やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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幼少期編の後半は意識のある状態での八幡と歴代ジョジョとの戦いとなります。

女の子の、しかも精神が年相応は難しいですね(^_^;)

覚醒した八幡の初戦闘となります。


比企谷八幡はヤバいモノと出会ったっす!

side 比企谷八幡

 

拘束が解かれ、自由を取り戻したあとでも俺とジョセフのケンカは続いていた。

最初は日記に関する言い合いだったのだが、今ではそれもどうでも良くなっており、相手を罵れる理由があれば何でも良かった。

 

八幡「大体、63にもなって浮気して、子供を作るなんて年甲斐もないし、無節操だろ?」

ジョセフ「その時は本気だったのじゃ!」

八幡「へぇ~…ジョースターの血筋は代々一人の女性しか愛さないはずだったんだけどね。逃げる…というのを家訓に加えた代わりに、そのジンクスははずしたの?だから養子を取った時、隠し子2号を疑われたんじゃないの?何か?老後の世話でもさせるための恩を売るために拾ったの?」

ジョセフ「違うわい!現段階で既に儂は老後じゃ!仗助が大学卒業したら夫婦でホリィの所に世話になることになっちょるから、静に頼らんでも足りとるわ!スタンド使いの赤ん坊を放ってはおけないから引き取っただけじゃ!(今となってはモテるけど未だに彼女を作らん仗助の嫁さん候補にしようとは思っとるがの)ボソッ」

八幡「聞こえてるんだよ。最後のがなければ美談で終わってたけど、それで全部台無しだよ。なんだその犯罪臭たっぷりな計画は。現在の光源氏なの?スタンドが隠者の紫だから紫の上のモドキを作るの?隠れてコソコソ計画進めるの?これって双方の気持ちがなければ相当やばいんじゃないの?っていうか今の仗助にその気があったら犯罪じゃね?」

 

こんな内容でバンバン言い合いしていた。

途中、この部屋に誰かが出入りする音が聞こえた気もするが、チラリと見た感じでは何もなかった。

 

…そう、何もなかったハズだった。

 

なのに、何故かいきなり部屋の備品の灰皿が俺に向かって飛んで来た!

何で?ポルターガイスト?

いやいや、スタンド使いじゃない人間がその発想だったらわかるとして、俺はスタンド使いだ。

何らかのスタンド攻撃を受けたと考えるべきだろう。

 

ジョセフ「ほう、儂の姫が激怒しておるようじゃ。どうじゃ八幡。少しゲームをせんか?」

八幡「ゲーム?」

 

んだよ、この忙しい時に。

ゲームって何の?テレビゲームだったら大歓迎だけど、違うよね?

嫌な予感しかしない。

俺は洗面所まで飛び上がり、急いで水をワイングラスに注ぎながら耳を傾ける。

 

ジョセフ「うちの者たちはお前さんの事をDIOの生まれ変わりと疑っておる。…実際、半分は正解じゃが。承太郎や仗助、ジョルノはお前さんに色々と、それこそ非人道的な手段をも辞さずに尋問して来るじゃろう。儂が持ちかけるゲームとは、お前さんの素性を一切明かさず、あの手この手で襲いかかる彼らを自分の手で切り抜ける事じゃ」

 

チート揃いのジョースター一族相手にそれをやれってどんだけ無理ゲー強いるんですか?

土壇場で不思議パワーアップをしてのける野菜人でもなければ無理なんですけど?

 

ジョセフ「次にお前さんは、『ずいぶん、無茶な事を言ってくるな、このくそジジイ』…と言う」

八幡「ずいぶん、無茶な事を言ってくるな、このくそジジイ!………はっ!」

 

ドォン!

 

ジョセフ「ウヒヒヒヒ!これは相手の心理を読み取って言葉を先に言う儂の得意技じゃ。戦いにおいて心理的動揺を誘うにはうってつけじゃぞい!特にお前さんはわかりやすすぎる」

 

ジジイはイタズラが成功して満足なのか、満面のどや顔で言う。

なんだかすごい負けた気になる。

そして、ジョセフは笑みを消し、厳しい目付きに変わってこちらを指差す。

 

ジョセフ「そのくらいの事をしてのけねば、DIO達が『逃げ』を選ぶ程の者達をどうにかする事など、とても出来んわい。この『ゲーム』が出来ないとなるならそれでも良い。お前さんの身の安全は保証するし、儂らなりに総力を尽くして『脅威』も何とかしてみせると約束しよう」

 

じゃあわざわざこんな変な『ゲーム』をしなくても良くね?

何を考えてるのん?

