奉仕部は中間テスト期間中のため、活動を休止しております。活動再開は中間テストの後になります。
奉仕部部長 静・ジョースター
八幡「作者め……前回までのあらすじが大した内容じゃあないから手抜きしているな?」
本城「ギクッ!」
side比企谷八幡
授業終了のチャイムが鳴る。
徐倫「今日はここまで。ハッチ…じゃあなくて、比企谷はこっちにいらっしゃい」
俺を手招きする徐倫。どうでも良いけど、今日はスーツ姿じゃあなくてジャケットにスーツパンツなのね。
ってGDst刑務所のジャケットじゃん!なんで黒歴史のジャケットをわざわざ着てんだよ!
そんなことを考えながら、俺は徐倫の前に立つと、徐倫は呆れ顔に変わった。
徐倫「何で今日は来なくて良いってひいお爺ちゃんに伝言をしてあったのに来たのよ。一応、立場上は遅刻を咎めなくちゃいけないんだけど?そんなに拳骨がクセになっちゃった?実はドM?目覚めさせたの?」
拳骨は確定なのかよ!
八幡「実はそうなんです、空条先生。先生の熱い拳骨が忘れられなくて…ほら、昨日もホテルで熱い拳を僕に与えてくれたじゃあないですか!」
ゴンっ!
ホントに拳骨を落としてきたよ、この姉貴分。
徐倫『誤解を招くような言い回しをするな!少なくとも夕べは殴ってないわよ!大体、部屋は別々だったじゃない!エルメェスやエンポリオと話していたんだから!』
八幡『興奮すると英語が出るのは悪い癖だな?徐倫。誤解がますます加速するぞ?』
徐倫「誰のせいよ!まったく…一応、建前の言い訳は何よ?形だけは聞いておかないといけないから」
八幡「重役出勤?」
徐倫「それ、SPW関東社長は中間管理職じゃない。確かに将来はSPWジャパンの社長が確定してるし、一応重役だけど。でも、往生際の悪いのは直ったみたいね。専業主夫や漫画家からは足をあらったみたいだし?」
ザワザワ…
八幡「空条先生、ここ教室。ハイエナの目がこちらに向くからやめて下さい。SPW会長ご令嬢」
ゴンっ!
徐倫「テメェ!今それを言うか!?立場をばらす?!普通!?まったく…このクラスはアンタといい、ジョジョといい、大和といい、問題児が多くてたまらないわ」
ジャケットにハンドポケットをしながら、徐倫はため息を深くつく。
八幡「そのジャケットを着るハメになった超問題児がそれを言いますか?何で水族館のジャケットをわざわざ着てるんっすか。実は気に入っていたんすか?」
さらにざわつかせる訳にもいかないので、GDstの通称である水族館という隠語を使う。
徐倫「あ~……ほら、夕べはエルメェスとエンポリオの水族館メンバーで飲んでいたじゃない?だから懐かしいって、ノリで持ち込んで水族館のジャケット着ていたんだけどさ」
着るかなぁ、わざわざ刑務所のジャケットなんか。
徐倫「酔いつぶれて、朝起きたらもう出勤時間ギリギリ。着替えてる余裕なんてなくて、スーツパンツをはいて来たってわけ。案外、こんなラフな格好も悪くはないとか考えてるけど」
本来はそっち側の人間だしね?
