やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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前話までの八幡の冒険!
ジョセフとのじゃれ合いを喧嘩だと誤解した静・ジョースターは八幡へ攻撃を開始する!
それを見たジョセフは、あるゲームを提案する!
それは、これから襲いかかって来るであろう歴代ジョジョ達を含むジョースター一行に実力で勝て!それがジョースター家が八幡に協力する条件だと!
八幡はアクトンクリスタルで透明化するスタンド使い、静・ジョースターを波紋と機転によって危なげなく退けた八幡だったが、そこに次のジョジョが現れる!
カワイイ義妹を傷つけられたと思い、烈火の如く怒る東方仗助!
果たして八幡は歴代ジョジョとの激闘を無事に乗り切れるのか!


勝敗を分けるのは執念さ!

side 比企谷八幡

 

仗助「覚悟しやがれ!このクソガキ!」

クレイジーダイヤモンド「ドララララララ!」

 

この昭和臭漂うリーゼント野郎、弁解もする余地なくいきなりスタンドで殴って来やがった!

 

慌てて回避する俺。

奴は部屋の調度品を見境なく破壊する。

良いのかよ…ただでさえ宿泊費が高そうな、ホテルロイヤルオークラの、その中でもスイートルームだろ?

備品一つ一つがとんでもない値段だろう。

現段階の弁償だけでも比企谷家は破産する!

 

仗助「ちょこまかと逃げんじゃねぇ!このダボが!」

 

逃げるわ!こんなものマトモに受けていたら、顔の原型を留めていられる自信がないわ!

 

ジョセフ「ほうほう。髪型以外でもここまでキレるとは初めて知った。案外光源氏計画とかやらもあながち捨てたものでも無さそうじゃ」

 

ジョセフは気を失っている静を抱き抱え、安全圏に退避しながら頷いていた。

 

八幡「満足そうな顔をしてるんじゃあない!光源氏計画は本気だったのかよ!あと、ずいぶんと余裕じゃあねぇか!ここの修繕費の弁償だけでも、普通なら一家離散の大破産だわ!」

ジョセフ「なんじゃ、前世の片割れがDIOとは思えんのう?心配してくれるとは優しいところもあるじゃあないか。この程度の修繕費の弁償なんぞ、儂のポケットマネーでなんとでもなるから心配せんでええぞ?エジプトの時はチャーター船に車数台、セスナにラクダ五頭、果ては個人の娯楽用の潜水艦まで全部キャッシュで買っておる!こんな部屋なんて痛くも痒くもないわい!ホテルごと買い取ってくれるわ!」

八幡「あんたみたいなのがいるから経済が滞って格差社会がなくならないんだよ!っとアブね!」

仗助「ペラペラ喋って余裕そうじゃあねえか!」

ジョセフ「ほれほれ、一生懸命避けんと危ないぞ。仗助はキレると何をしでかすかわからん奴じゃから、一切の加減なんかせん!」

 

確かにその通りだ。このままでは当たる!

まだ使いこなせていないが、仕方がない!

 

八幡「ザ・ワールド!時を止めろ!」

 

初めて自分の意思で時を止める。

世界はモノクロへと変わり、俺以外の物が制止した。

だが、今はまだ使いこなせない。時を止められるのもわずか3秒程だ。

それに、怒りで我を忘れているように見えて、スタンドも本体も体の急所は隠しており、戦闘不能になるような場所はガードしている。

 

八幡「この男、時間停止を前提とした接近戦に慣れている」

 

まずはどこかに隠れてから、隙を伺うしかない。

ゆっくり探している時間はない。

俺は慌てて身を隠した。

 

八幡「そして時は動き出す」

 

side東方仗助

 

仗助「ハッ!ザ・ワールドか!どこに逃げた!」

 

俺は周りを注意深く見渡す。

承太郎さんとの訓練ではこんな時、必ず奇襲を仕掛けてくる。

例えば物陰からベアリングで狙撃してきたりとか。

クレイジーダイヤモンドと背中合わせになり、視界の死角をなくす。

そして、大抵の場合は…

 

仗助「ヤッパリそうきたか」

 

ソファーの下からジジイと同じハーミットパープルが延びてくる。

俺のいろはから聞いていた(エリナひいおばあちゃんと言ったら、満面の笑顔からは想像できないくらい冷たい声で「は?本気で止めて下さい」と言われた)紫のつたは俺の足元を絡めとろうと床を伝ってくる。

俺はスタンドと背中合わせのまま、ソファーへと飛んでこれを破壊。

しかし、奴はいなかった。

だが、そんなのは「読めて」いる!

