side比企谷八幡
ジジイとのおっかけっこが終わり、俺達は話の輪の中に戻ってきた。野郎クソジジイ…。ホントに棺桶に片足を突っ込んだ老人か?
ヴァレンタイン「ふむ。では間もなく会議も始まるので私は戻らせて貰おう。それでは改めて誕生日おめでとう。由比ヶ浜結衣くん」
結衣「は、はい!ありがとうございました!大統領!」
ヴァレンタイン「どジャアァン」
閣下は国旗と共に消えていった。ホントにアーシスには甘い人だな。大統領。
八幡「で、何を貰ったんだ?由比ヶ浜」
結衣「何かアップルウォッチみたいでそうじゃあない時計…ゆきのん達にも渡していたけど。あと水晶のチョーカー」
それって…。
八幡「閣下から正式にアーシスに任命されたな。由比ヶ浜と雪ノ下。その時計は万が一、別の平行世界に拐われたときに使う大統領への通信機だ」
俺はジェムストーンを出して腕を見せる。
八幡「リバース・タウンの腕に着けろ。これがお前の隊員章にもなる」
由比ヶ浜はリバース・タウンに通信機を渡し、リバース・タウンは通信機を腕にはめる。
R・T「似合いますか?」
うおっ!そう言えばスパイス・ガールやリーシャウロン・アクアマリンのように意思を持っていたんだった!
最近由比ヶ浜がリバース・タウンを出すこと無かったから忘れてた!
八幡「あ、ああ。よく似合ってる…頼むから拳を当てないでくれよ?不運になりたくない」
R・T「わかりました。ヒッキー様」
リバース・タウンはそう言って由比ヶ浜の中に引っ込む。
八幡「話し相手に困らないスタンドだな」
結衣「人前で勝手に出てくることあるからたまに疲れるんだよね…。会話すると回りからは一人で喋っているように見られるし」
ミスタ「わかる……わかるぞユイ。俺のピストルズなんて更に飯まで食うから食い散らかして大変なんだ…」
変なところで意気投合するミスタさんと由比ヶ浜。
結衣「あははは…お互い大変ですよね?ミスタさん」
そう言って由比ヶ浜はみんなに向き直り、笑顔になる。
結衣「いやー、みんなホントにありがとー!今までで一番嬉しい誕生日かもしんない!」
由比ヶ浜がプレゼントの山を見ながら言う。ホントに山が形成されてるから凄いな…。
雪乃「大袈裟ね」
結衣「そんなことないよ!本当に嬉しいもん!今までパパとママに誕生日してもらえるのも嬉しかったんだけどさ……やっぱり、今年は特別……ジョースター家の皆さんやアーシスのみんな…それに奉仕部のみんなも…ありがとうございました!それに…もちろんパパとママも」
承太郎「仲間に対して当たり前の事をしただけだ」
雪乃「そうですよね…空条博士」
そっぽを向く承太郎と雪ノ下。由比ヶ浜は相変わらずにっこりとした笑顔を向けている。確かにいい誕生日だ。
材木座「自分の誕生日なんて、ケーキ代込みで一万円を渡されるだけだぞ!他はケンタ買ってくるくらいだな」
戸塚「え?そうなの?僕の家はケーキ用意されてるし、翌朝枕元にプレゼント置いてあるけど。日本の誕生日祝いってこんな贅沢なんだって思ったよ?前世が貧民街出身だったって事もあるから、こんな贅沢させてくれてありがとうって感謝してるんだ!」
何か別の行事が混ざっているぞ?それ。
材木座のケンタもそうだが。だが、戸塚はカワイイからな。戸塚の両親はグッジョブだ。
我が家や一色家の場合はジョースター家が押し寄せてくるか、または大きな空条家に招待されるか、今回のような小ホールで誕生会をやるか…。もはや家族ぐるみの付き合いだからな。特にジジイとホリィさんがそういうのが大好きだ。
八幡「俺なんてジョースター家といっしょくた扱いだが、それ以前は適当だったぜ?なんせ俺が8月8日生まれだから八幡ってつけたくらいだ」
結衣「ホントに適当だ!」
だよな?俺もそう思う。が、雪ノ下的にはそうでもないらしい。
雪乃「けれど、名前の付け方なんてそういうものではないの?私だって似たようなものよ。生まれた時に雪が降っていたからってだけだもの」
ジョルノ「僕と似たようなものかもね。あの家系らしいよ」
陽乃「ジョルノ兄さん…」
同じような奴、いるもんだなぁ。とは思ったが雪乃という名前は雪ノ下にはよく合っているように感じたので黙っていた。陽乃さんの場合もよく合っている。
ジョルノの場合は今も本名もその精神姓が合っているけど、本人が棄てた名前なのだから何も言うまい。
小町「でも、ジョルノお兄ちゃんも陽乃さんも雪乃さんも、綺麗な名前で好きですよ?」
ジョルノ「ありがとう、小町」
