落ち着いたところで、ヒイロは現状確認のため、アムロに質問をする。
とはいえ、ヒイロ自身、感じる暑さから大体の予想はついていた。
「そういえば、ここはどこなんですか?」
「気候や生えている樹木から推測したに過ぎないが、ここは赤道付近の島だろう。」
赤道付近の島であれば、この暑さは納得できる。そう思っていると、何処かから音が鳴る。皆の目線が音源に集中する。
「・・・悪い。私だ。腹が減ったみたいだ・・。」
「そういえば、もうそんな時間か。」
気づけば、太陽はすでに沈みかけ、空は橙に変わっていた。
時刻はおおよそ5時を回った頃だろか。
「ヒイロ、立てるか?」
「ええ、そもそも損傷自体もあまりありませんしね。」
アムロに促され立ち上がり施設と思われる廃墟を後にした。
「この建物・・一体なんなんです?」
「そういえばそうだな。キラさん、どうなんだ?」
ヒイロの疑問にハイネも乗っかってくる。廃墟には何やら港のような雰囲気を感じる。漁港か、それに準ずる何かだろうかと、思っていたが
「ここは、僕とアムロさんが調べた限り、どうやら鎮守府っていう施設らしいよ。」
「ちんじゅふ?なんだそれ。」
「すまない、それについては、調べることができなかった。だが、他にも艦娘と深海棲艦、という言葉もあったな。」
「その・・カンムス?とシンカイセイカン?のことは?」
「かろうじて見れた資料からは、艦娘は過去に沈んだの艦艇が女の子の姿になった者を指すらしい。」
「沈んだ艦艇が女の子に・・?それって、私達もそのカテゴリーに入るということですか?」
自分達に共通している点は、元々、兵器であったことだ。であれば、女性の身になったのも頷ける
「ああ、その線で間違いないはずだ。」
「なら、深海棲艦とはなんだ?」
「そっちは、戦争で亡くなった人の怨念が人の形となって、実体化したものらしいよ。」
「らしいってことは、確証は取れてないんだな。」
ハイネの言葉にキラはうなづく。
「それと、深海棲艦には、妨害電波を発するようで、従来の機器では、通信がろくにできないそうだ。」
「それって、国と国との連絡も取れていないっていうことですか?」
「そう考えるのが妥当だな。ついでにいうとシーレーンも滅茶苦茶にされているようだ。」
紛争の世界となっている現状に苦い顔を隠しきれない面々だが、刹那が根本的な部分について聞く
「そもそも、なぜそこまで後手に回る?各国にもそれぞれ軍隊があるはずだが・・。」
「深海棲艦にはイージス艦などの兵器は通用しないらしい。」
「その理由はなんです?特殊なバリアが張られていた、とかですか?」
「正確に言ってしまえば、通用しない訳ではないんだけど、単純にサイズに差がありすぎるんだ。」
サイズ差がありすぎるということは深海棲艦はかなり巨大なのだろうか?
「深海棲艦の大きさは人と大してかわらないんだ。でも、火力は元の戦艦と変わらない。つまり、戦艦の機能とかそのものをそのまま人の形に押し込んだ形になっているんだ。」
「それが、20、30と徒党を組んでやってくるのだから、結果は見るまでもないだろう。」
さながら、その様子は象に群がる蟻のようだ。しかも、蟻は一匹一匹が象と同等、もしくはそれ以上とくれば、どうしようもない。
パチパチと燃える火を囲んで、ヒイロ達は焼いた魚や取った果物を食べていた。
「こう・・新鮮ですね、今までものも言わない機械だった私達が食事をするっていうのは。」
「そうだな。・・これが生きている、ということなのかもしれないな。」
「そういえば、ハイネさん、「ハイネでいいよ。別にヒイロより年上って訳じゃないし。」
「そうだな、ヒイロ、皆のことをさんずけしなくていい。ハイネの言う通り、皆年上って訳じゃないからな。」
ハイネの割り込みにアムロや他の者からも賛同されたヒイロは素直に改めることにした。
「それじゃあハイネ、貴方の名前は貰ったと言っていましたが、どういうことなんですか?」
「ああ、そのことか、まぁ、大したことじゃないんだがな・・。」
食べていた果物を口に押し込み、神妙な面持ちで話を始めた。
「俺はな、もともとペーパープランの機体だったんだ。」
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