自我を手に入れた少女達の翼   作:わんたんめん

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いや、本当に遅れて申し訳ないです。7話を投稿した次の日インフルエンザを発症してしまい、ここまで投稿が遅れてしまいました。おかげでいつも少ない文章がさらに少なくなっております。


第8話 連行

「トラック泊地の残存部隊・・・?それじゃあまるでトラック泊地が墜とされたみたいな言い方じゃない。」

「残念ながら事実です。詳しい事は彼女らから聞いた方が速いでしょうけど。」

 

無事、戦闘を終えたヒイロ達は助けた艦娘、翔鶴と瑞鶴に事情の説明を行っていた。

トラック泊地が陥落したこと、そして、自分達はそのトラック泊地の残存部隊であること。

瑞鶴と翔鶴は天龍達からの説明でそれがすべて事実であることを察した。

 

「ところで、あなた方の所属はどこですか?」

「は?横須賀鎮守府だけど・・・?」

 

ヒイロはそのことに喜んだが、束の間、アムロから通達が入る。

 

「ヒイロ、5キロ南西から艦娘が4人こちらに向かっているが、どうする?」

「それは、多分、吹雪達ね。警戒しなくていいわよ。」

「同じ所属の艦娘か?」

「うん。それで、ヒイロだっけ?なんで私達の所属を聞いたの?」

「彼女達の傷を見てどう思いますか?」

 

瑞鶴は天龍達の傷を軽く見る。そこら中に傷がつけられて痛ましくなっている。あまり直視できるものでもなかった。応急処置はある程度は施されているが、専門的な処置も必要のようにも見える。

 

「・・・専門的な治療が必要だと思うわ。」

「そう思ってくれるのでしたら、話は速いです。結論から言わせてもらうと我々を大本営、ないしは横須賀鎮守府へ連れて行ってもらいたいのです。」

「・・・ごめん、それは私が決めれることじゃないわ。旗艦は吹雪だし・・。」

 

瑞鶴が目をやると、アムロが見つけた4人の艦娘がすぐそばまで来ていた。

巫女服やセーラー服などの衣装を身につけた艦娘達はヒイロ達を警戒しつつも瑞鶴と翔鶴に駆け寄る。

 

(あのー、天龍さん?)

 

 

ヒイロが天龍に小さく話し掛ける。

 

(誰が吹雪か、わかります?)

(ああー、うるさいのが金剛、さっぱりしてんのが北上、デレデレなのが大井、んで、残ったのが吹雪だ。)

(あんな子供が旗艦を!?)

 

ヒイロが驚いていると、セーラー服を着た中学生のような少女、吹雪が話しかけてきた。

 

「あ、あの。瑞鶴さん達を助けていただき、ありがとうございました!!」

 

そういい、ヒイロに敬礼をした。

 

「えっと、成り行き、でしたので。で、ですよね?」

 

ヒイロは同意を求めたが、アムロ達は第6駆逐隊の方を見ており気づいていない。

 

(マジですか・・・)

 

諦めて、吹雪の方に顔を向ける。

 

「それと、トラック泊地が陥落した、というのは、本当なんですか!?」

「悪いけど、本当だ。俺たちは遠征の帰りだったんだが、その時にはもう奴らの巣窟だったよ。」

 

天龍の言葉に吹雪は悲しい顔をした。

 

「そう・・ですか・・。そのことは大本営には?」

「言ってないな。通信機もお陀仏になってたんでな。」

「なら、早く伝えないと・・」

「その時になんですが、我々のことも報告してもらえませんか?」

「わ、わかりました。」

 

吹雪が通信を始めた。話しこんでいたが、しばらくすると、終わったようで再びヒイロ達の方を向く。

 

「提督からもっと詳しい話しを聞きたいとのことです。ご同行願えますか?」

「それは、願ったりかなったりです。お願いします。」

 

 

数時間後、吹雪達に連れられ、ついに横須賀鎮守府にたどり着いた。

 

 

「ここが横須賀鎮守府・・・かなり広いな。」

「でも、やっぱり軍事施設っていう感じはあまりしないね。」

 

 

しばらくしていると、視界の左に写っていた崖が開く。どうやらハッチのようだ。

 

吹雪達がそちらに向かうのを確認して、ヒイロ達もそれについていく。

 

「中は思ったよりハイテクですね。」

「すまない、所属している君たちはともかく、天龍達の艤装はどこに置けばいいんだ?」

 

アムロが吹雪達に声をかけると、ピンク髪で横髪をおさげ風にまとめた女性が答えた。

 

「それでしたらこちらの方に持ってきてください。」

「よろしく頼む。」

「ええ、任せて下さい。」

 

そういい、天龍達を連れて、その場を後にした。

 

「アムロさん〜。私達はこっちですよ〜。」

「ああ、今行く。」

 

アムロが向かおうとしたその時。

 

 

「えっ・・・アムロ・・?」

 

ヒイロ達ではない、誰かの声がした。声のした方向を見ると、オレンジ色のショートカットに青い眼を持った女性がいた。

その女性はアムロの視線に気づくと、そそくさと逃げるようにどこかに行ってしまった。

 

(彼女からした感覚・・まさか・・な。)

 

 

ヒイロ達は横須賀鎮守府の秘書艦、長門に連れられ、提督の元へ連れられていた。

そして、明らかに今まで通ってきた扉より、高級感溢れる扉をくぐる。

そこには『司令室』の札がかかっていた。

長門が扉をノックすると、中から、入れ、と声がする。

長門に連れられるまま入るとそこに一人の男性が立っていた。

 

「提督、件の6人、連れてきました。」

「ああ、ありがとう。長門は下がってくれ。少し、込み入った話しになる。」

 

提督から言われると、長門は敬礼をし、司令室を後にする。

 

「立ち話もアレだから、座ってくれ。」

 

提督に促され、ヒイロ達は用意されていた椅子に腰掛ける。

 

「さて、まずは瑞鶴達を助けてくれてありがとう。感謝する。」

 

と、深々と頭を下げた。

 

「いえ、こちらはほぼ通りすがりでしたし。こちらが感謝したいぐらいです。」

 

ヒイロがそう話しをきると、提督は神妙な顔をし、話しを始める

 

「・・・では、本題にはいるのだが、本当にトラック泊地は堕ちたのか?」

「天龍ちゃん達から聞いたことでよければ、私達が知っていることをお伝えします。」

「ああ、構わない。」

「ですが、申し訳ありません。一つ、条件があります。これを飲んでいただければ、すぐに教えます。」

 

ヒイロがそういうと、提督は驚いた顔をする。

 

「と、言っても条件は簡単です。天龍ちゃん達を専門の病院に連れて行って欲しい。それだけです。」

 

提督は今度は拍子抜けした顔をする。

 

「・・・もっときつい条件を提示すると思いました?」

「あ、ああ。」

「では、よろしくお願いします。」

 

そういい、話しを進めようとしたところで、提督が口を開く。

 

「そういえば、君たちはこれから住むところなどはどうするんだ?」

「・・・まぁ、野宿とかしながら、ですかね。」

「良かったら、ここに残っていかないか?助けてくれた礼だ。」

 

提督からの提案にヒイロは、

 

(・・・おや、向こうから来ましたか、こちらから引っかかる予定だったんですけど・・・。)

 

アムロ達を見ると、別に構わないという視線が帰ってくる。それを見たヒイロの答えは一つ。

 

「でしたら。お世話になるとしましょう。」

 

こうして、ヒイロ達は横須賀鎮守府の一員となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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