陽乃「私達も嫌いじゃあ無いんだよ?むしろ気に入ってるんだ。一度名を変えたときも、下の名前だけは変えなかったんだよね」
雪乃「小町という名前もあなたによく似合っていて素敵だと思う」
小町「雪乃さん…」
八幡「おい、雪ノ下やめろ、人の妹を誘惑するな。邪悪の化身が見ているぞ!」
陽乃「比企谷八幡!貴様見ているなぁ!」
おーい、ユリの花を咲かせるなぁ~。
材木座「我は祖父が名付けた。自分の二つ前の前世は足利義輝だったに違いない!」
百合の花を散らせたのは良いんだが、偶然だろ偶然。大人しくゲルマン軍人やっていろ。
戸塚「あははは!じゃあ僕が一番普通かもね。彩りを加えた人生になりますようにってだかだから」
八幡「名は体を現すって奴だな。戸塚は俺達の人生に彩りを加えてるもんな」
前世も、そのカワイイ今も。
戸塚「もう、からかうの禁止!怒るよ?」
下手なことを言うとホール・シンクスで黄金の回転エネルギーをやられるからやめておこう。
戸塚「ねぇ、ねぇ由比ヶ浜さんはなんで結衣って名前なの?」
結衣「へ?あたし?…うーん、聞いたことがなかったなぁ…後で聞いてくるね?ママ達、今東方先生とお話ししているから。………あ」
静「どうしたの?」
結衣「今気づいたんだけど、あたしだけあだ名がないなーって」
八幡「うん?確かにハッチ、イーハ、マーチ、ハルさん、各代のジョジョ、ジジイ、あーしさん、腐女子、ゆきのん、彩ちゃん、中二、うっぺり姉に弟…確かにな」
三浦「あーしさんって何だし!」
海老名「間違ってない…なか?」
沙希「うっぺり言うな!」
大志「俺もうっぺりなんですか……」
静「ハッチだって初代ジョジョじゃん」
ジョセフ「ワシは2代目ジョジョじゃ!ワシだけジョジョの枠組みからはずすんじゃあない!」
いろは「ハチ君から初めてイーハって言われた。てっきりいろはすとか言うかと思ったのに」
俺の大事なお前にツッコミ以外でいろはす言うか。ジジイはジジイで十分だ。
小町「というか、お兄ちゃんだけ異様にあだ名が多いよね。ゴミぃちゃん、ハチ君、ハッチ、ヒキオ、ジョジョ、DIO、ヒッキー…仲が悪かったときは雪乃さんも変なあだ名を付けていたし」
八幡「半数近くが不本意に呼ばれてるがな。特に一番最初のはマジで勘弁して。お兄ちゃん、悲しくてらせん階段、カブトムシ…」
陽乃「だからオーバーヘブンをしようとするな!せっかく救った世界が滅ぶでしょ!みんな、八幡くんがカブトムシを何回か言い始めたら殴って止めて!良い!?特に康一さんは迷わずにact3!良いですね!?」
危なかった。時々オーバーヘブンをやりかける。
カブトムシは絶滅させるべきだろうか?いちじくも…
小町「と、とりあえず結衣さんに素敵なあだ名を付けてあげるということで!」
結衣「小町ちゃん良い子だ!よし、じゃあ今日から小町ちゃんは……」
小町「マッチなんてセンスないあだ名を付けたら指を空に向けますよ?小町には既にジョジョお姉ちゃんが付けたマーチってあだ名がありますからね?」
八幡「高級ホテルを一瞬にして瓦礫に変える気か!最近はやたらに『コアラのマーチ』になるしな」
小町「………………」
スッ…と小町は俺に指を向ける。やめて、無言の真顔で
サンシャイン・ルビーを出さないで。
八幡「悪かったからルビーレーザーはやめろ!コアラのマーチは大歓迎だから!デスマーチはやめて!」
小町「……今夜は一晩中コアラのマーチ確定だからね」
今日は別の意味で眠れない夜になりそうだ。理性の化け物にならなければ。
結衣「あははは……あれはイヤだ」
海老名「ユイッチは?」
三浦「あーしらはユイって呼ぶのが当たり前になっちゃったから今さらだし」
材木座「千葉の
どこの夜叉神だよ!どこの
結衣「それって単なるスタンド能力じゃん」
静「二つ名とあだ名は違うっつーの!」
雪乃「ゆいのんっていうのは?」
結衣「えー、ごろが悪い」
雪乃「あなた…自分のセンスを棚にあげて…ならばあなたが自分で考えるのはどうかしら?」
自分のあだ名を自分で考えるって…。
結衣「なんか痛いなぁ」
静「十分痛いから大丈夫よ?」
ジョジョ……それは俺も思った。
結衣「るっさい!ていうか、痛くないし!すっごい普通だし!」
ポン♪
雪乃「確かに普通だわ。凡庸ね」
陽乃「変わっているのはスタンド能力ね」
ジョルノ「人間、不思議だよね。自分を普通と言っているほど変人だし、変人と自称している人ほど他人から見たら普通なんだ」
ここで出ました黒ジョバァーナファミリー!なに?この愛と友情のジョバァーナスリープラトン!そしてハンドシグナル!
