけ!」

 

すると、せりだした壁の一部が変色、変形しながら獣のような姿へ変貌する。そしてゴリラのようにドラミングを始める。

カメレオンのような擬態能力をもったゴリラ型の魔物のようだ。

 

「ロックマウントだ!二本の腕に注意しろ!豪腕だぞ!」

 

と、メルド団長の忠告が飛ぶ。

 

天之川達が迎撃しようとするが足場が悪く、思うように取り囲むことができない。

 

龍太郎が上手く押さえている。

それを理解したらしいロックマウントは大きくバックステップをして、息を吸い込む。

 

そして、

 

「グゥガガガアァァァアアアァァァッ!!」

 

部屋全体を揺るがす咆哮を轟かせた。

 

前衛組の体がダメージはないものの、その咆哮の衝撃で体を硬直させる。

 

ロックマウントの固有魔法“威圧の咆哮”だ。

それをまんまと食らってしまい、隙を見せた前衛組にロックマウントが突撃をかますと思いきや、サイドステップをして、近くにあった岩を見事な砲丸投げフォームで私を含む白崎さん達魔法使い組に投げつけた。

 

迫る岩を前に私達は魔法を発動しようとするが、先頭の白崎さん達女子組が投げられた物を見て、体を硬直させる。

 

なんと、投げられたのは只の岩ではなくロックマウントだったのだ。

 

しかもル○ンダイブのポーズを決めている。

さながら「か・お・り・ちゃ~ん!」とでも息を荒らげながら飛びかかってくるその様に「ヒィ!」と怯えて魔法の発動を中断してしまう。

 

そっちが止まってしまっては此方が放つしかないので、精霊回廊から精霊を吸い上げながら

 

「……走れ、『光槍』……ッ!!」

 

天翼種(フリューゲル)とやらが使っていたらしい魔法の槍を放つ。

 

本来は普通の光の槍となるらしいのだが、何故か私が撃つと黒い光槍となる。

 

お母さんを一度殺したジブリールという天翼種も漆黒の魔法槍を放っていたらしい。

 

因みに、詠唱はオリジナルである。本当は無詠唱で放つのだが、無詠唱でとてつもない威力の魔法が撃てたら怪しまれそうとお父さんに言われて適当につけた詠唱だ。

 

でも戦争だから仕方ないとはいえ、お母さんを一度殺した相手の魔法を使うのはなんか嫌だなぁ、と思ったけれどかなりこの魔法は使いやすく、訓練中もこの精霊魔法を多用していた。

 

そして放たれた漆黒の槍がロックマウントを貫く。

 

此方に助けに入ろうとしていたらしいメルド団長から

 

「ナイスだ!」

 

と称賛をもらったので、頭を下げておく。

 

白崎さん達からもお礼を言われたのだ「問題ない」と返す。

 

そんな様子を見てキレる若者あり。

 

天之河である。

 

未だに少し青ざめている白崎さんを見て、死の恐怖で青ざめていると勘違いしたらしい。

 

流石、正義感と思い込みの塊である。

 

「貴様……よくも香織達を……許さない!

万翔羽ばたき、天へと至れ、“天翔閃”!」

「あっ、こら、馬鹿者!」

 

メルド団長の制止の声も聞かず聖剣を大きく降り下ろす。

 

すると、某約○された勝○の剣の如く纏っていた光のオーラがビームのように斬撃として放たれる。

 

直線上のロックマウントを抵抗も許さず切り裂き、奥の壁を破壊しつくしてようやく静止した。

 

息を吐き、イケメンスマイルでもう大丈夫だ!とでも言おうとしていたらしい天之河はメルド団長からの拳骨を頂くことになった。

 

「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」

 

そうだそうだー、と心で賛同する。

 

ここは洞窟である。

下手に崩落でもしたら待っているのは死のみである。

 

怒られて落ち込む天之河をやってきた白崎さん達が宥める。

 

すると、白崎さんが崩れた壁の奥を見つめる。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

その言葉に、全員が白崎さんの見ている方向を見る。

 

そこには美しい青白い光を湛えた美しい鉱石が花を開くように壁から生えていた。

 

美しく輝く水晶のような鉱石に、女子勢がうっとりとする。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

グランツ鉱石はどうやら宝石の原石らしく、効能こそないがその美しさから、貴族の婦人やらご令嬢に人気な上に、よく女性へのプロポーズに使われる宝石のベスト3に入るとのこと。

 

「素敵……」

 

と、メルド団長の説明を聞いた白崎さんがうっとりした声をだす。

そして、チラッと此方に目を向けてくる。

何で此方に目を向けてくるのだろうか、そして八重樫さんも何故ニヤニヤしているのだろう。

 

そんな空気の中

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

と、唐突に檜山が動き出す。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

そういうメルド団長の声も聞こえないふりをして。

 

騎士の一人がフェアスコープで鉱石の周りを注視して顔を青ざめた。

 

「団長! トラップです!」

「ッ!?」

 

そんな警告も遅く、檜山が鉱石に触れる。

すると魔法陣が展開し、いつぞやのこの世界に召喚されたときのように輝きを増していく。

 

「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

団長の声も遅く、唐突に空気が変わって私達は投げ出される。

 

流石に反応できず、尻餅をついてしまう。

 

周りを見渡すと、私達はどうやら巨大な石橋のど真ん中に転移させられたらしい。

 

橋の両端には、奥へ続く通路と上層へ繋がっているらしい階段が見える。

 

石橋は幅こそ10m近くあるが、手摺もなければ縁石もない。

足でも滑らせればまっ逆さまである。

 

それを確認したメルド団長が表情を更に険しくして、指示を飛ばす。

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

轟く号令にわたわた動き出す私達。

 

でも、迷宮のトラップがこれで終わるはずもなく、階段の方向に大量の魔物が出現。

 

通路側には魔法陣から一体の巨大な魔物が姿を現した。

 

その魔物を呆然と見つめ、メルド団長が呻くような声をだす。

 

 

 

“まさか……ベヒモス……なのか……”

 

その声はこの状況の中、やけに明瞭に響いた。

 




どーでしょう!
上手く書けましたかね?

奈落まではいけなかったァッ!!
次回にご期待下さい!

そういえば『えりのる』さん、誤字報告有り難うございました!

また誤字があった場合は報告をよろしくです!

それではまた次回で会いましょー!!

ps,モンハンワールド面白すぎィ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。