新・安珍清姫伝説(別名安珍清姫家族物語)   作:きよひー大好き人間

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みんな…前半はシリアスないけど…この話は後半からなシリアス多めどころかシリアスしかねぇから気をつけろよ…

あと、マテリアルもあるよ…


安珍清姫家族物語 <清彦の章>

清彦と鬼嬢が結婚して20年、我が家は一層賑やかとなった。

 

なんせ清彦が源氏を代表するような将軍にまで上り詰めたとあっては賑やかにならない方がおかしい

 

おまけに娘の清美の着物も、いよいよ各国の姫様にまで人気となり、相変わらず忙しい毎日を迎えている

 

それでも毎年正月や、春、夏、大晦日には必ず家に帰って来るんだから、ホントいい子だよ

 

んで、俺こと安珍様は何してるかって言うとだ

 

俺も相変わらずこの村できよひーと一緒にのんびりと暮らしてるよ

 

まあ、流石に俺はちょっと無理できなくなってきたけどな

 

なーんか危ない事に首突っ込もうとするときよひーが泣きながら止めてくるからな

 

きよひーの涙には弱いのだよわかる?

 

ちなみにきよひーの容貌は変わらず結婚した時と全く変わってない

 

強いて言うなら、背が少し伸びたか?

 

まあ、本当に少しだけどな

 

例えるから、爪楊枝の半分くらいは伸びた感じかな?

 

まあ可愛いからいいんだけどな!

 

異論?そんな事言う奴ぁ俺が叩きのめすぞおらぁん?

 

だけどま、もう俺『64』になるし、きよひーに至っては『56』だもんな〜

 

きよひーも、言いたくないけどロリBBAだしな〜

 

ホンット言いたくないけど

 

まあ、俺はきよひーがどんな姿になろうとも、変わらずきよひーを愛するけどな!

 

きよひー最高ォ‼︎

 

まあそんな当たり前の事はさておき、今日は久々に清彦達が帰ってくる日だ

 

きよひーも今朝俺が採ってきたうなぎをいい感じに焼いてるし、こりゃ清彦喜ぶ事間違い無しだな!

 

ん?俺か?俺は清美の好物であるきゅうりと大根の味噌和えを作ってる

 

ちなみに味噌は俺が作ったゾ

 

そんなこんなしている内に家の玄関が開かれた

 

「父上!母上!清彦、只今帰りました!」

 

「清美もいますよ〜!」

 

お〜お〜来た来た!

 

我が愛する息子と娘が来たぞゥ!

 

こりゃ久々に宴会になるかもしんないな!

 

俺は襖の間からヒョコっと顔を出す

 

「おー、お帰り〜!清彦、今日はお前の大好物のうなぎだぞー!」

 

「う、うなぎ⁉︎母上の作るうなぎですか⁉︎やったー!」

 

あはははは!こいつうなぎの事になるとホンット子供っぽいよなぁ!

 

「清美には味噌和え作ってるからな〜、今のうちに茨木でも連れてこーい。まだきっといるだろうから」

 

「はーい!清美、愛しい親友の元に行ってまいります!」

 

そう行って清美はダッシュで山へと向かった

 

そして玄関の奥から清彦の妻、つまり俺ときよひーの義娘の鬼嬢が出て来た

 

「お久しゅうございます、お父様、お母様」

 

「ん、良きに計らえ〜」

 

「ふふ。じゃあ鬼嬢さん、お手伝いをお願いしますね?」

 

「はいお母様!」

 

鬼嬢がきよひーの手伝いに行くと、さらにその奥から

 

「じぃじー!」

「じぃちゃーん!」

「お爺様〜!」

 

三人の我が愛する孫達が出て来た

 

「お〜お〜!我が愛する孫と孫娘達よ!爺ちゃんにその顔を見せるのだー!」

 

グニグニ

 

ムニュムニュ

 

「あはは!じぃじくすぐったい〜!」

 

「うりうり〜!」

 

「きゃははは!」

 

孫達と戯れる俺

 