結衣「なんかすごい傷つく言い方された!」
八幡「安心しろ。その内慣れる。良いからあだ名を考えてみろって」
結衣「慣れるんだ……ジョルノさんのキラージョークに慣れちゃってるんだ…さすがヒッキー…。あ、由比ヶ浜結衣だから『ゆいゆい』とか?」
海老名「フハハッ クックックッ ヒヒヒヒヒケケケケケ ノォホホノォホヘラヘラヘラヘラ アヘアヘアヘ」
ジョセフ「花京院……その笑いはアラビア・ファッツの時の事を思い出すからやめてくれんかのう」
結衣「ちょっと!何で笑うのよぉ!」
由比ヶ浜が海老名に食ってかかるが、海老名と三浦はゲラゲラ笑う。
一方では…
戸塚「僕はカワイイと思うけどな」
承太郎「どことなくジョジョとつけられ方は同じ感覚で親しみが沸くな」
承太郎がそう言うとそれっぽく聞こえる。
ジョルノ「イタリアではJOJOとはヨゥヨゥと発音されます」
あー、イタリアではGIOGIOと書くもんな。
材木座「ふむ。言っている内に慣れ親しむことはあろう。自分も最初は剣豪大佐に違和感を感じたが、3日もしている内に慣れた」
静「アーシスもそうだったね。母体のCCのままでって意見もあったけど、名乗っている内に慣れたというか」
まぁ、わかる。アーシスも最初はクリスタル・クルセイダーズのままで良かったんじゃね?と、首をひねったけれど、今ではアーシスの名前に愛着があるし。
結衣「アーシスも最初はそうだったんだ。でも中二のとは一緒にしないでね?」
助け船を出した材木座を沈め、由比ヶ浜が俺に向き直る。
結衣「ヒッキー!初代ジョジョとして「だが断る!」何でだし!」
ユイユイは抵抗がある。ならばむしろ由比ヶ浜からユイを抜いて…
八幡「ガハマさん」
結衣「意地でもユイって言わない気だ!」
いろは「安定のひねくれ具合だね……ハチ君」
いろはは少し嬉しそうな顔をした。
結局、由比ヶ浜の事は名前で呼ぶことに決まり、俺はガハマさんよびしまくったらスネてしまった。
徐倫から止めてやりなさい…と拳骨をもらった。
それからはカラオケタイム。
材木座………『ガオ○イガー』と『マイト○イン』は止めろ。お前の声は主人公にそっくりすぎる。
雪ノ下は以外と歌が上手かった。普段の声が低いから高い声は苦手だと思ったら、以外と高い声も似合っていた。
由比ヶ浜の誕生日祝いのアットホームなパーティーは、それぞれの心に温かい気持ちを運んだ。
来月は陽乃さんとジョジョの合同誕生日パーティーだな。
この時はあいつを除いたクリスタル・クルセイダーズのみんなが揃うだろう。東京からもカフェのあの人が来るだろうし。驚くかもな。
多分、それが俺の最後の………。
ちなみに帰りにはミスタさんが運転する四年前にお世話になったあのマイクロバスだった。
←To be continued
第3巻エンド……
第4巻スタート!
はい、第3巻終了です。
そして、第3章の最後を飾る巻となります。
つまり………汐華との決戦です。
その前に、いくつかの再会がありますが。
原作との相違点
八幡の誕生日は一万円を渡されてるだけ。小町はレストランで食事した後にプレゼントを買いに行く➡ジョースター家、一色家が絡み、同じようにホームパーティー。
帰りに平塚先生との遭遇はなし。どう考えてもドンパチになるため。必然的に7、5巻のボーナストラックは削除。
それでは次回もまた、よろしくお願いいたします。