「そ、そんな、もう一部隊がいたなんて・・・!!」
キラは鎮守府に砲撃を行った深海棲艦の部隊を見て愕然とする。
ほかの面々も似たような表情を挙げている。
「ちぃっ!!ここで私たちを完全に仕留めるつもりか!!」
数が減ってきた砲撃が再び苛烈な状態に戻る。アムロ達は巧みに避けるが艦娘達はそうはいかない。次々と中大破していく。
「これ以上、やらせるわけには・・!!行け、フィン・ファンネル!!」
アムロはフィン・ファンネルを展開すると飛んでくる砲弾を見据える。
「落とすんだ!!」
フィン・ファンネルからビームを放つと高速で飛んでいる砲弾に見事直撃し大爆発を起こす。
「アムロさん、さすがです!!」
「いや、だめだ!!これでは焼け石に水だ!あの部隊を倒さねば、どうしようもないぞ!!」
感嘆の声をあげるフェネクスに対し、アムロが苦しい表情をして言ったとおり、敵部隊を倒さなければ鎮守府がやられるのも時間の問題だ。だが、艦娘達は先ほどの砲撃で手酷く損傷を受け、これ以上の戦闘は危険で置いていくのが最善。しかし、まだどこかに部隊が潜んでいる可能性があるため誰かがこの場に残らなければならない。
(これは・・どうすることもできない・・・!!情けない・・やられていくのを見ているだけとは・・・!!)
キラやフェネクスもアムロに続いて迫り来る砲弾を撃ち落としたり斬り落としたりする。しかし、それが手一杯で迎撃に向かうことができない。
(・・・キラとフェネクス・・・?ガロードは何をしているんだ?)
ふと気になったアムロが辺りを見渡すと空中で佇んでいるガロードを見つける。
「ガロード!!何をしているんだ!?撃ち落とされるぞ!!」
アムロの言葉にも意を貸さず空中で眠っているように佇むガロード。
(このビジョン・・・こうなることを予見してたのかよ・・・!?)
ガロードは戦闘の途中で見たビジョンを見ていた。しかし、その内容は変わらず、火の海だ。
(どうすることもできねぇってのかよ・・・!!せめて、せめてアレが使えたら・・・!!)
だが、ガロードの言う『アレ』とは前提条件として月にとある施設がなければ使うことは叶わない。使えないと思って、思考を打ち切ろうとした時、
(・・・あれ・・・、なんか一瞬、ビジョンが切り替わったような・・?)
違和感を感じた。ガロードが使いたいと思っているモノを考えた時にそれは起きた。そう気づき、ガロードは再び、使いたいと思念を込める。そして、その違和感の正体がわかる。
(こ、これって・・・!!)
ビジョンが切り替わった。先ほどの火の海とは打って変わって、ボロボロながらも、皆がそこで笑っている。たしかに鎮守府で笑っている。ガロードもそれにつられて笑みを浮かべる。
「へへっ、なんだよ。こんなあからさまな選択肢、決まってんじゃんーー」
「みんなで生き残った方が、断然いいに決まってるーー!!!」
ガロードは空を見上げる。目に移るはまだ日は煌々と輝いてるが、白く淡い光を放っている月。
(使えるかどうかはわからなぇ。だけど、やらないでやられるよりマシだ!!)
「頼むーー。私に仲間を助けさせてくれーー!!」
願いは月には届かなかった。月からは青白い光が降りてくることはなくただガロードを見下ろすのみ。わかってはいた。だけどそれにすがるしか方法はない。
だが、それはあくまで月にはの話。願いは確かに届いた。いや、既に届けられていた。
(撃つんだな・・・?君は、サテライトキャノンをーー。)
頭の中に響いてきたのはMI作戦が始まる直前に見た夢の二人とはまた違う明らかに大人の声。だが、ガロードには、
(アンタ・・ジャミルか!?ジャミル・ニートか!?)
(私のことは覚えているのか・・。今は気にすることでもないか。もう一度確認するが、撃つんだな?サテライトキャノンを。)
(ああ、私は仲間をみんなを守りたいんだ!!)
ガロードはジャミルに対しに自分の気持ちを伝えると軽く笑みを浮かべる。
(ふっ・・・。そこはガロードとあまり変わらないか。しかし、ティファのニュータイプ能力もあるとすれば、さながら彼らの子供のようだな。)
(なぁ、やっぱりマイクロウェーブ送信施設はないんだよな?)
