前回風間外科に潜入した鬼門ら一行はどうなったのだろうか
どうなる第10話
「お前ら何してんだよ」
鬼門がつぶやいた。
目の前には安斎と弍崎が子供たちと話していた。
ため息しか出てこない状況だ。
「いや〜あんちゃんにどうしてもって言われちゃいましてね〜」
「これは潜入調査ですから決して子供たちが可哀想だったからっと理由ではありませんので」
目的を見失い子供たちと戯れている二人に本当に感心する。
場所を移し屋上で情報を話す。
屋上ではちょうど綺麗に夕日が見えていて何となくロマンチックな感じである。
「まずは俺から言っちゃいましょうか!」
何となく軽いノリで弍崎が話し始める。
「風間外科の患者は結構癒しを求めてきてるみたいっすね、先生に可愛い子がいっぱいいるとかではなくて親身になって相談に乗ってくれたりするのがいいみたいです」
「子供たちも病人とは思えない子たちばっかりでした。」
いや、お前らそれ、収穫ゼロと同じなだからな。
自信満々に勝ち誇ってる二人はやっぱり仲が良さそうである。いや、単なるバカ同士の波長揃いか。
「俺の情報だけど風間と秘書のを見てみたが得にやばい事に関わっていた訳では無かった、それに日下部春夫は話を聞いた限りでは自業自得にしか思えないような行動を取ってたみたいだし」
その後、日下部春夫の話をして結局でた結論はここめっちゃいい病院じゃね!?ってことぐらいしか無かった。
アトミックに買収されたことと、日下部春夫を捕まえなきゃ行けない任務でこの病院がやばいと勝手に思っていたのかもしれない。
「おい、バカ二人次はどうするんだよ」
「私はバカに入れないでください。とりあえずご飯食べたいです。」
「おーそれいいね!行きましょうよ兄貴〜!」
真剣に考えてるのは俺だけのようだな……コイツら本当に腐ってやがる。
病院を出る時ちょうどアトミックの車が来た。
見るからに高そうって車にださい文字でアトミックコーポレーションと書いてあって作った人のセンスを疑ってしまう。
「お待ちしておりました。参志郎様今日は忙しい中ありがとうございます。」
病院の下っ端がヘコヘコ挨拶してるのを参志郎は無視していた。
入り口に案内される時ちょうどすれ違う。
同時に冴島参志郎っと言う男から発せられるオーラに鬼門は血液が体内を逃げ回っているような感覚に襲われる。
例えるなら恐怖。身体中がこいつはやばい、逃げて、って叫んでるのがわかる。
呼吸が荒くなり意識が飛びそうになってしまう。
「アンタ何もんだよ…」
体からでた言葉の精一杯がこれしか無かった。
「ご存知ありませんか?」
鬼門の方なんて見ないで答えて去っていく。
蛇に睨まれたカエル今の状況にピッタリだろう。
「あの人ってもしかして兄貴〜アトミックの参志郎じゃないっすか〜!」
そんなことつよ知らず陽気に話しかけてきてあれ?兄貴体調わるそうっすね!大丈夫ですか?なんて聞いてくるものだからかなりイラつく
「チッ」
小さい舌打ちだけ返して平然と歩く。
まだ足は重く、家までの距離を歩ける気がしない。
てか、あれ?安斎どうしたん?
ふっと気になる。
「おい、安斎どうしたんだよ」
「いや〜分かんねっすけどトイレとかじゃないっすか?デレケートな」
お前こんな俺が大変な時によくそんな事が言ってられると思って呆れてため息が出てくる。
とりあえず病院前で待ってみることにしたが…
1時間2時間と来ることはなく二人とも不思議に思い病院内を流し回る。
当てがある場所は探して見たけど前世見つからない。
「兄貴あんちゃん拐われたりとか…」
「そんなことあるわけねーだろ!探すぞ!」
自然と大声になってしまう。もし参志郎とかいう男に拐われたとしたら本当に命が危ない。
弍崎も実際は察しているが、口には出さない奴なだ。
「今だけ探していないって…」
「お前圧倒的恐怖の前に立ったらどうする?」
「逃げるか隠れるかじゃないんすか…?」
「それだ!とにかく狭い場所トイレでも何でも探し出せ!」
二手に別れて探すことにした。
どこにいるかなんてわからないはずなのに足はもう勝手に軽く動いていた。
安斎の事が好きとかではない。
もしかしたら自分と同じように恐怖におののき一人震えているのが目に見えてほっとおけないだけ。
自分ならどこに隠れるかそこに安斎がいると思った。
「ロッカー!!」
急いで向かう。
道中にあったロッカーを片っ端から開けて見ていった。
ちがう。ちがう。
ふと、奥に古臭そうなロッカーがあった。人一人入るのがやっとってくらい小さいやつ。
ガチャ___
「大丈夫か!」
安斎は一人ロッカーの中で小刻みに震えていて声を掛けても摩っても反応しない。
「おい!おい!たったく…」
咄嗟にとった行動だった。
震えている安斎の手を引き抱き寄せた。
もう大丈夫、もう大丈夫。心の中で呟きながら優しく抱きしめた。
「うっ…うっ……ひっ…」
「どうした?」
急に安心したのか安斎が涙を流し始める。
「あいつが…あいつは…私の…家族を殺した…。」
「は?」
「あいつが…敵だ…」
「お前
カチャー
「兄貴〜!あんちゃ…えー!!!」
クッソタイミング悪く弍崎かよ。
すぐ手をはなして何事も無かったかのように振る舞う。
そして、そのまま安斎は意識を失ったのだった。
やっべー普通に恥ずかしいところ見られちゃったよ!