いやー俺おじいちゃんになっちまったんやね〜

 

しっかし何度見ても、こらが鬼と人間の子供にぁ見えねぇよなぁ

 

角だって無いしさ

 

「こらこらお前達。そろそろ食事にするから座りなさい」

 

「えー!もっとじぃじと遊ぶのー!」

 

「お父様イジワルー!」

 

「え、ええ⁉︎そ、そんな、イジワルだなんて…」

 

「アッハッハッハ!相変わらずだなぁ清彦は!ほら、そろそろ婆ちゃんの作るうまーい飯が来るから、早く座んな!そろそろ清美叔母ちゃんと茨木も来るしな」

 

「え!茨木ちゃん来るの?わーい!」

 

「いばらぎー!」

 

「清美叔母ちゃんに私のお手玉みせるのー!」

 

おーおー、やっぱ子供は元気だねぇ

 

うんうん!子は国の宝だって偉い人言ってたし、ホント平和だねぇ〜

 

しばらくして、玄関の襖が開いて、そこから懐かしい顔ぶれが集まる

 

「ただいまー!」

 

「おーいチビ共ー!茨木が来てやったぞー!」

 

「ウチもおるよ〜」

 

「いばらぎだー!」

 

「しゅてんもいるー!」

 

孫達は急いで玄関に向かう

 

孫達は茨木と酒呑が大好きだからなー

 

同じ鬼だからかねぇ?

 

てかあの二人よくくるなぁ

 

毎回宴会の時とか孫達が遊びに来た日には必ずと言って良いほど来るしな

 

茨木と酒呑が孫達に囲まれながら周りを囲むと、きよひーと鬼嬢が料理を次々に持って来た

 

「はい、できましたよ〜」

 

「清彦さんのうなぎもこちらに」

 

「おー!待ってましたー!」

 

「うなぎィィィ‼︎」

 

「こーら暴走すんな!誰も取らねぇよ!」

 

ドカッ!

 

「アイテッ⁉︎」

 

「「「あははははは!」」」

 

「こ、こら笑うなー!」

 

みんなが笑顔で食事をする

 

そこには鬼も人も関係ない

 

みんなが笑って過ごす場所

 

こんな日常が、毎年、いや、毎日起こればいいのになぁ〜

 

…そう言えば最近、鬼切りの数が多くなってるって噂もある

 

酒呑達はともかく、鬼嬢達は大丈夫か?

 

……ま、考えてたってしょうがねぇか!

 

さあさあ、きよひーの料理を食べるぞー!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数年後

 

安珍と清姫の住む村にて

 

村の中心にある広場にて、武装した侍達が何かを囲んでいた

 

それは、清彦と鬼嬢の息子娘達だった

 

そして、その前には、泣く子も黙るとされる。

 

源氏のトップの一人、源頼光の姿があった

 

何故、息子娘達が捕まっているのかというと

 

山奥で遊んでいた所に鬼切りの討伐隊が偶然山にいて、角の生えていない息子娘達を一発で鬼の子供だと見切った頼光は、息子娘達を捕らえて、人質として前に出していた

 

「怖いよぉ……」

 

「大丈夫…大丈夫だから…」

 

「ひっく…ひっく…」

 

子供達が泣き出すと、そこへ金色の髪をした男が子供達の目線に沿って話した

 

そう、この彼こそマサカリ担いだ金太郎こと、坂田金時である

 

「心配すんなって、何にも悪いことしねぇからよ?」

 

「グスッ…ホントォ?金太郎のお兄ちゃん…」」

 

「応さ!兄ちゃんに任しとけって!」

 

金時は息子娘達と面識があった

 

清彦に連れられて宴会に参加した時にそれはそれは可愛がっていた

 

しかし、今の金時は複雑な心情だった

 

仮にもし命が助かったとしても、頼光は黙っている筈がない

 

きっと酷い拷問や死んだ方がマシと思える程の仕打ちをするに違いはなかった

 

普段温厚な頼光だが、鬼を前にすると問答無用で切りつけるのだ

 

