自我を手に入れた少女達の翼   作:わんたんめん

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第11話 発令!!トラック泊地強襲作戦!!

夕飯を食べ終え、部屋で一夜を過ごしたヒイロ達。

その次の日の朝、皆揃って早く起きてしまったため、暇を持て余していると、

部屋のドアをがノックされる。一番近くにいたヒイロがドアを開けると提督が立っていた。

 

「どうかしましたか?」

「朝早くからすまない。少し、私についてきてくれないか?」

 

それと同時に鎮守府の館内放送で全ての艦娘が講堂に集まるように、と知らせられる。

 

「・・・トラック泊地のことか?」

 

刹那がそう聞くと、提督は黙って頷く。その反応にヒイロ達の顔に緊張が疾る。

部屋を出たヒイロ達は提督に連れられ、講堂に足を踏み入れる。そこには既に艦娘達が一堂に会していた。

鎮守府で主に通信を担当している艦娘、大淀に促されて、壇上に立っている提督の後ろに立つ。

一番先頭に立っていた長門の「礼っ!!」という勇ましい声とともに全ての艦娘が提督に対し、敬礼をする。提督も敬礼で返し、艦娘達は敬礼をしていた手を下ろす。

 

「まずは朝早くから集まらせてしまってすまない。今回集まってもらったのは緊急事態が発生したからだ。」

 

提督の言葉で艦娘達の間でざわめきが起こる。事情を全く知らない艦娘は周りと確認しあったりしているが、ある程度知っている吹雪や翔鶴あたりは緊急した面持ちをしている。

 

「今日、大本営からの通信で、トラック泊地が陥落した事実が判明した。」

 

艦娘達からどよめきの声が挙げられる。不安など様々な感情のこもった声も聞こえたが、提督は一度、手を叩き艦娘達をなだめる。静かになったことを確認した提督は話を続ける。

 

「大本営はこの事案に対し、急遽、トラック泊地奪還作戦を発令した。既にいくつかの鎮守府は作戦行動を開始し、トラック泊地周辺海域の掃討にあたっている。そして我々のやることだが、大淀、頼む。」

 

ここで提督から大量のプリントを持っている大淀にマイクが渡される。

 

「はい。今回、この奪還作戦で我々に課された任務は、最終目標であるトラック泊地に居座る深海棲艦の姫級、もしくは鬼級に強襲を仕掛け、これを撃破することです。」

 

(つまり、敵本拠地を叩き潰せってことですか・・)

 

「これに伴い、知っている者も多いと思うが、新たにこちらの6人が仲間に加わる。彼女らはトラック泊地からの生還者をここまで連れてきてくれた。彼女らの加入は我々の作戦成功の手助けとなってくれるはずだ。自己紹介を頼めるか?」

 

ヒイロ達が呼ばれたのもこれを兼ねてのことだったのだろう。確かにヒイロ達の顔合わせにもいい機会だろう。

 

 

「ヒイロ・ユイです。よろしく。」

「アムロ・レイだ。よろしく頼む。」

「刹那・F・セイエイだ。」

「キラ・ヤマトです。よろしくお願いします。」

「ハイネ・ヴェステンフルスだ。ハイネって呼んでくれ。」

「ガロード・ランだ。よろしくな!」

 

各々が自己紹介を済ますと、提督が話しを進める。

 

「では、これより、編成を伝える。構成は連合艦隊とし、第1艦隊旗艦を伊勢とし、日向、扶桑、山城、翔鶴、瑞鶴の6名。」

 

「「「はい!!」」」

 

提督に名を呼ばれた艦娘は敬礼をしながら立ち上がる。

 

「続いて、第2艦隊旗艦を鳥海に任命し、摩耶、古鷹、加古、長良、時雨の6名。とする。そして、ヒイロ君達だが、いきなりで申し訳ないが、出撃してもらっても構わないか?」

 

提督の言葉に再び、どよめきが起こる。異例の大抜擢にも等しい扱いにヒイロは少し戸惑う。

 