 

仗助「囮というのはよぉ、バレバレなんだよぉ!」

 

わざとバレバレの位置に移動して、分かりやすく奇襲を見破らせる。

そして時間停止を再びやって、反対側から本命の奇襲。

セオリー過ぎて逆に詰まらねぇっての。

この中で一番身を隠しやすいのは、クローゼット。

「子供」ならそう発想するだろう。

やはり背後のクローゼットから延びてきたハーミットパープルを避けて、ソファーを足場にクローゼットへ飛び、扉ごと破壊。

しかし、そこにも奴はいなかった。

二重の囮かよ。

 

八幡「本命は上ですよ」

 

奴は天井から下がっている証明具の上からハーミットパープルで俺の首を巻き取ると、足場を滑車代わりにもう一つの証明具へと飛び移り、それも滑車代わりに飛び降りた。

二重の滑車で軽い体重でも俺を引き上げやすくし、更にザ・ワールドで自分の体を引き下ろすやり方だ!

 

仗助「ぐおっ!ガキのクセに中々の発想じゃあねえかよ!それに何だそのジャンプ力は!オリンピック目指せるんじゃあ無いのか?」

八幡「首絞められているっつうのに余裕あるじゃあないですか」

仗助「おめぇ、こんなんで勝った気になってるってことはよぉ、人型スタンドをあんま扱いなれてねぇよぅだなぁ!」

 

俺はスタンドを上に出し、滑車代わりになってる俺の頭上の照明を破壊、さらにその破片を「ドラァ!」八幡にむけて投げ飛ばした。

 

八幡「うわっ!あぶな!」

 

奴はそれをギリギリで頭の動作だけで避ける。

ニヤリ…

避けられた破片を「直す」

ゴン!

破片は投げた軌道をそのままに、奴の後頭部を直撃。

 

八幡「ガッ!」

仗助「このクレイジーダイヤモンドを、ただの殴るだけが能だと思っていたんじゃあないだろうな?さっきまで、ただ闇雲に殴って破壊していただけじゃあないんだせ!」

 

そう、ただ闇雲に殴って散らかしていただけではない。

吉良との戦いから使っていた、直す軌道で飛ぶ破片を飛び道具にする俺の十八番だ!

 

縦横無尽に飛来する破片を最初は回避していたが、一番大きなリビングテーブルだけは避けきれす、直撃。

俺の方へと飛んでくる。

完全に無防備な態勢だ。

 

仗助「もらったぁ!」

クレイジーダイヤモンド「ドラララララ!」

 

ここで決まったと、防御を考えずに全力のラッシュを叩き込む。

 

 

 

これが完全な失敗だった。

 

奴は無防備に食らったと見せかけて、こうさせる事が目的だったのだ。

ラッシュを始めようとした段階で、奴は時間を止めた。

 

side比企谷八幡

 

危なかった。物を直す能力で戻ろうとする力を利用した飛び道具が意識の外から飛んできた。

最初の後頭部への一撃をもらわなかったら…得意気に能力を語ってくれずに、いきなり無数の全方位からの攻撃をされていたならば、その段階で詰んでいた。

だが、あいつがある意味ではヒントをくれたから、逆にリビングテーブルを食らったふりをして、アイツの攻撃の隙を作ることが出来た。

獲物を前に舌なめずり…三流のすることだな。

そしてアイツの攻撃の当たる直前で…

 

八幡「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

時間停止を実行。

腹にコツンとつっかえ棒みたいに停止した拳に当たり、着地する。

 

八幡「頭に一発、食らったかな?だが終わってみればこの程度ですんでよかった…さて、これで…」

 

八幡「コオォォォ…太陽のエネルギー、波紋!」

 

波紋の拳を仗助の鳩尾に入れて流す。

 

八幡「そして時は動き出す」

 

ドバギャァァァン!

