①主人公ハーレムモノです。
②ややディストピアに近い世界です。
③なるべく早く次話を更新しますが、働きながら更新となりますので不定期であることをお許し下さい。
初作品でつたない部分もありますが、よろしくお願いいたします。
西暦2500年、少子高齢化が限度に達した国の一部、クローン技術に手を出す。
同年、宗教的なタブーにより、クローン技術に手を出した国を非難。人道主義の観点から多くの他国も大同し、クローン計画は頓挫。
その煽りをくらい、緊急時を除く体外受精もほぼ禁止に。
西暦2600年
流石に自然な妊娠、出産だけでは限度に達した各国は、百年前のプランを復活させようとするが、資料は散佚、プランの復活は困難を極める。
結果、一部の過激派により、老若男女問わずの拐かしが発生、国連により鎮圧される。ただし、鎮圧軍の一部が、敵国の国民を誘拐した事実が発覚。国がいくつかの派閥に別れ、戦争となる。
西暦2605年
長らく戦争を行わなかったためか、やめ時が分からず、各国の軍務についた人間のうち、実に2割が死亡。その中身がほとんど男子であったため、男女比1対9という、生物として崖っぷちに立つ。
西暦2610年
正式に各国は和解し、平和の道を歩き始めた。
「……なんだよ、これ。」
フィクションの世界でもなかなかお目にかかることの無いその内容を眺めて、彼は目頭を押さえた。自分はいつから宇宙船ではなく、
青狸の秘密道具に乗っていたのか。
「……困惑されるのは解ります。貴方が高校進学の対価として乗せられた宇宙船が速度を『光速』に設定され、外宇宙を廻った結果、このような未来にたどり着いてしまったのを。ただ、貴方が一年廻っている間地球で起きた事は、細部はともかく大筋はその本の通りです。赤山真介(アカヤマシンスケ)さん」
頭を抱える彼に、女は声をかける。
別に自分は特別な人間ではない。
むしろ、彼は『選ばれなかった』人間であった。
両親が幼い頃交通事故で他界してから、彼は十歳から五年間を一人で暮らした。
理由は簡単、前述した少子高齢化が限界に近かった国が事業を仕分けた際、減らした孤児院の定員オーバーにひっかかり、入れなかったのだ。
勿論、親の保険金に加え国の補助やヘルパーなどは来てくれたものの、残念ながら前述した少子高齢化の影響で働く世代が激減した時代であり、ヘルパーは週二回ほどしかこず、ほぼ家事は自分でこなしていた。
これは別に良い、まあ不幸ではある我慢できた。
だが、一つだけ、真介には耐えられない事があった。
彼は幼稚園の頃から、何かを発明する人間になりたかった。理由は、テレビで観たヒーローモノの影響である。
だからこそ、彼は遊びたい盛りの小学校時代に自分の時間を削りながらも、勉強をしてある程度の成績をとる事ができた。
しかし、担任は言った。
このままだと、君は義務教育以降の学校に通うのは難しいと。
働く世代が激減して数十年。
高校、大学に通うには、割りと洒落にならない金額を必要とし、それは君が保有しているお金では足らないと。
泣きながら家に帰った自分にかかってきたのは、父の友人を名乗る科学者からの、電話であった。
「いや、感傷や過去に浸ってる時間じゃないな」
首を振って、過去に浸っていた頭を戻す。そう、三百年経とうが身寄りのない自分にはほぼ関係がなく、最も大事なのは今である。
「正直、未だ分かったとは言えないが、とりあえず今の日本は平和で、俺の宇宙船がすげー速さで動いた結果、俺の1日=地球の1年になってたんだろ。オーケー。で、俺はこれからなにすりゃいい?できれば高校には通いたいんだが……」
困惑する真介に、女性は慌てて手を横に動かしながら答えた。
「勿論、こちらとしても、可能な限りのフォローはさせていただきます。お金等もご安心下さい。貴方の船を作った龍宮亀助さんは、宇宙船が帰還した時のための報酬を国に預けてました。遅れましたがこちらが通帳とカードになります」
渡された見慣れない銀行の通帳に目を通すと、なるほど、とりあえず一生ニートでも暮らせるような金額が入っていた。
「こいつは嬉しい誤算ですね。で、後、俺は何をしたら良いんですか」
もらったお金関係を、宇宙船から持ち出したバックにしまいながら、続けて問いかける。
「やはり、分かりますか?」
ばつが悪そうな顔をしながら彼女は問いかけるが、流石に学がない自分でも、宇宙船が着地したあと、家に帰ることを許されず、黒塗りの高級車で要塞みたいな場所に送られれば少しは察することができた。
あ、これ俺はなんか厄介な事たのまれるな、くらいは。
手を膝の上で組みながら相手の返答を待つと、彼女はスーツの胸ポケットから、観念したかのように一枚の名刺を抜いて、差し出した。
『国立日本戦国連合高校』歴史担当教師吉田祥子(ヨシダショウコ)
彼女は言った。
「赤山真介さん、貴方の通う高校です。勉学もスポーツもレベルが高く、教師陣も同様です。貴方の宇宙船に搭載されていた勉強関係のログをみる限り、貴方が大学進学を望む上で、満足できる高校はここの他はないでしょう。貴方の宇宙船に搭載されていたデータの収集と引き換えに、学費も特例で無償とします……ただし……」
彼女は少し言い淀んだ後、はっきりと言った。
「貴方には最低でもここで二桁以上の配偶者を見つけていただきたい。」
「……は?」
飛び出したあまりの言葉に、自分の口は、しばし閉じるのを忘れた。
主人公の知らない、三百年の人の歩み