僕のポケットモンスター   作:ユンショウ・S

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2話

「スー!"つつく"!……よっしゃ!」

 

草むらを掻き分けると現れたバルビートとの戦闘中、これが人生初バトルであるにも関わらず冷静な指示を出し何とか撃破。カナトは今、117番道路を突き進んでいた。幸い力量差の激しい個体ではなかった為に旅に出たばかりの彼らでも何とか勝つ事が出来たのだ。しかしポケモンリーグからの推奨順としては三番目であるキンセツシティ……旅に出たばかりの彼が簡単にそこに辿り着ける訳もなく。

 

「あ、ロゼリア……まだ倒せる、かな。このまま……スー!?え、ちょっとネイティオさん何勝手に……あっ」

 

スバメは効果今ひとつのマジカルリーフであっさり沈み、父のネイティオにはテレポートで勝手に離脱させられたのだ。旅に出てから初の帰宅までの時間、約20分である……短い。

 

「……やっぱり向こうに向かったか、むしろ良く一度勝てたもんだな?」

「ぐぅ……仰る通りです父さん」

 

まるで予知していたかのように家の前で佇む父を目の前に何も言い返せず、まさか自分の家の近所の野生ポケモンの力量を見誤ったなんて……と父の呟く言葉に羞恥から顔を真っ赤に染めていく。

 

「本来向かうべきはこの洞窟……カナシダトンネルの向こう側だ、ネイティオを連れているから持っているむしよけスプレーを使えば良かったのにお前は……」

「父さんやめて、恥ずかしさでオレが倒れちゃうから」

 

苦笑いを混じえて話す父に半べそをかき潤んだ瞳を向けるカナト、人として根っこの部分はまだ子供であるのがよく分かる。しかし本当にキンセツ側に向かうのが正解だと信じて向かったカナトに伝えておかなかった父もタチが悪いと言えるだろう、実際こうなると予見した上で話してなかった為にほぼ確信犯である。ひどい。カナトにはそもそもスプレーを使うという選択肢がなかったという誤算もあったが。

 

「それとだ、リーグ推奨の一つ目のジムは岩タイプだ。ネイティオを出すつもりが無いとしてスーだけじゃとてもじゃないが…」

「……別にジムに挑むつもりはないよ、ただこの町を出て旅をしたいんだ。だから」

「それでも、だ。旅の仲間は多い方がいいのは当然の事、目的もなく動くなら尚更スバメだけじゃ不安だらけだ」

 

父の言葉も理解している、つもりではあるがだからといって大まかな流れをリーグに決められているというのも不思議な感覚であった。

自分は自分の好きなように旅がしたい、そのつもりだったのに……カナトの思い描いていた旅は既に雲行きが怪しくなっていた。

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