その気迫は、金時ですら止められないほどに

 

「(頼むから、出てこないでくれよ兄貴…。あんたが出て来たら、頼光の大将が何しでかすかわかんねぇからよ…)」

 

そして、しばらくすると頼光は兵士に命令を出していた

 

「……時間ですね。兵達よ、その鬼の子供を殺しなさい!」

 

「⁉︎」

 

金時は我が目を疑った

 

いくら頼光でも、子供には手をかけないとばかり思っていた金時には、その言葉に納得がいかなかった

 

「ちょ、ちょっと待ってくれよ大将!こいつらまだ子供じゃねぇか⁉︎何も殺さなくっても…」

 

「いいえ金時、確かにこの子達はまだ子供です。しかし、『鬼は鬼』です。恨むなら、この子達の運命を恨みなさい」

 

「納得できるかよ!鬼だからなんだよ!こいつらまだ何も「いい加減にしなさい金時‼︎」くっ…⁉︎」

 

「いいですか?これは『命令』です。その子達を殺しなさい」

 

「なっ⁉︎」

 

頼光は持っていた刀を金時に向ける

 

それはまるで、介錯してやれと言わんばかりに

 

「どうしました?さあ、受け取りなさい?いつもやってる事と同じですよ?」

 

金時はその方を受け取ろうとしない

 

無理もなかった

 

兄貴と慕う清彦の子供達を殺す事など、金時にできる筈がなかった

 

しかし頼光はそれでも刀を差し向けてくる

 

「さあ、早く」

 

金時の手から血が流れる

 

その血は、握り続けた事によって爪が肉に食い込んだ証だった

 

「(すまねぇ兄貴…俺はもう…我慢できねぇ!)」

 

金時はとうとう我慢が出来ず、その場で土下座する

 

「頼む大将!こいつらだけは、こいつらだけは見逃してやってくれ‼︎」

 

「き、金時殿⁉︎」

「何をしているのです!頭を上げなさい!」

 

金時はそれでも土下座を止めようとしない

 

それどころか頭を地面に擦り続けて血を出していた

 

「金時…」

 

「大将、こいつらはまだ何もしてねぇじゃねぇか!なのに何で殺す必要があるんだよ!それに、仮に大人になったとして、こいつらが悪さする鬼に見えるのかよ⁉︎」

 

「…」

 

頼光は苦い顔をする

 

金時が自分に土下座する事なぞ、今まで少なかった事もあり、非常に戸惑っていた

 

「大将、どうか、どうかこいつらに慈悲をくれてやってくれよ…。頼む…‼︎」

 

金時は必死に説得をする

 

その場にいた侍や村の人たちでも、その悲痛の訴えに心を痛めていた

 

…………だが

 

「……………言いたい事はそれだけですか?」

 

「なっ⁉︎」

 

金時は顔を上げる

 

その顔には血が流れていて、とても痛々しそうだったが、頼光の顔は違っていた

 

そう、『笑って』いたのだ

 

「金時、貴方が出来ないのであれば仕方ありませんね。では、母である私がお手本をお見せしましょう…」

 

そう言って頼光は手に持った刀を抜く

 

「や、やめてくれ大将‼︎やめてくれぇぇぇぇ‼︎」

 

金時が止めようとするが、数々の侍達に取り押さえられる

 

「て、てめぇら⁉︎」

 

「お許しくだせい金時殿、しかし、これは必要な事なのです」

 

「左用。確かにあの鬼の子供達は何もしてはおらん。だが、いつ悪さをするかもわからん鬼に情けをかける理由もない」

 

「そう!これぞまさに我々人間にとって『必要』な事なのだ!どうかわかって下さい、金時殿!」

 

金時は必死に振りほどこうと暴れるも、大人数に取り押さえられている為、思うように身動きがとれなかった

 

そして頼光が子供達の前で止まる

 

「うわああああああん‼︎お母様ぁぁぁ‼︎」

 

子供達は泣きじゃくり、死の恐怖に怯えていた

 

