<Infinite Dendrogram>~王国の双獣~   作:烏妣 揺

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【並列詠唱コルキス】
TYPE:レギオンカリギュレータ 到達形態:Ⅵ
紋章:羊と杖
能力特性:多重魔法行使
固有スキル
《ブーステット・マジック》Lv6:パッシブ
 魔法スキルの攻撃力を底上げする。

《ブーステット・マジックⅡ》Lv6:パッシブ
魔法スキルの攻撃力を底上げする。

《魔術師は黄金羊の夢を見るのか(コルキス)》Lvー:アクティブ
 ???

《???》Lv-:アクティブ
 ???。条件:必殺スキルの仕様


第17話「コントラデクション」

第17話「コントラデクション」

 

 このデンドロ(ゲーム)には至れる強さの限界がない。―――が、壁はいくつもある。

 その代表的なものの一つにLv500(カンスト)がある。

 上級職と下級職を極めた、誰でもが至れる強さ(・・・・・・・・・)の終着点。

 ここから先へ進むのは、生半可な覚悟では至れない。

 その道のりの険しさゆえに。

 この先へ進むのには4つの道がある。

 一つは、超級職へ就くこと。

 超級職にはレベル上限がなく、スキルも上級職のものが幼稚に思えるほど強力なものを習得可能だ。大多数のマスターはまずはここを目指そうとするだろう。

 だが、一つの超級職に就けるのは一人(・・・・・・・・・・・・・・)という厳しすぎる条件が立ちふさがり、多くのマスターが心折れ道をあきらめた。

 もう一つは、エンブリオの成長だ。

 自身の片割れといえるその能力の成長は、容易に強さの殻もあり方も変えてしまうだろう。

 だが、エンブリオの成長には規則性がない。何をすれば成長するのか、どうすれば強くなるかのプロセスの全てが未知だ。そしてその頂である第七形態(超級エンブリオ)に進めたものは千に満たない。超級職に至るよりも険しい道である。

 三つ目が、ビルドの見直しと戦術の練り直し。

 上記の二つが出来なくて、それでも強さをあきらめきれなかったものがたどり着くのがこれである。

 自身のビルドに―――戦い方に隙は無かったか?戦術は間違っていなかったか?そう言った疑問を突き詰め、限られたLv500の中で自身の性能を先鋭化、特化させていく。

 それには莫大なジョブ、スキルに関する情報と知識、時間と根気が必要だ。これもまた険しい道のりではあるが、これを突き付けて格上たる超級職を潰した強者もいるのも事実。

 例えばそれは、かの王国第三位のPKであり、“蹂躙天蓋”の異名を持つものバルバロイ・バット・バーン。

 バルバロイは、現に上級職でありながらそのビルドと編み込まれた戦術で【伏姫】狼桜、【強奪王】エルドリッチの二人の超級職を下している。

 バルバロイの存在がこの道が間違いでないことの何よりの証明だろう。

 

 そして最後、第四の方法。

 これは、上記の三つとは根本的に異なるあり方、方向性。だが、”強さを求める”という姿勢に最も忠実な道。

 

 それはーーー

 

 

□<サウダ山道> 【鎧巨人】バルバロイ・バット・バーン

 

「《バーチカル・リッパ―》!!」

 

 先ほどの大剣から双斧に姿を変えたエンブリオでHEROが双刃をそろえて上から切りかかるのを、両盾を用いてはじく。

 しかし奴ははじかれるのも想定してたかのような立ち回りで、即座に姿勢を立て直しこちらが攻勢に出る隙を見せず攻撃を嵐のようにぶつけてくる。

 その双斧は、先ほどまでの大剣と違い一撃の重さはない。だが、それを上回る手数とスピードが脅威だ。

 事実全ての攻撃を盾でさばき切れていない。3~4度、さばききれなかった攻撃を鎧で受けている。大剣状態の時ほどでたらめな威力こそないものの、それでも鎧で受けた攻撃はきっちり俺のHPを削っていた。

 【鎧巨人】の高いENDの上からでもHPを目に見えて減らすほどの一撃だ。これがすべて直撃していたらと思うとぞっとする。

 このまま防戦だと悔しいがじり貧だ。ここは無理やりにでも隙を作る!

