自我を手に入れた少女達の翼   作:わんたんめん

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だいぶ遅くなりました。申し訳ないです。


第26話 信頼

鎮守府に襲撃してきた深海棲艦群を撃滅していっしゅうかん、ヒイロ達がミッドウェーから帰ってきた。

帰還してきた赤城達の姿を見て歓喜に沸く横須賀鎮守府の艦娘達、提督もひとまず、ほっとした表情をしている。

 

「よっ、おつかれさん。っと、刹那、大丈夫か?」

「少し肉体的疲労があるだけだ。問題はない。」

 

ハイネがヒイロ達に出迎えの挨拶をあげるとアリスの肩に担がれている刹那が目に入る。心配するが、刹那から大丈夫と言われ、それ以上は言わなかった。

ヒイロは辺りを見渡すと、(ちょうど妖精さんが修理をしていたが)鎮守府に砲撃を受けた痕を見つける。

 

「あの、やっぱり来たんですか?」

「ああ、ヒイロの言った通りだった。深海棲艦は反攻部隊を横須賀鎮守府に送り込んでいた。」

「しかも二つの部隊をこちらに送り込んできたよ。そっちはどうだったの?」

 

キラとアムロの言葉にヒイロは少し考える素振りを見せる。

 

「・・・ミッドウェー方面でも敵部隊を確認し、これを撃破しました。しかし、数は、体感的にとしか言えませんが少ないように感じました。つまりは囮だったのでしょう。」

「囮か・・・。なるほどな。道理でこちらは数が多いと感じたわけだ。」

「やはりそうでしたか・・・。となると、私達がミッドウェーで戦っていたのはアリューシャン列島の部隊でしたか。」

「どういうことなんだ?」

 

アムロからの質問にヒイロは説明を始める。ヒイロ達が戦ったのは元々アリューシャン列島の部隊を半分ほどに分けたうちの片方。つまり、片方はそのままアリューシャン列島に残して、もう一つはミッドウェーに向かわせていた。

そして、鎮守府に侵攻してきた部隊のうちの一つが本来ミッドウェーにいた艦隊だろうと、推測の上でだがそう説明を行った。

 

「そうか・・・。本当に深海棲艦の軍事力は想像以上だ。あれほどの物量を持ってくるとは・・。」

「アムロさん達も、よく二つの部隊を押しとどめましたね。」

 

ヒイロがそういうと、アムロ達はうーん・・・。と唸るような声をあげる。その中でガロードは申し訳ないといった表情をしている。

 

「・・・・どうかしたのか?」

 

疑問に思った刹那が聞くと、アムロは少しガロードの顔を見て、話し始めた。

 

 

「・・・・なるほど、もう一つの敵艦隊はガロードの持つツインサテライトキャノンという武器で一網打尽にしたと・・。」

「今まで使えないって思っていたからな・・。使えると分かって大分驚いてる。」

「使えない・・?どうしてですか?」

「専用の施設がないと撃つためのエネルギーが確保できないんだよ。しかも、それは月にある。それに、威力もヒイロのバスターライフルよりかなり強い。」

「ヒイロのバスターライフル以上・・!?」

「・・・エネルギーの供給方法は今回は置いといて、そのサテライトキャノンがどうかしたんですか?」

 

驚いているアリスを尻目にして質問をヒイロが行うと、ガロードは再度申し訳なさそうな顔をする。

 

「いや、なんとも、思わないのかなって。使えないと思って、隠していたのは事実だし・・。」

 

ヒイロ達3人は顔を見合わせる。その様子は拍子抜けといった感じだ。

 

「どうって、言われても。まぁ、驚きはしますけど、そこまでですね。見たことがないっていうのもありますが。」

「私もヒイロと同じですね。確かにそのサテライトキャノンの威力は話を聴いた限りだと目を見張るものがあります。でもーー」

 

アリスはそこで言葉を打ち切り、笑みを浮かべながら刹那の方を見る。

 

「私が言うのか?・・・ガロードはそれをみんなを守るために使ったのだろう。なら、私達にはそれだけで十分だ。」

「ほら見ろ!!ヒイロ達もそう言ってるから気にすんなって!!」

 

背中をハイネに思いっきり叩かれ、前に躍り出るガロード。

 