そして、頼光が刀を構える

 

「や、やめろおおおおおおおおおおお‼︎」

 

刀が振り下ろされるその時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目えええええええええええええええ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュ‼︎

 

 

 

「なっ⁉︎」

 

頼光の前に立っていたのは、鬼の女性だった

 

そしてそれは、金時にも見覚えがあった

 

ーーーーーそう、鬼嬢だ

 

鬼嬢の体に切り傷があり、そのまま子供達の元に倒れた

 

「お母様⁉︎」

「母様⁉︎」

「お母さん‼︎」

 

子供達が寄り添って母の鬼嬢の元に行く

 

「鬼嬢の、姉貴………⁉︎。う、うわああああああああああ‼︎」

 

金時は火事場のバカ力を発揮し、取り押さえていた侍を振り解く

 

そして鬼嬢の側に向かった

 

「姉貴!姉貴!目を開けてくれよ!姉貴‼︎」

 

しかし、鬼嬢の目は開こうとしなかった

 

子供達が泣きじゃって必死に鬼嬢の名を言うが、ピクリとも動かなかった

 

そして、何かが走ってくる音が聞こえた

 

そう、それは夫である、清彦と安珍と清姫だった

 

そして清彦の周りの光景には、信じられないのが映っていた

 

母の名を何度も叫ぶ子供達と、金時の姿だった

 

「ま、まさか…!」

 

「そんな…!鬼嬢さん…⁉︎」

 

「鬼………嬢………?」

 

清彦は、ゆっくりとではあるが、鬼嬢の元に向かった

 

そして、その光景を見る頼光は信じられないような表現となっていた

 

頼光にとって清彦は憧れの存在だった

 

家族の為に剣を振るうその姿は、まさに美しいの一言だった

 

頼光はそんな彼を見て、いつか自分も彼のようになりたいと思っていたのだ

 

だが、清彦は確かに言ったのだ、自分が斬った鬼の女性の名前を

 

だから、頼光にとって、それは信じられない光景だったのだ

 

そして、清彦が鬼嬢の前に着く

 

「鬼嬢…?冗談だろう?なあ、起きてくれ、起きてくれ鬼嬢。なあ!起きてくれよ!起きてくれよ鬼嬢⁉︎鬼嬢!鬼嬢‼︎」

 

清彦は必死に呼びかけるも、鬼嬢は何も言わなかった

 

ーーーーーー鬼嬢は死んでいた

 

即死だったのだ

 

清彦の顔からは涙が止まる事は無かった

 

わかっているのに、死んでいるのがわかっているのに、必死に呼びかけていたのだ

 

そうすれば、鬼嬢が生き返ると信じて

 

だが、鬼嬢は起きなかった

 

目を瞑ったまま、起きなかったのだ

 

「う、うあ…!うわああああああああああああああ‼︎鬼嬢ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎うわあああああああああああああ‼︎」

 

その悲痛な叫びに、村の人たちは涙を隠す事ができなかった

 

あの優しかった鬼の女性である鬼嬢が死んだのだ

 

涙を隠す方が無理に等しかった

 

そして、清彦は頼光に顔を向けた

 

その顔には、まさに憎悪そのものの顔が見えていた

 

「…………お前か……!お前が……鬼嬢をぉ………‼︎」

 

「ち、違……違います………!私は……鬼を………!」

 

頼光の顔は怯えていた

 

金時も頼光が怯えるような顔を見るのは初めてだった

 

だが、現実に頼光は怯えていた

 

それはまさに、信じていた筈の人が鬼の夫だったと言う真実についていけないかのように

 

清彦は腰に付けていた刀を抜く

 

「………よくも………!よくも………!」

 

その光景をみていた安珍は、これから清彦が何をするかを察した

 

「まさかあいつ…!やめろ清彦!それだけは…!」

 

「よくも………!よくも鬼嬢をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼︎」

 

清彦は刀を構えて頼光に向かっていった

 

「ひいっ⁉︎」

 