(・・・ああ、確かに施設はない。世界が違うからな。)
ジャミルにそう言われ、ガロードは悔しい表情を浮かべる。それを見たジャミルはだがーーと付け加える。
(代替えはいくらでもある。月はいつもそこにある。)
(それは・・・どう言うことなんだ!?)
ジャミルの言葉の意味が理解出来ず、ガロードは叫ぶ様に聞いた。
(それはお前自身が気づかなくてはならない。私に言えるのは、ここまでだ。)
声がもう聞こえることはなかった。ガロードはジャミルが言っていた意味を考える。
(月はいつもそこにある・・・?つまりそれって、撃てるのか?サテライトキャノンを・・?)
その結論に至ったガロードは意を決したように目を見開く。
「信じるぜ・・・!!ジャミル!!」
ガロードの背部ウイングが展開し、金色に輝く6枚羽と膝付近にも同じような金色に輝く羽のようなパネルが展開される。そして何より目がつくのはガロードの身の丈ほどありそうな大きな二つのキャノン砲。
「なんだ・・?あれは・・・?」
ガロードの様子を見ていたアムロはそう呟く。ガロードの背部にキャノン砲があるのはなんとなくわかっていたが、あの金色に輝く羽は初めて見る。
そして、アムロはさらに驚いた。ガロードの金色の羽がさらに輝き始め、ガロードの周囲に何やら蜃気楼のようなものが出始めた
「あれは・・・熱か!?目に見えるほどの熱量・・・何をするつもりなんだ・・・!?」
「アムロ!!みんなをちょっと下げてくれ!!巻き込まれると困るからな!!」
「ガロード、何をするつもりなんだ!?」
「何って、決まってる!!みんなを守るんだ!!」
ガロードの周囲が排出される熱量のせいで蜃気楼が発生する。
これはガロードに任せるしかないと判断したアムロは急いで長門に部隊を下げるように伝える。
ガロードはエネルギーがサテライトキャノンにつたっていくのを感じる。どう言うわけかは分からなかったがその理由はすぐわかった。
(これ・・リフレクターが太陽光発電してんのか!?どういうことなんだよ・・。こんなの・・私知らねえんだけど!?)
いつのまにか知らない装備が搭載されていたことに困惑するが、状況はかなり切迫していたため思考を打ち切る。
「とりあえず撃てるんなら構うもんか!!」
狙うは敵艦隊の中枢。これ以上仲間を傷つけさせるわけにはいかないと意気込む。そして、ついに砲門が開かれる。
「ツインサテライトキャノン!!発射ぁ!!」
放たれた光はヒイロのバスターライフルの数倍は大きい。それなりの距離を取っていたアムロでもあまりの光の強さに目がくらむ。
一直線に敵艦隊に向かっていく光は爆発と供に着弾地点にドーム状に広がる。
光が弱くなりくらんだ視界が元に戻ってくると、皆揃えて目を疑った。
今まで雨あられのような砲撃をしていた深海棲艦の艦隊が装甲の一欠片も残さず消滅していた。
「な、なんだったのだ?今のは・・・?」
「・・・分からないわ。何か青白い光が敵艦隊に向かって・・。」
突然のことに艦娘達はどよめきの声をあげる。それを尻目にアムロはガロードに近づく。
「ガロード、なんだったんだ?今のビームは?」
「今のは・・・サテライトキャノンってやつで、世界を一度、破滅に持ってった、曰く付きの兵器だ。
「世界を・・破滅にだと・・?!」
「あ、いや、正確に言うとこれ自身でやったわけじゃないんだけどよ・・。直接的な原因になったのは確かだ。」
ガロードが敵艦隊を消滅させたのは鎮守府でもはっきりとわかっていた。
「すげぇ・・・今のガロードがやったんだな!!」
興奮しているハイネに対照的に提督は顔を青ざめていた。
(なんなんだ・・!?彼女たちは・・ただでさえ強いと言うのに・・!なんだあの兵器は・・・!?敵艦隊が消滅だと!?)
アムロ達の超常的な力に提督は愕然とするだけだった。
(彼女たちは・・我々が扱える力ではない・・!!」
今回も楽しんで読んでいただければ幸いです^_^
若干無理やり感が否めない・・