「君は少し考えすぎな節がある。それに、私達は短いが寝食を共にしてきた。多少の隠し事であれこれは言わないさ。」

「隠し事なら私にだってあるさ。私にはトランザムシステムがある。」

「・・・あの赤く光った状態のことですか?あれ、なんだったんですか?」

「あー、アリスさんはGN粒子について知らなかったですね。と、いってもあの状態は私も存じ上げてないですけど。」

 

 

刹那がアリス含め全員にトランザムについての説明をした。反応は様々で純粋に驚いたり、納得するような声をあげたりした。

 

「つまり高濃度のGN粒子を解放することによる時限的な性能の格上げ・・。そんな認識でいいんだな?」

「その認識で構わない。」

「つくづく、GN粒子はよくわからない物質ですね・・。重力を緩和したり、ステルス機能もついてて・・。挙句の果てにフィールドも形成できるんですよね?」

「・・・ああ、そうだな。たまたま実験の副産物で得られたものでその実態は私の記憶の限りでは分かっていない。」

 

刹那の話を聞いてガロードは呆気にとられていた。その様子を見て、キラは微笑みながら声をかける。

 

「ね?心配はいらなかったでしょ?」

「・・・なぁ、なんでみんなは私に対して恐怖感とか持たないんだ?」

 

ガロードの問いにキラはうーん・・と軽く考えながら答える。

 

「そうだね・・。一番に来るのは君を信じてるから・・かな?」

「私を・・?」

「うん。まぁ、サテライトキャノンの威力は確かにすごかったよ。あれは下手な使い方をすれば、そこらへんの戦略兵器以上の効果を出してしまう。そんな気がする。」

 

キラからそう言われ、ガロードは顔を俯かせる。無理もない。事実、サテライトキャノンのせいで宇宙と地球の二つを巻き込んだ戦争に発展してしまい、結果として地球の人口が2割ほどにまで減少してしまう。

 

「でもね。僕はそうならないって思ってる。さっき言ったけど、ガロード、君を信じているから。」

 

俯かせていた顔を思わずあげる。その表情には驚きが入っている。

キラは再度微笑みながら、言葉を続ける。

 

「君なら、間違った使い方は絶対にしない。それは皆がそう思ってるはずだよ。」

「・・・・なんかそこまで言われっと恥ずかしくなってくるな・・・。」

 

顔をそっぽに向け、赤くなった顔を見せないようにするガロード。自分を受け入れてくれた嬉しいがなんとなく気恥ずかしさを感じたようだ。キラはその様子を変わらぬ笑顔で見つめていた。

そこでふと思い出したキラは刹那にフェネクスが立ち直ってくれたことを告げた。

 

「何っ!?それは本当なのか!?そうか・・・よかった。」

「おまっ!?私の方よりフェネクスの方に驚いてんじゃねえかっ!!」

 

明らかにガロードのことよりも喜びを露わにしている刹那に対し、なんとなく一発入れたくなったガロードであった。

 

 

 

ヒイロ達が帰ってきてから翌日、妖精さんの深夜に渡る突貫工事のおかげで元の風景を取り戻した横須賀鎮守府ではAL/MI作戦成功の宴会が行われていた。

しじつでは手酷くやられてしまったからかどうかはわからないが前の作戦成功を祝った宴よりかなりのドンチャン騒ぎであった。

提督自身もほかの艦娘曰く、あまり酒は手をつけないらしいがーー酒に手をつけ艦娘達と同じように作戦成功を祝っていた。

 

その様子を安定の少し外れた位置から見守るヒイロ達。その様子は若干引き気味だ。

 

「んー・・・酒くさい・・・。」

「赤城達空母も凄まじい量を食べているな・・・。あんな量を食べて、太らないのか?」

「ウボァ」

「ま、不味い!!キラがあまりの酒の匂いのキツさにグロッキーを通り越してやがるっ!?」

「・・・皇帝か?夢日記か?」

「お前はお前で何言ってやがる!?大丈夫か、刹那!?」

 

まさしくカオスと言いようがない空間にガロードとアリスは白い目をするしかなかった。

 

「「うわぁ・・・。」」

 

と、言いながらも真面目に吐きかけているキラにバケツを用意するのだった。

 

 

 

 




今回も楽しんで頂ければ幸いです^_^
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