<Infinite Dendrogram>~王国の双獣~   作:烏妣 揺

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【聖獣乙女アタランテ】
TYPE:メイデンwithガードナー 到達形態:Ⅱ
紋章:弓と果実
能力特性:守護
固有スキル
《カースド・リフレクション》Lvー:パッシブ
 自身を対象とした状態異常をSPを消費して反射する。

聖なる焔よ、魔を照らせ(セイクリット・フレア)》Lv1:アクティブ
 自身の周囲に広範囲の魔属性・アンデット特攻ダメージ。


※短いので早めに書き終わったので、予定より早めに投稿します。



第3話「トーキングタイム」

第3話「トーキングタイム」

 

□<墓標迷宮> 【従魔師】コルヴァス

 

「ぎゃああああああああ!!」

 

 どうも皆さんお久しぶりです。コルヴァスです。

 オレの<エンブリオ>が孵化してから現実時間ではや1週間経ちましたが、まだアタランテとはうまく話せません。

 しかしながらレベル上げの効率は非常に上がり、二人とも最初のジョブがカンスト、オレは新しく【従魔師】をセブンは【騎兵】を取りました。

 

「来んな!来るな来るな来るな来るなぁぁぁぁぁああああ!!」

 

 <エンブリオ>もワンランク進化し、ネメアーはスキルレベルがアップ、何とアタランテは新しく攻撃スキルを獲得しました。その名も『聖なる焔よ、魔を照らせ(セイクリット・フレア)』。広範囲魔属性・アンデット特攻攻撃です。

 

「お前らマジふざけんな!ぶっ殺してやる!!」

 

 これを機会に、狩場を新しくすることにしました。それがこの<墓標迷宮>です。

 <墓標迷宮>とは王都の墓地区画の地下に広がった、五階層ごとに趣や生息モンスターの異なる地下大迷宮(ダンジョン)で、深く潜れば潜るほど強力なモンスターが出現するそうです。

 ここに出てくるのはアンデット型モンスターらしく、アタランテの特攻も相まってより楽に効率よくレベリングが出来るとふんできました。

 

「う、嘘ですごめんなさい!だからこ、来ないでごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!」

 

 しかし、実際に潜ってみると想定外の問題が発生しました。

 

「・・・・・・アタランテ、助けてあげて」

 

『しょうがないですわね。『聖なる焔よ、魔を照らせ(セイクリット・フレア)』!』。

 

 アタランテが『聖なる焔よ、魔を照らせ(セイクリット・フレア)』を発動させると、周囲のアンデットたちが瞬く間に蒼い焔を出して消滅していきます。

 そうです、問題はレベリングではありません。むしろそっちは順調です。

 目下最大の問題というのは・・・。

 

「うぅ、もう嫌だ。おうち帰るぅ・・・」

 

 相棒(セブン)が使い物にならないということです。

 

 

□王都アルテラ 宿屋 【従魔師】コルヴァス

 

「・・・だから俺は行きたくないって言ったんだ!」

 

「でも最終的な説得には応じたじゃん」

 

「だってほら、誰もアンデットがあんなにリアルだとは思わないじゃん!」

 

「えー」

 

 そのあとも「ドラ○エのくさったしたいレベルのファンシーさだと思ってたんだよ」とかグチグチいいつづけるセブン。

 まぁ、セブンがお化けとかスプラッタとかが(この見た目で)大の苦手ということを忘れてたオレにも非はあったかなって思う。

 

「私、セブンさんってもっとこう、精神的に図太い方なのかと思ってましたわ」

 

 アタランテの言い分は多分最もである。

 セブン。本名を七崎 有希。女性的な名前だが、身長180cmの男である。細身でスタイルがいいのはデンドロでも現実でも変わらないが、問題は顔だ。目つきの非常に悪い、いわゆるチンピラ顔、DQN顔。おまけに口も悪いため誤解されやすい。話してみると意外とフレンドリーでとっつきやすい性格をしているのだが、話しかけるまでのハードルが高くて女子には人気はない。しかも悲しいことに本人は無自覚である。

 

「・・・・・・それは、指摘して差し上げませんの?」

 

 あ、そういえばメイデンって<マスター>の考えることわかるんだっけ。うっかり個人情報を流出させてしまった。今度からうかつにモノを考えないようにしないと。

 

「あのね、アタランテさん。世の中には”優しい嘘”とか”知らない方が幸せな事実”ってあるんだ」

 

「それはそうだとは思いますが・・・」

 

「・・・おいお前ら人の話を聞いてたか?」

 

「「聞いてない」」

 

「ひどっ!?」

 

 男の泣き言とか、聞くに堪えないのである。

 

「だからさ! 俺はもう<墓標迷宮>にはいかねぇぞって話!」

 

「え~でもあそこ経験値もドロップもおいしいじゃん」

 

「そ れ で も !」

 

 頑なな態度を取り続けるセブンに対し、交渉のジョーカーをきる。

 

「【墓標迷宮探索許可証】、無駄になっちゃうよ?」

 

「う!?」

 

 【墓標迷宮探索許可証】。<墓標迷宮>に入るのに必要なメダル型アイテム。相場は何と一つ10万リル。上級者たちにとってはともかく、ビギナーのオレたちにとっては高額なアイテムである。

 

「最低でも元は取らない?」

 

「う、うむむむむ」

 

 悩むセブン。セブンにとっても10万リルは重いらしい。少なくとも自分のプライドを秤にかけるくらいには。

 じゃあダメ押し。

 

「じゃあ、オレたちだけでいこうかアタランテさん」

 

「・・・・・・え?」

 

 唖然とするセブン。

 ・・・・・・しめた。

 

「オレたちは全然平気だし、アンデットとも相性いいし」

 

「え、ちょっと待て」

 

「最低でも元取るまでは居座るつもりだよ?」

 

 そしてとどめの一言。

 

 

「別に無理はしなくていいよ? オレとレベル差が開いていいなら(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・<マスター>よ、黙ってしまったぞ? 大丈夫か?」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

 オレにはわかる。セブンがこの後なんていうかが。

 

「・・・・・・・・・わかったよ!!行ってやろうじゃねぇかこんちくじょー!!!!」

 

「ほらね?」

 

 中学の時からの付き合いだからわかる。セブンは凄まじい負けず嫌いだということを。そしてなによりオレに負けることを何より嫌がることを(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)!」

 

「もう自棄だ! 今から行くぞ!!」

 

「え、もう夜だよ?」

 

「どーせ地下なんだから関係ねぇだろ!?」

 

 あ、ちょっと焚きつけすぎたかな?

 

「行くぞごるぁぁぁぁあああああああ!!!?」

 

 

 

 

~1時間後~

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああ!!来んな!来るな来るな来るな来るなぁぁぁぁぁああああ!!」

 

 

 

 

 セブンがこの迷宮のモンスターになれるのには更に1週間(デンドロ時間で3週間)かかった・・・。

 

 

 

 

・・・to be continued




次回、第4話「すきすきだいすきちょうあいしてる」
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