八幡「で、問題児が多いっていうのに、どうしてそんなにやる気に満ちてるんだ?」
俺がそう言うと、徐倫は今着ているジャケットを指差した。
徐倫「あたしが教師を目指した理由、忘れてない?」
ああ、そう言えば言っていたな。
徐倫「コレを着るハメになった人間の中には、まともな教育を受けられてさえいれば、あの水族館で犠牲にならずに済んだ人間だっていたかも知れないって。問題児や不良化した人間を、あたしなりに更正させたい。奉仕部は案外、そういったあたしの夢を叶える訓練場になっているのよね。皮肉な事に。あ、来たわよ。アンタら以外の問題児が」
志の高い、ジョースターらしい言葉な事で。
家族認定故に女としては見ていなかったが、良い女じゃあないか、徐倫。
流石は6代目ジョジョだ。
俺はヒュウッと口笛を吹いて、教室の扉へと向かう徐倫を見送った。
その先には鞄を抱えた女生徒が一人、今まさに登校した風で入ってきた。
徐倫「川崎沙希。アンタも重役出勤?」
徐倫はいつもの態度で声をかけたが、川崎と呼ばれた女子は一瞬の間を置いて、黙ってぺこりと頭を下げただけだった。そして、様子を伺っている俺のそばを通りすぎ、そのまま自分の席に向かおうとする。
長く背中まで垂れた青みがかった黒髪、余った裾の部分が緩く結び込まれたシャツ、蹴りが鋭そうな長くしなやかな脚。印象的なのが遠く見つめるような覇気のない瞳。そして、職人芸で刺繍された黒のレース。
ん?コイツ、どこかで……
いや、それよりも、普通に立ってこいつを見ていたのだから、黒のレースは見えないはず。
八幡「…………黒のレースだと?」
あっ!あの時の野良波紋使い!
ハッチ逃亡スクランブルで屋上で見かけ、波紋を使ってプリントを飛ばしてきた女!
そうか、同じクラスだったのか。あのあと(「2巻突入プロローグ」参照)、いろはのエメラルド・ヒーリングで「余計な記憶はデリートです」とか言って記憶を消されていたから、今の今まで忘れてた。野良の波紋使いなんて、本来なら監視対象じゃあないか。
合点がいって、その川崎沙希という女生徒をもう一度確認しようとしたときである。席に向かった川崎は、その場に立ち尽くし、ゆらりと振り替えってハンカチを取り出すと、それに波紋を通して円月輪のカッター状にして投げてきた。
シュルルル……
バシッ!
俺はそのハンカチの波紋カッターを、逆の性質の波紋で波紋の刃を無力化してキャッチした。
沙希「バカじゃあないの?」
八幡「波紋の悪用は、エア・サプレーナー島へ強制送還対象に当たるんだがな?」
沙希「そう、あの島の関係者だったんだ。アンタクラスの波紋の使い手なら、こんな技でダメージが入るわけないでしょ?液体で湿っている訳でもないただのコンクリートの壁を、波紋で自由に動き回れる人間が、ただの波紋カッターを受け止められないわけがない。ただの脅しだよ」
ヤレヤレだぜ。羞恥で顔を染めるでもなく、怒りで顔を赤らめるでもなく、まるで興味がないと言った風に、ただ、下らないと。
雪ノ下(のスタンド)が凍てついているのだとしたら、川崎は冷めていた。
川崎は呆れたように髪をかき上げると今度こそ自分の席に向かう。椅子を引いて座ると、彼女はぼーっとつまらなそうに窓の外を見ていた。それは『話しかけんなオーラ』を出しているようだが、オーラを出している内はまだまだ甘い。気配を完全に消しさえすれば、オーラを出すまでもなく、誰からも気付かれない。なんなら、俺クラスのボッチともなると気配を消してなくてもジョジョ以外から話しかけられないまである。
八幡「川崎沙希…か。鍛えればアーシスの戦力になるかもな…」
ついつい小町的な発言をしてしまうが。
徐倫「ハッチ…いつスカートの中を覗いたのかはわからないけど、その相手の名前を呟くのはやめたほうが良いわよ?」
ポンっと徐倫が俺の肩に手を置いた。気のせいか、その手から糸のような物が俺をくるくると締め上げているような…
徐倫「この件についてはイーハ、マーチ、陽乃に送信しておくわ。放課後、果たして滅びずにいられることができるかしら?ハッチ」
俺は…生き延びることができるのか…
←To be continue
今回は短めです。
相違点を簡潔に
遅刻の説教は平塚先生(暴力あり)➡休職中の為、その役目はいつも通り徐倫(せいぜい拳骨)
それでは次回もよろしくお願いいたします。