 

『《シールド・バッシュ》 潰れろ!』

 

「―――ウルムー!」

 

 

 軽い牽制でスキルを発動させ、上から奴を殴りつける。

 しかし奴は蝶か花弁のように重力を無視したような挙動で空中に飛び上がり、攻撃を回避する。

 そして振り下ろした盾の上に音もなく着地する。

 

『牛若丸かてめぇは』

 

「そこは天女じゃないか、俺今女だし」

 

『ほざけ』

 

 自分の盾の上をもう片方の盾を使って薙ぎ払う。

 それもまたふわりとした動きで躱され、空中で身をひるがえし大きく跳躍する。

 ソレは、待ち望んだ明確な奴の隙だった。

 

『空中じゃよけれねぇだろ《ダブル・ガントレット・トリガー》!』

 

 その瞬間、大砲のような轟音と共に俺の鎧から二つの薬莢が排莢され、両手のガントレットが射出される。

 それはこの鎧、伝説級特典武具【撃鉄鎧マグナムコロッサス】の固有攻撃スキル。

 命中すればAGI型なら片手で胴体を寸断できるほどの威力を秘めた、俺の切り札の一つ。

 狙いは寸分たがわず奴の胴体へ吸い寄せられていく。

 

「―――ごふっ、テセウス・第二形態!《フル・オフェンス》、《シールド・バッシュ》!!」

 

 その時奴は思いがけない行動をとった。

 一撃目をあえて受け、その隙にエンブリオを盾と片手剣の形態へ移行。

 そしてあろうことか二撃目を《シールド・バッシュ》で叩き落すことで防御した。

 

「イってぇな、【ブローチ】潰れちまったじゃねぇか! 第四形態!!」

 

 HEROは地面に着地した瞬間にエンブリオを最初の強弓形態へと即座に可変させ、剛射を放つ。

 

『んなもの効く―――』

 

 眉間に放たれたそれを盾でガードしようとした瞬間、

 

『がぁッ!』

 

 最初に喰らったモノとはくらべものにならないその矢の威力に、俺は大きくのけぞった。

 

 

 

□<サウダ山道> 【大狩人】HERO

 

 大きくのけぞったその隙を逃さず、俺は次々に矢をつがえ、縦横無尽に走り回りながら放つ。

 先ほど使った《フル・オフェンス》はテセウス唯一の固有スキル(・・・・・・・・)

 俺のテセウスはそのリソースのほとんどを必殺スキルにつぎ込んだとてつもなくピーキーな仕様で、固有スキルも必殺スキルとのシナジーのある《フル・オフェンス》しかない。

 しかしその肝心の《フル・オフェンス》の効果は、”自身の習得している攻撃力上昇系ジョブスキルのデメリット無しで同時発動させる”という破格なものだ。

 この”自分が習得している”というのは現状使えるスキルでは、ない。

 文字通り使えなくても習得していれば発動条件に引っかかる。

 つまり、本当はメイン時にしか使えない【狂戦士】の《フィジカル・バーサーク》も、乗る。

 このスキルが切れるまでの30秒間のみ、俺の攻撃力は何十倍にも跳ね上がる―――!

 

『こんっの、《アストロガード》!』

 

 剛射を4~5発命中させたところで、バルバロイは《アストロガード》を発動させる。

 その瞬間、奴の防御力は5倍化され、弓矢での攻撃はほぼ無効化される。

 だが、《アストロガード》のデメリットで奴は自由に動くことが出来なくなった。

 その隙をついて、肉薄。それと同時にテセウスを第一形態に移行。

 嵐のような斬撃をお見舞いする。

 【斥候】で習得したSP消費の少ない斬撃系攻撃スキルの大盤振る舞いだ。

 《フル・オフェンス》が切れるまであと十秒―――

 

「《バーチカル・リッパ―》!」

 

『―――』

 

 あと5秒―――

 

「《ホライゾン・スライサー》!」

 

『――――――』

 

 あと3秒―――

 

「《ストライク・レーザー》!」

 

『――――――――』

 

 あと1秒―――!!

