自我を手に入れた少女達の翼   作:わんたんめん

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やっと、投稿ができた・・・。


第48話 新たなる目標

「でぇああああっ!!」

 

刹那がGNソードⅢでジェガンを縦に真っ二つにする。その背後にリゼルがビームサーベルを振りかざしている。仇を討とうとするようにビームサーベルが刹那に振り下ろされるがーー

 

ザンッ!!

 

突如として飛来したビームを纏ったブーメランがリゼルのビームサーベルを持つ手を切断する。

リゼルはブーメランが飛んできた方向を見ようとするが、次の瞬間にはジェガンと同じようにせつなに斬り裂かれた。

 

「助かった。ありがとう。」

 

刹那の視線の先にはハイネがいた。ハイネは自分の手に戻ってきたブーメラン、フラッシュエッジ2を掴むと肩に戻しながら、オレンジ色の髪をわしゃわしゃとする。その表情はなんだか微妙な顔をしている。

 

「ま、お前には余計なお世話だったと思うけどな。」

「それでも援護してくれたことに変わりはない。」

「そうかい。刹那がそう言うんなら別にいいけどよ。」

 

二人は背中合わせでGNソードⅢとアロンダイトを構える。周りには未だ10機あまりのジェガンが二人を包囲していた。

 

「俺らの仕事はゼネラル・レビル付近の敵を引き剥がすことだけど、こなせてるのか?これ。」

「ブリッジさえ叩けば問題ないはずだ。それに、彼女らは、戦艦の対空砲火に当たる程度の力量ではない。」

 

刹那の言う通り、ゼネラル・レビルの周辺ではヒイロ達が飛び交っていた。

ヒイロ達が付近を旋回すると対空砲火が飛んでくるが、それに直撃するヒイロ達ではない。

空を縦横無尽に駆け抜けながら、一つ一つ砲台を潰して行く。

 

「フィン・ファンネル!!」

 

アムロのフィン・ファンネルがミサイル発射管を破壊し、

 

「目標、狙い撃ちます!!」

「ビーム・マグナムでっ!!」

 

アリスとビーム・スマートガンとフェネクスのビーム・マグナムが対空砲を装甲ごとえぐり取る。

 

「艦底部に回り込みました!!これで!!」

 

バード形態でゼネラル・レビルの艦底部に回り込んだヒイロがバスターライフルを構える。

 

「ターゲット、ロックオン・・・!!」

 

標準はゼネラル・レビルのエンジン部分。ターゲットをロックしたヒイロはバスターライフルのトリガーを引く。

 

「攻撃開始。」

 

銃口から放たれた山吹色の閃光はゼネラル・レビルのエンジンを貫通し、そのままブリッジまで巻き込んだ。

ブリッジとエンジンが消し飛んだゼネラル・レビルは動きを止め、海面へとその巨体を叩きつけた。爆発の規模は衝撃波が目に見える程であった。

 

「こちら、ヒイロ・ユイ。敵戦艦、撃破しました!!各員は残党勢力の掃討を!!」

「よっしゃあ!!やるぞ、シーブック!!」

 

ガロードはガッツポーズをしながらシーブックを見るが、当のシーブックは驚愕といった表情をしていた。

 

「凄い技量や連携の持ち主だ・・。君たちは。」

「そうか?これでも寄せ集めだぜ?私達。ま、目指してるところはおんなじだけどな。」

 

ガロードはそういいながら、残りのモビルスーツを蹴散らすべくディバイダーを構えながらブースターを蒸す。

 

「寄せ集め、か。」

 

シーブックは自分がかつていた集団、『クロスボーン・バンガード』を思い出した。『クロスボーン・バンガード』は宇宙海賊として活動していたため、寄せ集めという感じが否めなかったが、それでも皆同じ理由を持って戦っていた。

 

「悪くない部隊だな。ここは。」

 

シーブックもガロードに続き、ブースターを蒸した。

ゼネラル・レビルを喪ったジェガン隊は指揮系統がなくなったためか混乱するような様子を見せていた。ヒイロ達はそこに漬け込み、次々と撃破していく。

 

程なくしてジェガン隊を全滅させたヒイロ達、シーブックとスウェンに案内されて、港湾棲姫と北方棲姫と対面する。

北方棲姫は見た目は子供と遜色はないが、真っ白な肌と真紅に染まった目、それに頭部に生えた二つの小さなツノが彼女が深海棲艦であることをしっかりと表していた。そんな彼女を抱き抱えている港湾棲姫はお姉さん、あるいは母親のようにも見える身なりではあったが、抱き抱えている手がかぎ爪のように異形化しており、禍々しさも若干感じさせる。

 

「佐世保鎮守府提督のヒイロ・ユイです。あなたがたが・・・。」

「どうした、ヒイロ?思いつめた顔してよ。」

 

そんな二人にヒイロは声をかけようとしたが途中で言葉を詰まらせてしまう。

不思議に思ったガロードが問うとーー

 

「そのですね。彼女・・・名前、なんていうでしたっけ?」

「・・・・そういえば、聞いてなかったな。」

 

刹那がそういうとほかの面々もあー、そういえば、と言ったような顔する。

 

「どうしましょう?」

「安直だが、深海吹雪で大丈夫じゃないか?彼女自身、吹雪と言う艦娘に似ている自覚はあるみたいだからな。二人もそれで分かるか?」

 