 

ジョセフ「じゃが、お前さんをそれに関わらせることはせん。儂らがすることを、外で黙って見ておれ。及び腰の者の力を借りたところで、世界の命運をかけた大事をなすことなど、出来るはずがないのは当然の事じゃ。そう、意志のないものが上っ面でいくら決意したところで三日坊主で終わるように、これは当然の事なのじゃ。足手まといをあてにするほど、これは甘くはない。これは儂がお前さんに課す試練じゃと思え」

 

働かずに済むのなら、それに越したことはない。

将来は専業主夫がいいと別の世界の俺が思うくらいには働きたくないでござると思っている俺ガイル。

だが、本当にそれで良いのか?

いや…

 

八幡(そんなので得られる安寧なんか、本物じゃない!それでも俺は…)

 

八幡「俺は…本物が欲しい!安っぽい挑発だが、乗ってやるよ、くそジジイ!」

 

決意が固まり、戦いに備えて波紋の呼吸をする。

 

静「話は終わったの?パパ」

 

話の最中にいくらでも攻撃ができたのに、何故か大人しくしていたお姫様が姿を現す。

 

静「パパが話していたから待ってた。で、君は静と戦うという事で良いの?パパをいじめてるから、静、怒ってるんだけど」

ジョセフ「偉いぞ静。お話は終わったから、おもっいっきりやっちゃいなさい」

八幡「娘に戦わせるなんて、ずいぶん酷いじじいだ。怪我をしても良いのか?俺はこのグラスの水をこぼすことなく、この子に勝つと予告する」

ジョセフ「静を甘く見んほうが良いぞ?これでも、儂らが手塩にかけて育てた自慢の娘じゃ。お前さんと同じ年齢じゃが、静を甘く見て痛い目を見たものはごまんとおるわい」

静「じゃあ、いくよ!」

 

静は再び姿を消す。

今度は物を使わずに肉弾戦を仕掛けてきた。

しかし、姿を消した所で無意味だ。

何の為に水を用意したと思っている?

 

八幡「甘いんだよ」

 

俺は静の波紋入りのキックを受け止め、その足を掴む。

グラスの水から出る波紋が、静の位置を知らせてくれる。

伊達にワインで気配を探る遊びをやっていたわけじゃあない。

記憶を思い出せなくても、俺は自然に波紋法を活かす訓練を知らず知らずにやっていたんだ。

 

静「甘いのはそっちだよ!アクトンクリスタル!」

アクトンクリスタル「ドララララララ!ドラァ!」

 

静がいる逆の方から、いつの間に出ていたのかスタンドが俺にラッシュを打ってくる。

 

八幡(うまい!キックは囮で本命はスタンド攻撃か!)

 

不意打ちを喰らって俺は吹っ飛ぶ。壁に叩きつけられ、無防備にもダウンしてしまった。

 

静「いけ!波紋!」

 

いつの間に用意していたのか、静は瓶ビールをこちらに向け、波紋の力を込める。

波紋によって炭酸が栓の方に圧縮され、栓が弾丸のように俺に向かってきた。

俺はかわすことはかなわず、その栓を受けてしまった。

 

静「もうおしまい?静のひっしょーの作戦、簡単に引っ掛かったね?」

 

ジョセフの言うとおり、甘くかかった俺の油断は確かに反省すべき点だ。それに、確かに強い。

だが…

 

八幡「俺の必勝の作戦は、もう終わっているんだよ」

 

俺は全力の波紋を放出する。

 

静「え?ぎにゃああぁぁぁ!」

 

日頃の成果か、俺の波紋をまともに受けた静は体の力を失い、倒れた。

 

静「な、何で?」

 

静がやっとの力で顔だけを上げる。

 

ジョセフ「静。お前さんのスタンドを良く見るのじゃ」

 

静はアクトンクリスタルの透明化を解いて、その姿を見る。その足には、ハーミットパープルが巻き付けられていた。

スタンドのラッシュを受けたとき、俺はこっそりハーミットパープル・ネオをアクトンクリスタルの足に巻き付けていた。

何でも透明化させるスタンド能力を逆手にとって俺のハーミットパープルも透明になっていたため、静は気がつかなかったようだ。

それに、俺自身の体にはもう一本のハーミットパープルを服の下に巻き付け、波紋のガードをしていた。

まともにラッシュを喰らっていたかのように見せかけて、実はダメージは無かった。

 

静「でも、波紋のビールは…」

八幡「こいつで防いでいたんだよ」

 

俺はふっとばされていた時から隠していたグラスを見せる。

水に波紋を通してゼリーのように固め、ビールの栓を水の中で受け止めていた。

グラスは割れていたが、中の水は波紋で固定され、一滴もこぼれてはいない。

 

静「静の…負けです…」

八幡「お前が俺の上を行ったつもりでも、俺は更に相手の上を行っていたのさ…」

 

俺は水に指を突っ込み、水をキャンデーのように纏わせながらグラスから取り出し、指先を天井に向ける。

水はそのままの形でプリンのようにプルプルと、しかし一切落下せずに張り付いていた。

 

八幡「覚えておけよ。相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北してるんだ」

 

ドバァァン!