 

「《ダブル・ブレイクーーー》」

 

 その瞬間、《フル・オフェンス》の効果が切れ、双斧が盾にはじかれる。

 ―――それを見逃すほど、バルバロイは甘くない。

 

『《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》』

 

 そして、この戦いの決着が近づいてきていた。

 

 

□<サウダ山道> 【鎧巨人】バルバロイ・バット・バーン

 

 相手の攻撃強化系スキルが切れた瞬間を見極めて、切り札である《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》を発動させる。

 《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》は俺の周囲に最大500倍の重力荷重攻撃と対象に【拘束】のバットステータスを与える。俺のエンブリオの切り札だ。

 間違いなく俺の最強スキルだが、コイツSTR次第では抵抗される恐れがあって今まで使うのを控えていた。

 今これを使ったのは、今までの攻撃で奴のおおよそのSTRが割れて、どこまでの距離におびき出せば俺の重力結界にからめとれるかが分かったからだ。

 ソレは、2m。ごく至近距離での最大値500倍荷重でなければ、コイツは拘束しきれない。

 そして不確定要素だった、あのぶっ飛んだ倍率の攻撃強化スキルの制限時間も耐えきった。

 ―――HPは5割を切っていた。

 

『言い残す言葉はあるか?』

 

「ぐ、ぐぉぉぉ」

 

 500倍の重力の中、それでもHEROは抵抗し動こうとしていた。

 それも逃げる為じゃなく、俺を殺す為に。

 その手に握る双斧にはまだ力を込め、両足は立っているのもやっとなはずなのに片膝すらつかない。

 こんな相手は久々―――いや、初めてかもしれない。

 

『お前はよくやった。その無茶苦茶なビルドで王国三位のPKをここまで追い詰めたんだ。誇りに思え』

 

「はっ、ふざけろ。誇りある敗北なんかいるか。泥にまみれてでも、俺は勝ちが欲しい」

 

『ふん、強欲だな』

 

「当たり前だろ、これはゲームだ」

 

 そして奴はこう口にした。

 

好きなゲームで負けて(・・・・・・・・・・)悔しくない(ヘラヘラしている)奴なんざ(・・・・)ゲーマーじゃねぇ(・・・・・・・・)

 

 そこで俺は得心がいった。

 コイツは、HEROは、俺と同じ生粋の遊戯派だ。

 そしてだからこそ誰よりも純粋に、真剣にデンドロに向き合ってるのだと。

 

 それゆえに俺は、全力でコイツを殺す。

 

『―――《解放されし巨人(アトラス)》』

 

 俺は必殺スキルを発動させる。

 《解放されし巨人(アトラス)》は、一時的に自身の防御力を十倍化させ、それを攻撃力に変換する。

 END型でも耐えきれない、【ブローチ】すら確実に潰す、必殺の連打。

 

『粉微塵になれ!!』

 

「なるかゴルァ!!」

 

 そう言って振り下ろした盾は、HEROに命中せず地面にクレーターを作る。

 あろうことかHEROは、この500倍の重力結界の中で横転して、攻撃を躱したのだ。

 

 何故動ける!?

 いや、動揺するよりも攻撃さえ当てれば勝てるのだ。ならば、ごちゃごちゃ余計なことを考えて隙を作るのは―――《解放されし巨人(アトラス)》のタイムロスだけは避けたい。

 

 続けて横転した先の奴の顔面にもう一方の盾を投擲する。

 奴は至近距離で放たれたその盾を―――

 

「《ホライゾン・スライサー》!」

 

 【斥候】系水平斬りスキル《ホライゾン・スライサー》をぶち当ててわずかに軌道をずらした。

 今の俺の攻撃力は十五万オーバー。上級の防御スキルでも何とかできないような攻撃を、こともあろうに下位職の攻撃スキルで伏せいだ。

 

 まずい。

 

 《解放されし巨人(アトラス)》の発動時間は十秒。残り半分を切った。

 すぐさま肉薄し、残った盾と素手による連撃をくわえる。

 その攻撃に、HEROはありったけの攻撃スキルで答える―――!