頼光は見たこともない怒りを目の当たりにして、怯えきっていた

 

清彦はそんな事御構い無しに躊躇なく頼光を斬ろうとした

 

「死いいいいいいいいねえええええええええッ‼︎」

 

「い、嫌あああああああああああ‼︎」

 

ザシュ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

頼光が目を開けると、そこには、自分の手に持っていた刀で、清彦の体を斬りつけていた

 

「き……じょ……う…………」

 

ドサッ

 

清彦はそう言って倒れた

 

頼光は我に帰る前に自分の手を見た

 

そこには、清彦の血が付いていた

 

それだけではない

 

自分の顔にも、清彦の血が付いていたのだ

 

それを目の当たりにした頼光は、もはや正気を保つ事ができなかった

 

「い、嫌………違う………こんな事の為に私は……………嫌ああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」

 

「大将⁉︎」

 

頼光が取り乱すと、金時は慌てて側による

 

そして清彦の周りには、息子娘達や、安珍と清姫の姿もあった

 

「清彦!清彦‼︎おいしっかりしろ‼︎清彦‼︎」

 

「清彦!どうか目を開けて!母の見て下さい‼︎」

 

「父上!」

「父様!」

「父ちゃん!」

 

家族の悲痛な訴え

 

村の人たちはただ見ている事しかできなかった

 

しかし、清彦の目が段々と開いてきた

 

「ち……ちち………うえ………」

 

「清彦⁉︎待ってろ、すぐ医者に」

 

安珍が清彦を医者に見せようとすると、清彦は首を横に振った

 

「この傷では……もう……それよりも……子供達は…いますか?」

 

「……ああ、いるぞ」

 

安珍が子供達を前に出した

 

「お父さん!」

「父上!」

「父様!」

 

「お前達………すまんな………父はもう……ここにいれそうにない」

 

「嫌だ嫌だ!お父さんがいなくなるなんて嫌だー!」

 

子供達は駄々を捏ねて清彦から離れようとひない

 

「……一つ……約束してくれ……」

 

「…え?」

 

「どうか………『人間』を……恨まないでやってくれ……。それが……父の言葉だ……」

 

「お前それ…!」

 

その言葉は、鬼嬢の両親が残した言葉だった

 

こんな時でも、子供達に人間を恨むなと言う清彦の姿に、村の人や侍も関係なしに涙していた

 

それは、ほんの少しではあるが、鬼と人の心がつながったように見えていた

 

「だから……お前達も……人間を……恨ま……ガホッ⁉︎」

 

「清彦⁉︎」

 

「清彦‼︎」

 

安珍と清姫が駆け寄る

 

「父上……母上……、子供達を………頼み……ます……」

 

「ああ…わかったからもう喋るな…!」

 

「母上……どうか先立つ親不孝者な私を……お許し下さい……」

 

「嫌ぁ!清彦!そんな言葉、母は許しません!だから、生きて下さい!清彦ぉ‼︎」

 

段々と薄れてゆく意識の中、清彦は最後の言葉を残した

 

「父上………母上…………清美…………鬼嬢…………子供………達…………ありがとう…………」

 

ズルリと、安珍の手から清彦の手が落ちていった

 

この時、安珍と清姫は確信した

 

清彦は、死んだのだと

 

「清彦ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

「あぁぁあぁぁぁ‼︎清彦ぉぉぉぉぉ‼︎」

 

安珍と清姫は死んだ我が子の体から離れようとしなかった

 

そして、その光景を見ていた金時も、涙を流さずにはいれなかった

 

「畜生‼︎畜生‼︎畜生‼︎畜生‼︎兄貴ぃ‼︎兄貴ぃぃぃぃぃぃぃぃ‼︎」

 

何度も何度も地面を叩き、悲しみを紛らわそうとする金時の姿に、侍達も何も言えずにいた

 

しばらくすると、安珍は涙を流しながら、頼光の元に行った

 

そして頼光の胸ぐらを掴んだ

 

