自我を手に入れた少女達の翼   作:わんたんめん

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第15話 強襲!!トラック泊地攻略作戦 Ⅲ

ギギギィ〜

 

戦闘の余波でもはや役目を果たせなくなった扉を開けるとそんな音が響いた。

ガロードはさながら廃墟にやってきている気分になった。

 

(さてと、探しに行きますか。)

 

ガロードがここに潜入したきっかけはヒイロのとある予想からであった。

ヒイロが間宮の手伝いをしていたのはちょうど彼女が昼飯の準備をしている所にきたときなぜか自分はできると思ったからだ。

いざやってみればしっかりできたからその理由を探していたところとある予想にたどり着く。

 

もしかしたら、自分達にはパイロットができていたことはある程度できるのではないのか?

 

事実、パイロットのヒイロ・ユイは料理、洗濯などの家事も普通にできた。

ここで話をガロードに戻す。

パイロットとしてのガロード・ランはMSから部品をくすねたり、ピッキングなどをやっていた。つまるところ、盗っ人業で生活費を稼いでいた。

環境が環境だったから仕方ないというのもあるが。

そういうわけで、こういう潜入もある程度はできると踏んだガロードは生存者捜索のためにトラック泊地の内部に来た。

 

しかし、事前情報もなく、横須賀鎮守府程ではないが、広い施設から何人いるかわからない生存者を探すのは無理があった。

しらみつぶしに回るしかないか。ガロードがそう思い、足を踏み出したその時。

 

ガロードの第6感とも呼べるものが何かを感じ取った。

まるでこっちへ行けと言わんばかりの感覚だった。その方角はガロードが探そうとしていたのと全くの逆だった。

 

(・・・いってみるか。)

 

たどり着いたのはとある一室、案の定、鍵がかかっている。

ガロードは服のポケットから一本の針金を取り出す。

 

(・・・頼む。力を貸してくれ・・)

 

針金を鍵穴に挿しこみ、ピッキングを開始する。感覚的にこうすればいけるとは分かっているが、やはり初めてだからか、予想以上に手間取る。

心の中で焦りながらもできる限り落ち着こうとするが、ガロードは余計に焦り始める。

だれかの足音が聞こえた。普通だったら焦る理由もないが、ガロードが今いる場所は敵の真っ只中、ましてや本陣にも等しい場所である。

となると、近づいて来ているのは、十中八九、深海棲艦であろう。

 

(う、嘘だろ!?こんなタイミングでかよ・・!!)

 

隠れようにももはや目の前の部屋にしか逃げ込むしかないガロード。心の中で悪態をつきながら、一か八か作業スピードを上げる。

 

カチンッ

 

鍵の開いた音が聞こえた。慌ててドアを開けて、飛び込もうとしたが、深海棲艦はすぐそこの角から姿が見えかけていた。

 

間に合わない、そう思ったその時、

 

「鍵の解錠、ありがとうございます。リフレクターインコム、射出します。」

 

部屋の方からどこか機械的な印象を受ける声が響いた。

ガロードが咄嗟に部屋の中を見た途端、オレンジ色の物体が飛び出し、続いて水色のビームが飛んでくる。

 

放たれたビームはオレンジ色の物体に当たった瞬間、突如角度を変え、部屋からは死角になっていたはずの深海棲艦を撃ち抜いた。

 

「ビ、ビームが曲がった・・?」

 

ガロードが呆気に取られていると、ビームを放ったと思われる張本人が手をさしのばす。

 

「大丈夫ですか?すみません、急に撃たれたりすれば驚きますよね。」

 

その人物はなんか色々と大きかった。

身長は170を超えており、髪は碧色で腰近くまで伸ばしていた。

目の色はオッドアイで片方は髪と同じ碧色でもう片方は真っ赤な赤だった。

そして、なにより目が引くのはその体型であり、簡単に言うと、ボン、キュッ、ボンであった。

 

「お、おう。サンキューな・・。」

 

しどろもどろになりながら、ガロードはその人物の手を取った。

すると、部屋の奥に艦娘達がいるのが目に入る。人数は6人。

彼女らは鎮守府にもいたから名前は覚えていた。

 

「えっと、奥にいるのは、比叡、古鷹、神通、由良、島風、深雪か?」

「はい、よくわかりましたね。もしかして、ほかの鎮守府の方?」

「ああ、そうだ。これはあっちに言った方がいいか。」

 

ガロードは座り込む艦娘達に笑顔でこう告げる。

 

「あんた達を助けに来た。天龍の頼みでな。」

「て、天龍さんが!?い、生きてたんですか!?」

 

比叡が驚きの表情をあげる。ほかの艦娘達も比叡ほどではないが驚きの表情をしていた。

 

「ああ、龍田と第六駆逐隊の奴らも一緒だ。」

「よ、よかったぁ・・。」

 

