やはり俺の奇妙な転生はまちがっている。   作:本城淳

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由比ヶ浜誕生日プレゼントの買い出しの次の日のエピソードです。アニメでは削られた話ですね。


奉仕部対遊戯部1

side比企谷八幡

 

月曜日。英語で言うとMonday。イタリア語で言うとlunedi。アラビア語で言うとالإثنين(アニスティン)。中国語で言うと星期一。ドイツ語で言うと…いい加減しつこいから止めよう。

とにかく月曜日は「また一週間学校と社畜か…」と思うだけでため息がこぼれ出る。わりとリアルに学校を休みたいのだが、代わりに護衛から連絡を受けた会社の送迎に押し込まれて仕事を始めなければならなくなるので真面目に登校した方が実は休めたりする。

お金を払って通ってる学校ですら休みたいのだから、無料でいってる会社なんていくらでも休んでしまいそうである。アーシススクランブルがかかるか…。

いや待て…。考えてみたら今、部室が臨時の仕事場じゃあないか!お金を払って仕事するって何だよ!どこのブラック企業だ!ただのブラックじゃあなくてクリスタルブラックの領域だよ!それは一昔前のコーヒーじゃん!

それにしてもだ。リア充の奴等は「やっべガッコマジだりぃ。うはー!夏休み中に教科書無くしたし!」とか言いながら何であいつらあんなに学校大好きなの?毎日来るよね?心にも無いことを言うのがリア充なのだろうか。つまり嘘つきはリア充の始まりである。いやその前に親の金で買った教科書無くすなよ!必死で捜せよ!むしろバイトなりして弁償しろよ!

そして嘘つきはリア充の始まりであるなら、あれ?じゃあジジイのせいで騙しの手品をやる俺は超リア充?やっべ、いつの間にか俺ってリア充になってたわ!つうか嫁がいる段階で既にリア充通り越して墓場に入ってました♪

今日も今日とてダッシュしてジョジョ達と合流し、朝のホームルームぎりぎり、喧騒にまぎれて教室に入った。

教室にはいくつものコロニーが形成されている。某大佐なのか総帥なのか良くわからない赤い彗星のように窓から「コロニー落としごっこ」とかやって放り投げたい。特に男女混合リア充と女子にちょっかいかけたい二軍リア充を。

ここでジョジョと目を合わせる。あ、二軍リア充はジョジョが受け持つ?なら俺は男女混合リア充を。そうれ、空が落っこって…

 

沙希「あんたら二人が揃うとろくなことを考えないのは空条先生が言った通りだね」

 

バリバリ!

 

あ、ツェペリ流波紋の技術でツボの一ヶ所を押さえられて波紋を流されただけで動けなくなってしまった。ホントに中級レベルの波紋量しかないの?この人。

そのままそれぞれの席に連行されて捨てられる。

 

静「サキサキ…あんたは本当に中級?この床上手」

 

八幡「非力のテクニシャンめ…。その手練手管でどれだけの男を泣かせた!」

 

ゴン×2

 

沙希「空条先生の苦労がわかったよ。というか、比企谷は前世をやり直しなよ。どっちのキャラも崩壊しすぎてツッコミ切れない」

 

俺達の師匠を買って出た己の不幸を呪え。そう言えば、エンジェルラダーを辞めたはずなのに今日は少し眠そうだし顔色が悪いな。何かあったのか?

 

海老名「この二人を押さえられるなんてサキサキやるね?ハロハロー、サキサキ、ヒキタニくん、ジョジョっち」

 

まぁ、ほとんど波紋の技術だけで俺に勝った猛者だからな。

 

戸塚「オハヨ、八幡にジョースターさんに川崎さん。最近、川崎さんが空条先生のポジションに収まってきちゃったね」

 

徐倫が少しは楽になったとか言ってのほほんとしてたね?

 

三浦「おはよ、ヒキオにジョジョに沙希。ほらヒキオにジョジョ。これであんたらも男女混合リア充じゃん?あんたらがコロニー落としとかやれし」

 

やってやるぜ!むしろ屋上から余裕でコロニー落としされてやるよ!あ、俺らの場合は小町がコロニーレーザーとか言って焼いてきそう。

早くジジイから反射の波紋の技術を教わらないと!実験台は大志で良いや。

 

結衣「ヒッキー、スタッチ、沙希!ヤッハロー♪土曜日は楽しかったね!8月にも集まりがあるんでしょ?楽しみだね!」

 

ああ、毎年ジョジョと俺の誕生日を合同でやった後に、そのままお盆のスタクル&ネアポリス&杜王町の墓参り旅行に突入するんだったっけ。四年前からはフロリダのFFさんとウェザーさんの供養もしているか。でも、杜王町とネアポリスの墓参りはともかくとして、スタクル墓参りは意味あるの?本人達の転生がここに集合してるのに?