「おい‼︎これが源氏のやる事か⁉︎鬼を絶滅させる為なら!こんなやり方もあるって言うのかよ‼︎どうなんだ‼︎答えろぉぉ‼︎」

 

「ち…違…違います……!わ、私達は……ここまでは……」

 

「どう違うんだよ⁉︎鬼も人も、同じ赤い血が流れてるじゃねぇか‼︎それでもまだ鬼と人は違うって言うのかよ⁉︎」

 

「そ…それは…」

 

それ以上言われると、頼光は何も言えなくなっていた

 

それを見た安珍は、もうこれ以上の会話は無意味と思い、頼光の胸ぐらを乱暴に離し、こう言った

 

「もう二度と…二度とこの村に来るんじゃねぇ…。そして……死ぬまで二度と家族を語るんじゃねぇ……‼︎」

 

「⁉︎」

 

そう言って安珍は泣いている清姫の元に行き、抱きしめていた

 

頼光はただ鬼を退治しに来ただけだった

 

なのに

 

その鬼を退治したら、残った結果は、尊敬する将軍だった清彦の死と、頼光にとって呪いに等しい『家族』を名乗る事を死ぬまで禁じられる事の二つの最悪の結果しかなかった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから1年

 

清彦の命日なったある日

 

俺ときよひーは清彦の墓参りに来ていた

 

その隣には、清彦の妻、鬼嬢の墓もあった

 

…ったく、親より先に死にやがって

 

俺ときよひーが線香をあげて祈っていると、そこへ、茨木と酒呑が花と酒を持ってやってきた

 

酒呑は何も言わずに酒の蓋を開けて清彦と鬼嬢の墓にかけた

 

茨木も必死に涙を堪えて花を手向けてくれた

 

「…ウチらにはこんな事しかできひんけど、堪忍な…」

 

「うっ…グスっ…心配するな…お前の子供達は元気に過ごしているぞ…!グスっ」

 

「…ありがとな、酒呑、茨木」

 

「礼ならお構いなく、ウチら鬼の為にしてくれた清彦はんには、大きな大きな借りがあるやさかい。…こんなんでは、まだ恩返しできひんよ…」

 

「う、うむ…グスっ…。清彦、貴様の言ってた鬼と人の共存も…時間はかかるかもしれんが…必ず実現させると言う鬼が現れたぞ…!だから…安心して…眠れ…」

 

そう言って茨木は懐から甘味を出して、お供えし、酒呑も果物などをお供えしていた

 

「鬼嬢と仲よう食べてーな?ウチが厳選したとびっきりの果物やさかい。きっと天国でも味わえんような物やで?」

 

そう言って酒呑は墓の前で手を合わせてくれた

 

茨木も何も言わずに手を合わせてくれた

 

ああ、清彦

 

お前の夢、本当に叶うといいな

 

性格には少し難があるけどよ、それでもお前の為に手を合わせてくれたんだ

 

これだけでも、いい進歩だと思うぜ

 

「…そんじゃ、ウチらはこれにて」

 

「清美によろしく言ってくれ」

 

そう言って二人は墓を離れ、住んでる山へと帰っていった

 

俺ときよひーは、立ち上がって墓を見る

 

「きよひー」

 

「…はい」

 

俺ときよひーはそれ以上は何も言わずにそのまま抱き合った

 

少しでも悲しみを紛らわそうとするのもあるけど、それだけじゃない

 

きっと、こうやって抱き合っている姿を見せれば、清彦も安心するだろうと考えた俺なりの表現だった

 

…まあ、それで本当に清彦が安心するかはわからないけどな

 

『…父上…母上…どうかお幸せに…』

 

 

「きよひー…!」

 

「ええ…!清彦….!」

 

きよひーは強く俺を抱きしめると、そのまますすり泣いていた

 

俺も、思わず男泣きをしちまったけど

 

誰かを思わない涙を流さない奴なんて、この世にはいないからな

 

清彦…鬼嬢…どうか天国で、お前の子供達を見守っててくれよな……

 

 

 