安堵からか、ほっとした表情を見せる比叡。だが、服の下に見えてしまった痣でガロードは反面、顔を曇らせた。

 

(おそらく、他の奴らも・・。)

「あの、外の状況はどうなんですか?未だ砲撃音がなりやまないのですが・・。」

「ああ、外では私たちの仲間が戦っている。私は先に潜入して、司令官と生存者の捜索に来たんだけどよ。結論から聞くけど、ここの提督は死んじまったか?」

 

「提督は・・・交戦中、司令室に敵の砲弾が着弾し、戦死しました・・。」

 

比叡の報告にガロードは舌打ちをする。

 

「くそっ、やるだけやって、謝りもなしに死んだのかよ・・!!」

 

怒りに顔を歪め、手を握りしめるガロード。

 

(いや、今はコイツらの安全が一番だ。)

 

気持ちを切り替え、ここから出る方法を考える。

 

「なぁ、比叡。艤装は大丈夫か?準備が必要なら時間を取るけどよ・・。」

「艤装は・・すみません。投降した時に全て・・。」

「そっか・・。ならここに残っているのが一番安全か・・?」

 

艤装がなければ艦娘は海に出ることはできない。いくら艦娘といえども陸に上がってしまえば、ただの少女となんら遜色はない。

 

(しっかし、投降か・・。ん?)

 

ガロードは引っかかりを覚え、その原因である人物に聞く。

 

「あれ?そもそも、アンタなんでここにいるんだ?前々からいたにしても、アンタには暴行された感じがしないし・・。」

「私はたまたま迷い込んでしまったんです。その時、ちょうど彼女たちが投降している時でした。」

 

彼女曰く、ほっつき歩いていたところ、比叡たちが目に入り、援護に向かったそうだった。50を倒したところで比叡たちが人質に取られ、敢え無く投降したらしい。ついでに彼女の武装については嘘をついてその場を切り抜けたとのこと。

その言葉が、

 

「私の武装を破壊すれば、核爆発が起こりますよ?別に構いませんが、その際には半径2キロほどは消し炭になることを覚悟してください。」

 

この言葉に深海棲艦は破壊しようにも手が出せず、そのまま拘束されて、部屋に押し込まれたらしい。

 

「つまり、あんたは深海棲艦をびびらせて、ここにいるっていうことだな?」

「正確に言うと、シュレディンガーの法則を使いました。まぁ、ビビらせたという表現でも間違ってはいませんが。」

「あ、それともう一つ聞いてもいいか?」

ガロードがそう聞くと、その人物は、はい。構いません。と快諾した。

 

「アンタ、ガンダムって知ってるよな?」

 

そう聞くと今までポーカーフェイスだった彼女の顔に初めて驚きの表情が浮かんだ。

 

「そ、それを聞くということは・・あなたは宇宙世紀出身ですか?」

 

宇宙世紀、ということはアムロと同郷か。ガロードはそのように理解するし、質問に答える。

 

「いや、私は宇宙世紀出身じゃない。ガロード・ラン。それが今の私の名前だ。

MSとしての名前はガンダムDX。」

「聞いたこともない名前です・・。それに宇宙世紀出身ではないとはどういうことですか?」

「それは話すと長くなるからこっから脱出してから話す。それでアンタの名前は?」

「私は、アリス。アリス・スペリオルです。そして、MSとしての名前は、EX-S(イクスェス)ガンダムです。」

「なら、アリス。ちょっと来てくれるか?」

「・・わかりました。」

 

そういい、ガロードはアリスを部屋の外へ連れ出す。

 

「何をするんですか?」

「敵の旗艦を後ろから攻撃する。やれる時にやっとかないとあいつら(深海棲艦)がいつ比叡たちを人質にするかわからないからな。」

「・・・なるほど。たしかに、部屋で待っているよりは良さそうです。」

 

ガロードは部屋の中にいる比叡に呼びかける。

 

「私たちはこれから外へ行ってくる。鍵はかけるが心配しないでくれ。」

 

ガロードにそう言われると比叡は渋々といった声色で答える。

 

「・・・わ、わかりました。でも、絶対に戻ってきてくださいね。」

「ええ。約束します。」

 

ガロードとアリスは敵旗艦を背後から強襲するために外へ飛び出る。

そこでガロードはアリスにこんなことを聞いた。

 

「なぁ、アリス。あいつらのほかに生存者はいたか?」

「・・・・私がきたころには、彼女らしか確認できませんでした。」

 

アリスからそういわれ、ガロードは悲しい表情をする。

 

「そっか・・。サンキューな。」

「それよりも、敵旗艦はかなり硬い装甲を持っています。生半可な攻撃では弾かれるのが精々です。それに主砲にも気をつけてください。」

「へへっ、装甲だったら私だって負けちゃあいないぜ!!」

 

ガロードはアリスを引き連れて仲間達が戦う戦場へと向かう。

 

 

 

 

 




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