 

沙希「おはよ。まず海老名。サキサキ言うな。戸塚、空条先生ポジションはイヤだ。三浦、それだとあんたもコロニー落としだよ?波紋使いなら余裕だけど、あんたじゃ怪我するよ?由比ヶ浜に関しては同意だね。夏休みが待ち遠しいよ」

 

おお、川崎は律儀に全員に返した。

 

静「おはよ、みんな。あれ?そう言えばここっていつの間にかクラス最大のグループになってない?他のクラスメイトとかはむしろ関わり無いのに」

 

言われてみれば以前の葉山グループよりも人数が増えている!

 

八幡「そうか、やっぱり嘘つきはリア充の始まりだったんだな。よし、これからもバンバン嘘を…」

 

バリバリバリバリ!

 

あ、今度は後ろ首に波紋を流されて動けなくされた。

しかも喋ることが出来ない!操る波紋はダメ!豪華客船のエンジンシャフトを止めたくなる!

 

沙希「次に下らない発言をしたらサマーハプノ・サファイアで低血糖にするからね?何か既に下らない事を考えてそうな顔をしてるけど」

 

キーンコーンカーンコーン♪

あ、本鈴が鳴った。

 

徐倫「ホラホラ席につけー。特にそこの奉仕部連中」

 

徐倫がGDstジャケットを着て入ってきた。そう言えば大人組は海外組や杜王町組と夜通しドンチャン騒ぎしてたってジョジョを通じて仗助が言っていたらしいな。

大統領も混じって。

それで良いのか世界のトップとSPW財団!

あ、そう言えばそのドンチャン騒ぎに川崎も巻き込まれたんだっけ?バーテン役として。だから眠そうだったのか。関東支部の裏会計から給料を上乗せしておくか…。

奉仕部の給料は日本支部直轄だから、完全に越権か。仗助に交渉だな。

そして今日も授業が始まるのだが、俺は微動だに出来なかった。

おいウッカリツェペリ!略してウッペリ!

金縛り解いていけや!(# ゜Д゜)

仕事はおろか、真面目に授業を受けることも寝ることも逃げる事も出来ねぇじゃあねぇか!

瞬きも出来ねぇから目が乾く!ドライアイになる!

誰か助けてクレー!

関東支部からの特別ボーナスはこれで消えたと心の中で決意した。お前なんかサービス休日出勤で十分だ!このバカ!ボケナス!ウッペリー!

 

キングクリムゾン!

 

八幡「あーひどい目にあった…すぐに気付けよ!このウッペリ!昼休みまで放置って何?いろはが助けてくれなかったら放課後まで石像になってたの?」

 

いや、ホントね。別に波紋の技術で水分補給とかトイレとかは問題無かったんだけどさ。どこに敵スタンド使いがいるからわからないからスタンドも使えないし、必死に解除の波紋を試してみても波紋の呼吸も封じられてたから使えない。エメラルド・ヒーリングをされて何とか解除された。安定のエスナだ。

 

沙希「いやいやゴメンゴメン。何か動かないなーとは思っていたけどあたしが原因だったわ」

 

八幡「お前、金縛り禁止な」

 

助かったのはエメラルド・ヒーリングで体の凝りも治してくれたことだ。ただ金縛りを解かれただけだったら今頃体中がエコノミー症候群に陥っていたわ。

 

さて、今現在は放課後。F組の奉仕部はゾロゾロと奉仕部へ向かっていた。

ガラガラ…

 

F組部員「hello」

結衣「ヤッハロー」

海老名「ハロハロー」

 

大人組&いろは&小町&雪乃「hello」

陽乃「ヒャッハロー」

 

集団で挨拶するときは最近はhelloを使っている。

何か数名変なのが混じってなかったか?

 

露伴「やぁ、こんにちは。八幡君、静」

 

珍しく露伴先生が学校に来ていた。原稿さえ書ければこの人はどこででも仕事が出来るからな。やっぱり漫画家目指そうかな?