 

『死ぬまで砕けろぉぉぉぉおおおおお!!』

 

「負けるかぁぁぁあああああああ!!」

 

 《バーチカル・リッパ―》、《ストライク・レーザー》、《ビー・ピアッシング》、数々の攻撃スキルで絶妙に全ての攻撃の起動をずらすHERO。

 何故だ、どういうことだ。こんなことで俺の《解放されし巨人(アトラス)》が負けるはずが―――

 

『だ、《ダブル・ガントレット・トリガー》ぁぁぁあああああああ!!』

 

 《解放されし巨人(アトラス)》の効果が解けるその瞬間、再び排莢される薬莢。

 至近距離で放たれた《ダブル・ガントレット・トリガー》は、回避も防御も不能―――そのはずだった。

 

「―――《ダブル・ブレイク・ファング》ぅぅぅうううう!!」

 

 【大狩人】の攻撃スキル、《ダブル・ブレイク・ファング》によって諸共軌道をずらされ、射出された篭手は地面に激突し大きなクレーターを形づくった。

 

 この攻撃を最後に、MPが枯渇し《解放されし巨人(アトラス)》および《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》の効果は雲散霧消した―――。

 

 

□<サウダ山道> 【大狩人】HERO

 

『―――後学の為に、種明かししちゃくれないか?』

 

「はぁはぁ、あん?」

 

『何故お前は、《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》の中を動けた? 何故、《解放されし巨人(アトラス)》の攻撃をあんな手段で防げた?』

 

 バルバロイは静かな声色でそう尋ねた。

 奴は、俺と同じ生粋のゲーマーなのだろう。

 だから、自分の戦略が崩れたことによる激高より、次に生かすための理性を優先した。

 

「《天よ重石となれ(ヘブンズ・ウェイト)》の中をかろうじて動けたのは、特典武具のおかげだ。この白い外套、伝説級特典武具【天衣無縫ウルムー】と、左手に巻き付いてる黒いバンド逸話級特典武具【叛逆布ジャグラス】」

 

 伝説級特典武具【天衣無縫ウルムー】は、重力を操作して浮遊する地竜UBM【浮遊竜ウルム―】の特典武具で、自身にかかる重力を軽減し、立体的な空中移動などを可能にする。その効果は今回船から飛び降りたときに、落下速度を軽減した時にも発動している。

 もう一つは、状態異常にかかればかかるほど、体力が減れば減るほどステータスが強化されるオーガ種のUBM【反骨魔人ジャグラス】の逸話級特典武具【叛逆布ジャグラス】。効果は自身に降りかかる状態異常を軽減し、その強度分自身のステータスを補強するというモノだ。

 この二つの合わせ技と自前の高いSTRによって500倍の重力結界下でも及第点といえる程度の動きを確保できたわけだ。

 

「そして、《解放されし巨人(アトラス)》の攻撃を何故さばけたかだったか。それは、経験則(・・・)だ」

 

『―――経験則だと?』

 

「俺にはどの攻撃のどこに、どう攻撃を当てればどう軌道を反らせるのかが分かるんだよ」

 

 それが、何千を越える戦闘経験の果てに辿り着いた境地の一つだ。

 

 俺はかつて、強さの壁にぶつかった。

 ソレは、Lv500(カンスト)とエンブリオの成長が止まったことだ。

 だから、強くなる道を必死になって模索した。

 しかし超級職は現在になっても見つからず、エンブリオは進化せず、代わりに自分より圧倒的に遅く始めた、黒郎賛(コウハイ)が超級職にも超級エンブリオも手に入れられ、追い越される始末。