フェネクスが不安気な視線を浮かべているとシーブックが提案をした。

深海吹雪。安直だが、そのぶんわかりやすい。シーブックに聞かれた港湾棲姫と北方棲姫は首を縦に振り、理解を示した。

 

「それじゃあ、改めて。あなた方が深海吹雪ちゃんが言っていたお二人でよろしいですね?」

「港湾棲姫。深海棲艦ノ間デ私ノ様ナタイプハソウ呼バレテイル。コッチはホッポ。北方棲姫だ。」

「ゼロオイテケ!!」

「ぜ、ゼロ置いてけ?一体なんのことですか・・・?」

「すまない。こちらでも何を要求しているのか見当がついていない。」

 

挨拶がわりに言われた言葉にヒイロは困惑の表情をしながら北方棲姫と付き合いの長いはずのスウェンに視線を移したが、スウェンはお手上げ状態であると言われた。

 

「・・・えっと。とりあえず一度鎮守府で話を聞きますのでご同行願えますか?」

 

鎮守府に戻ってきたヒイロ達、彼女らがまず最初に行ったのは港湾棲姫、北方棲姫、そして深海吹雪の事情説明だ。

最初こそ警戒心を出していたが、スウェンとシーブックが筆頭となって説明を行った結果、なんとか艦娘達の了解を得ることができた。

 

「ふぅ、なんとかひと段落つきましたね。」

「全くだ。もう少し考えて行動を起こすべきだったな。」

 

額に汗を浮かべながらヒイロとアムロが司令室の椅子に腰掛ける。

 

「ま、別にいいんじゃねぇの?こうして仲間も増えたわけだしさ。って、刹那どした?そんなに考え込んでよ。」

 

ガロードが笑みを浮かばせながらいると何やら思いつめた様子の刹那が目に入る。

 

「・・・なぜ、MSは港湾棲姫らを狙ったんだ?味方同士ではなかったのか?深海棲艦と私たちの世界の技術を横流ししているものは。」

「・・・その口ぶりだと、今回とはほかにMSが居たように聞こえるが?」

 

刹那の言葉にスウェンとは怪訝な表情を浮かべる。

刹那は無言で頷きながら話しをする。

 

「私たちが深海吹雪と初めてあって戦場での話だが、複数のMAと接敵した。

確か、名前はーー」

「ザムザザー、ゲルズゲー、ユークリッドの3つだ。」

 

ハイネがMAの名前をあげるとスウェンが苦い顔をする。

 

「っ!?その3機は連合のMAだぞ・・!?」

「知ってるのスウェン!?」

 

キラが驚いた表情したままスウェンを見つめる。

 

「私は連合のガンダムだからな。その3機の名前は知っている。スペックもある程度までは把握している。」

「その話し、あとで詳しく教えてもらってもいいですか?今は別の話しをしているので。」

「ああ、わかった。しかし、その3機が現れた戦場では深海棲艦と共にいたのか?」

 

ヒイロの言葉で話しを元に戻すスウェン。

ついでに質問した言葉はフェネクスが答えた。

 

「そう、ですね。その時は完全に私達を敵視していましたね。」

「そうすると今回のMSはこの前のMAの軍勢とは別なのでしょうか?」

「いや、その可能性は低いかもしれない。」

 

アリスの疑問をアムロが否定する。

 

「シーブック、彼女ら港湾棲姫達は私たち人類との戦争は望んでいないのだろう?」

「その認識で構わない。彼女らは戦争にはだいぶ否定的だったからな。」

 

シーブックの答えに頷く素ぶりを見せると厳しい顔をしながら話しを続ける。

 

「敵の目的が見えてきた。おそらく裏で糸を引いている奴の目的は戦争を続けさせることだ。」

「戦争を続けさせること、ですか?」

「ああ。港湾棲姫達が理性を持って人類と話し合うことで、少なくとも深海棲艦が一枚岩ではないことを海軍は分かってくれるはずだ。道のりは遠いかもしれないが、確実に平和への道は開かれる。」

「・・・ですが、もし深海棲艦側が、そういった者達を隠蔽し続ければ、海軍内では深海棲艦=敵の図式が成り立ってしまい、両者の間での対話が不可能になる・・・。」

 

ヒイロの言葉にアムロは頷いた。刹那達も厳しい表情をしている。

 

「なるほど、港湾棲姫達を狙ったのは、そういう可能性の芽を摘むためか。」

「せっかく分かり合えそうな奴が出てきたんだ。そんな勝手な理由でアイツらを殺されてたまるかよ。」

 

刹那が表情を厳しくし、ガロードが両手を握ることで気迫を露わにする。

 

「・・・・ようやく、真に倒すべき敵が見えてきた、というところですかね。」

「まだ全貌は明らかになったわけではないがな。だが、この先は文字通りの茨の道だ。何しろ、時間が経ち過ぎている。」

 

刹那の言葉にヒイロは頷く。人類と深海棲艦の戦いは既に三年近く続いている。

人類の間でも深海棲艦を恨んでいる者も少なくない。横須賀鎮守府の元木提督がその最たる例だ。

 

「でも、まだ可能性がゼロになっている訳ではない。そうですよね、ヒイロ。」

「はい。まだ終わってしまったわけではないですから。」

 

フェネクスの言葉にもヒイロは頷く。可能性がわずかにあるのであれば諦めることはしない。

 

「私たちの最終目標はこの戦いの裏を引いている者。ひどく大雑把ですけどね。」

 

 

 

 

 

 

 




今回も楽しんで頂ければ幸いです^_^
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