 

みんながみんな、それぞれの定位置に着く。

あ、大志は床で座禅を組み、小町特製波紋のマスク(中級者用)を着けて波紋の修行をしている。小町の席の横で勉強を見て貰いながら。

京ちゃんはジジイの膝の上にちょこんと座ってお昼寝しているな?

川崎は小町特製波紋のマスク(上級者用)を着けてジジイを教師に勉強を開始。ジジイはジジイで川崎から波紋の応用の修行をレクチャーされていた。

さて、俺もマスク(上級者用)を着けて仕事をするか。

波紋の精密訓練は今日は中止だ。誰かさんのせいで授業中に片付ける見積もりだった仕事が溜まっているため、急いで方つけなければならない。

今日は由比ヶ浜のサプライズバースデーパーティーを関東支部の会議室で予定されているので残業も出来ないしな。みんなが用意したプレゼントや雪ノ下が焼いたケーキ(医療班による検疫検査受検済み)

規模が小さい為、一昨日トリッシュさんのパーティーで使った大ホールではなく、小さな小ホールでのパーティーで、アーシス限定だが。上級幹部と新人のぺーぺーを同じ扱いをするわけにもいかないだろ?

あくまでも今日は身内だけの有志による非公式の誕生会だ。参加人数が多いから会場を押さえるのが大変だった。

ところがだ。こういうときにトラブルと言うのは起こるものだ。

 

ガラガラ…

 

誰かが無言で入ってきた。最近の修行と露伴先生のしごきによって痩せてきたメガネの男、材木座だ。

普段は痛々しい厨2発言と共に現れるこの男が、ただただ無言で入ってきてフラフラと雪ノ下とは反対側の長机の席に座る。

うつむき加減で力なく。

俺達もどう反応していいのかわからず、様子を伺っていると、レポート用紙を取り出して何かを書き始めていた。どうやら小説では無さそうだが…。

ジョジョが雪ノ下に目配せして何を書いているのか確認させる。

 

雪乃「た、退部届けですって!?材木座君?何があったの!?」

 

雪ノ下が尋ねると、材木座はポタポタと涙を落とし始めた。

 

材木座「う……うう……うおおおん!自分は……自分は情けない!師匠に会わせる顔がない!うおおおん!」

 

突然嘆き始めた材木座。

そこにピクッ!と反応したのが材木座の言う師匠、露伴先生だ。

 

露伴「どう言うことか説明してくれ、義輝くん。何故僕に会わせる顔が無いのか位置から説明をするんだ」

 

材木座「露伴先生!」

 

材木座が露伴先生を見た瞬間、右腕だけをガンズ・アンド・ローゼズの刃に変えて自分の腹に突き立てようとする。

 

八幡「ザ・ジェムストーン!時よ止まれ!」

承太郎「スター・プラチナ・ザ・ワールド!」

 

承太郎と二人がかりで時を止めて材木座を取り押さえる。

あっぶねぇ…いきなり切腹しようとしやがった。

前世と比べてメンタルが弱い男だが、変なところで間違った覚悟を決めやがる。

 

材木座「後生だぁ!死なせろ八幡!空条博士ぇ!自分は敬愛する露伴先生を悪く言うあいつらに言い返す事が出来なかったのだぁ!ドジこいたのだぁ!」

 

ザ・ジェムストーンとスター・プラチナのダブルスタンドに床にねじ伏せられ、わんわん泣き叫ぶ材木座。よほど悔しかったのだろう。

 

露伴「僕の悪口を?別に僕としては構わないんだけどね?最近では時代の移ろいで僕の絵とストーリーは君達の世代には受けない。それで色々と言われる事は多いが、僕は気にしていないのだがね」

 

露伴先生はそういう人だ。最近ではビジュアル系というか、美男美女とかカワイイ系というか、そういった作画が受け、異世界転生とかが流行っている中で、露伴先生の作品のような物は今では廃れつつある。

いや、先生の作品にはコアなファンがどの作品でも必ずいるのだが…。

 

材木座「ですが師匠!自分は悔しいのであります!」

 

ジョルノ「義輝。嘆くだけではわからない。順を追って説明してくれないか?」

 

材木座「自分がラノベ作家を目指しておるのは知っておるとは思う」

 

それは奉仕部のみならず、アーシス全体が知るところだが…

 