 ビルドの見直しも徹底的にした。その結果、欠点欠陥だらけだが、かろうじて、どんな相手にも五分で戦える(・・・・・・・・・・・・・)今のビルドを確立した。

 

 それでも、まだ足りない。

 全然、頂きには届かない。

 故に俺は、第四の手段を極めることにした(・・・・・・・・・・・・・・)

 

「教えてやるよバルバロイ。このデンドロで強くなる一番手っ取り早い方法は、超級職やら超級エンブリオになることだ。―――だが、一番堅実に強くなる方法は別にある」

 

 それは―――

 

俺自身が強くなることだ(・・・・・・・・・・・)

 

 それが第四の道。

 徹底的な自己研鑽による経験値の積み上げ、プレイヤースキルを鍛え上げること。

 ありとあらゆるゲームの基本でありながら、デンドロでは反則的な超級の力の前に軽視されがちなこと。

 超級職にもエンブリオにも頼れない俺は、この基本を徹底した。

 まず、現実で様々な格闘技を学習した。

 剣術弓道など俺のテセウスの形態に合致したものから、合気道ジークンドー、空手など応用が利きそうなのはすべて覚えた。

 そして三倍の時間の流れるこのデンドロで、徹底的に実践した。

 あるときは闘技場で同じマスター相手に1対1で、またある時はフィールドでモンスター相手に多勢に無勢に。

 何十何百何千の戦闘の果て、いつの間にかトリプルランカーになっていた。

 

 だがまだ足りない。

 俺は、まだ強くなれる。

 

 だから俺は今日ここに、王国第三位のPK”蹂躙天蓋”バルバロイ・バット・バーンを倒すためにここに来た。

 更なる高みへ手をかける、そのために―――。

 

「―――テセウス・必死形態・・・」

 

 そして期は熟した。

 俺の全てをたたきつける準備が整った。

 テセウスを必殺の大戦斧へ変形させ、横なぎに構える。

 それを見たバルバロイが先ほど投擲した盾を拾い上げ、防御の構えを取る。

 そして、背中から排莢。

 

『! あ、《アストロガード》!!』

 

 先ほど枯渇したはずのMPを用いて最大の防御形態をとる。

 多分あの薬莢の中には予備のMPが詰まっているのだろう。

 

 ―――だが(・・)そんなことはもうどうでもいい(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 今はただ、これを―――俺の全てをぶつけるまでだ。

 

「―――《全ては今、この時の為に(テセウス)》!!」

 

 その瞬間、俺の今持つ全てのSPとMPは消え失せ、戦斧の刃が白熱化する。

 《全ては今、この時の為に(テセウス)》の効果は至ってシンプル。

 ”10秒間だけ、24時間以内に相手に与えたダメ―ジを攻撃力に加算し、それを20倍化する”ただそれだけ。

 ただそれだけの、ぶち当てた相手を確実に殺すための一撃(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)!!

 

 それをただ横なぎに振るう。 

 ただそれだけの単純な動作。

 だが、それに合わせて、バルバロイ諸共周囲の景色が横一文字に斬り捨てられた。

 バキリと、バルバロイの鎧の中で【ブローチ】が砕ける、そんな音がした。

 

『なん―――!?』

 

 《アストロガード》での物理防御なんて全く意味をなさない一閃。

 《ダメージ軽減》も発動していない。

 何故なら―――

 

「―――あ、言い忘れたが、この必殺スキル属性は魔法扱いなんだよね」

 

 返す刀で俺はテセウスを大きく袈裟斬りにした。

 白熱化した刃はバルバロイを容易に縦にかち割り、そのついでとばかりに地面に大きな裂傷を作る。

 

『―――なんだその初見殺し』

 

 そういってバルバロイは、その姿を光に変えて消え失せた・・・。

 

 

 

 

 

・・・to be continued




次回、第18話「フィガロ」(4/7 12:00更新予定)。

 相変わらず戦闘描写に自信がない、どうすればうまくなるのか知ってる人は教えてほしいくらい。
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