 

仗助「!!!!」

 

仗助は窓ガラスを突き破り、外へと放り出される。

波紋によって体が麻痺し、動けないのでスタンドで窓枠を掴むことができず、高層ビルの上層に躍り出てしまった。

 

八幡「あ、やり過ぎた」

ジョセフ「や、やりすぎじゃ!死んでしまうぞ!」

 

 

 

八幡「なんてね」

 

 

ちゃんと仗助の足にハーミットパープルを巻き付けてある。

言わばハーミットパープルによるバンジージャンプ状態だ。

俺は仗助を引っ張りあげる。

重かったからザ・ワールドで支えていないと俺まで転落するところだったが…

 

仗助「完全に負けた。グレートッスよあんた」

八幡「いきなりあれを喰らっていたら、わからなかったよ」

仗助「悪かった。妹が襲われているかと思って、頭に血がのぼっちまってよぉ、ついカッとなっちまった」

八幡「わかる…わかるぞ、仗助!妹は天使だ!エンジェルだ!千葉の兄はみんなシスコンだ!妹の為なら死ねるとまである!うちの小町は嫁にやらん!小町を嫁に欲しければ俺の屍を越えて行けとまである!」

仗助「おうっ!わかってくれるか!ヤッパリうちの妹が一番カワイイよなぁ!」

 

何だと?

 

八幡「聞き捨てならないな仗助。一番カワイイのはうちの小町だ」

仗助「あ?」

八幡「お?」

 

バァン!

 

ジョルノ「先程から大きい音が…この惨状は…」

康一「仗助くん!」

 

え?またこのパターン?新たなスタンド使いか!?

 

とにかく、息を付く暇もない…

こんな場所で2対1など勝てる気がしない。

ここはジョースター家の家訓に従って…

 

八幡「逃げる!」

 

仗助が破った窓ガラスから飛び出し、一つ上の最上階のラウンジにハーミットパープルを巻き付け、ゴンドラのように上へと巻き上げる。

 

康一「待て!逃がさないぞ!追うんだact1!」

 

チビのスタンドが追ってきたが、俺は構わずザ・ワールドで窓を突き破ってラウンジバーと思われる中へと侵入した。

 

←To be continue

 

 




前話と違って今回は力押し勝負でした

後にいろは、ジョルノ、康一、承太郎戦を控えた八幡をなるべく負傷させずに勝たせなくてはならない。
けれど仗助は重傷を負わせることは出来ない…と条件が重なると、なかなか難しかったです。
むしろ、ザ・ワールド!時を止まれ!と、コレが俺の自動追尾弾くらいしかやっていないような…。
戦闘シーンは難しいですね(^_^;)

サブタイトルの「勝敗を分けるのは執念さ」は第4部アニメの中期オープニング、「chase you」のサビから取りました。
前話までのようなサブタイトルの付け方だと「クレイジーダイヤモンドは砕けない」からのもじりになるのですが、しっくりくるタイトルが思い付きませんでした。

次はある意味で一番戦闘シーンを複雑にするジョルノとの戦いです(´Д`|||)
第5部を見る限り、ジョルノの考えって複雑で分かり辛いから苦手なんですがね…

では次回もまた読んで下さい。

おまけ
もしアイズ オブ ヘブンに本作のキャラが出ていたら?掛け合い集2
比企谷八幡(幼少期)とディオ・ブランドー

比企谷八幡VSディオ・ブランドー1
八幡「悪夢でも見てるのん?」
ディオ「このディオに出会った不幸という以上の悪夢があればいいなぁ?」
八幡勝利
八幡「イヤイヤ、あんたが俺の中にいること自体が既に悪夢だっての」
ディオ勝利
ディオ「貴様が俺の転生と聞いてほんのちょっとだけ驚いたが、実際に試してみてもう問題はない!」

ディオVS八幡2
ディオ「俺は人間を超越する!八幡!貴様の体を乗っ取って」
八幡「え?マジで?諦めたんじゃぁ無かったの?」
ディオ勝利
ディオ「貴様の体はもらった!貴様はこれからも我がフューチャーであり続ける!」
八幡勝利
八幡「いやまじでもう止めてくんない?夜な夜な現れるとか寝るのが怖くなるから。あと怖い」

八幡&ディオ
八幡「まさか、お前と並び立つ時がくるとは」
ディオ 「図に乗るなよ。俺は世界の頂点。人間ごときと対等の地におりてゆけるか」
勝利後
八幡「あのさ、勝った相手の血を吸おうとすんの、やめてくんない?マジで夢に出てきて、うなされるまである」
ディオ「この程度の事で目を背けるとは、俺の転生にしては貧弱貧弱ぅ!」

ディオ&八幡
ディオ「このディオと八幡がやる!」
八幡「あ、俺は働きたく無いんで、勝手にやってくれる?」
勝利後
ディオ「このディオの転生なら、ファンファーレのようにフーフー吹くだけじゃなく、色々やってみろぉ!」
八幡「いやお前、相手をいきなり氷漬けにしたり、目から液体のビーム出したり、そんなん人間にはムリだから」

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