つづく




清彦 マテリアル

クラス:セイバー

【プロフィール】
真名:清彦
CV:浪川大輔
累計絆ポイント 30,000
【キャラクター詳細】
彼は安珍清姫伝説に出てくる人物ではない

ーーー彼は新・安珍清姫伝説に出てくる、安珍と清姫との間に出来た子供なのだから

【マテリアル】

【絆Lv.1】
身長/体重172cm・61kg
出典:『新・安珍清姫伝説』
地域:日本
属性:秩序・善
性別:男性
彼は常に、家族や妻の幸せを願っている

【絆Lv.2】
「新・安珍清姫伝説」に登場。
安珍と清姫からこの上ない愛情を注がれて育てられ、とても清らかな心を持つ男性へと成長した。
彼が26の時に、源氏の門を叩き、そこからさらに20年後には、源頼光と並ぶ大将軍へと出世する。

【絆Lv.3】
『自己流剣術:A++』
妻の鬼嬢を養う為に武将となった清彦が自己流で編み出した剣術にしてスキル。
あらゆる剣術を持ってしてもその太刀筋を読むのは難しく、最悪太刀筋に慣れようとして切られるケースもある。
しかし、これだけの技を生み出すのに清彦は血の滲むような努力と研究をした事による、まさに汗と涙と血の結晶とも言える代物となっている。

【絆Lv.4】
清彦の物語は、新・安珍清姫伝説の中でも賛否が両論している。
何故なら、清彦の物語の結末は、悲しい結果で終わってしまっているのだ。
妻の鬼嬢を、尊敬していた源頼光に殺され、敵討ちとばかりに頼光に挑むも、頼光の持つ刀に刺されてしまう
その後、息子と娘達に鬼嬢の両親と同じく「人間を憎むな」と約束させ、その生涯に幕を下ろした。

【絆Lv.5】
『剣術無双・剣身火生三昧』
ランク:B
種別:対人奥義
父・安珍と母・清姫に教わった清彦最強の奥義。
刀に仕込んだ少量の油を摩擦熱によって引火させ、まるで竜と大蛇が混じり合ったような形となり、敵全体に向かって斬り刻む。
ーーーーその姿は、まさに龍が如く。

【絆Lv.5】
『鬼の加護:EX』
鬼と人間が共存できる世界を目指して努力した清彦にのみ与えられたスキル。
会った事のある鬼や会った事のない鬼などの加護が無意識の内に清彦の中に入り、彼とそれを見守る仲間や家族達に鬼の力を与え、暖かく見守ると言う。
ーーーーその加護の中には、清彦の愛する妻、『鬼嬢』の姿もあった。

【ステータス】

筋力:B 耐久:B 敏捷:A+ 魔力:E 幸運:D 宝具:A

HP:1764
ATK 1558

MAX時
HP11093
ATK8999

【クラス別スキル】

対魔力:D 自身の弱体耐性を少しアップ

騎乗:A 自身のQuickカード性能アップ

【保有スキル(FGO風)】

自己流剣術:A++ 自身のArtsカード性能アップ&弱体無効状態を付与&防御力アップ(3T)

心眼(偽):C+ 自身に回避状態を付与(1T)&クリティカル威力アップ(3T)

鬼の加護:EX 自身の攻撃力アップ&宝具威力アップ(3T)&味方全体の攻撃力アップ(1T)

【宝具】

剣術無双・剣身火生三昧
ランク:B
種別:対人奥義
種類:Arts
敵全体に超強力な攻撃&敵全体にやけどを付与(5T)&攻撃力ダウン(3T)&低確率でスタンを付与


【コマンドカード】
Quick×2
Arts×2
Buster×1

【Weapon】

『妖刀・心崩』
とある鬼の一族に伝わりし呪われた妖刀。
この妖刀を持ち、相手を斬りつけたら最後、その心をも崩してしまうとされている。
しかし、清彦はこれをうまく制御しており、今ではただの切れ味の良い刀になっている。

ツヅーキ?

…まあ未定かな
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