 

ジョセフ「どこかで聞いたことのあるセリフじゃな」

 

ジョセフは呆れた声を出して、ドアの方へと顔を向ける。

 

ジョセフ「勝ち誇った時、そやつは既に敗北している…か。良いことを言うのう?じゃったら、次に敗北するのは、お前さんの方かもしれんぞ?八幡」

八幡「え?」

 

ドオォォォン!

 

仗助「テメェ!静に何をしたぁ!このクソガキ!」

 

轟音がし、そこに目をやると、怒髪天を突く…それを体現してリーゼントの一部を逆立てた東方仗助が、鬼の形相でそこに立っていた。

これで金髪にしたら、超○イヤ人そのものだと思っていただろう。

 

うっそぉーん♪八幡大ピーンチ♪




今回はここまで。
ない頭を絞って戦闘シーンをやってみました。

ザ・ワールドで力押しでは芸が無いので、第1部~第3部の波紋の戦闘方法をフルに使った戦法で八幡は無傷の勝利をもぎ取りました。
少しはジョジョ風に描写できたでしょうか?

サブタイトルの「ヤバいモノと出会ったっす!」は第4部でジョセフと仗助が静を拾ったタイトルである「ヤバいモノを拾ったッス!」をもじったものです。
今時、瓶コーラはなかなか売っておらず、ペットボトルが主流なので不採用。代わりに瓶でも不自然ではない瓶ビールで代用。
エシディシ戦で足にロープを巻き付けたジョセフの戦法を応用してハーミットパープルを巻き付け、両手から出せる設定を使ってDIO戦で波紋のバリアを張ったりと、ジョセフの戦法を参考に暴れさせてみました。
こうして見ると、ジョセフの機転って半端ないですね?
それにしても、幼少期編のジョジョサイドの主人公、承太郎ではなく、もはやジョセフになっちゃってますね(^_^;)
個人的には歴代ジョジョの中でも機転と発想の点でジョセフは好きなキャラになりますが、ちょっと活躍させ過ぎでしたか…

それにしても仗助、髪型をバカにされたわけでもないのに怒髪天をついてます。既にかなりのシスコンをこじらせてますね…。
冗談で書いた光源氏計画、本当に実現しかねない(^_^;)
このまま突っ走るのもアリかも?
次の仗助戦、ぶちギレ仗助に八幡が勝つビジョンが思い付かない…どうしよ。

おまけ
もしアイズ オブ ヘブンに本作のキャラが出ていたら?の掛け合い集
その1 比企谷八幡とジョナサン・ジョースター

八幡VSジョナサン1
ジョナサン「君の波紋を見せてくれ!八幡!」
八幡「暑苦しい…めんどくさい…今じゃなきゃダメ?」

ジョナサン勝利
ジョナサン「無気力かと思えば熱い想いが込められた波紋…君とはまた、戦いたい」
八幡勝利
八幡「これが俺の前世?むしろ疲れるから二度と関わりたくないまである」

八幡VSジョナサン2
八幡「あれ?また精神の中に迷っちゃったのん?」
ジョナサン「あまりにも君が無気力なのを見過ごせなくてね。君の熱い想いを僕にぶつけるんだ!」

八幡勝利
八幡「いちいち暑苦しくならなくても、やる時はやると誓った。俺の中で眠っていろ、ジョナサン・ジョースター」
ジョナサン勝利
ジョナサン「君の中の熱い、確かに感じた!さぁ、今の感覚を忘れない内に、もう一度やるんだ!」

八幡&ジョナサン1
ジョナサン「いくぞ八幡!僕達の波紋を見せるんだ!」
八幡「あんたに合わせるの?まじで?」
勝利後
ジョナサン「やったぞ八幡!二人で刻む」
八幡「波紋のビート!……俺の黒歴史がまた一つ増えた…」

八幡&ジョナサン2
八幡「何故だか、あんたとは波長が合う気がする」
ジョナサン「君もかい?僕もそう思っていたんだ」
勝利後
八幡「燃え上がるハート!」
ジョナサン「熱くなるほどビート!」

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