材木座「たまに息抜きとかでゲーセンに行くことも自分はある」

 

露伴「息抜きがいきすぎてゲームシナリオライターになるとか血迷った事もあったな。丁度川崎兄弟の騒ぎがあった頃だった。何になるにしてもマトモなものを書けるようになれと指導するのが大変だったよ」

 

あの時か…。いつまでも缶詰めだったから長いなぁとは思っていたけど。

 

材木座「ゲームのシナリオとかも見るのは勉強になる。○拳やストリー○ファイター、K○Fなどの格ゲーにはたかだか創作とバカに出来ないくらいシナリオがしっかりしているものも多数ある。自分はそれを見るためだけに格ゲーの腕を磨いたと言っても過言ではない。昨日もそのつもりでゲーセンに行ったのだが…」

 

ああ、そういう奴もたまにいるらしいな。純粋にゲームを楽しむために腕を磨く者、友達とコミュニケーションを取るため、知らないプレイヤーと交流を得るため、そして材木座のようなタイプの者。

楽しみかたは人それぞれだから良いのだが…。

問題が起きたのは昨日の夕方。

いつものようにネット対戦に参加せず、シナリオを研究するためにCPU戦をこなしていた材木座。中ボス戦をこなし、デモをぶつぶつ言いながら見ていた。

その途中で対戦台の反対側から乱入され、ボコボコにされたらしい。それは構わない。ゲームが弱い自分が悪いのだと割りきった材木座はゲーム仲間と共にそのシナリオについて色々と自分の考えを語った。そしていつかは自分もこんな風にラノベやシナリオライターで物語を出してみたいと語ったようなのだが…

対戦相手だった人間に「無理」だとか「夢見るな」とか言われたらしい。

そこで多少の口論になり、材木座は露伴先生のような作家になりたいとか言ったようだ。

その時はそれで終わったようなのだが、腹の虫が収まらなかった材木座はネットで散々煽り文句を書いたようだ。

その下衆加減に痺れぬ、憧れぬ。

だが、対戦相手はこの学校の生徒だったらしく、露伴先生の悪口と共に、正当性を示したいならゲームで決着着けることになったらしい。

 

八幡「…………ほとんどお前の自業自得と自爆じゃあないか。だが、お前の事はともかく…」

 

静「露伴先生の悪口は許せないね。本来なら放っておくところだけど…」

 

露伴「僕自身はどうでも良いんだけどね。わかってくれる人が僕の作品を読んでくれるだけで満足なんだが。この岸辺露伴は金やちやほやされるだけに漫画を書いているわけではない。だが、この流れは面白い。事の成り行きと結末は是非とも取材したい」

 

いつものリアリティー追求に火が着いちゃったよ。どんな小さな事でもリアリティーさを求めるのが露伴先生のスタイルだからな。

 

露伴「それで、僕の作品を理解できないダサい生徒は誰なんだい?義輝くん」

 

材木座「遊戯部という、今年新設された部活です。師匠」

 

 

←To be continued




今回はここまでです。

第3巻のハイライトともいえるエピソードです。
アニメ版で削られた理由は…多分、脱衣ゲームに発展したことと、由比ヶ浜との和解のスパイスとして試練を乗り越えて絆を深めたとはいえ、所詮はスパイスでしかなかった事だったから削られたのかな…とおもいます。
まぁ、あくまで私の予想なんですが…(多分、前者)

因みに、作者は格ゲーが好きで、KOFシリーズはそれなりにやっていました。まぁ、本作の材木座のようにストーリーを見るのが好きだったのですが、お陰でオロチ編とネスツ編の大抵のキャラを扱えるようになり、ゲーセンでもそこそこに対戦で勝てるくらいのレベルではありました。


それでは恒例のを

月曜日の表記は英語のみ➡一人多国籍軍

心の中でのツッコミ加筆

コロニーの件でガンダムネタ加筆

八幡が登校しても誰も気にしない➡F組アーシス集まるからの八幡金縛り。

しつこいようだが由比ヶ浜との関係リセットエピソードをリセット

材木座の超個人的な依頼が発生➡既に部員なので苦労しました

材木座のラノベ作家志望からゲームシナリオライター志望に転向➡露伴指導入りました

遊戯部とのトラブルの経緯は会話形式➡やたらに長いのでダイジェスト化


それでは次回もまたよろしくお願いいたします。

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