「あの・・よろしいんですか?いくらか吹雪さん達からは聞いているでしょうけど、貴方から見て、我々は完全に未知のモノ、兵器なんですよ?」

「それでもだ。我々、人類は深海棲艦に打ち勝たねばならない。そのためならば、どんなものからでも力を借りたい。」

 

提督の目からは決意が滲み出ていた。ヒイロは皆に見えないように小さくため息をつき、

 

「・・・分かりました。その任務、受けさせていただきます。」

「・・ありがとう。」

 

提督は艦娘達に向き直り、激励の言葉を送る。

 

「出撃予定日はおよそ3日後だ。それまで各員は英気を養っておくように。では解散!!」

 

解散が宣言されてから、人が減り、まばらになり始めた講堂を出るヒイロ達。

そこに再び提督が声をかける。

 

「ヒイロ君。先ほども言ったが、受けてくれてありがとう。」

「いいんですよ。それよりも、何か他にあるんですか?」

 

ヒイロの言葉に提督は神妙な顔をする。

 

「これは、君たちだけに話す内容だ。艦娘の皆には、関係のないことだからな。

トラック泊地はどうやら、ブラック鎮守府だったようだ。」

 

聞きなれない言葉にヒイロ達は疑問符をあげる。

 

「ブラック鎮守府?なんだそれ?」

「艦娘に対して、暴力を振るったり、過酷な遠征任務を課したりして使い潰しにしている鎮守府のことだ。ひどいとこだと、ろくに補給も与えない、などということもあるらしい。」

 

当たって欲しくなかった事実にヒイロ達は顔を顰める

 

「そう・・ですか。調べて頂いてありがとうございます。」

「・・我々としても情けない限りだ。前々から黒い噂はあったのだが、確固たる証拠がなくてだな・・。」

 

すまない、と頭を下げる提督に対し、

 

「謝るんなら、俺たちじゃなくて、天龍達にしてくれ。被害を受けてんのはアイツらなんだからさ。」

「そう、だな。忘れてくれ。」

「なぁ、そのトラック泊地の提督はこっちに避難してたりすんの?」

「い、いや、そういう報告は受けていないが・・?」

 

妙にいい笑顔のガロードに若干恐怖を感じつつ答えた提督だったが、ガロードのこめかみに青筋が立っていることに気づき、激怒していることを察する。

 

「なら捕まってんのか?なぁ、アムロ、トラック泊地の提督は生きてると思うか?」

「まぁ、指揮官だからな、悪いようにはしてないとは思うが・・。」

「なら良かった。ちょっと思いっきりブン殴りたくなったから、行き場がなくなるとこだったぜ。」

「ガロードお前ナイスアイデアだな!!俺もこの行き場のない怒りをどこにぶつけようか探してたところだったんだよ!!」

 

ガロードの考えにハイネが便乗する。焦ったヒイロとアムロがやめておけと忠告する。続けてキラも何かガロード達に対して口を開く、が。

 

「駄目だよ、ガロード。せめて、拘束して海に沈めるぐらいにしてあげないと。」

「真顔で何を言っているんだ・・!?ガロード達よりひどいぞ!?」

 

まさかのキラの寝返りに驚きを隠せないアムロ。

 

「さて、冗談はさておき。提督さん、後は何かありますか?」

(・・・本当に冗談だったのだろうか・・?)

 

キラの発言に対し、そう思った刹那であったが、話が進まなくなるので口には出さなかった。

 

「いや、特にはない。それじゃあ、後は3日後まで準備を頼む。」

 

 

提督と別れたのち、ヒイロ達はこう心の中で呟いた。

 

(((準備って、なにをすればいいんだ?)))

 

特に装備の確認もする必要がないヒイロ達はまた暇を持て余すのだった。

 

 

 

 

 




「そういえば、私が何か代表みたいな感じになっていますが、なんでですか?」
「・・・逆に聞くが、一体いつから自分が私達の代表をしていないと錯覚していたんだ?」
「なん・・です・・って・・!?」
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